和也お客さんの心に残るような料理を作って 喜ばせたい。
沙耶今日は お二人にも私と 和也さんの 未来を祝福していただけたらうれしいなと 思って。
千尋谷川 幸一郎が麻美のことを付け回していたのは間違いないのよね?
幸一郎あなたに買っていただきたいものがあるんです。15年前の写真なんですけどね。

ひかり私は もう 一人じゃない。私の味方で いてくれる人がこの同じ空の下にいる。今は そう 思えるから。
松永参ったな。主役が ケガだとあしたからの舞台は無理かもな。
かずさまさか 舞子さんの呪い?怜やめなよ。 縁起でもない。
(剛田)《もう一度 聴くよ?》《君が 森村 國彦を 見たとき雨は 降っていたのか?降っていなかったのか?》

竹島坊ちゃん!坊ちゃん。困ったことに なりました。
どうしたの?(竹島)原田農園さんからの野菜が 届かないんです。えっ?
竹島いつもの時間になっても野菜が 届かないんで直接 電話してみたんです。そしたらもう たにがわにはうちの野菜 売らないって。幸一郎さんにはとっくの昔に 伝えてあるって。

さすがに ちょっと 変だよ。(純一)それは 駄目だ。
何で?(純一)幸一郎借金を つくって 逃げたんだ。
薫子あの子。株で 大損して銀行の融資を その返済に充てていたらしいの。そのせいでお店は 赤字が 続いていたって。もう バカな子。ホントに ごめんなさい。

野村剛田さん。こんなところに いたんすか。一人捜査会議ですか?剛田昭和の刑事はホワイトボードに 相関図と決まっとんのや。
野村谷川 幸一郎。 失踪?剛田ああ。やつの周辺 探ってたら情報が 入ってきた。
剛田何や?野村また 劇団 ウミヘビで事故が 起こりました。舞台の リハーサル中照明機材が 落下して劇団員の 一人がケガをしたそうです。
剛田照明の 落下事故?野村はい。15年前 劇団 ウミヘビの 女優矢吹 麻美とおなかの子供を 殺害し逮捕された 森村 國彦。15年たった 現在森村が 出所。時を同じくして劇団 ウミヘビの 看板女優花田 舞子が 転落死。
剛田さらに かつて麻美を 付け回していた谷川 幸一郎が 失踪。
そして 今度は麻美が所属してた 劇団で照明の 落下事故。
野村もう これ 全部森村 國彦の連続的な 犯行なんじゃありませんか?復讐と 男女関係のもつれ。後は 劇団員の逆恨みとか 色々。

剛田が その仮説には一つだけ 重大な 落とし穴がある。
剛田森村が 現在の事件の犯人やとしたら麻美を殺した 真犯人を捜してのもの。 つまり…。
芽衣全治 3週間。 ついてない。こんな大事なときに。
芽衣あなた。何で うちの劇団名がウミヘビなのか 知ってる?ひかりいえ。

芽衣ウミヘビってね 小さくてすごく おとなしい 生き物なの。そのくせ人間が生きてる 陸地よりはるかに広くて 危険な海を優雅に 生きてられる。どうしてだか 分かる?ひかり分からないです。
芽衣パパが 酔ったとき一度だけ 私に言ったの。「俺は 観客に 広い世界と優雅な情感」「そして 毒を与えたい」って。

あのう。 何か?(内川)うん? いや。ずいぶん 違う気がしてね。特に いつもの…。
四季巡りですか?(内川)ああ。 そうそう。四季折々に 風情が味わえる。あれを 毎回楽しみにしてるんだが…。
内川まあ 精進しなよ。和也君。板長の背中は まだ 遠いな。

やっぱり原田農園の野菜が ないと四季巡りは 完成しない。
鈴木坊ちゃん。今 連絡があって原田農園さんだけじゃなく三軒屋さんと 泉仙さんも取引を やめたいと。
竹島そんな お前…。 それじゃ店 開けられないじゃないか。
大丈夫です。 原田さんと うちには長年の絆が ありますから。
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《どんなことが あろうと私の味方で いてくれる人がこの同じ空の下にいる。今は そう 思えるから》

《何があっても 続けるよ。大好きな ミュージカル》
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國彦えっ?千尋あっ…。 ごめんなさい。くれぐれも 用心して。

松永今回の チケットの払い戻しとかは どうすんだろう?
健斗嫌だよ 俺。かずさやっぱり 舞子さんの呪いだよ。みんなに 怒ってんだよ。
皆川きっと 誰か 俺たちを恨んでるやつの 犯行だよ。一同えっ?
皆川だって おかしいでしょ?短期間に こんなに…。災いが 2つも。


