自分が触れたことのある世界なんて、地球における砂粒くらいの面積しかない、という意識で生きている。つもりだった。この日までは。
そう、所詮「つもり」でしかなかったんですよ。わたしの知らない世界はこんなにも広大でした。
というわけで「ゲイストリップ」、見てきました。女性でも入れる「ゲイストリップを見ようの会」が、たまたま、アニサマ遠征の次の日、予定が何もなくてどうしようかなと思っていたその日に開催されていたからです。
(※生々しい話をしていますので、苦手な方はご注意くださいね)
「ゲイストリップ行かない?」に「アハハいいよ行く~!」って速攻返してくれる友人のありがたさ
本来、ゲイストリップはゲイの方のための催しだから、女性は見ることができなかったのだそう。けど、これ女性が見ても絶対面白いのでは? と思った大島薫くんが、日本で唯一のメンズストリップ団体「N-stage」さんのショーを見られる催しを定期的にやってくださっているのです。
女性ストリップより男性ストリップの方が摘発されやすくて、「N-Stage」さん以外の団体は全部なくなってしまったそうだよ…。こういうことを、ステージ上でハイボールをガバガバ呷りながら話してくれる薫くん(徹夜明け)。
イベントは、
・4人の演者さんがショーを4回(ソロ2回、ペア1回、全員出演1回)
・各ショーが終わるごとに演者さんがチップタイムに入る(パンツ1枚で客席をまわる)
・チップタイムをやっている間に、他の演者さんや、お手伝いに来ている演者さん(今回出演しない)が、MCの薫くんとステージでトークをする
という構成でした。
撮影していいタイム。真ん中のスタッフさんはノンケだそうで「なんでノンケなの?」とグイグイ突っ込まれてるところ
まずもってみなさん本当に、本当にキレイ。体がめっちゃくちゃキレイ。筋肉がスッゴイ方、彫刻みたいにバランスのいい方、細っこくてしなやかな方、人によって特徴は違うんだけど、どの方も本当にキレイ。綺麗としか言えない…普段自分のだらしない体見てるから、人間としてあまりの違いにビックリします。筋肉って綺麗なものなんだね。ムダ毛も産毛も全然ないの。誇張なしに二次元でよく見る体だった。
この美しく整えられた体躯を拝めるだけでもありがたいのに、さらに脱いで踊って、パフォーマンスしてくださいます。完全にお見せしちゃうとダメらしいので、パンツになって終わる感じ。でも布をズラしたりそらしたり結構際どいところまでアレコレしてくださる。そしてペアや全員での絡みでは、体勢も動きも表情も、入ってないだけで完全に致してるシーンを延々と繰り広げてくれます。
これがまあ、生々しいのは当たり前なんですが、みなさんの表情の作り方や仕草が上手くて、人間の体が絡み合う様子って綺麗なんだな~~って見惚れちゃうんですよね…。エロい気分になるというよりは、二次元でしか見たことない綺麗な体にボーッとする、という感じでした。いや本当に…なんか…二次元って三次元なんだな、みたいな(支離滅裂な発言・思考)
絡みではベロチュー当たり前だし、チップタイムで演者さん同士が近くに来たらサービスでチューしたりして絡んでくれるんだけど、気恥ずかしさなくまじまじ眺めてしまうくらい綺麗だった。薄い本で死ぬほど読んだイケメン同士の濃厚絡みを、実際に目の前で見せられているのに、この非現実感は一体…!?
(4人の絡みショーで、4人が素肌白シャツ&ジーンズで出てきて、シャツの上から水かけて体を濡らしていくという、腐女子が死ぬ演出があったんですが、薫くんが「わ~USJみたい♡」って言ったの笑いすぎてどうにかなるかと思った。薫くん、お話がほんっとうに面白いです)
チップタイムはショーが終わるたびにあります。ショー終えたて汗まみれの演者さん(うそみたいにイイ匂いする)が、薄手のぴちぴちパンツで客席をくまなく周ってくださるので、パンツにチップをねじ込みます。入れるんじゃないよ、ねじ込むんだよ。
チップ(1枚100円)を1枚ねじ込むだけで、頭ぽんぽんしてくれたり、求めればハグも壁ドンもしてくれるし、腕でも乳首でもなんでも触らせてくれるし、なんならチップ口移しで渡せるから、えっもっとお金毟っていいよ!?って軽率に追いチップしてしまう(あまりのコスパの良さに不安になるオタク)。筮竹かよってくらいチップを抱えてる方もいた。
そもそも最初のオーダーにチップを5枚付けてくれるから、下手したら500円のソフトドリンクだけで最後まで楽しめちゃったりするんですよね…。でも、演者さんはチップをパンツにギチギチに詰めて帰られるけど、あれだけ詰めても総額いくらなんだろうなって思っちゃう。新たな世界の扉をこれだけバンバン御開帳してくださるんだから、できる限り追加オーダーした方が、きっと楽しいと思います。現ナマそのままパンツに挟んでるお客さんもいました。オタク強い。公演後にはチェキが撮れるサービスもあるそうですよ。地下アイドル現場みたいだなあ。
