2017/12/14
【緊急速報】入稿しました! 通過しました!
こんにちは。
デイトラでは4度目くらいの登場となります、某誌の川島KGです。
先日開催された「Botさんたちの夕べ」でも少し宣伝させていただきましたが、僕のほうで編集を担当しております冬コミ商品
『デイトラの巻 ~トライナリーのヒロインたちのオモテウラ日記録~』
について、お知らせをさせていただきます。
本日、無事に入稿しました!
わーパチパチ!! おめでとう!!!
……何とか、間に合いました。
ぶっちゃけると〆切は昨日だったのですが、印刷所さんにお願いして今日まで引っ張りました。危なかった。
「ブログの内容をまとめるだけなんだから簡単じゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。ぶっちゃけ僕もそう思ってました。が、本日の写真を見てお察しいただきたい通り、デイトラの各回のテーマによって文章量が違いすぎて、それを1冊の本として読みやすいように編集するのが想定外に大変でした。イラスト担当の永深ゆうさんも校正紙を見て、「回が進むにつれて文章量が頭おかしいですね」って言ってました。僕もそう思います。とくに歌詞解説がヤバいです。
この本を作るにあたり、デイトラを改めて読み直してみましたが、メインストーリーを観測した今になって振り返ると、これまた興味深いですね。
各回のテーマについては、僭越ながら僕がBotの皆様を代表させていただくような気持ちで「こんなことを彼女たちに聞いてみたい!」と土屋さんに提案したり、土屋さんのほうからも熱量のある提案が返ってきたりして(それが頭のおかしい文章量につながる)、毎回楽しく話し合いました。その決定を彼女たちに伝えると、アーヤさんから「テーマを考えてる人の頭の中を覗きたい」とか言われたり、ガブちゃんも「誰かわからないけどよく考えるわね」とかツッコミを入れつつも律儀に答えてくれたりして、時空を超えたキャッチボールができたのも良い思い出です。
良い思い出……なんて書くとデイトラが終わっちゃうみたいですが、まだ終わりませんのでご安心ください。今後は毎週更新ではなくなりますが、たぶん明日あたりから土屋さんがフレイメノウの歌詞解説をしてくれますし、その次は「好みの下着」という実に興味深いテーマで、トライナリーの皆さんが久しぶりにデイトラに登場します。このテーマを聞いたアーヤさんからは強めの苦言を呈されましたが、なんだかんだで皆さん答えてくれましたので、どうぞお楽しみに。
ちなみに、ここで語られる「好みの下着」は、本作のBlu-rayのエビテン限定購入特典であるB2タペストリー用イラストで描かれている下着そのものです。こちらもぜひお見逃しなく!
それからもう1つ、ご報告です。
お待たせしておりました
LINEスタンプ
も、
めでたく審査を通過しました!! 良かったよかった!!!
というわけで、これから諸々の準備をして、
2017年12月20日(水曜)
にスタンプをリリース予定です。
もう少々だけ、お待ちいただけると幸いです。
今回は、ひとまず以上です。
また冬コミが近くなりましたら、『デイトラの巻』が全Botさん必携である理由などをお伝えしたいなぁと思っています。
ではでは!
2017/11/24
Metropolitan medicine ~宇宙の法則でTOKYO~
【歌詞解説】⑦
さて、今回は第7回目の歌詞解説。まさに今MV回のつばめ曲について、様々なエピソードや歌詞の意味を紹介して行きたいと思います。
※歌詞はフルバージョンのものです。
※フルバージョンの楽曲は、PlayMusic、iTunes、AmazonDigitalMusic、レコチョク、mora、アニメロ、e-onkyo等で好評配信中です(サイトによってはハイレゾ版もあります)
Metropolitan medicine ~宇宙の法則でTOKYO~
作・詞曲編:川崎里実 語り:土屋 暁
おひとりさまなのね
だいたいがそうね
目的地もなぜか十人十色だ
想定していたライフスタイルは
どうしてなのかしらうまくはいかない 宇宙の法則で
なぜか きにしてない
不思議 むしろうれしい
なぜか 私のちょっと上
あれれ どーした?
くるくるまわるよ ころころ変わるよトーキョー
ぱりぱり外側 中身はふわふわトーキョー
あれこれそれぞれ なにかにつけてもトーキョー
もろもろまるまる よろしくおねがいトーキョー
だからこのままここで Dance Dance Dance Dance
おしゃれ たまにはいいね らんるんれんるん
ちょっと青山なんて 背伸びね
だから聴いてeh~ eh~ トーキョー
改札出てから一歩で遭難
はあぁっ…イケない袋のネズミだ
途方に暮れて天を仰げば
東へイケとフクロウが指さす
午後9時集合ワコーマエというけど
えー…どっかわかんない!ばしょ教えて!