ホント よく いろんなこと起こるよね。 君んとこの劇団は。
あのう。 兄が どこで何してるのか 知りたいんです。
実は 照明の事故があった前の日に劇団で 兄に よく 似た人を見掛けたんです。

そして 15年たった 今もあのころのまま 愛してるはずや。
料亭 たにがわの 専務が失踪した。 谷川 幸一郎。
森村 國彦が 俺の目の前で谷川 幸一郎を 襲った。
15年間 俺は ずっとお兄さんの事件に 縛られてる。

余計な お世話かもしれんが谷川 和也君ね。 彼 今 大変や。
店は ひどい 赤字経営。あちこち 取引を 中止されてる。

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お願いします。食材が 揃わないと店を 開けられないんです。(山木)兄ちゃん。こっちも 商売なんだよ。お金を 用意してから出直してきて。 ねっ。

中丸悪いけど あんたみたいな若造 信用できないよ。せめて 板長連れてきなさいよ。
原田留守電 聞いたけど何度 言われても無理なものは 無理だ。
お願いします。原田さんの野菜が ないとうちの看板料理が。四季巡りが 出せないんです。
原田俺も そう 思ってずいぶん 我慢したんだ。うちの親父の代から 板長にはお世話に なっていたからな。

それは…。(原田)そういうことだからもう 諦めてくれ。いや。
純一ああ。 大丈夫だ。それより 竹さんから電話があって食材の仕入れが 滞ってるって。ハァ。 原田農園もか?
純一原田農園の野菜はな先々代が 何度も 何度も頭を下げてそれで やっと卸してくれるように なったんだ。
純一それから三代にわたってこの たにがわの 料理を支え続けてきてくれた。

春夏秋冬。 季節ごとに原田農園が 最高の食材を 届けたにがわで 最高の調理をする。

だから 俺 諦めずに頑張るから父さんは ゆっくり 養生して待っててよ。
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沙耶和也さん? お店大変だって パパから聞いた。どうして相談してくれなかったの?
沙耶私 パパに 頼んでみる。融資何とか 続けられないかって。それと うちの祖父市場の 卸売業者に知り合いが たくさん いるの。きっと 力になってくれるはず。私も できる限り 手伝うから。一緒に 頑張ろう。

でも ここで 沙耶の力を借りるのは 筋が違うと思う。
もしかして この間の会食のこと 怒ってるの?だとしたらホントに ごめんなさい。
そうじゃない。(沙耶)でも 和也さんのためには私 間違ったことしたと思ってない。だって 私には 分かるもん。和也さんに 必要なのは私なの。 あの人じゃない。お願い 和也さん。幼なじみなんて 幻想なの。私と 一緒に 幸せになろ。私のことだけを 見てて。

三枝ミルクちゃん。 俺見つけちゃったんだ。 ジャン。やっぱりミルクちゃんでしょ?本名 ひかりちゃんって いうんだ。へえ。 女優さんなんだ。ねえねえ?今度 いつ 舞台やるの?見に行きたいな。今 ちょうど 休演中なんです。

店長ミルク。また サボりか?ちゃんと 働け。すいません。
ハルカ私 やっぱりあなた 嫌い。その 被害者ぶった暗い顔と 態度。周りを 不幸にするよね。
鈴木すいません。 忘れてました。従業員和也さん。松の間に この間のお客さまが 来てます。和也さんを 呼んでほしいって。
剛田うん。 俺は 変わらずうまいと 思うけどな。やっぱり 違うもんかね?板長と 和也君では。
剛田今日は今 一番 大変な 和也君に情報を 持ってきたんや。情報?
剛田今日 北園ひかりに 会うた。相当 こたえてたな。
剛田照明の落下。主演女優が ケガしてしもうて公演は 中止や。そんな。
剛田あかんで。 和也君。どんだけ 忙しくても大切な相手のことは気に掛けといてあげんと。

たにがわのこともひかりのことも全然 守ることが できない。
剛田というわけで耳寄りな情報料として俺の願いを一つ 聞いてくれるか?
まさか 兄も 15年前の事件に関わってるんですか?

