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大好きで何度も観て何度も泣いている映画『マイフレンドフォーエバー』
映画『マイフレンドフォーエバー』は1995年に日本公開されたアメリカ映画です。原題は『The Cure』です。『マイフレンドフォーエバー』というタイトルがぴったりに感じるので、邦題が成功している作品の一つと言えるでしょう。
1995年に中高生以上の年齢になっていた方々は知っている映画かなと思います。私M&Oの周りではかなり有名な映画でしたので。
監督はピーターホルトン。
出演はブラッドレンフロ、ジェゼフマゼロ、アナベラシオラ、ブルースデイビソンなど。
とにかく大好きな映画でVHS時代から何度も何度も観ています。心温まる作品で何度見ても泣いてしまう映画です。感動作としては『陽だまりのグラウンド』と匹敵する映画です。『陽だまりのグラウンド』についてはこちらをどうぞ。
映画『マイフレンドフォーエバー』あらすじ
母親と暮らす主人公の少年エリック(ブラッドレンフロ)は友人も少なく、母親からの愛情も充分ではなく食事も冷凍食品やチョコレートバーで過ごす日々を送っていた。
ある日エリックの住む家の隣に男の子とその母親が引っ越してくる。隣に引っ越してきた少年はHIVに感染しているデクスター(ジョゼフマゼロ)という少年だった。
エイズのため母親から隣の少年とは遊ばないようにときつく言われていたエリックだったが、最初こそデクスターを避けていたものの空気感染することはないと知り、エリックは母親に内緒でデクスターと遊ぶようになり毎日を共にする。友人のいないエリックも友達が欲しかったので、デクスターがその寂しさを埋めてくれた。
エリックはなんとかデクスターの病気を治してあげたいと子供ながらに真剣に思い、キャンディーやチョコレートバーを食べさせたり、生えている色々な草を煎じてデクスターに飲ませ、その効果をノートに記していく。
しかしある時煎じて飲ませた草でデクスターが発作を起こしてしまい、病院にどんな草を飲ませたのかを報告するため、デクスターの母リンダはエリックの家を訪れエリックに質問する。エリックは記録を付けていたノートを差し出す。リンダは怒ることなくエリックからノートを受け取りデクスターの元に戻る。このことをきっかけにデクスターと遊んでいたことが母親ゲイルにバレてしまったエリック。母ゲイルは激怒しエリックを叩きながら叱責する。
その後エリックは『エイズに効く薬がついに発見された!』という記事を見つけ、その薬を発見したという研究者の元を訪れるため、デクスターを連れてニューオーリンズに向けて旅立つ。その距離は約400キロであった。
出会った大人たちに船に乗せてもらい旅路をいくエリックとデクスターだったが、大人たちは遊びながらの移動で旅はなかなか進まず、デクスターの薬の残りがわずかになってしまったため、急がなければならないと思ったエリックは大人たちからお金を盗み、別の手段で旅路を行くことを決心し決行する。
しかし、あえなく大人たちに見つかるエリックとデクスター。必死に逃げるも追い詰められナイフを出され脅される。その時デクスターはエリックを守るために自らの指を切り、血の出た手を大人たちに向け『僕はエイズだ。僕の血は猛毒なんだ。一滴でもついたら死ぬぞ』と告げる。大人たちは踵を返して必死に逃げ出していく。指を切ったデクスターを心配して近づこうとするエリックにデクスターは『来ないで!』と珍しく厳しい口調でエリックを制止する。大好きなエリックに万が一があってはいけないというデクスターの思いからであった。
旅は打ち切られ、デクスターへ入院生活へと入っていく。もちろん病室に毎日遊びに行くエリック。二人は『死んだふり』をして医者を驚かせるという悪ふざけの遊びを思いつく。目を閉じたまま返事をせずに動かないデクスターを見て看護師が急いで医者を呼びに行き、医者が近づいた時に大声を出し起き上がるという遊び。この遊びは医者や看護師たちを大いに驚かせ、デクスターとエリックは大笑いしていた。
ある日同じようにいつもの遊びをしようと打ち合わせをした二人。エリックは泣きながら、友達が急に目を閉じて動かなくなったと涙ながらに訴え、そこに医者が駆け付ける。いつもの遊びのはずだった・・・。物陰に隠れいつものようにデクスターが起き上がり医者が驚く様子を笑いをこらえきれずに待つエリック。しかし、デクスターはまったく起き上がる気配はなく・・・。そのままデクスターは旅立ってしまい、二度と起き上がることはなかった。