てか、そもそも位置がやっぱり違うらしいんですけど
ふぅ、もういいもん…
いいんだばしょちがったって同じ 東京だもん
ってダメだよ待ち合わせだし!
すみませんタクシー! あれ?車うごかない?
「
ごめんねー工事待ちだわー」
車つながった超渋滞に「もー降ります!」って
だってさぁ、くらくらだもん、車で酔っちゃって
だいたい、さぁ!
こんな距離歩いたって余裕楽勝チョー楽勝だし!
ほらね!おまたせしましたあ!
銀座だしいっちょーメイクキメていこうってキバったのに
しーんとみんなに超見つめられちゃって
卯月さんなんて「ちょwwつばめさんそれ酷すぎです」って…
えええっ! そんなぁ… 膝つき締まったシャッターのマエで
一人でおーあーるぜっとよ、すったもんだの東京バカンス
今度はそびえ立つ魅惑の白いツリーにも挑戦したい
あぁ Metropolitan Medicine 奇抜な街がココロに効くよね
ふぅ〜
おふたりさまなのね くっついたのね
ぐーぜんが変身 タイミングで
運命の糸があるのならば
毎日ふにゃふにゃしていても 引き寄せられちゃうからナゾ
ぴったり はまったように
しっくり 自然体
なぜか 私と君の下
あれれ どーした?
サクサク掘るから どんどんのびるよトーキョー
潜って上がれば 景色はミラクルトーキョー
あれこれそれぞれ なにかにつけてもトーキョー
もろもろまるまる よろしくおねがいトーキョー
手と手つないで 君とDance Dance Dance Dance
光り輝きながら Love Love Love Love
表参道ずっと わくてくWalking
終わらないでeh~ eh~ トーキョーナイト
くるくるまわるよ ころころ変わるよトーキョー
ぱりぱり外側 中身はふわふわトーキョー
あれこれそれぞれ なにかにつけてもトーキョー
もろもろまるまる よろしくおねがいね!いつでも
くるくるまわるよ ころころ変わるよトーキョー
ぱりぱり外側 中身はふわふわトーキョー
あれこれそれぞれ なにかにつけてもトーキョー
もろもろまるまる よろしくおねがいトーキョー
だからこのままここで Dance Dance Dance Dance
明日原宿行こう らんるんれんるん
甘いものならペロリ そうでしょ?
だから聴いてeh~ eh~ トーキョー
つばめの曲は、ヒロインのイメージソングの中では最も最初にオーディションが行われ、サッと決まったものです。ちなみに若干蛇足になりますが、イメージソングの中でアッサリ決まったのが「つばめ」と「みやび」と「神楽」、難産だったのが「アーヤ」と「ガブリエラ」です。アーヤは曲の方向性の摺り合わせに難航し、直接打ち合わせする機会を設けていただいたり、ガブリエラは2回目、3回目の候補曲にも尚「該当無し」で返してしまい、割と関係者一同ドキドキしたという経緯があります(それぞれの顛末は各楽曲の解説をご参照ください)。こういった話をすると、特に昔を知る人からは「土屋は血も涙も無い」など言われたりするのですが、残念ながら今回に限っては、さほどハズレてはいません。特に今作に関しては、本当に命がけで作ってきたという想いしかありませんから。それこそ全ての要素が、交渉決裂一歩手前の産物といっても過言ではないのです。それは、今まさに繰り広げられている皆さんへのシナリオの提供も同様です(これに関してはまた、別に機会を設けて皆様に御礼申し上げたいと思います)。ただ、そういった覚悟の上で挑んできた中で、それを時に厳しくも、そして優しくも、または半ば諦めの境地で見守りつつお付き合いくださったスタッフの皆様のお陰で、今このコンテンツが世の中に存在しているのだという気持ちは、一秒たりとも忘れたことはありません。こんな所で何ではありますが、本当に関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。
さて。
つばめ曲は、こちらから提示したイメージに対し上がってきた5~6曲くらいの候補から選ぶ形でしたが、実は一巡聴いただけでこの曲に決定したという、まさにスピード決議でした。楽曲の決定は最初期、でも実は収録はかなり末期に行われたという、長く制作につき合ってきた曲でもあります。楽曲としてこの曲に決定した理由は本当に直感的なもので、「かわいい!」「オシャレ!」「これしかない!」でした。聴いたときに、「この曲さえあれば勝てる!」という喜びと期待に満ちあふれたことは、今でも鮮烈に覚えています。デモ曲を電車の中で、車の中で、それこそ何度もヘビロテしました。確か、2016年3月頃のことでした。この日からずっと、ずっと、昨日の公開日を待ち焦がれていたのです。
この歌は、曲と詞を同じ川崎里実さんが手がけてくださっていますが、それ故にとても調和の取れた心地よい曲になっていると思います。実は珍しいケースでもあるのですが、歌詞もデモ曲の時から殆ど変わらず今に至っているのです。それだけ色んなものがシンクロしていたのでしょう。こちらからご提案差し上げたのは、アレンジ面で僅かにリズムのノリについてのみでした。
