POPなポイントを3行で
- 輝夜月、世界初のVRライブをレポート
- 新曲はもちろん、椎名林檎「幸福論」も!?
- 月のむこうへ……
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「誰も体験したことのないライブになる」
前説を担当した輝夜月ちゃんの動画に登場するマスコット的存在・ジャスティンエビーバーは再三(本当に3回前説をやった)私たちにその言葉を投げかけた。
2018年8月31日、平成最後と騒がれた8月も終わりを迎え、時折感じる涼しさに季節の移ろいを意識しはじめた世間にまだまだ遊びたりないと言うかのように「輝夜月 Live @Zepp VR"Beyond the Moon"」は開催された。 現在に続くVTuberムーブメントを牽引し、活動開始から半年以上たった今でも抜群のオリジナリティを放つ輝夜月。
その初ライブとあって発表当時から大きな話題となり、初ライブながら全国の映画館でライブビューイングが用意され、それもほとんど埋めてしまうという盛り上がり様だ。
中でも異質なのはその会場となった「Zepp VR」。今回のライブのために用意されたという仮想空間上につくられたライブハウスだ。
史上初となる仮想空間でのライブということでVRを活かした演出がなされるというのは言葉の上では理解できるものの実際にどんなことが起きるのかはまるでわからず、詳細のほとんどが明かされぬまま当日を迎えた。 何度目かのVR元年、平成最後の夏、用意されたかのような運命的なタイミングで行われる輝夜月の初ライブ。輝夜月が時代と夏にとどめを刺す。
文:オグマフミヤ 編集:ふじきりょうすけ
会場へ入ると、現実のZeppを模したかのような入口前に既にたくさんのファンが集まっていた。閉ざされた扉の奥からギターのチューニングを合わせる音や各パートのリハーサルのような音が聴こえ、現実のライブハウス前と変わらないシチュエーション。既に没入感は最高潮だ。
会場内へ入ると、パーソナルカラーである三色のタイルが散りばめられ、上空には大きな「MOON」の文字が光るカラフルできらびやかな空間が広がっており、巨大なジャスティンエビーバーとパブロッコリー(以下略/エビーバーとおなじくマスコット的存在。見た目はブロッコリーだが正式名称がとても長い)による前説が行われた。 冒頭でも触れたとおり印象的に繰り返される「誰も体験したことのないライブになる」というエビーバーの言葉に抱えてきた期待がさらに膨らみ、会場がVRを通じて感じるほどの緊張と高揚に包まれる中、ついに幕が上がる。
きらびやかなステージから一転、スポットライト1つ浴びて月ちゃんがオンステージ。
ド派手な演出でのスタートを予想していたところにスルッと袖から登場したので事態を理解するのに一瞬要したが、月ちゃんが実際にそこにいるという感覚は想定していたよりも違和感がなく、いつも動画で見ている月ちゃんが目の前にいるという興奮が疑念をかき消した。 待ち望んだ月ちゃんの登場に会場がザワめいたところではじまったのは「VRラジオ体操」。夏休みをフィーチャーしているのか極めて一般的なラジオ体操を続けていくが、段々様子が変わってくる。
ランニングマンなどどこかで見たような振付が交ざってくると、「もはやうろ覚えの『恋ダンス!』」と遂には完全に脱線。しかしそれこそ輝夜月の真骨頂であり、いつも動画で見るような月ちゃんの破天荒っぷりにフロアにも笑顔が溢れ出す。
入念な準備体操を終えるとサッとステージを去る月ちゃん。もうこの時点でライブの常識は破壊しつくされている。
続いてステージ上のモニターにこれまでの活動を振り替える映像が流れると、流星のように駆け抜けたこれまでの活躍が思い出され、さっきまでの興奮も忘れて感慨深くなってしまった。
