【スポーツ】[女子サッカー]なでしこ2大会ぶり2度目の金 耐えて終了間際に菅沢決勝弾2018年9月1日 紙面から ◇ジャカルタ・アジア大会<第14日> 日本1-0中国【ジャカルタ木村尚公、川村庸介】サッカーの日本女子は決勝で中国を1-0で下し、2大会ぶり2度目の優勝を果たした。柔道は女子78キロ超級の素根輝(あきら、18)=福岡・南筑高=が優勝。1994年広島大会無差別級を18歳5カ月で制した阿武教子を上回り、柔道の日本勢では史上最年少の18歳1カ月22日で金メダルを獲得した。男子100キロ級の飯田健太郎(20)=国士舘大、女子78キロ級の佐藤瑠香(るいか、26)=コマツ=も優勝。男子90キロ級でリオデジャネイロ五輪金メダリストのベイカー茉秋(23)=日本中央競馬会=は銅メダル、男子100キロ超級の王子谷剛志(26)=旭化成=は準決勝で反則負けした。 4月のアジア・カップを制し、今年二つめのタイトルが懸かったサッカー女子の「なでしこジャパン」。16日間で5試合をこなすインドネシアでの過酷な戦いを、なでしこは最高の形で締めくくった。前回の対戦では快勝した中国に防戦一方ながら、最後の最後に決勝点を奪い、勝利だけは譲らなかった。試合終了の笛が鳴ると、雨でびしょぬれになった選手は安堵(あんど)の表情で抱き合った。 終了間際だった。岩渕が右で縦パスを出し、突破した中島が正確なクロスをゴール前に入れた。走り込んだ菅沢は「ワンチャンスが来ると思った」と頭から飛び込んで合わせると、均衡を破る劇的な決勝点となった。 試合を通して苦しんだ。新監督に代わった中国は前線から圧力をかけてくると分かっていても対処できない。パスコースを限定された日本は中盤で何度もボールを失った。相手の攻撃はシンプルだったが、体の強さや速さに圧倒され、何度もサイドを簡単に崩された。 アジア勢として2011年に初めてW杯を制し、近年は追われる立場になった。今大会は18人という少ない戦力で、海外組などを欠きベストメンバーではなかった。それでも鮫島が「W杯を勝ってから、なでしこは1位じゃないと結果を出せなかったねと言われる。自分たちも意地とプライドがある」と語った通り、選手らは我慢強く耐え続けた。決勝も相手の猛攻をはね返し、劇的なゴールで金メダル。2大会ぶりのアジア大会優勝で日本の強さと底力をあらためて証明した。
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