チップが湿っているのはドリンクの水滴のせいで、決して手汗ではないぞ
そして、パンツ1枚のイケメンが至近距離を練り歩く間、ステージではトークショーが繰り広げられます。これがまた、演者さんたちの性事情やら何やらとんでもない密度。わたしらあなたと会うの初めてなんですけど、こんなん聞いちゃっていいの!?ってこっちが動揺する。二次元でよく見てる会話なのに。
いや、だって「飼い主と彼氏は違うでしょ」って言われてもわっかんねえ~~~。飼い主とかいたことねえよ!! そうなんだ~~違うんだ~~へえ~!! 乳首に名札つけたくてピアス開けてもらっちゃう気持ちもよくわかんないな!! わたし36年生きてきたけど、乳首に名札付けたいなって思ったことないんだ申し訳ないアハハ…。
「僕は受も攻もどっちでもいける、だってそのほうが気持ちよくていいでしょ?」って同意求められたのにも頷けなくてごめんね!? 慣れると準備しなくても指が入るようになるって話は心の聖書に彫り込みました。受同士で楽しめる道具もあるんですって。便利だなあ! マジで金毘羅さんの石段を100段飛ばし登りする勢いで知識が増えます。
とにかくトーク内容が赤裸々で、MCの薫くんをはじめ、飛び出す言葉のパワーが強い。聞いてて恥ずかしがるのなんかバカバカしいよって笑い飛ばしてくれるような強さ。トークにだけ出てきてくれた演者さん3人がみんなノンケで「ノンケ組」って呼ばれてたのが本当におかしかった。どっちがマイノリティかなんて、なんてくだらない区分けなんだろう。薫くんの「チップつっこんでもらえるのは、お尻につっこんでもらってからだよ」ってセリフのパンチ力よ…。お腹壊れるかと思うくらい笑った。
公演時間は2時間半くらい。わたしも友人も、女性のストリップにも行ったことがないストリップばぶちゃんでしたが、楽しみ方も作法みたいなことも薫くんが教えてくれるし、常連さんたちが率先して盛り上げてくださるので、何も心配することなく楽しめました。
来場者はほぼほぼ女性+常連っぽい男性、女性は20代から40代くらいまで幅広く、一人の方もいれば友達連れの方もいて本当にそれぞれ。変に恥ずかしがらず、演者さんたちが作り出してくれる空気にどっぷり浸かって楽しんじゃったほうが絶対得だと思います。
わたしも友人も、口移しでチップ渡したり抱き寄せてもらったり、しっかり楽しませていただきました。パンツ1枚のイケメンから普通にちゅーされてる友人を横で見る、この不思議な感覚は、たぶん他では味わえません。いま自分がどれだけアホ面晒してるんだろうなとか冷静になるのは、お店を出てからでも遅くないです。
演者さんはそれぞれどなたも素敵だった!
寧々さん
「N-Stage」主催の方。写真の左端の方です。プロレスラーだそうで筋肉がとにかく凄かった…鍛え抜かれたボディだし、びっくりするくらい色白でした。一番防御力の低いパンツで飛んだり跳ねたりなさるから、コンニチハしないかどうかめちゃくちゃ心配になった。広島ご出身でカープファンなの知りませんでした
カミュさん
彫刻みたいだった。彫像が気まぐれに命を持っちゃった、的な…横顔とか体のラインとか造り物みたいに整ってるし、花魁をイメージしたショーでは指先や背中まで動きが本当に美しくて、たぶんわたし口開けて見てた気がする。いや~美しいって表現以外になんて言えばいいの!? あとめっちゃいい匂いする。
朱雀くん
金髪の、かわいい小悪魔系。二面性を全然隠そうとしてなくて、チップもらいながらも、こっちのこと「このブスが、僕に触るな」とか思ってそうな感じがすごくよかった。これで受でMなんだって~現実~! 少年っぽい猫みたいな体つきで可愛らしいのに、絡みでの表情の演技が最高にエロスでした
コボくん
アラビア物の受っぽい、オリエンタルで神秘的なビジュアルの方だった。御本人は受専門でMらしいけど、朱雀くんとの絡みで見せるSっぽい演技がよかったです。でも4人での絡みになると、かわいくて健気な受になっちゃうんだよ、魔法かな!?
この「見ようの会」は定期的に開催されているみたいです。チケットはイープラスで買えちゃうし3,000円だし、支払いと発券を同じコンビニで揃えたら手数料0円なんですよ…。3,000円とかタダみたいな値段ですよね(オタク特有の麻痺)。それに高円寺には、こういうショーを見せてもらえるメンズダンスバーがあるそうなので、みなさんぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか。
建前とか常識とか、そういう外をくるむもの何もなしに、剥き出しの体をこうして目の当たりにさせてもらえると、人間の命は「生」であり、エロスが根源にあるんだな、なんて当たり前のことについて考えてしまった。
生々しいのは生々しいですから万人にオススメはしないですが、もしちょっとでも興味があったら、ぜひ行ってみてほしいです。わたしもまた行きたい。