しかし本番はまだまだこれから、オーディエンスに再び火を灯すようにSEが鳴り響くと巨大な黄金のミラーボールがステージ上に登場。昂りが頂点に達すると同時にステージに降りたミラーボールが弾けて中から月ちゃんが飛び出す。 息つく間もなく投下されたのは初のオリジナルソング「Beyond the Moon」。様々なジャンルの音楽が融合され、それでもポップとロックを見失わない月ちゃんらしさ全開のアンセムにフロアは最高の盛り上がりで応える。
歌って踊る月ちゃんを追うだけでオーバーヒートだというのに、目まぐるしく展開する曲調に合わせてステージもどんどん演出を変えていく。会場の至るところに月ちゃんの分身が現れたり、ステージがせりあがってタワーの様になったりとどこに目を向けても新しいことが起きていて、「これぞ輝夜月」が全方位を埋め尽くす。 最高のスタートをきると今度はMCに突入し、いつもの挨拶「おはよーーー!! こんちはーーー! こんばんはーーー! …おきてえええ!!」をファンとともに絶叫。
「一緒に夏の想い出をつくろう!」と元気に宣誓すると一転「みんながしあわせを感じるのはいつ?」と問いかけ、普段とは違う空気を醸し出す。
そのまま2曲目として披露されたのは椎名林檎のカバーで「幸福論」。楽曲のチョイスに意外性を感じながらも、アレンジされたバンドサウンドにのる月ちゃんの歌声で強いメッセージ性を持つ歌詞がストレートに心に響いてくる。
表現者としての幅の広さを見せつけるがそれだけでは終わらない。なんとステージの一部が空中に浮き上がり、そのままスライドしたかと思えば視界から消える。声の方向を頼りに視線を動かすと月ちゃんがフロアの上空を縦横無尽に飛び回っていた。 アリーナやスタジアムでのライブならまだしも、現実におけるライブハウスのライブでの視線の移動はせいぜいステージの左右であって、後ろや、ましてなにもない真上を見ることはあり得なかった。
そんなことを考えながら現実として月ちゃんを追って頭を動かしまくる自分がいて、進化するライブ体験がこれまでの常識を打ち破っていく。
今度はエビーバーに乗って登場した月ちゃん。明るくなった会場を見渡すと壁や天井がピンクに染まっており、内装が一瞬で変わるというVRならではの演出が高揚感を再び煽る。「長くなるよ~!」とフリートークをはじめると、事前に募集した質問に答えたり、会場で記念撮影も行った。 「最近の幸せだったことは?」という質問に対して「みんなに出会えたのが一番のラッキー」と答え、デザイナーでありママと慕うMika Pikazoさんや楽曲製作をしたPabloさん、そしてリスナーへの感謝を述べるといういつになく真摯な月ちゃんの姿に熱いものが込み上げてきていたのだがステージの様子がおかしい。
いつの間にか登場していたエビーバーがどんどん膨らんできていたのだ。
どうやら専用で用意されていたエビーバーのエモートをVRの視聴者が押すたびどんどん膨らむ仕組みらしく、最初は面白がっていた月ちゃんも「怖い! 一旦ストップ! …あ、死んだ。」と言うやいなや大爆発、会場は真っ白な光に包まれた。 光の中から現れた月ちゃんは今度はエビーバーと合体した衣装を披露。そのまま本当のラストとして再び「Beyond the Moon」を歌い出す。クライマックスへと加速するステージの上にはなんと花火が上がり、夏の終わりを華々しく彩っていく。 VR花火という最新の技術と日本の伝統が融合した最高のステージで月ちゃんが歌って踊るという最新型の感動が万雷の拍手を巻き起こし、会場の隅から隅までが彼女の輝きに照らされ終演となった。
