いつもどおりに眠れぬ夜を過ごしたアインズ様は、たまにはゆっくりしようと決意するが────
◇ナザリックの朝────
「おはよう! フォアイル、リュミエール!」[シクス]
「おはよう、シクスス。気合入ってるね」[フォア]
「おはようございます。当然でしょうフォアイル。シクススは今日アインズ様当番なのですから」[リュミ]
「そう! 私は今日アインズ様当番!
「いいなぁ、シクスス。私まだアインズ様当番回ってきてないんだよねぇ」[フォア]
「…………既に当番は一周以上しているはずですが? アルベド様に確認してきてあげましょうか?」[リュミ]
「ああっ! 嘘だよ、嘘だよ! …………でも、本当に嘘ってわけでもないんだけど」[フォア]
「アインズ様当番に、アインズ様へのご奉仕が含まれるようになったのはつい最近だからねぇ」[シクス]
「うぅ…………私の当番が終わったすぐ後だったんだよ…………」[フォア]
「そうでしたね…………ご愁傷様です、フォアイル」[リュミ]
「そう思うなら…………代わってくれる? リュミエール」[フォア]
「それはありえませんね。私だって待ち遠しいのですから」[リュミ]
「そうだよねぇ…………」[フォア]
「ほらほら、暗くならないの! 必ず当番は回ってくるんだから、今日は今日の仕事を頑張りましょう?」[シクス]
「…………そうね! よし、いっぱいご飯食べて、今日もバリバリ働くぞ!」[フォア]
「ええ、頑張りましょう」[リュミ]
「おおー、やる気マンマンっすねー」[ルプ]
「ひゃっ! ル、ルプスレギナさん?」[シクス]
「驚かせないで下さいよー。もー」[フォア]
「…………心臓が口から飛び出るかと思いました」[リュミ]
「にっしっし、三人ともいいリアクションっす。やっぱり不可視化からの声掛けコンボは鉄板っすね。…………それにしてもシクススは今日アインズ様当番っすかー。羨ましいっすねー(モミモミ)」[ルプ]
「あっ、ちょ、ちょっとルプスレギナさん!? 揉まないでくださいよ!」[シクス]
「これか! これでアインズ様にご奉仕するっすかー!?」[ルプ]
「そ…………それは、アインズ様がお望みであれば…………////」[シクス]
「むきぃいいいいっ! 羨ましいっすーーー!!(モニュモニュモニュモニュ)」[ルプ]
「ああっ、そんなに激しくしたら服にシワができちゃいますよー!」[シクス]
「…………いじめ、よくない(パスッ!)」[シズ]
「痛っ!? シ、シズ? ナザリック内での発砲は禁止っすよ!?」[ルプ]
「…………大丈夫。
「いやだから、前も言ったっすけど銃で峰撃ちってなんすか!?」[ルプ]
「…………(パスッ! パスッ!)」[シズ]
「痛っ! ちょ、痛いっす! 食事の約束すっぽかしたのは謝るっすからーー!!」[ルプ]
「…………不可視化まで使って(パスッ! パスッ! パスッ! パスッ! パスッ! シャコンッ)」[シズ]
「痛ぁーーーーっ!! しかも、さらに
「……………………さ、私たちは今のうちに食事に行きましょうか」[リュミ]
「そ、そうね。私も早めに食事を終わらせて、身だしなみを整えなきゃ」[シクス]
「う、うん。巻き込まれないうちに早く行こう!」[フォア]
「あぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」[ルプ]
◆アインズ様の朝────
「おはよう、アルベド。良く眠れたか?」
「はい、アインズ様の腕枕のおかげで♡」[アル]
「…………そうか(骨なんだけど…………)」
「はい♡」[アル]
「…………んんっ! あー、アルベドよ、体の調子はどうだ? 問題ないか?」
「もちろんでございます、アインズ様。むしろ最近は調子が良くて調子が良くて…………」[アル]
「う、うむ、そうか。それは何よりだ(俺は逆に疲れ気味だけど…………アンデッドなのに)」
「こう、力が漲ると申しますか、レベルが百を突破しているのではないかと思うくらいに絶好調なのです」[アル]
「……………………(あれ? もしかして俺、アルベドに経験値吸い取られてる? いや、まさかな…………)」
「どうかなさいましたか? アインズ様」[アル]
「い、いや、何でもない、アルベドよ…………では、ニ時間後に本日の活動について打ち合わせをする。準備を整えたら改めて私の部屋に来い」
「畏まりました、アインズ様。まずは────────一緒にお風呂に入りましょうか♡」[アル]
「あっ、はい」
◆アインズ様、朝の打ち合わせ────
「────────ではアルベド。昨晩から今朝にかけて、ナザリック内でなにか私に報告すべき事案はあったか?」
「はい、アインズ様。今朝、食堂で発砲事件が一件ございましたが、それ以外に報告すべきことは特にございません」[アル]
「…………発砲事件?」
「はい。一緒に食事する約束をすっぽかされたシズが、ルプスレギナに向けて十六回発砲したようです」[アル]
「……………………(食堂で発砲とか…………アメリカの大学かよ)」
「シズにはなにか処罰を?」[アル]
「…………いや、よい。ナザリックの施設や一般メイドに害がなかったのであれば、今回のことは不問とする。ただし、今後は制裁に武器や