…と、ここまではとてもいい話で進行してきましたが、私が関わっている以上それで終わるわけがありません。この曲を戴いたとき既にメロメロだったのですが、1つだけ、こちらからの企画書に書かせていただいた「とある要素」が入っていませんでした。そしてそれを入れていただけるようお願いしました。ですが、そこに関してはなかなか意志疎通が難しく、結果的に私が制作して差し込ませていただきました。お分かりかと思いますが、1番と2番の間に差し込まれている語りの部分です。
楽曲としてだけ見た時、この部分には賛否あると思います。もちろんそれは重々承知した上での差し込みです。なぜなら、この部分があって初めて「逢瀬つばめ」という子が完成されると思っていたからです。
語りの部分以外のイメージは「かわいい!」「オシャレ!」です。これらはもちろん、彼女にとって大事な要素です。また「都会的オシャレ感」は、特にこのコンテンツでは最重要要素でしたので、これらの要素は総じてこの楽曲の最重要要素でした。ただ、この要素だけだと「つばめ」の曲ではなく、「トライナリーというコンテンツのイメージ曲」になってしまうのです。その為、つばめらしさ、すなわち「いつも一生懸命で、失敗もするけど笑顔で頑張る健気な子」という、どちらかというと“スマートではない要素
"
をどうしても入れたかったというのがあります。
そんな想いから、この語り
―
―
誤解を恐れずに言うならラップ的な表現の採用をしたのには、1つの経緯があります。もちろん、表現手法には他にも様々ありますからね。その中からラップ的表現を採用した理由の1つに、「最もその人間の素の想い、気持ちやぼやきを自然体で表現できる手法
である
」と踏んだから、というものがあります。今回、つばめ曲について「ありのままの彼女らしさ」をどうやったら描けるかについては、色々考えました。そしてラップ、ヒップホップというラインに1つのアプローチを見いだしました。基本的にこれらの音楽は男性アーティストが多く、内容も割とダートなものが多いのですが、それらの偏りを排して純粋に魂という面から見てみると非常に感性豊かで、“ありのまま”を表現するのに向いている音楽であることが見えてきます(数少ない女性アーティストDAOKOを聴いてみると、その爆発的なエネルギーと魅力に圧倒されます)。この表現手法を今作で使えないかと思い、思い切って勝負にでるような気持ちでグッと差し込んだというのが正直なところです。私自身は、結果としてイメージしたものに仕上がったと思っています。そしてその最大の功労者は、声優でもあり歌手でもある、たけだまりこさんです。このパートについては、彼女が声優という“人格に命を吹き込む仕事”をされている方だったことが最大の勝因だと思っています。なぜなら、このパートに必要なのは「綺麗にそつなく歌うこと」ではなく「より彼女らしく、魂を込めて語ること」だからです。もちろん、それ以外のパート―――すなわち前者が重要となるパートでも、彼女のスキルは十分すぎるくらいに発揮されていると思います。
また、この語り部分では、暗に今回の世界観において重要な1つの「線」が仕込まれています。ネット上では、恐らく最速で楽曲公開2時間後には、その真相に気づいた方がいらっしゃいました。これはちょっとした世界観からのアプローチで、裏を解くような大がかりな仕掛けではありませんが、個人的にはお気に入りの要素です(わりと鉄分豊富ですので)。まだ「?」という方は、是非語り部分を聴いて、それを解明してみてください。ちゃんと「マーカー」がつけてありますので、さほど難しくはないかと思います。
ま
た、楽曲全体として大事にした要素としては、その歌詞全体のテーマがあります。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この子の曲だけは「自分のこと」は一言も語ってないのです。アーヤ、ガブリエラ、みやび、神楽は全て、彼女自身の内面をテーマにした曲でした。ですが、つばめにはその要素は欠片もありません。ただただ、純粋にとーきょーという街を愛し続けるだけの曲なのです。詞の中で出てくる「おひとりさま」や「おふたりさま」という表現の対象すらも、特定の誰かを指すものではありません。これが何を意味するのかは、この作品を通してつばめという子に触れてきた方なら、何も考えずともお分かり頂けるかと思います。
解説すればするほど、自分でも異質だなぁと思うつばめの曲。トライナリーでも随一の癒し曲でもありますので、是非ココロの清涼剤としてヘビロテしてくださいね。
というわけで、やたら変な方向に熱く語ってしまいましたが、今回でヒロインのイメージソングについては全ておしまいとなります。次回からは、いよいよFreyMENOWの楽曲についての解説となります。どうぞお楽しみに。
2017/11/23
BOOLEAN_PARADOX/.
