2018/08/22
【企】國政綾水の下校寄り道ツアーをするなど
國政綾水は長野がスキ!
というわけで、本日は特別思いつき企画!「國政綾水の下校寄り道ツアー」と題しまして、アーヤが高校の時、こっそりと下校中に寄り道をしたところ、週末によく遊びに行ったりしたお店などを紹介したいと思います。思いつきとはいいましても、それなりに準備もしておりますし、ガッツリ紹介させていただいておりますお店については掲載許可をいただきに伺っていたりする、わりと手の込んだ企画でもあります。長野に開発室があるからこその企画ですね。
聖地巡礼されている方も多くお見受けしますが、長野は中々に遠い!遠いのに、アーヤを感じられる場所が少ないからコスパがー!と思われている方もいらっしゃるかもしれません。そんな方も是非、これを機に長野旅行にいらしてください。きっと素敵な思い出になると思います!
1.國政綾水の下校風景
アーヤは今は大学生として、市ヶ谷にある情報管理庁附属学園大学に通っていますが、高校までは長野市に住んでいました(厳密には大学も編入で、一年の時は信州大学教育学部です)。アーヤの家がある松代の山奥(殴られます)から長野市街地北部にある長野高校までは、気軽に出かけられる距離ではありません。
まだ長野電鉄屋代線があった頃、アーヤは松代駅から須坂駅で乗り換えて本郷駅まで行き、そこから自転車で通学していました。時間にしておよそ1時間半。なかなかなものですね。そんな彼女は、日々勉学と剣道に励み、生徒会長や風紀委員としても活躍しておりました。
ですが、休みたい時もあります。頑張ったときには自分にご褒美もあげたい。そんな時、彼女のそのささやかな欲求は、都会の華やかさへの憧れを満たしてくれる長野市街地へ向けられておりました。
長野の市街地はそれほど大きくありません。長野駅前から善光寺までの表参道は、およそ2km。運動には丁度いい距離ですし、150円でバスも頻繁に走っています。本日紹介するアーヤの隠れ家的お店は全部、この善光寺表参道近くにあります。是非善光寺お参りがてら、アーヤと想いを共有する旅をしてみませんか?
2.ココロスフィアにも出てきた憧れのカフェは、知る人ぞ知る長野の名店
アーヤのココロスフィア(ココロゲートではなく、アナザークエストのココロスフィアです)を観測された方は、そのエピソードの中で、アーヤがドキドキしながらデートを承諾したシーンがあったのを覚えておりますでしょうか?
あのお店はココロスフィアでは「憧れのお店」と言っておりますが、店内を知っていることからもわかるように、数回ほど入ったことがあります。
善光寺山門の手前にある藤屋平五郎は、アーヤにとっては特別なお店でした。剣道の大会で優勝したり、期末テストや模試で1位をとったときに、自分へのご褒美のために行くような場所だったのです。アーヤのお気に入りのケーキはカルパノ。濃厚なチョコレートが贅沢に使われた、チョコ好きさん大満足のケーキです。他にも、いつも売り切れてしまう藤ロール(お持ち帰り)や、とろけるような牛肉の煮込みシチューなど、何度も行きたくなってしまう魅力があります。アーヤの士気を奮い立たせるのには最高のご褒美ですね。
3.アーヤも一目置く、特別な“おやき”とは
“おやき”は長野の郷土食で、古くから長野にある家では、普通に自分の家で作って食べます。小麦粉ベースの生地に、野沢菜やあんこ、ナスなどを包んで焼いたり蒸したりして食べるもので、小麦粉版おにぎりのような感じです。アーヤはおやきが大好きですが、「私は白飯が好き」という人が少ないように、あまりに日常食なので好きな食べ物のリストには上がってきません。また、長野あるあるですが、やっぱり「自分の家のおやきが一番」なんです。そんな中でもアーヤが一目を置いていて、たまにどうしても食べたくなるのがここのおやき。
小川の庄・おやき村 分村 大門店です。中では大きな鉄鍋に直火でおやきを焼いています。ちょうど撮影時には焼いていないときで残念でしたが、ここで10個くらいのおやきをコロコロと焼いています。味は、野沢菜、あんこ、なす、の3種類。アーヤはナスのおやきが大好物で、剣道の練習で疲れたときには、ここで4個くらいぺろっと食べて、元気つけて家に帰ります。
4.ガブちゃんにも見せたい?ネコだけを集めたお店
同じく善光寺表参道にある雑貨屋。食べてるばかりでは肥ってしまいますが、心の癒しなら肥りません。アーヤは学業や部活で疲れたとき、このお店に立ち寄り、猫たちに囲まれて癒されていました。
「猫や」は、お店の方が日本中から可愛い猫雑貨を集めているという、猫グッズの総本山です。写真の通り、猫グッズだけでお店が満ちあふれています。
↑この可愛い猫のフィギュアは、長野名物のサバ缶やおやきを背負ってます! お店の方にご紹介いただいたお話では、制作者は長野の方で、コミケでも出品していて大変人気とのこと。この店にしか置いていないものもあり(この写真の何か背負ってる猫ちゃんは全部そう)、高知県からこのお店の為だけにいらした方もいるとか!