悲しみに暮れ、デクスターの母親リンダに『僕のせいだ。僕が治療法を見つけられなかったから。』と告げて悔やむエリック。そんなエリックに対しデクスターの母リンダは『いつもひとりぼっちで寂しくてつらかったあの子の毎日をあなたが変えてくれた。素晴らしい友達ができてあの子は幸せだった。あなたは精いっぱいやってくれたわ。これからも遊びに来てくれるかしら』とエリックに感謝の気持ちを告げる。
車で家に着いた2人の元にエリックの母親ゲイルが現れエリックを手荒に無理やり連れて帰ろうとする。いつも優しかったデクスターの母リンダは激高しエリックの母リンダに詰め寄る。『今度エリックの事を殴ったら私はあなたを許さない。』そう告げるデクスターの母リンダの迫力に押され、エリックの母ゲイルは、エリックがデクスターのお葬式に出席するというリンダの願いも了承する。
お葬式で棺の中で眠るデクスターを見るエリック。さよならを告げ去っていくエリック。リンダが棺の中のデクスターを見ると、デクスターは汚れたスニーカーを抱いて安らかに眠っていた。そしてデクスターの足元を見るとデクスターの片方の靴がなくなっていた。
二人で旅をしていた頃、ある夜に自分の持つ恐怖心をエリックに告白したデクスター。『暗闇が怖い。自分が宇宙にいて二度と地上に戻れないんじゃないかって思うと怖いんだ』そんなデクスターにエリックは自分のスニーカーを抱かせ、こんなクサいスニーカーが宇宙にあるわけない、安心しろとデクスターを安心させていた。
葬儀の場を去ったエリックは一人でデクスターと遊んだ川に行き、デクスターの靴を川に流し、その行方を一人眺めエリックの旅立ちを思っていた。
純粋な気持ち、今を大切にしなくてはいけないと気付かせてくれる映画
書いてて涙ぐんできてしまいました。主要なキャストの人数は決して多くないこの映画ですが、特に二人の少年、その母親二人の演技が胸を打ちます。エリックの母親は徹底してヒールですが、しっかり演じてくれているからこそ他が引き立ちます。
少年二人とデクスターの母親は常にあたたかい空気感を絶妙に作り出していて、特に母親のリンダはあたたかく包容力がありながら、息子が死に向かっているということへの覚悟を持ちつつも、当たり前に悲しみを常に抱えているという感情を巧みに、リアルに演じています。
デクスターを演じるジョゼフマゼロも天才子役と言われていただけに素晴らしい演技で涙をこれでもかと誘ってきます。これが演じたからこそここまでの感動作に出来上がったのは間違いないでしょう。
そしてブラッドレンフロですが、彼の良さであるリアリティのある、演技だと感じさせない特性がこの映画でも発揮されています。リアクションなども含めて決して大げさに表現しない、しかし確実に観る者の胸を打つ彼の演技はかなり稀有だったし、子役であることを考えると驚異と言えるでしょう。映画『依頼人』でスーザンサランドン、トミーリージョーンズとの共演でデビューしたブラッドレンフロ。この『マイフレンドフォーエバー』日本でも有名になり多くのファンを持ち、日本で写真集も作られました。どこか影を感じさせる生まれながらのキャラクターを活かし、その後もケビンベーコンと共演した映画『セブンティーン』、そして映画『スリーパーズ』ではブラッドピットの少年時代を演じました。イアンマッケランと共演した映画『ゴールデンボーイ』では名優イアンマッケランもその才能を認めていました。
その後は私生活が荒れてしまいましたが、本数は少ないながらも映画で活躍していました。しかし荒んだ私生活から復活することができず、若くして他界してしまったブラッドレンフロ。他界したニュースを見た時はかなりショックを受けたM&Oでした。彼の出演作はほとんどDVD持っていますし、写真集を持っているほど好きだったので。
ブラッドレンフロがもうこの世にいないという現実と、この『マイフレンドフォーエバー』という作品の良さが重なって、僕は特に泣いてしまう作品なのです。
僕は急いで大人になろうとしていた。君を救うために。
君が死んだあの夏の日、僕は涙の本当の意味を知った。
『マイフレンドフォーエバー』
是非観て欲しい映画です。