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学校へ行けなかった私が“あの花”“ここさけ”を書くまで

アニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」を生み出したカリスマアニメ脚本家の自伝ストーリー。大ヒットアニメの原点は、かつて生きづらさを抱えたひきこもりだった作者自身の過去であった…アニメ作品の映像と実写ドラマをコラージュした全く新しい青春物語がここに誕生!生きづらさを抱える多くの若者に向けてお届けします。主演は前田敦子。

【作】岡田麿里,【出演】前田敦子,大東駿介,浜野謙太,長井短,温水洋一,野間口徹,田中要次,本田博太郎,富田靖子

  • 5.1ch
  • 字幕放送


過去の放送

番組紹介

「あの花」「ここさけ」とは?

岡田さんの出身地・埼玉県秩父市を舞台としたオリジナルアニメーション作品。ひきこもりの少年・じんたん(「あの花」(’11))、幼少期のトラウマで声が出なくなった少女・成瀬順(「ここさけ」(’15))を主人公に、自分の殻に閉じこもっていた若者が成長していく姿を繊細に描き、10代20代を中心に圧倒的な共感を呼んだ。主人公たちの造形は、小学校時代から学校に行けなくなっていた、岡田さん自身の経験が元になっている。


あらすじ

小学校時代、周囲に馴染めず学校に行けなくなってしまった安喜子。自宅にひきこもり、本を読んではゲームをし、寝て暮らす毎日を送っていた。

あらすじ

高校にも半年で通えなくなり、担任から卒業のため得意の作文を書くように言われる。

あらすじ

祖父との別れや、母の本音に触れ、「外の世界」への思いを募らせていく安喜子。その気持ちを作文に綴ることを通して“自分の言葉を人に届ける”喜びを知る。

あらすじ

シナリオライターになる夢を見つけた安喜子は上京。

あらすじ

様々な人と出会い、もがきながらも、やがて「あの花」「ここさけ」という大ヒットアニメを生み出していく。

あらすじ

登場人物

坂田安喜子/前田敦子

ひきこもりだった少女時代を経て、「書く」ことを通じて自分の居場所を見つけていく。

坂田安喜子/前田敦子

福岡 護/大東駿介

安喜子の恋人。手当たり次第に仕事を受けてはもがく安喜子を、温かく支える。

福岡 護/大東駿介

坂田宗久/本田博太郎

安喜子の祖父。強面だが愛情深く、学校に行かない安喜子を心配している。

坂田宗久/本田博太郎

坂田紀子/富田靖子

安喜子の母。離婚し、一人で娘を育てる。登校拒否を続ける安喜子に心悩ませながらも、最終的にはその生き方を応援する。

坂田紀子/富田靖子

【原作・脚本 岡田麿里】
脚本家。06年からアニメライターとして活躍。数多くの作品を手がけながら、「あの花」「ここさけ」などオリジナル脚本でヒット作を生み出す。今年、初の監督作品「さよならの朝に約束の花をかざろう」を発表。
【音楽 橋本由香利】
作曲家・編曲家・作詞家。アニメ・ゲームを中心に多くの映像音楽を手がけ、アーティストへの楽曲提供でも高い評価を得ている。ソフトロック、ギターポップ、ネオアコースティック、エレクトロニカの世界観を軸に多彩な音楽を作り上げる。
【主題歌 佐伯ユウスケ】
06 年から作家活動スタート。アイドルから声優、女性シンガーまで幅広く楽曲を提供し、12年mini ALBUM「7つのドウキ」でシンガーソングライターデビュー。切ない恋愛や現代社会に向けた歌詞を歌い上げる。

【原作・脚本】岡田麿里
【音 楽】橋本由香利
【主題歌】佐伯ユウスケ「ナニやってんだろうな」
【出   演】前田敦子 大東駿介 浜野謙太 長井短 温水洋一 野間口徹 田中要次
               本田博太郎 富田靖子 ほか
【制作統括】落合将(NHK)
【プロデューサー】上田明子(NHK)
【演 出】 藤並英樹(NHK)


コメント

【原作・脚本のことば 岡田麿里】

自伝をドラマ化したいとお話がきて、最初はお断りしました。恥ずかしいやらおこがましいやらがありつつ、やはり一番は「不登校を、脚本にするのは難しい」。起承転結のまったくない日々の中、責めたててくる時間の圧力にひたすら耐える……あの感覚を、90分の映像脚本にできるのか。それでも演出の藤並さんは、諦めずに説得してくれ、うっかりほだされてしまいました。
登場人物などはフィクションにしてありますが、基本は自伝をなぞっています。ドラマチックとはほど遠い日々が、藤並さんや前田敦子さんをはじめ、この作品に関わってくれた皆さんの熱意によってひとつのドラマになりました。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

【制作統括のことば 落合 将】

2018年、全く新しいタイプの「青春物語」が誕生しました。
90分間ほぼ全て主人公の一人語りで内省がつづられる心の旅。ほぼ全てのシーンに登場する前田敦子さんが、時にユーモラスに時に切実に、見事な存在感で演じきってくれました。
主人公は常に自分自身と向き合ってばかりなのですが、母や祖父、仕事仲間など周囲の人間たちは彼女の内省を全く別の方角から「ぶちこわして」きます。他者との出会い、それこそが人生、といわんばかりに。ひきこもってばかりいられずに、成熟を余儀なくされていく主人公が最後に見た光景は果たして。演出の藤並くんがどうしてもやりたいと企画を出し、カメラの藤田さんと1カットずつ慈しむように撮影した宝石のような作品です。心してご覧ください。

【演出のことば 藤並英樹】

原作から脚本、そしてドラマを作っていく中で強く感じたのは「言葉の力」です。言葉は時に人を助け、傷つけ、生きていくための武器になるということを岡田さんは終始語られてきたように思います。「言葉の力」に強く影響を受けてこられた人生だったからこそ、脚本家・岡田麿里の独特な世界観や台詞回しが生まれたのかもしれません。
当事者にとっては深刻な「ひきこもり」の体験を、あえて軽妙に語られた岡田さんの原作・脚本。それを前田敦子さんは絶妙なバランスで演じてくれました。
フィクションの要素を加味したノンフィクション。いくつかの絶妙なさじ加減で生まれたドキュメンタリーのようなドラマをお楽しみいただければ幸いです。