終演後、再びロケーションが変化しており、これまできらびやかだった天井が宇宙になっていることに気がつくと更には目の前に大きな地球が現れた。そう私たちは月ちゃんによって月面まで誘われていたのだ。 しかし今回のライブのタイトルは「Beyond the Moon」、月面に立ってもまだ先の向こう側がある。
想像できなかったほどの未来を現実として見せつけられ、実際に目の前に広がった仮想世界の月面という風景に、それでもまだ先を見ているという強い意志を感じ、月ちゃんとVRが切り開く未来に確かな希望を抱いた。
そして「お忘れもののないよう、現実世界にお戻りください」というアナウンスに導かれるまま宇宙となったZepp VRを後にした。 「次のフェーズにみんなで行こう」
KAI-YOUのインタビューで今後の展望についてうかがった時に月ちゃんの運営を手伝うAOちゃんの語った言葉だ。
その意志は今日まで一切ぶれず、その結実として誰も想像し得なかった新たな世界を見せてくれた。
そうした確かな意識の元で組み上がり、技術の粋を集めた演出と自身のエンターテイナーとして抜群の才覚でもって、宣言した通り「誰も体験したことのないライブ」をやってのけた輝夜月ちゃん。
史上という意味でも自身としても初めて尽くしの初ライブをエンターテイメントの歴史に深々と刻み込んだ。
これまでもその拡張性を評価されながらも、実際として華々しい成果をあげきれておらず、未来を示しきれていなかったVRが今かつてない注目を浴び、革命的な速度で発展を遂げている。
その1つの到達点であり新たなスタートとして開かれた史上初の仮想空間でのライブは、これまでSFの世界だった仮想空間を現実のものとして感じさせるに充分すぎる体験を私達にもたらした。
一瞬にして目の前の風景が変わる。人が空中を飛び回る。どれも現実にはあり得ないことでありながらも、技術とアイデアによって高められた没入感はそんな違和感を排除し、新時代のエンターテイメントを創出することに成功していたのだ。
ライブでも二度披露されたオリジナルソング「Beyond the Moon」。自ら作詞したというその曲の最後で彼女は「この月を見ててね」と歌っている。
これだけのライブを見せても輝夜月は止まらない、むしろ革命はこれからなのだ。私たちはその輝きを、いつまでも。
前説を担当した輝夜月ちゃんの動画に登場するマスコット的存在・ジャスティンエビーバーは再三(本当に3回前説をやった)私たちにその言葉を投げかけた。
2018年8月31日、平成最後と騒がれた8月も終わりを迎え、時折感じる涼しさに季節の移ろいを意識しはじめた世間にまだまだ遊びたりないと言うかのように「輝夜月 Live @Zepp VR"Beyond the Moon"」は開催された。 現在に続くVTuberムーブメントを牽引し、活動開始から半年以上たった今でも抜群のオリジナリティを放つ輝夜月。
その初ライブとあって発表当時から大きな話題となり、初ライブながら全国の映画館でライブビューイングが用意され、それもほとんど埋めてしまうという盛り上がり様だ。
中でも異質なのはその会場となった「Zepp VR」。今回のライブのために用意されたという仮想空間上につくられたライブハウスだ。
史上初となる仮想空間でのライブということでVRを活かした演出がなされるというのは言葉の上では理解できるものの実際にどんなことが起きるのかはまるでわからず、詳細のほとんどが明かされぬまま当日を迎えた。 何度目かのVR元年、平成最後の夏、用意されたかのような運命的なタイミングで行われる輝夜月の初ライブ。輝夜月が時代と夏にとどめを刺す。
文:オグマフミヤ 編集:ふじきりょうすけ
宴の時だ!!!
