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同じ過ち犯す中国 「C級戦犯」は存在せず「AB級」も靖国にお祀りされていない
野口裕之の軍事情勢更新今年の終戦の日は昨年の雨天とは異なり、日陰を探すのに苦労したが、夕方になっても多くの参拝者が靖国神社を訪れていた風景は同じだった。大日本帝國陸海軍の軍装に身を包む若い日本人も例年同様、少なくなかった。保守層の間でも、帝國陸海軍の軍服を着る若き日本人には賛否両論があるが、わが国は自由と民主主義の国であって、軍服姿での参拝は本人の選択だ。ところが、帝國陸海軍の軍服を着ると拘束される国がある。
中国では2月、南京戦の激戦地=紫金山で日本軍の軍服を着て記念撮影したとして、20代の男性2人が拘束された。帝國陸海軍のコスプレ愛好者や、日本文化を称賛する余りに中国社会を卑下する中国人の出現は「精日=精神的日本人」現象と呼ばれ、中国当局が批判を強めている。中国版ツイッター《微博》に「安倍(晋三)首相はおれのおやじだ」などと書き込んだ、安徽省馬鞍山市の18歳男性も8月、警察に拘束された。
中国江蘇省南京市の人民代表大会(市議会に相当)常務委員会では8月、帝國陸海軍々人のコスプレの撮影や、中国側が宣伝する虚構「南京大虐殺」への異論などを禁止する条例案が提出された。条例案は《組織や個人が南京大虐殺の史実を歪曲・否定》する言動を禁止。南京事件をめぐり中国側が主張する「犠牲者30万人」は、日本側の研究では根拠のない異常に誇張された数字との見解が定着したが、この種の議論自体が処罰の対象となる。条例は南京市外でも有効とされたり、外国人ジャーナリストも対象となったりする可能性がある。
従って、日本にあこがれる中国の「精日」が帝國陸海軍の軍装姿で靖国を参拝したら、中国共産党はどんな反応を見せるだろうか?と想像を膨らませてしまった。もちろん、英霊の間でも、保守層の間でも、中国人が帝國陸海軍の軍服を着て靖国神社の境内を歩くことに賛否両論があるに違いないが、少なくとも中国共産党が腰を抜かすシーンを想像する。
A級とC級戦犯は違法な事後法で罰せられた
何しろ終戦の日、安倍晋三首相が今年も期待を裏切り参拝をせず、6年連続玉串料奉納で済ませ、国会議員が参拝しただけで、中国外務省の陸慷報道局長は、靖国神社に極東国際軍事裁判(東京裁判)の「A級戦犯」を合祀していると指摘。「日本の誤ったやり方に断固反対する」とする抗議声明を発表した。
中国共産党は、自らに都合のよい「猟奇的な日本の近代史」を捏造し、世界中でタレ流すが、毎回反論せねばならぬ。中国大使のイスラエル紙寄稿(2014年1月)も然り。いわく-
《安倍晋三首相や閣僚が、アジアの(ドイツ指導者アドルフ)ヒトラー(1889~1945年)である東條英機・陸軍大将(1884~1948年)らA級戦犯を祀る靖国神社を参拝している》
国家に殉じた英霊に感謝し、お慰めする崇高な行いに、外国の顔色をうかがう必要は全くない。靖国神社への玉串料奉納で済ませようが、参拝を行おうが、言い掛かりを付けてくる中国への回答は靖国神社参拝以外にあり得ない。