剛田さん。実は 最近15年前の記憶がよく 浮かんでくるんです。
剛田15年も時間が たっとんねん。記憶も 曖昧になる。 気にすんな。はい。
剛田谷川 幸一郎のパソコンはパスワードロックが かかっていて開けませんでした。
剛田いや。 なにぶん非公式な捜査ですのであまり 手荒なことは。

剛田矢吹先生。谷川 和也は 記憶が戻りつつあります。改ざんされる前の記憶は じきに思い出されるかも しれません。
矢吹第一発見者である 少年の記憶を改ざんしたのは あなた。違いますか?
剛田《君が 森村 國彦を見たとき雨は 降っていたのか?降っていなかったのか?》
矢吹では 引き続き 仕事の方をよろしく お願いします。
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矢吹お前には 関係ない。余計なことは 考えずに言われた仕事を こなしなさい。
ねえ? あんな子に 負けちゃ駄目だよ。 沙耶ちゃんだっけ?
でも お母さんね カズちゃんとお父さんって 似てると思うの。
ねえ? 覚えてる?昔さ お父さん 断り切れなくてサクランボ 30箱ぐらい買ってきたこと あったよね?
でも 私が 何も 言わなくてもたい焼き 買ったらお父さん 必ず 尻尾の方私に くれた。
えっ?映画館に 行けば私の好きな 右後ろの方の席取ってくれたし。

疲れたなと 思ったらいつの間にか 肩 もんでくれてた。
ひかりと カズちゃんにもそんな 2人に なってほしいな。
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(薫子)何とか 和也さんを説得することはできないんでしょうか?(純一)和也には 和也の人生が あるよ。(薫子)でも 和也さんと沙耶さんが 結婚すれば お金の面でも 仕入れ先に関しても好転することは目に見えてるんです。そしたら きっと 幸一郎だって帰ってくるはずです。

薫子あなた。こういうときこそ和也さんに たにがわを背負ってもらうべきです。あなたが言えばきっと 和也さんも…。
(竹島)しかし 困ったな。原田農園さんだけでも何とか 説得しねえとホントに つぶれちゃうぞ。たにがわ。

鈴木でも やっぱり坊ちゃんの説得 響かないんじゃ?
何とか 融資の件 考え直していただけないでしょうか?
三上娘が不安がっていましたよ。和也君が 結婚に 二の足を踏んでるようだと。
三上親バカかも しれないが私は 娘に 何としても 幸せになってもらいたいんだよ。 和也君。
三上娘との結婚が融資の条件だ。厳しいことを 言うようだがそういうことでも ないかぎり今の たにがわに協力する者など いないよ。

《出会わなきゃ いけないから俺たちは 出会ったんだよ》
《カズちゃんが 作る料理でみんなを 笑顔にしてほしい》

千尋おかえりなさい。何か 食べる?私 これから 仕事なんだけど。

國彦俺は 麻美のことだけを考えてきたんです。事件の前も 後も。
今夜 時間を下さい。あなたに 話したいことがある。

本日は 何とか 仕入れを認めていただきたく 伺いました。
そうですか。 では 伺います。ありがとうございました。

でも 何とか 原田さんの野菜を分けていただきたいんです。
原田さんの野菜を 使ってたにがわで 四季巡りを作ることが。
そして それを食べた お客さまを笑顔にすることが。
なるほど。今どき 珍しい しつこい若者が2人も いたか。こりゃ 傑作だ。おい。 姉ちゃん。


あのね ここに来る前にたにがわの 常連さんに聞いてアンケートを お願いしてみたの。
「四季巡りは 私と妻が最初のデートで 食べた食事です」
「この味が この先 何十年何百年と 続いていきますように」
このアンケートを 見せて 原田さんにお願いしてみたんだけど…。
原田《こっちは 何度も 何度も支払い 待たされてたんだ》
原田《謝って 済む話じゃないだろ》《こっちの苦労も 知らねえで》

それで 収穫を?だって相手の気持ちに ならないとって思ったから。
原田おーい。 お前ら。わざわざ 東京からいちゃいちゃしに 来たのか?
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原田かあー。 ごちそうさま。まっ。 でも いい歌だな。
春代はい。 どうぞ。しかし お嬢ちゃんのお父さんに向かってあの けんまく すごかったね。
いいの いいの。 恋する女はそれぐらいじゃなきゃ。

カワイイ彼女に 免じてあしたから またたにがわさんに 野菜を卸すことにする。
うちは 和也さんにもう1回 懸けてみるからあんたたちも そうしなさいって。何て言ったら いいか…。
春代さあ 食べて 食べて。一生懸命 作ったんだから。朝から 働いて 疲れたでしょ?今日は 泊まっていきなさいね。
ホントに ありがとうございます。(原田)あのな。もう 電車も バスもねえよ。こんな田舎。
薫子そう。 分かった。気を付けてね。和也さん。今日 帰れないって。原田農園さんと仲良くなっちゃって今日は 泊めてもらうって。純一そうか。

諦めそうになったこともあったけどひかりの言葉を 思い出して頑張れた。

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國彦教えてください。千尋さん。麻美の おなかの子の本当の父親は 誰なんですか?
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