「はっ、そのように致します」[アル]
「うむ。では次に私の予定だが…………午前中は静養に当てることとする(なんか疲れたからな)」
「畏まりました、ゆっくりとご静養ください」[アル]
「まあ、午後からはいつも通りエ・ランテルでモモンとして活動する予定だがな」
「パンドラズアクターにでも任せて、丸一日ご静養に当てられたらいかかですか?」[アル]
「いや、向こうの用事は早めに切り上げて帰ってくる予定だから問題ない。それからナザリックに戻ったあとは、男性守護者やセバスと共にスパにでも行こうかと思っている」
「私とではなく、デミウルゴスやコキュートスとですか?」[アル]
「うむ。お前たちに構ってばかりで、彼らとコミュニケーションが取れていないからな。たまには男同士で親交を深めることも必要だろう」
「なるほど、畏まりました。では男性守護者各位、およびセバスには私から伝えておきますか?」[アル]
「いや、それには及ばない。私が直接
「私に休み、でございますか? 先程も申し上げましたが、私の体調はむしろ絶好調ですので休みなどは…………」[アル]
「アルベドよ。その体は、もはやお前だけのものではあるまい」
「もちろんでございます! この体も心も、全てはアインズ様のもの♡!」[アル]
「い、いや、そうではない。母体を労われと言っているのだ」
「ア、アインズ様…………!」[アル]
「お前の体調がいいにしろ悪いにしろ、普段と違う時点でそれは
「畏まりました、アインズ様。アインズ様の深い洞察とご慈悲に従い、私は本日休養を取らせていただきます。その中で自らの体と向き合い、万全の体調でアインズ様の御子を出産できるよう…………」[アル]
「アルベド。せっかくの休みなのだぞ? そう固く考えずに肩の力を抜け」
「ふふふ…………はい、アインズ様♡」[アル]
「…………っ! (そういうふうに微笑むと、ほんと女神みたいに綺麗だな…………)」
「? どうかなさいましたか?」[アル]
「い、いや、何でもない。では、本日の打ち合わせはここまでとする。アウラとシャルティアには私から
「はい♡ では失礼いたします、アインズ様♡」[アル]
「………………………………ふぅ。なんか最近になってアルベド、より綺麗になってきたよなぁ。なんだろ、やっぱりホルモンバランスとかが影響してるんだろうか? それとも、もうすぐ母親になることで内面から変化が? ……………………俺は…………俺はどうなんだ? もうすぐ父親になるんだ。俺はしっかり出来てるのか? ………………………………休んでる場合じゃないな、支配者ロールの練習でもするか…………」
◇守護者女性陣の休日────
「────────そしてアインズ様はこう仰ったの「ああ、愛しているぞ、アルベド! 私は我が子を宿した愛しいお前の体が心配でならない! だから今日は休め! そしてまた明日から、その美しい体で私を抱きしめ、愛という名の衣で私の心を包み込んでくれ!」────と」[アル]
「……………………」[アウ、シャル]
「その後アインズ様は「さあ、体の力を抜け。目を閉じ、耳を塞ぎ、快楽のみに神経を集中させるのだ」────そう囁きながら私をベッドに押し倒し…………」[アル]
「はいダウトーーーっ!」[アウ]
「な、なによアウラ。いきなり大きな声出して」[アル]
「いや、どう考えたって盛りすぎでしょ。それに最後の話、アルベドが押し倒される? ないない。だって我慢できなくなって自分から押し倒してばっかりじゃん」[アウ]
「うっ…………どうしてそれを…………」[アル]
「アインズ様から聞いた」[アウ]
「あぁ…………アインズ様。なぜ私との
「うわぁ…………」[アウ]
「あら、アウラ。そんな反応していいのかしら?
「うっ…………それって…………」[アウ]
「あなた、〇〇〇よりも〇〇〇の方が好きなんですってねぇ。しかも普段は活発なあなたが、〇〇〇を〇〇〇〇ながら〇〇〇〇されているときは、まるでマーレのように大人しくなるんですって? 意外だったわぁ」[アル]
「うわーーーっ!! うわーーーっ!! な、なんでそんなことまで知ってるのさ!」[アウ]
「うふふ…………守護者統括を侮らないことね。私はこのナザリック内で起きた出来事なら、ほとんど把握しているのよ?」[アル]
「ま…………まさか、あのことも…………」[アウ]
「ああ、あなたがアインズ様にお願いして〇〇してもらったこと?」[アル]
「やーめーてーーーっ!!」[アウ]
「………………………………うぅ、話に入っていけないでありんすぅ…………」[シャル]
◇村娘と大英雄(見送る兵士達)────
「────────では、この娘の身元は私が保証する。それでいいな?」
「「はっ! 問題ありません、モモン様!」」[モブ兵士達]
「うむ。では行こうか、エンリ・エモット」
「は、はいっ!」[エン]
「……………………ふぅ、さすがはアダマンタイト級冒険者の中でも随一と呼ばれるモモン様だ。実際に見ると迫力が違うな」[モブ兵士A]
「ああ。威圧感というか、貫禄というか…………そういった目に見えないものが物理的な圧力でも持っているかのようだった」[モ兵B]