【歌詞解説】⑥
ご無沙汰しております、土屋です。
まだトライナリーたちの世界との接続がゆるい状態ですので、今のうちにここを使わせてもらおうと思います。
今週はつばめのMV回ということで、これで全てのヒロインのイメージソングが出揃い、解説していない楽曲も5曲となりました。
そこで久し振りのデイトラ更新となります今週は、歌詞解説後編としてこの5曲を紹介していきたいと思います。
第6回目、みやびの歌う曲について、様々なエピソードや歌詞の意味を紹介して行きたいと思います。
※歌詞はフルバージョンのものです。
※フルバージョンの楽曲は、PlayMusic、iTunes、AmazonDigitalMusic、レコチョク、mora、アニメロ、e-onkyo等で好評配信中です(サイトによってはハイレゾ版もあります)
BOOLEAN_PARADOX/.
作詞:深川琴美 作・編曲:前口渉 Hex:土屋暁
わかりますでしょうか?
変わる 世界 感情
見えない戦争が 自己を蝕みゆく
ほら 心に (身体に) 聞こえる・・・
「国」というアイデンティティ
「恋」に似たプログラム
倒すべき あなたの敵は
本当の 敵は誰?
管理済みでしょうか?
ひとり また ひとり
あなたの戦争が 幕を あけはじめる
ほら 入力 (完了) True or False ?
「影」よりも忌むべきものは
知るべきは「己が無知」
世界とは 「あなた」と「わたし」
ゼロが今 1になる
「恋」という回路を抜けて
「愛」というバグになる
生きていく 「あなた」と「わたし」
ゼロが今 1になる
※Chorus
CB DC C5 F6 A4 CE BB
F6
A4 F2 B8 C0 A4 A8 A4 D0
A1 A2 BB E4 A4 E2 A4 B3
A4 CE BD C5 A4 A4 B3 BB
A4 F2 C1 B4 A4 C6 C3 A6
A4 AE BC CE A4 C6 A1 A2
C0 B8 A4 DE A4 EC A4 BF
A4 DE A4 DE A4 CE BB D1
A4 F2 B5 AE CA FD A4 CB
B8 AB A4 BB A4 BF A4 A4
A1 A3
プロジェクトが始まり制作が開始、そして各ヒロインの作曲担当が概ね決まり、さあ収録だ、という時になって一番最初に収録したのがこの曲でした(ただしOP曲は除く)。
というのも、この曲がもっともスムーズに事が運び、特に大きなつまずきもなかった為です。自分の中では非常に大きなウェイト(=思い入れ)を占める、ヒロインイメージソングの旅の幕開けの曲でもありました。
そんな状況で始まったこの曲の歌録は、あまりにもアッサリと終わりました。萩原さんは、ほぼ一発で最初から最後まで歌いきり、「え?これでいいんじゃないの?」みたいな状態で。もちろん、細部をこだわる時間がありましたから、時間の許す限りのテイクをとらせて戴きましたが、それでも予定より早く終わりました。
もちろん練習もしてきて下さったのだと思いますが、やはり歌が上手なのだなぁと、のっけから度肝を抜かれた体験でした。
といいますのは、声優さんに歌っていただく企画というものは、私にとっては10年ぶりだったのです。前作(サージュシリーズ)、前々作(アルトネリコ)では、歌を専業としている方で固めており、それより前の「イリスのアトリエ」が、私が歌で声優さんと関わったものの最後だったと思います。2005年開発タイトルなので、収録当時で丁度10年ぶりだったんですね。
今作は「より一層のヒロインへの感情移入を促すため」及び「歌が超常的な魔法ではない(前作は魔法でした)為、声が変わることに設定をつけられない」「ヒロインの素の可愛さ、魅力を表現したい」といったことから、声優さんと歌姫を分けることが自分の中では難しく、最初から声優さんに歌ってもらう形を想定していました。
ただ、歌には妥協が出来なかった為、オーディション時にも「まず歌が上手な人」という優先順で選抜したという経緯があります。それが功を奏したことが証明された歌録でもあったのです。
お陰様でこの曲はリリース後、かなりの人気を博しました。これもひとえに、萩原さんが想いを込めて歌ってくださった結果だと思っています。この場を借りて厚く御礼申し上げます!