全国でライブビューイングが開催され、約5000名が劇場に足を運んでいたが、筆者は幸いにもヘッドセットを装着しVR空間でのライブを体験することができた。会場へ入ると、現実のZeppを模したかのような入口前に既にたくさんのファンが集まっていた。閉ざされた扉の奥からギターのチューニングを合わせる音や各パートのリハーサルのような音が聴こえ、現実のライブハウス前と変わらないシチュエーション。既に没入感は最高潮だ。
会場内へ入ると、パーソナルカラーである三色のタイルが散りばめられ、上空には大きな「MOON」の文字が光るカラフルできらびやかな空間が広がっており、巨大なジャスティンエビーバーとパブロッコリー(以下略/エビーバーとおなじくマスコット的存在。見た目はブロッコリーだが正式名称がとても長い)による前説が行われた。 冒頭でも触れたとおり印象的に繰り返される「誰も体験したことのないライブになる」というエビーバーの言葉に抱えてきた期待がさらに膨らみ、会場がVRを通じて感じるほどの緊張と高揚に包まれる中、ついに幕が上がる。
きらびやかなステージから一転、スポットライト1つ浴びて月ちゃんがオンステージ。
ド派手な演出でのスタートを予想していたところにスルッと袖から登場したので事態を理解するのに一瞬要したが、月ちゃんが実際にそこにいるという感覚は想定していたよりも違和感がなく、いつも動画で見ている月ちゃんが目の前にいるという興奮が疑念をかき消した。 待ち望んだ月ちゃんの登場に会場がザワめいたところではじまったのは「VRラジオ体操」。夏休みをフィーチャーしているのか極めて一般的なラジオ体操を続けていくが、段々様子が変わってくる。
ランニングマンなどどこかで見たような振付が交ざってくると、「もはやうろ覚えの『恋ダンス!』」と遂には完全に脱線。しかしそれこそ輝夜月の真骨頂であり、いつも動画で見るような月ちゃんの破天荒っぷりにフロアにも笑顔が溢れ出す。
入念な準備体操を終えるとサッとステージを去る月ちゃん。もうこの時点でライブの常識は破壊しつくされている。
続いてステージ上のモニターにこれまでの活動を振り替える映像が流れると、流星のように駆け抜けたこれまでの活躍が思い出され、さっきまでの興奮も忘れて感慨深くなってしまった。
しかし本番はまだまだこれから、オーディエンスに再び火を灯すようにSEが鳴り響くと巨大な黄金のミラーボールがステージ上に登場。昂りが頂点に達すると同時にステージに降りたミラーボールが弾けて中から月ちゃんが飛び出す。 息つく間もなく投下されたのは初のオリジナルソング「Beyond the Moon」。様々なジャンルの音楽が融合され、それでもポップとロックを見失わない月ちゃんらしさ全開のアンセムにフロアは最高の盛り上がりで応える。
歌って踊る月ちゃんを追うだけでオーバーヒートだというのに、目まぐるしく展開する曲調に合わせてステージもどんどん演出を変えていく。会場の至るところに月ちゃんの分身が現れたり、ステージがせりあがってタワーの様になったりとどこに目を向けても新しいことが起きていて、「これぞ輝夜月」が全方位を埋め尽くす。 最高のスタートをきると今度はMCに突入し、いつもの挨拶「おはよーーー!! こんちはーーー! こんばんはーーー! …おきてえええ!!」をファンとともに絶叫。
「一緒に夏の想い出をつくろう!」と元気に宣誓すると一転「みんながしあわせを感じるのはいつ?」と問いかけ、普段とは違う空気を醸し出す。
そのまま2曲目として披露されたのは椎名林檎のカバーで「幸福論」。楽曲のチョイスに意外性を感じながらも、アレンジされたバンドサウンドにのる月ちゃんの歌声で強いメッセージ性を持つ歌詞がストレートに心に響いてくる。
表現者としての幅の広さを見せつけるがそれだけでは終わらない。なんとステージの一部が空中に浮き上がり、そのままスライドしたかと思えば視界から消える。声の方向を頼りに視線を動かすと月ちゃんがフロアの上空を縦横無尽に飛び回っていた。 アリーナやスタジアムでのライブならまだしも、現実におけるライブハウスのライブでの視線の移動はせいぜいステージの左右であって、後ろや、ましてなにもない真上を見ることはあり得なかった。
そんなことを考えながら現実として月ちゃんを追って頭を動かしまくる自分がいて、進化するライブ体験がこれまでの常識を打ち破っていく。