「まさしく大英雄の称号に相応しい方だったな」[モ兵C]
「しかし…………あのエンリ・エモットという村娘は、そのまま通してしまって良かったのか?」[モ兵D]
「いいだろ。モモン様がいいって言ってるんだから」[モ兵A]
「ああ、何も問題はない。ですよね?」[モ兵B]
「うむ。かの御仁がわざわざ身元保証人を買って出るほどだ。やはりただの村娘ではないのだろうが、同時にこのエ・ランテンルに害をなす存在だとも思えない」[モブ魔法詠唱者]
「そうそう。なんてったってモモン様は、この都市どころか王都まで救った大英雄だからな」[モ兵C]
「…………そうだな。うん、何も問題はない。しかし、あのエンリ・エモットという村娘とモモン様の関係はいったい…………?」[モ兵D]
「現地妻じゃないか? そこそこ可愛い娘だったし」[モ兵B]
「あっ、俺もそう思った」[モ兵C]
「やっぱ、アダマンタイト級冒険者ともなるとモテるんだろうなぁ…………」[モ兵A]
「うむ。かの御仁であれば、現地妻が五人…………いや十人以上いても不思議ではない」[モ魔]
「す、すごいな。十人とか…………俺なんてまだ一人も…………」[モ兵D]
「お、なんだお前。まだ童貞か? 童貞なら、俺がいい人紹介してやろうか?」[モ兵B]
「……………………いいよ。あれだろ? ガガーランさんだろ?」[モ兵D]
「バレたか」[モ兵B]
「そんだけ童貞を強調されればな。だいたい、初体験があの人とかレベル高すぎるだろ。へし折れるわ」[モ兵D]
「人間的にはすごく好感の持てる人なんだがなぁ。やっぱりそっちの対象となると、リーダーのラキュース様か」[モ兵B]
「俺はイビルアイちゃんの方が…………」[モ兵D]
「…………えっ? お前って、ロ…………」[モ兵B]
「おい、お前達それぐらいにしておけ。まだまだ後がつかえてるぞ」[モ魔]
「「はっ!」」[モ兵達]
◇村娘と大英雄────
「あの、ありがとうございました!」[エン]
「いや、気にするな。礼ならンフィーレアくんにするといい。彼が君のことを随分気にかけているようだったから、私も覚えていただけだ」
「ンフィーレアが…………」[エン]
「私は彼の友人だからな。友人が大事に思っている人を見捨てるわけにはいくまい」
「だ、大事って、私たちはそんな」[エン]
「君の気持ちはどうだか知らないが、彼の気持ちは見ていればわかる。…………君だって、本当は気づいているんだろう?」
「…………////」[エン]
「おっと、余計なことを言ってはンフィーレアくんに怒られてしまうな。それで、君はなぜこの街に?」
「は、はい。あの、森で採れた薬草を売りに来ました。その後は神殿に行って村へ移住したい人がいないかの確認と…………あと村にはない品物の購入。それと冒険者組合にお話があって…………」[エン]
「…………冒険者組合に?」
「はい。私の村────カルネ村近くにトブの大森林というのがあるのですが…………あっ、モモン様はもうご存知でしたよね」[エン]
「ああ、ンフィーレアくんの依頼で訪れたからな」
「そのトブの大森林で異変が起きているようなんです。なんでも東の巨人や西の魔蛇という強大な力を持つ存在が、滅びの建物とかいう場所に住んでいるもっと恐ろしい存在────滅びの王と戦う為に色々と動いていて、森の勢力図が不安定になっているんだとか…………」[エン]
「…………なるほど(滅びの王ってのは…………たぶん俺、だよな? でも、東の巨人に西の魔蛇? そんな奴らが居るなんて聞いてないぞ…………)」
「下手ををするとカルネ村にも魔物が押し寄せてくる可能性もあるので、その辺のことを冒険者組合に相談出来たらと…………モモン様?」[エン]
「あ、ああ、すまん。少し考え事をしていてな。うむ。そういうことなら、冒険者組合に相談するといいだろう。私もこれから向かう予定だから、先に行って話を通しておく。無下には扱われないはずだ」
「そ、そんな! そこまでお手を煩わせる訳には…………」[エン]
「いや、いいのだよ。君が私の知り合いだと伝えておくだけだ。手間というほどのものではない」
「あ、ありがとうございます!」[エン]
「ンフィーレアくんも今はカルネ村に暮らしていることだし、他人事ではないからな。村に戻ったら彼にはよろしく伝えておいてくれ」
「は、はい(ンフィーレアって、こんなすごい人とも仲が良かったんだ…………すごいなぁ)」[エン]
「では私は一足先に冒険者組合に向かわせてもらおう。君も用事を済ませた後で寄るといい」
「はい、ありがとうございます…………あれ?」[エン]
「ん? どうかしたかね?」
「いえ、あの…………モモン様の声って、どこかで聞いたことあるような気がして」[エン]
「…………〈精神沈静化〉…………気のせいじゃないか? 世の中には似たような声の他人が、探せば三人くらいはいるというからな。私と似た声だって二、三人いても不思議じゃない」
「そう…………そうですよね! すいません、変なこと言ってしまって」[エン]
「いやいや、構わないとも。では疑問も解けたようだし、私はこれで失礼するよ(あっぶね! でもまあ、声くらいで同一人物だと特定はできないだろ)」