さて、楽曲そのものの解説をしたいと思います。
この曲は、割と珍しい(というか、ない…)ジャンルの「世界情勢×恋愛」ソングです。この曲の歌詞は、このコンテンツにおける根幹のテーマを凝縮したもので、かつ、オープニング曲の参考書的な位置づけになるものとして創っています。
みやびは世界の真偽をずっと探究しながらトライナリー稼業を続けています。彼女は自身の目的を持ってトライナリーに従事しているわけですが、それが垣間見れる歌詞でもあります。
その意味は、もはや作中やらオープニングの歌詞解説やらで散々してきてはいますが、要約すると「事実を知れ、本当の敵がどこにいるのか冷静に見定めよ」ということですね。世の中には情報が氾濫しています。それらはその殆どが偽の情報です。それらを組み合わせることで見えてくる真があります。「それを見極めることができる存在でありたい」というのが、彼女の最も大事にしている自分磨きでもあります。だからこそ、この楽曲では最もわかりやすい形で、その要素を盛り込んでいます。
ただ、彼女とてまだ10代の少女ですから、それと同じくらい恋真っ盛りです。ですから歌詞を制作していただく際に「世界情勢を乙女な恋愛ソングで」という組み合わせでお願いしたわけです。
結果、とてもみやびらしい素敵な歌詞が生まれました。
ところで、5人のイメージソングの中で、みやびだけが「恋愛」を歌っているのにお気づきでしょうか。
次に楽曲ですが、これもまた水と油の合成に挑戦しています。すなわち「大和撫子な和の要素」と「テクノでサイバーな情報管理系の要素」の合成です。
この2つは、やはりみやびにとってはどちらも無くてはならない要素でした。片方だけではみやびではないのです。
候補曲が何曲か上がってきたとき、その殆どは可愛い系のポップ和テクノでした。もちろんそういった曲は好きですし、ウケもよいのはわかってました。ただ、今回みやびに当てたかった曲ではなかったので大変悩みました。
というのは、私自身がそういった傾向の曲が好きなので(例えばPerfumeのCling Clingのような)、こっち系でもいいんじゃないかなぁ…みたいな誘惑がずっとあって、最後まで選べなかったからです。
結果、それらの誘惑は裁ち切り今の曲を選びました。ただ、この時の初期稿では和要素がかなり薄かった為、お願いして特にサビのメロディをかなり修正させていただいたり、試行錯誤させていただきました。
とにかく今回の曲は、公開時期(ACT5近辺での公開)のこともあり、かつみやびの核に近い想いを表現したいという気持ちが強かった為、かなり真剣勝負でシリアス目の曲に舵を切る選択をし続けたわけです。
それが功を奏して、一貫した「本気モード」のみやびを描けたのではないかと思っています。
そうそう、もう1つ大事なことがありました。
主にサビ付近でずっと後ろで喋っている「何かのコーラス」についてです。
お気づきの方も多いと思いますが、サビからラストにかけて、要所要所で「しーびーいーわんえふ…」みたいなコーラスが延々続いています。これはまさに、みやびが心の中で思っている正直な気持ちをデジタル化して語っているものになります。
このパートは16進数を延々呟いているものなのですが、それを全部聞き取って、とあるデコード(?)をすると、その想いが文章化されます。とはいえ、曲公開後1日足らずで発見してしまった方もいらっしゃいましたので、ネットで検索すれば自分で解読するよりも楽に内容を確認出来るかもしれません。
誤解を恐れずに敢えて言いますが、自身で解読することも、ネット上から“正確な”情報を仕入れてくることも、どちらも情報収集のスキルの1つです。後者の場合は真偽の見極めが非常に大事になってはきますが。
そういったところも含めて、とてもみやびらしい流れを創ることが出来たのではないかと思っています。