月ちゃんの最近幸せだったこと
ライブ演出の更なる未来をこれでもかと見せつけたところで早々に本編は終了。そして間髪いれずにアンコールがはじまった。今度はエビーバーに乗って登場した月ちゃん。明るくなった会場を見渡すと壁や天井がピンクに染まっており、内装が一瞬で変わるというVRならではの演出が高揚感を再び煽る。「長くなるよ~!」とフリートークをはじめると、事前に募集した質問に答えたり、会場で記念撮影も行った。 「最近の幸せだったことは?」という質問に対して「みんなに出会えたのが一番のラッキー」と答え、デザイナーでありママと慕うMika Pikazoさんや楽曲製作をしたPabloさん、そしてリスナーへの感謝を述べるといういつになく真摯な月ちゃんの姿に熱いものが込み上げてきていたのだがステージの様子がおかしい。
いつの間にか登場していたエビーバーがどんどん膨らんできていたのだ。
どうやら専用で用意されていたエビーバーのエモートをVRの視聴者が押すたびどんどん膨らむ仕組みらしく、最初は面白がっていた月ちゃんも「怖い! 一旦ストップ! …あ、死んだ。」と言うやいなや大爆発、会場は真っ白な光に包まれた。 光の中から現れた月ちゃんは今度はエビーバーと合体した衣装を披露。そのまま本当のラストとして再び「Beyond the Moon」を歌い出す。クライマックスへと加速するステージの上にはなんと花火が上がり、夏の終わりを華々しく彩っていく。 VR花火という最新の技術と日本の伝統が融合した最高のステージで月ちゃんが歌って踊るという最新型の感動が万雷の拍手を巻き起こし、会場の隅から隅までが彼女の輝きに照らされ終演となった。
終演後、再びロケーションが変化しており、これまできらびやかだった天井が宇宙になっていることに気がつくと更には目の前に大きな地球が現れた。そう私たちは月ちゃんによって月面まで誘われていたのだ。 しかし今回のライブのタイトルは「Beyond the Moon」、月面に立ってもまだ先の向こう側がある。
想像できなかったほどの未来を現実として見せつけられ、実際に目の前に広がった仮想世界の月面という風景に、それでもまだ先を見ているという強い意志を感じ、月ちゃんとVRが切り開く未来に確かな希望を抱いた。
そして「お忘れもののないよう、現実世界にお戻りください」というアナウンスに導かれるまま宇宙となったZepp VRを後にした。 「次のフェーズにみんなで行こう」
KAI-YOUのインタビューで今後の展望についてうかがった時に月ちゃんの運営を手伝うAOちゃんの語った言葉だ。
その意志は今日まで一切ぶれず、その結実として誰も想像し得なかった新たな世界を見せてくれた。
そうした確かな意識の元で組み上がり、技術の粋を集めた演出と自身のエンターテイナーとして抜群の才覚でもって、宣言した通り「誰も体験したことのないライブ」をやってのけた輝夜月ちゃん。
史上という意味でも自身としても初めて尽くしの初ライブをエンターテイメントの歴史に深々と刻み込んだ。
月ちゃんはエンターテイメントの未来を輝かせられたのか
IT革命という言葉にも錆が付き、エンターテイメントはやり尽くされ、飽和したかのように思われていた現代に起きたのが今日に続くVRという変革だ。これまでもその拡張性を評価されながらも、実際として華々しい成果をあげきれておらず、未来を示しきれていなかったVRが今かつてない注目を浴び、革命的な速度で発展を遂げている。
その1つの到達点であり新たなスタートとして開かれた史上初の仮想空間でのライブは、これまでSFの世界だった仮想空間を現実のものとして感じさせるに充分すぎる体験を私達にもたらした。
一瞬にして目の前の風景が変わる。人が空中を飛び回る。どれも現実にはあり得ないことでありながらも、技術とアイデアによって高められた没入感はそんな違和感を排除し、新時代のエンターテイメントを創出することに成功していたのだ。
ライブでも二度披露されたオリジナルソング「Beyond the Moon」。自ら作詞したというその曲の最後で彼女は「この月を見ててね」と歌っている。
これだけのライブを見せても輝夜月は止まらない、むしろ革命はこれからなのだ。私たちはその輝きを、いつまでも。
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