「あ、はい! 本当にありがとうございました! (あっ、わかった。モモン様の声って、ゴウン様と似てるんだ。……………………でも、そんなはずないよね!)」[エン]
◇支配者と犬────
「ルプスレギナ。なぜ呼ばれたか、その理由は分かるか?」
「申し訳ありません、アインズ様。私にはなぜ呼ばれたのか理由が分かりません」[ルプ]
「そうか。では質問を変えよう。東の巨人に西の魔蛇────この名前に聞き覚えはあるか?」
「あっ、はい。その二つの名前はつい最近カルネ村で耳にしました」[ルプ]
「…………なぜそれを報告しなかったのだ?」
「申し訳ありません。ハムスケと同程度の力しか持たない存在だと聞きましたので、さして重要なことではないかと…………」[ルプ]
「ふむ…………ルプスレギナよ」
「はっ」[ルプ]
「お前たちナザリックの外で働く者たちは、この私────アインズ・ウール・ゴウンの目であり耳である」
「はっ、そのように仰っていただき、感謝の言葉も────」[ルプ]
「その目が見、耳が聞いたことを頭である私が理解していない。それがどういうことだか分かるか?」
「…………! そ、それは…………」[ルプ]
「目と耳が正常に働いていないか、もしくは頭の方がちゃんと機能していないのか…………どちらにせよ、それは私自信に欠陥がある、ということになる」
「そのようなことはございません! 至高なるアインズ様に欠陥など!」[ルプ]
「ルプスレギナよ。私が言いたいのは、お前も…………いやお前だけではない、このナザリックに存在する全ての者は私の一部。そう思っているということだ」
「ア、アインズ様…………!」[ルプ]
「私はお前たちを自分の目や耳と同様に信頼している。そしてその期待は今も、そしてこれから先も変わらないだろう。────ルプスレギナよ、お前も私の期待に応え、今後はどのように些細なことでも報告を上げてくれるな?」
「は、はっ! このルプスレギナ・ベータ! アインズ様の目として、耳として、恥ずかしくない働きをすることを誓います!」[ルプ]
「うむ。励め」
「はいっ!! あっ、そうだアインズ様。ンフィーレアから新しく完成したポーションを預かっています。まだ試作品だそうですが」[ルプ]
「よーし、よしよし。早速実践できているな、偉いぞルプスレギナ(わしわしわしわしっ)」
「あっ、あうあう…………くぅ~ん」[ルプ]
◆支配者と犬(退室後)────
「ぽけー…………」[ルプ]
「…………どうしたの? ルプスレギナ。そんなあからさまにぽけーっとして」[ユリ]
「…………アインズ様、ちょうステキっす…………」[ルプ]
「今更なに言ってるのよ」[ユリ]
「違うっす! ちょう…………ちょうステキっす!」[ルプ]
「ええ、そうよね」[ユリ]
「なんかもう、さっき頭を撫でられたときは、飛びついて押し倒して顔をペロペロしそうだったっすよ!」[ルプ]
「…………それはやらなくて良かったわね。完全に不敬だわ」[ユリ]
「あぁ~…………ムラムラするっすーーーっ!! アインズ様にじゃれつきたいっす! アインズ様とお外に行きたいっす! アインズ様と〇〇したいっすーーーっ!!」[ルプ]
「…………もう完全に犬ね」[ユリ]
◇支配者と犬(アインズ様とアウラ)────
「────────アインズ様と〇〇したいっすーーーっ!!」[ルプ]
「……………………」
「あんな大きな声で叫んで…………まあ、気持ちは分かるけど」[アウ]
「…………この扉、意外と声が通るんだな」
「? なにか仰いましたか? アインズ様」[アル]
「い、いや、何でもない。それよりアウラ、お前には心当たりはないか? 東の巨人と西の魔蛇」
「申し訳ありません、アインズ様。一応森の地表部分は探索しているのですが、脅威となるようなモンスターは発見できていません」[アウ]
「まあ、ハムスケと同程度なら仕方ない。一応念の為に確認だけはしておくか。アウラ、探せるか?」
「はい。ハムスケと同じくらいの雑魚モンスターですね。あたしのシモベに探索させれば、すぐ見つかると思います」[アウ]
「よし、では任せた」
「はい、アインズ様!」[アウ]
◇滅びの王と、雑魚二匹────
「────────私の名前はアインズ・ウール・ゴウン」
「ふぁふぁふぁふぁ! 臆病者の名前だ! 俺様の名前は…………」[グ]
「誰が臆病者だコラァッ!! (ボグシャァ!)」[アウ]
「グペッ!?」[グ]
「あぁっ!? もういっぺん言ってみろや!? いや、やっぱお前は口を開くな!! (グシャァッ! メキィッ! ガボォッ!)」[アウ]
「ガッ! ベプッ! オゴォッ!」[グ]
「このクズがっ! ゴミがっ! カスがっ! お前ごとき虫けらがアインズ様を…………アインズ様を臆病者だと言ったなっ!!?(グッチャ! グッチャ! グッチャ! グッチャ! グッチャ!)」[アウ]
「……………………」[グだったもの]
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……………………おい、そこの蛇」[アウ]
