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石橋静河

悪役に見えて、人間くさい普通の人

鈴愛が大阪へ行ったときに少しだけ登場しましたが、萩尾より子がどんな人物なのか、第21週まで謎に包まれていましたね。

結婚はがきを見たボクテ(志尊 淳)とユーコ(清野菜名)が、より子について「“いつの間にか婚”じゃないか」「計算高い“パン女”じゃないか」と疑うシーンがまずあって。次の回で、鈴愛さん(永野芽郁)が大阪の家に訪ねてきたんですよね。両方とも第13週です。その時点では情報が少なくて、より子がどんな人なのか分からず、悪役になる覚悟だけ決めた状態でした(笑)。

そして、本格的に登場したのが第21~22週。「こんなところ(梟町の萩尾家)に長くいていいのかしら?」「少なくとも部長夫人以上にはなりたいわ」といった、打算的でキツい言葉を発していたので、観てくださっている方々には悪役に見えたと思います。
でも最終的には、より子は人間くさいところを持っている、普通の人という感覚で演じていました。律(佐藤 健)との結婚も、普通の恋愛から始まったと思っています。

イエスでもノーでもいいから、律の反応がほしかった

律に不機嫌な態度を取っていたのは、寂しかったからだと明かされましたね。

夫婦間で価値観が違うのはあることなのかもしれないけれど、分かり合う「努力」までしなくなったら、心が離れていくばかりで。イエスでもノーでもいいから、より子は律の反応がほしかったんですよね。自分が投げたことばに対して、それよりも低い温度で返されたら、やっぱり寂しいと思います。ましてや、その相手がいちばん身近な夫なら、すごく悲しいんじゃないでしょうか。
そんな関係が嫌だから、もっと反応してもらえるように、どんどんキツい言葉を発するようになってしまって。それでも律は怒らないから、より子は心の余裕がなくなって、翼(山城琉飛)にまで当たるようになったんだと思います。

結局、より子は不器用なんですよね。萩尾家にあまり来ないのは、たぶん、仲良しな雰囲気に溶け込めないから。自分からは梟町の人々とうまくつながれず、所在ない気持ちだったからだと思います。

より子って、すごくかわいくないですか?

より子の心の中が描かれたいま、役の魅力をどんなところに感じますか?

「半分、青い。」に登場するキャラクターって、単なる“いい人”が一人もいないのがおもしろいですよね。どんなにいい人でも、ダメな部分が描かれていて。美化しすぎないところが魅力的だと感じています。

より子に至っては、あれだけ嫌な女に見えるのに、その理由が「寂しいから」ですからね。これって、すごくかわいくないですか?(笑) 憎まれ口を叩き続けるのは、「あなたと関わりたい!」「自分を見て!」と言い続けるようなもので。より子は、苦しみながらも、体力を使って一生懸命に関わっていくんですよね。そう捉えると、全く悪い人に思えない(笑)。私としては、より子を不器用で人間くさくてかわいらしいキャラクターだと思って、楽しみながら演じさせていただきました。

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