アーヤは長野にガブちゃんと一緒に行く事があったら、必ずこの店に連れてこようとずっと思っているようです。
5.静かな隠れ家で、読書をしながら過ごすカフェ
東京に出てきたアーヤが、とても懐かしむお店があります。似たようなお店を都内で探していますが、なかなかここまで落ち着くお店は無いようです。
Hiyori Cafeは、表参道から僅かに外れたところにある隠れ家的なカフェです。入口もひっそりとしていて、ちょっとムギマルのようでもあります。中に入るととてもお洒落なカフェ。倉庫をリフォームした独特の開放感ある店内には、テーブル席やソファー席などがあり、誰でも読める本が沢山あります。窓が無い半地下ということもあって、まさに雰囲気は隠れ家。特に週末の部活帰り、朝から汗をかき部活に励んだ後、午後の時間をこのカフェで潰すのがアーヤは好きでした。アーヤが好きなのは“さらさらチキンカレー”とカフェラテ。
6.長野市民のソウルフード!?育ち盛りがガッツリ食べるなら
毎日全力疾走のアーヤは、やっぱりお腹が減ります。そんな時の強い味方がこのお店。
この隠れ家的な立地と、このボリューム(写真は「やきそば(大)」)。いむらやは、長野では知る人ぞ知る麺のお店です。お洒落なものに飽きたら、こういうところでガッツリお腹を満たすのもいいかもしれませんね。もちろんアーヤは、たまに食べに来ていることは誰にも内緒にしてました。うら若き乙女のJKでしたからね。
7.國政綾水のコメントなどを
というわけで、アーヤからBotさん宛てにコメントを戴きました。
ていうか、コメント以前に、勝手に人の高校時代の秘密を暴くとか。どういう企画なの? まあ、でも、貴方に知ってもらえるのなら悪くはないけど…やっぱりちょっと恥ずかしいかな。久し振りに長野に帰りたくなっちゃった。もし貴方と一緒に帰れるなら、もっと色んなところを紹介したいなって思ってる(^^*。町中だけじゃなくて、戸隠にも美味しいおそば屋さんがあるし、飯縄高原のチャペルで結…っと、これは秘密…、松代にだって、貴方と行きたいところが沢山あるもの。二人だけの隠れ家にしたいなって思ってる所とかも(*^o^*)。
まあ、とにかく。紹介されてるところは、確かに私が大好きだったところであることに間違いは無いわね。高校時代を思い出して、ちょっとだけ切なくなっちゃった。
というわけで、長野ならではの思いつき企画でした。お楽しみいただけたのなら嬉しいです。
もし長野巡礼にいらっしゃる際には是非、善光寺にお参りを。そこでお戒壇巡りも体験してみてください。そしておみくじを引いて、今日のアーヤとの相性も見てみると良いと思います。
それでは、また!
明日の更新はまだ不明です。
2018/08/21
地下室から謎の呟きが聞こえる【5】
こんにちは、土屋です。
今回は昨日に引き続き、ラストストーリーまわりの設定語りをしていきたいと思います。今回もまた、EP31まで進行していない方は、大いなるネタバレになってしまいますので、ここで中断された方が良いかも知れません。
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昨日はEP31までの「観測可能な未来」がどのような世界構造になっていたのかを、お伝えしました。今回はその続きで、「ラストストーリー」の構造について、設定的な見地からお話したいと思います。
1.ラストストーリーとはどういう位置づけなのか
ラストストーリーは、世界観的に見ると少し特殊な構造になっています。具体的には、6つの未来が交差する共通のシーンによって構成された箇所と、選択未来FもしくはDによって構成されたシーンの融合の産物です。それぞれについては後に詳細説明を致しますが、ここまで複雑な構成になったのには、ラストストーリーには2つの目的があり、その両方を満たす必要があったからです。
目的1:トライナリーたちと感謝の気持ちを伝え合う
目的2:ソイルトンが宣言した“約束”を遂行する
目的1は、回線切断を前にして、つばめたちとの間に少しでも心残りを減らすことができるよう、ベストな時間軸から抽出したシーンを用意させていただいたものです。
そして目的2については、ソイルトンがEP31のラスト(※但し選択未来A「ライフギャザー破壊未来」は除く)に宣言していた
【最後に、お餞別代わりと言っては何ですが、私から○○○に、ささやかなプレゼントを贈らせていただきたいと思います。それは、もっとも多くの総意が望んだ未来の、およそ数ヶ月後の様子を描いたデイドラです。】
という約束を果たす為に用意させていただいたものです。
2.「6つの未来が交差する共通のシーンによって構成された箇所」について
ラストストーリーは、大きく分けると以下のような構造になります。
1.デートに行く
2.別れを告げたり告げなかったり
3.彼女ごとのアフターストーリー