「はひぃ!」[リュラ]
「…………お前も、アインズ様の名前が臆病者の名前だ…………とか言うつもりはないよね?」[アウ]
「も、も、も、もちろんでございますっ! アインズ・ウール・ゴウン様こそ覇者の名前! この世で最も尊く、気高く、美しい名前でございますっ!」[リュラ]
「うん、その通り。お前は運が良かったよ、蛇。もしここにいるのがあたしじゃなくて弟のマーレだったら…………」[アウ]
「あ、あなた様の
「今頃ここはトブの大森林じゃなくて────────トブの荒野になってただろうね」[アウ]
「ひぃいいいいいいいいいっ!!」[リュラ]
「……………………(マーレは怒らせないように気を付けよう)」
◆カルネ村は襲撃されなかった────
「────────ふぅ、とりあえず今日一日は何事もなかったわね」[エン]
「うん。暫くは警戒が必要かもしれないけど、ゴウン様のおかげで村の防備もだいぶ整ってきたし、ブリタさんやジュゲムたちと話し合って避難計画も立てられた。四方八方から魔物の大群に襲われでもしない限り大丈夫だと思うよ」[ンフィ]
「…………ね、ンフィーレア」[エン]
「なに? エンリ」[ンフィ]
「結婚しよっか」[エン]
「な、な、な…………っ! きゅ、急に何を!?」[ンフィ]
「嫌だった?」[エン]
「そんなことないよ! むしろすごく嬉しいんだけど…………いきなりだったからさ」[ンフィ]
「ある人に言われて、考えてたんだ。ンフィーレアが私のことを好きだっていうのはなんとなく気がついてたんだけど、私はンフィーレアのことどう思ってるんだろうって」[エン]
「そ、それで…………?(ゴクリ)」[ンフィ]
「好きとかそういう気持ちは、正直よくわからない。でも、ンフィーレアとはずっと仲良しでいたいし、離れ離れにはなりたくないって思う。…………これって、好きってことなのかな?」[エン]
「ぼ、僕はそう思うよ! うん、たぶんそうだと思う!」[ンフィ]
「うふふ…………そっか。じゃあ、両思いだね」[エン]
「(い、今の雰囲気なら、このまま押し切れるんじゃないか!?)…………エ、エンリ!」[ンフィ]
「あ、そうだ」[エン]
「ん、ゴホン! な、なんだい、エンリ?」[ンフィ]
「私に考えるきっかけをくれた人…………モモン様が、ンフィーレアによろしくって言ってたよ」[エン]
「…………! エ、エンリに僕のことを考えるきっかけを与えてくれた人って、ゴ…………モモン様なの!?」[ンフィ]
「そうだよ。エ・ランテルに行った時に入口のところで検問に引っかかっちゃって、それを助けてもらった時にお話させてもらったの」[エン]
「…………(アインズ・ウール・ゴウン様! 僕の命を救い、生涯の仕事を与えてくれたばかりか、私生活のケアにまで心を砕いてくださるなんて…………! なんて、なんて慈悲深い御方なんだろう! このンフィーレア・バレアレ、心からの忠誠を誓います! アインズ・ウール・ゴウン様バンザイ!)」[ンフィ]
「ど、どうしたのンフィーレア? 急に勢いよく両手を挙げたりして…………」[エン]
「なんでもないよ、エンリ。さ、もうベッドに行こうか」[ンフィ]
「え、もう? 流石に寝るには早い時間じゃ…………」[エン]
「眠るだけがベッドですることじゃないよ(キランッ)」[ンフィ]
「あ…………(なんか、ンフィーレアが男の顔してる…………ちょっと、カッコイイかも)」[エン]
「……………………入るタイミングを失ったっす。でもまあ、二人が一戦交えるのを観戦した直後に乱入するのもいいっすね~♪」[ルプ]
◇お呼ばれした三人────
「すごい! こんなの凄すぎるよ!」[ネム]
「ははは、そうだろうそうだろう。私と仲間で精魂込めて作り上げたものだ。メイド達も毎日綺麗に掃除してくれているしな。感謝しているぞ、シクスス」
「アインズ様…………!」[シクス]
「すごい! ゴウン様も、ゴウン様のお仲間も、メイドさん達も、みんなすごい!」[ネム]
「ははははは! ありがとう、ネム。褒めてくれたお礼に、今日のディナーに凄いものを加えてやろう」
「なに!? すごい物ってなに!? ゴウン様!」[ネム]
「
「…………(しょぼん)」[ネム]
「おっと、ネムには甘いものの方が良かったかな? では
「……………………な、なんかすごいことになってる。我が妹の純粋さが恐ろしいわ…………」[エン]
「流石はゴウン様。聞いたこともないようなレアアイテムでも、ゴウン様にとっては僕らに与えても全く問題ない程度の価値しかないようだね」[ンフィ]
「ンフィーレア、なんかちょっと変わった? ゴウン様に対する尊敬が強くなったっていうか…………」[エン]
「僕を変えたのは君だよ、エンリ。君のおかげで僕は男になれたんだ。僕はもう迷わない。ゴウン様に忠誠を、回復薬の研究に人生を、そしてそれ以外の全てを君に捧げると決めた」[ンフィ]
「ンフィーレア…………」[エン]
「愛しているよ、エンリ…………」[ンフィ]
「…………あー、仲睦まじいところを邪魔して悪いんだが、ナザリックを案内するのにネムを連れて行ってもいいかね?」
「はっ! 義妹をよろしくお願いします、ゴウン様!」[ンフィ]
