システムに時刻を与える主な供給源としては、以下のものがある。

 NTPサーバーは、NTP(Network Time Protocol)というプロトコルを使って、ネットワークにつながっているコンピュータの時刻をあわせる機能を持つ。

 Windows、LinuxなどのコンピュータOSは通常NTPサーバーを時刻供給源としている。OSは内部に「タイムゾーン(TZ)情報」を保持していて、設定されたタイムゾーンにあわせてUTCに時差を加える。タイムゾーン情報は世界各国のサマータイム制度の変更などで更新されるので、日本でサマータイムが導入されても同様の対応になる。ただし、OSを定期的に更新していないシステムではタイムゾーン情報が古いままである。

 家電や組み込みOSではJSTで時刻を扱っている場合もある。サマータイムに対応するためには対応が必要だが、ネット経由で更新することはほとんどできないので、機器の修理または交換が必要になる。

 多くのネット家電はNTPサーバー経由でUTCを取得しているという。ただ、それに単純に9時間を足しているようだ。この修正は根本部分なのでオンライン更新はできないという。

電波時計はJJYの対応次第

 JJYは、JSTを知らせるために情報通信研究機構が送信している電波で、「電波時計」と呼ばれるものは、この信号を受信して時刻合わせを行っている。ところが夏時間になった場合にJJYが夏時間、JSTのどちらの時刻を送信するかは決まっていない。JJYには「夏時間かどうか」を示す情報が加えられているが、何時間ずらすかの情報は含まれていない。