Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

サマータイムに関する現状の認識整理

504 views

Published on

サマータイム問題を特にシステム関係から

Published in: Technology
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

サマータイムに関する現状の認識整理

  1. 1. サマータイムに関する現状の 認識整理 立命館大学 情報理工学部 上原哲太郎
  2. 2. サマータイム(夏時間)とは • 夏の長い日照時間を活用するため 夏に「時計を早める」制度(普通は1時間) • 主な目的は「節電」「省エネ」 •元々第一次大戦中の燃料節約がきっかけで広がる • 国連加盟国の1/3で実施(60カ国) • G7で現在実施していないのは我が国だけ
  3. 3. 主に北米と欧州で実施 By Paul Eggert CC-BY-SA-3.0, via Wikimedia Commons 実施中 過去に 実施 実施経験 なし
  4. 4. 日本におけるサマータイム • 戦後1948年にGHQの指導で実施 しかし1952年には廃止 •当時の新聞を見ると・・・ 読売新聞 1950.4.27 夕刊より 読売新聞DB
  5. 5. 繰り返す導入論 • 高度成長期:エネルギー不足で導入論が高まる • 1990年代から繰り返す…日経見ると • 1995年3月4日 「サマータイム、立法化の動き強まる」 • 1999年2月23日 「参院の超党派議連、サマータイム2001年度導入、議員立法提出へ。」 • 2001年4月18日 「サマータイム、2003年導入へ、環境省、法案を来年提出」 • 2004年9月25日 「サマータイム法案提出へ。」 • 2005年4月27日 「サマータイム法案、今国会に提出へ――自公が合意、2007年導入めざす。」 • 2008年5月30日 サマータイム「10年導入を」、超党派で法案提出へ、省エネ・経済効果見込む。 • 2008年は本当に提出されそうだった
  6. 6. 転機:2008年6月10日 • 元衆議院議員 早川忠孝氏の回顧 http://blogos.com/article/318442/ •自民党緊急政調全体会議が開催され サマータイム法案が審議、提出寸前に •しかし民主党篠原孝議員の手紙が情勢を変える • 『サマータイムは「時刻の切り替え」ではなく「頭の切り替え」で』 • 『我々政治家は、国民が望んでおらず、大して役に立つわけでもない 「おせっかい政治」は慎むべきです。』 •これで拙速な導入論が見送られることに
  7. 7. オリパラで蘇った導入論 • 7月28日組織委 「20年に限ってでも良いので サマータイムを導入する法改正を 検討して欲しい」 • 8月7日組織委 「19年20年に限って2時間の サマータイムを検討して欲しい」 →首相が党に検討指示
  8. 8. 伝えられているサマータイム案 • 6月最初の週末から8月最後の週末まで • 2時間繰り上げ • 例えば2019年実施なら… •2019年6月2日(日)午前2時になると 午前4時に2時間飛ばす •2019年9月1日(日)午前4時になると 午前2時までもう一度戻る • よって9月1日2時~4時は2回繰り返す 9月1日3時、さてどっち?
  9. 9. 導入効果:メリット・デメリット • メリット • オリンピック競技の暑さ対策?? • 節電&省エネ効果?CO2削減? • 経済効果?? • 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストの試算 「個人消費が押し上げられ、年7000億円の経済効果」 • システム改修も経済効果? • デメリット • 社会的混乱?健康被害? • システム改修による負担?影響?? あまり議論 されてない
  10. 10. 前回の試算 • 地球環境と夏時間を考える国民会議 報告書(1999)の試算 •ハードウェア・ソフトウェアあわせて 1000億円程度(各省庁・業界ヒアリング積算) •必要な周知期間・準備期間は2年程度 • 2年の根拠?! •航空業界「IATAでの調整に2年程度」 •ソフトウェア業界「今は2000年問題対応で 手が回らないので2000年以降にして」 何年かかると 言ってない サマータイム 推進論の主な根拠
  11. 11. いや、今は2年でも無理では? • 「時計の自動設定」を行う機器が格段に増えた • 今はまさにIoT時代ではないか! • 「時計の自動設定」技術的に意味するところが 理解されていないのでは? • 時計は協定世界時を自動設定し機器側が時差を足す =機器側のソフト修正なしにサマータイム対応は不可能 • ソフトがネット修正可能な機器ばかりではない • サマータイムに対応したアプリ開発を 理解できないプログラマは多そう… • 教育からやらなくちゃいけないんじゃないの?? こらあかん
  12. 12. 2018年8月10日 アレを出す …そしてバズる。
  13. 13. 主な主張 • インフラ更新は4~5年欲しい • ソフト更新も大規模なら3年欲しい • 家電などで対応不能で修正か交換する 必要がありそうなので国民負担発生 • それを避けるなら10年待つべき • 経済被害はインフラ3000億 全体では兆単位 • イノベーションに充てるべき人材を サマータイム対応で使い潰すな!
  14. 14. なぜそんなに時間がかかるのか? • 自動設定問題(時刻合わせ問題) • システムに入ってくる時刻供給源を全部洗い、 正しく設定されるか確かめる必要 • ロケール更新問題(OS時刻問題) • アプリケーション検査問題 • 夏時間でも現地時間を取得できるか • 夏時間にかかる年2回の移行日に正しく動くか • データの健全性(特に通信電文) • DB内に書かれている時刻は日本時想定? • 電文内の時刻が日本時である場合どうする?
  15. 15. 例えば時刻供給源を考えよう 手動 NTP GPS 長波 JJY 世界時 携帯TV 放送 日本時 世界時 +時差 日本時
  16. 16. サマータイムの時にどうなるの? • 日本時か、サマータイム(夏時間)か 手動 NTP GPS 長波 JJY 世界時のまま 携帯TV 放送 日本時 +時差 世界時 +時差 夏時間 (多分)夏時間
  17. 17. 「運用でカバー」できないの? • 出来る場合もあるかもしれない •極端には「現状維持で人間様が読み替えろ」 • でもそのためにはシステムを洗って逆に 「全体が日本標準時=世界時+9時間」で 動くように維持しないといけない •WindowsUpdateできない •他に、夏時間期間は世界時-2時間を系に供給 • でもそれにより世界時が巻き戻るトラブルが怖い • 運用で逃げると後々祟る… •伝達漏れで後から後からトラブルが…
  18. 18. 経済の停滞が怖い • 中央大学総合政策学部 実積寿也教授による試算
  19. 19. 本日の目標 • どのようなシステム上の影響があるか 事例を集めよう • それが実際にサマータイムの実装に どれほどの負荷になるか共有しよう • 何故このような検討が 政策が提案されるまでなされないのか? • 今後はどうしていくべきなのか?

×
Save this presentationTap To Close