「う、うむ…………(ンフィーレアってこんなんだっけ?)」
「ネム、ゴウン様に迷惑かけちゃダメよ?」[エン]
「うん!」[ネム]
「なるべく早く戻ってくるから、その後は三人で夕食を摂っていきたまえ。あと…………二人のことはルプスレギナから聞いている。精のつくものを用意したから、期待しておいてくれ」
「はいっ! ご配慮ありがとうございます、ゴウン様!」[ンフィ]
「あ…………ありがとうございます…………////」[エン]
「なーに? どうしたのお姉ちゃん、顔真っ赤にして」[ネム]
「いや、何でもない。さ、行こうかネム」
「はい、ゴウン様!」[ネム]
◇ナザリックスパリゾート────
「アインズ様♡」[アル]
「ん? アルベド…………それにアウラとシャルティアもいるのか。どうした、お前たちも風呂に入りに来たのか?」
「はい、アインズ様。アインズ様が男性守護者と親交を深められるということでしたので、正妃である私も同じように側妃(予定)たちとの親交を深めようかと…………」[アル]
「そうか。うむ、いいことだ。…………ああ、そうだ。アルベド、マーレもそちらに混ぜてやってくれないか?」
「マーレ、でございますか? マーレは一応男ですが…………」[アル]
「いや、私も最初は男湯に共に入るつもりだったのだが…………その、マーレが私以外の男に肌は晒したくないと言ってな…………」
「ああ、そういうことでございますか。なるほど、確かにそうですね。マーレもアインズ様のご寵愛を受ける者のひとり。みだりに他の男に肌を晒すのは宜しくないでしょう。…………じゃあマーレ、あなたはこちらに」[アル]
「は、はい。あの、アインズ様、その…………今度は二人きりで一緒にお風呂に入ってくれますか…………?」[マレ]
「ああ、もちろんだともマーレ。今度機会を作って一緒に入ろう」
「あ、あたしもお願いします、アインズ様! その、二人きりで…………」[アウ]
「もちろんいいとも、アウラ」
「あ、あ、あの、アインズ様!」[シャル]
「ん? どうした、シャルティア」
「わ、わたしとも、その、一緒に入っていただけないでしょうか…………」[シャル]
「…………そうだな。うむ、シャルティア、今度一緒に風呂に入るか」
「…………! ア、ア、アインズ様ぁ…………っ!」[シャル]
「良かったわね、シャルティア。さ、皆いつまでもアインズ様の足をお止めしてはいけないわ。お風呂に入るわよ」[アル]
「「はい!」」[女性守護者&マーレ]
「では、アインズ様。失礼いたします」[アル]
「「失礼いたします!」」[女守&マレ]
「……………………なんというか、アルベド様には落ち着きと言いますか、守護者統括としての貫禄が出てまいりましたな」[セバ]
「ええ、これもひとえにアインズ様の薫陶を受けてのことでしょう。私たちも至高なる支配者であらせられるアインズ様に恥じぬよう、日々精進を重ねなければいけませんね」[デミ]
「ウム。ダガソモソモ、ソレヲ
「お前たちの忠誠は嬉しいが、三人とももう少し肩の力を抜け。今日はリラックスするためにスパリゾートに来たのだからな」
「畏まりました、アインズ様。…………そう言えば、パンドラズアクターはお呼びになられなかったのですか?」[デミ]
「ああ、一応声は掛けたのだがな。『服を着たままでもよろしいでしょうか?』とか言うから置いてきた」
「…………パンドラズアクター様は、服をお脱ぎにならないのですか?」[セバ]
「うむ。あの服を脱いでしまったら、それはもうパンドラズアクターではないのだと言っていた」
「なるほど、彼のアイデンティティの一つ、という訳ですか」[デミ]
「私モコノ外骨格ヲ脱グコトハ出来ナイノデスガ、ヨロシイノデショウカ?」[コキュ]
「いや、お前のは皮膚のようなものだろう? 脱いだりしたら……………………どうなるんだ?」
「ヤッテミタコトハアリマセンガ、オソラクハ瀕死ニ近イダメージヲ受ケルノデハナイカト…………」[コキュ]
「うむ、やめておこうな。お前はそのまま風呂に入っていいぞ、コキュートス」
「ハッ、アリガトウゴザイマス、アインズ様」[コキュ]
「私からも一つご質問をよろしいでしょうか、アインズ様」[セバ]
「ん? なんだ、セバス」
「はっ…………第八階層の守護者であるヴィクティム様は…………その、どちらなのでしょうか」[セバ]
「ああ、ヴィクティムか…………私も分からなかったので直接聞いてみたのだが、どちらでもないそうだ」
「それは…………男性でも女性でもないということでしょうか?」[セバ]
「あれは種族が天使だ。天使は基本的に性別のない存在だからな」
「なるほど、ではこの場にお呼びにならなかったのも…………」[セバ]
「いや、それは違う。一応誘いはしたんだが、あれはそもそも風呂に入る習慣がないそうだ。あまり大量の水を浴びると、背中の木が伸びてしまうんだとか言っていたな」
「…………あれはやはり植物だったのですね」[セバ]
「では、これ以上人数も増えないようですし、そろそろ私たちも参りましょうか。アインズ様」[デミ]
「ああ、そうしよう。話すことがあるなら、風呂の中でも話せるからな」
◆ナザリックスパリゾート(女湯)────
「ふぅ~…………やっぱり広いお風呂というのは気持ちがいいわね(ぷかぷか)」[アル]
「…………浮いてる」[アウ]
「…………浮いてるでありんす」[シャル]
「や、やっぱり胸があったほうが、アインズ様は好きなのかなぁ…………」[マレ]
「なぁに? 三人して人の胸をじろじろ見て」[アル]
「いや、やっぱり大きいなぁ、と」[アウ]
「羨ましいでありんす…………」[シャル]
「ぼ、ぼくにも胸があったほうが、その、いいんでしょうか?」[マレ]
「マーレ。アインズ様はそのままのあなたを愛しておられるわ。胸の有り無しなんて些細なことよ」[アル]
「そ、そう、かなぁ…………////」[マレ]
「まぁ、胸があったほうがいろいろなプレイが出来ることは間違いないのだけどね」[アル]
「「……………………」」[男胸×3]
「でも、肝心なのは気持ちよ。どれだけ心を込めてアインズ様にご奉仕できるか…………それがアインズ様の寵姫として最も重要なことなのだと心得なさい」[アル]
「なんか素直には納得できないけど…………まあ、心を込めてご奉仕するのは当たり前よね」[アウ]
「だ、大丈夫です! アインズ様のこと…………だ、大好きですから!」[マレ]
「…………聞こう聞こうと思って、今まで聞けなかったことがあるんでありんすが、この際だから質問してもいいかぇ? アルベド」[シャル]
「あら、何かしら? 閨での作法が気になるなら、あとで研修会のパンフレットを…………」[アル]
「それも気になりんすが…………そうじゃないでありんす」[シャル]
「…………あなたにしては歯切れが悪いわね。そんなに重要なことなの? なに? 言ってごらんなさい、シャルティア。私に答えられることなら、ちゃんと答えてあげるから」[アル]
「う…………その…………あの…………アインズ様のアレって、どうなってるんでありんすか?」[シャル]
「「……………………」」[経験者×3]
「だ、だって! アインズ様のお体はアンデッド、しかも私のように肉や皮があるわけでもなく骨だけでありんすし…………だから、その…………どうやってシテるのかなぁ、と…………」[シャル]
「あぁ、あなたは知らなかったのね? シャルティア」[アル]
「? なにがでありんすか?」[シャル]
「アインズ様の胸に収められている
「あの赤い玉でありんすか? かつてナザリックが1500人の敵に襲撃された際に、その多くをアインズ様があの玉を使って倒した、ということは聞いていんすが…………確かにその能力までは知らないでありんす。でも、それがなにか関係あるんでありんすか?」[シャル]
「あの
「そ、そうだったでありんすか! でも、それがアインズ様のアレと何の関係が…………?」[シャル]
「ふ、ふ、ふ…………アインズ様はね、その対個体用幻術系魔法を自らにかけることによって────────アレを生やしているのよ!」[アル]
「え…………で、でも、幻術なんでありんすよね?」[シャル]
「シャルティア…………超位を超える幻術というのは、世界すらも騙すのよ? 世界の
「す、すごいでありんす! はっ! し、しかも、幻術ということは…………!」[シャル]
「…………そこに気づいてしまったのね、シャルティア。そう、幻術によって作り出されるということは、大きさも、形も、何もかも自由自在ということ! すごいわよ、シャルティア。アインズ様のアレは…………」[アル]
「…………ごくりっ」[シャル]
「あなたはお遊びで眷属と色々してるみたいだけど、そんなものは本当にただのお遊びだったということを思い知ることになるでしょう」[アル]
「そ、そんなにすごいんでありんすか?」[シャル]
「そうね、例えば…………ゴニョゴニョゴニョゴニョ…………」[アル]
「えっ!? そ、そんな、そんなところにまで!? それに…………回転!? 振動!? しょ、触手!?」[シャル]
『女湯での猥談許すまじ! これは誅殺である!』[ゴーレム]
「え、ちょ、なにこれ!?」[アウ]
「…………男の声…………ぼくの裸を見た……………………殺そう」[マレ]
「ちょ、ちょっと待ちなさいマーレ! ここでその魔法は…………! アウラ、シャルティア! マーレを抑えて!」[アル]
「マーレ! 落ち着くでありんす!」[シャル]
「あれはゴーレムだから! 無生物だからノーカンだよ! マーレ!」[アウ]
『ふははははっ! 男の目がないからとNGワード(18禁用語)を口にしたのが運の尽き! そんなことでは嫁の貰い手がないぞ!?』[ゴレ]
「あぁっ!? なんだとこのゴーレムクラフトのくず野郎! マーレ! かまわないから
「えぇーーーーいっ!!」[マレ]
「「あぁあああああああああああっ!!」」[アウ、シャル]
◆ナザリックスパリゾート(男湯・前)────
「さて、まずは体を洗うとするか」
「お背中お流し致します、アインズ様」[セバ]
「ん? そうか、悪いなセバス。ではこのブラシを使ってくれ」
「畏まりました」[セバ]
「では、私は君の背中を洗おうか」[デミ]
「ウム、スマナイナ、デミウルゴス。関節ノ可動域ニ限界ガアッテ、自分デ背中ハ洗エナイカラ助カル」[コキュ]
「…………手は四本もあるのにねぇ」[デミ]
「……………………それくらいでいいぞ、セバス。どれ、今度は私が洗ってやろう」
「そ、そんな滅相もございません! アインズ様に私の背中を洗っていただくなど…………!」[セバ]
「ははは、そう固くなるなセバス。お前も普段からよく働いてくれている。その慰労の意味も込めて、背中くらい流させてくれ」
「ア、アインズ様…………っ!」[セバ]
「……………………デミウルゴス、今度ハ私ガ洗オウ」[コキュ]
「そうかい? じゃあ、お願いしようかな」[デミ]
「ゴシゴシ、ゴシゴシ…………ウゥム、背中ヨリモ尻尾ヲ洗ウ方ガ大変ダナ…………」[コキュ]
「結構長いからねぇ」[デミ]
「……………………よし、全員洗い終わったな。まずは何から入る?」
「水風呂ガイイカト」[コキュ]
「…………一番最初に入る風呂が水風呂というのは、さすがにないと思うよ? コキュートス」[デミ]
「う、うむ、そうだな。まずは普通の風呂から入ろうか」
「畏マリマシタ…………水風呂モ気持チガイイノデスガ…………」[コキュ]
「あとでご一緒しますよ。コキュートス様」[セバ]
「氷塊ヲ抱イテ入ッテモイイダロウカ?」[コキュ]
「…………それはご遠慮頂ければ」[セバ]
「馬鹿なこと言ってないで行きますよ」[デミ]
「…………本気ナノダガ」[コキュ]
◆ナザリックスパリゾート(男湯・後)────
「ふぅ~…………やはり広い風呂は気持ちがいいな」
「ええ、体の芯から疲れが流れ落ちていく感じがします」[デミ]
「全くです。私もこれからは休日の度に利用させていただくとしましょう」[セバ]
「熱イ…………」[コキュ]
「そういえばセバス。ツアレとはどうなんだ?」
「はっ、アインズ様のご厚情を賜りまして、つつがなく暮らさせていただいております」[セバ]
「そうか、うむ…………それで? アッチの方はどうなんだ?」
「はっ? あっち、と申しますと?」[セバ]
「ほら、だから、アレだ。子供が出来る行為というか…………」
「はっ、あの、そちらのほうも、その、順調でございます…………」[セバ]
「茹ダル…………」[コキュ]
「そ、そうかそうか。うん、いいことだ」
「そのうち、セバスとツアレの間にも子供が出来るかもしれませんねぇ」[デミ]
「…………そいういうデミウルゴスには、浮いた話とか聞かないな。実際のところどうなんだ? そういう相手とかはいないのか?」
「私に、でございますか? …………そうですね、交配実験には興味がありますが、心を傾ける相手というのはおりませんね」[デミ]
「そ、そうか。もしそういう相手がいるなら、遠慮なく言うといい。協力するぞ?」
「ありがとうございます、アインズ様。もし伴侶となるべき相手ができましたら、ご相談させていただきます」[デミ]
「うむ…………(お、なんか上司らしい会話ができてるんじゃないか? 今日の俺!)」
「煮エル…………」[コキュ]
「コキュートスは…………おい、大丈夫か? コキュートス」
「…………ハッ! ソロソロ水風呂デゴザイマスカ? アインズ様」[コキュ]
「…………そうだな、水風呂に行くか」
『女湯での猥談許すまじ! これは誅殺である!』[ゴーレム]
「…………今の声は?」[セバ]
「…………るし★ふぁーさんの声だな」
「まさか、至高の御方の!?」[デミ]
「ちょ、ちょっと待ちなさいマーレ! ここでその魔法は…………! アウラ、シャルティア! マーレを抑えて!」[アル]
「ナニヤラ不穏ナ空気ダナ」[コキュ]
「…………ちょっと行ってくるから、お前たちはそのまま風呂に入っていろ」
「しかし、アインズ様だけを向かわせるわけには…………」[デミ]
「私以外の男が行ったら、間違いなくマーレの標的になるぞ?」
「それは…………被害甚大でございますね」[セバ]
「だから、私だけで…………」
『ふははははっ! 男の目がないからとNGワード(18禁用語)を口にしたのが運の尽き! そんなことでは嫁の貰い手がないぞ!?』[ゴレ]
「あぁっ!? なんだとこのゴーレムクラフトのくず野郎! マーレ! かまわないから
「えぇーーーーいっ!!」[マレ]
「ドゴォオオオオオオオオオオオオンッ!!」[女湯]
「……………………」
「…………後ほど改装工事の見積を出しておきます」[セバ]
「では、私は作業用の悪魔でも召喚しておきましょう」[デミ]
「力仕事ガ必要デアレバオ手伝イ致シマス」[コキュ]
「…………うむ。私はちょっと女湯を見に行ってくる。皆はもう少し温まって…………コキュートスは冷えてから出るといい」
「「はっ!」」[男性守護者]
「…………はぁ(今度はゆっくりと入りたいなぁ…………)」
はい、なんだか少し長くなりましたが、ちょうどいい切れ間がなかったので分割せずに上げました。
今回でアインズ様のアレの謎が解けましたね。
もちろん完全に捏造設定ですのであしからず…………
あと、もう小見出しに◇をつけるべきか◆をつけるべきか、自分でもよくわからなくなってきました。
あまり気にせず見ていただけると幸いです。