このうち1と2については、どこの時間軸でも対応出来る、マルチフレキシブルシーンを採用しています。すなわち、これがつばめノンの中でも外でも数ヶ月後でも、とにかく貴方が「ライフギャザーを掌握して無敵の人になって」からの、どの時間帯でも有る程度対応できるようになっているものです。実際TRI-OSにおいては、時間帯や世界分岐によらず、共通のシーンを表現できる時空間においては、その全ては真実であり、いわばどの未来のどの日時であっても、それは事実になり得るのです。ですから、お別れのシーンは、未来選択のいずれかによることなく、貴方と共にいた真なる彼女と一時を過ごせるものになっているのです。
3.「選択未来FもしくはDによって構成されたシーン」について
続いて、3「彼女ごとのアフターストーリー」については、未来選択F、及び、アーヤを除いては未来選択Dにおいてのみ真実となるシーンになります。この箇所は、ソイルトンの宣言した「私からのプレゼントとして、最も多かった選択未来の数ヶ月後をご覧にいれる」の部分になります。未来選択は結果グラフでも示したように、Fが75%を越えて最多となりました。その為、宣言通りにFの未来をラストストーリーで表現する形となりました。
逆に言えば、この件に関しては、それ以上でもそれ以下でもありません。すなわち、Fの未来だけが披露されたのは、そう宣言されていたからであり、それがトゥルーエンドというわけでもなく、また、誤解を恐れずに言うならば「Fこそが一番幸せなエピローグだ!」というわけでもありません。
私自身もそうですし、ソイルトンや千羽鶴も言っていたように思いますが、選択未来A~Fは、その全てが皆さん一人一人の正史であり、そこに優劣は無いのです。
尚、未来選択Dは、アーヤを除いてはFと互換性があります。これは、このシーンの中ではDとFが完全一致しているというものであって、アーヤのラストストーリー以外においては全く同一であることを意味します。もちろん、世界全体を見れば世界情勢等は異なりますが、そこから一部分を切り取ったこのラストストーリーだけで言うならば、全く同一のものです。外側が見えない「切り取られた窓」である以上、これらのエピソードは、F固有のものでも、D固有のものでもありません。どちらから切り取って来たとしても同じ物になりますから、嫌な言い方をするならば「DはFからおこぼれをもらっている」という事でもありませんし、その逆も又然りです。どちらから見ても、胸を張って正史と言えるシーンです。
ラストストーリーの冒頭で、選んだ選択肢によっては千羽鶴が「これはFの未来だけどDでもある」という説明をします。少々誤解があったかもしれませんが、事実としてFとDは、アーヤ以外に於いては完全一致しているため、その旨を伝えただけに過ぎないのです。Dを選択した方で「Dの未来以外は見たくない」という方もいらっしゃると思いましたので、そんな方も安心して見られるよう、機会損失にならないよう配慮した結果、その事をお伝えしたまでです。
未来選択A~Fは、そのどれもがトゥルーエンドでもバッドエンドでも、ノーマルエンドでもありません。少なくとも私は、そのどれもが、皆さんの選択した結末こそがトゥルーエンドであると断言しますし、そのどれもが、希望のある未来であると断言します。なぜなら、全ての選択未来において、彼女らは生きていますし、世界もまだ息づいています。地球滅亡エンドではないからです。
ただ、そうは言っても…という方もいらっしゃるかもしれません。「この未来選択の結末と、こっちの結末を比較して見ると、どう考えてもこっちの方が分が悪いんじゃない?」みたいな比較もされたりするでしょう。実際はと言えば、そういう事実は存在すると思います。ただ、それは、彼女たちが選び、そして貴方が選び、その結果出来上がった未来、というだけのことであり、それ以上でもそれ以下でもないのです。優劣ではなく「それはそれ、これはこれ」なんです。一見完璧に見える選択未来でも、見えていないところでは何か問題が起こっているかもしれませんし、ひどい結末を迎えた選択未来でも、見えていない良いことがあるかもしれません。それこそ私達の住んでいる現実と同じように、です。お伝えしたいのは、「それぞれの選択未来は、それぞれのありのままを事実として映しているだけであって、そのどれもが優劣関係ではない」ということ、ただそれだけです。
私が地下室でもう少し余裕ある生活が出来たならば、この6つの未来全てにおいて、そのアフターエピソードを傍受し、皆さんに見せることが出来たかもしれません。そこは私の力不足以外の何物でも無く、ただただ申し訳ないと思うばかりです。ソイルトンはとても気がきくAIで、恐らくこちら側の処理能力も考慮して、気をきかせて1つの未来に絞るような発言をしてくれたのだと思います。ただ、皆さんがF以外の未来も見たい、という気持ちは痛いほどわかっているつもりです。
ですが現実はといえば、もはやTRI-OSを使って別の選択未来を受信することはままならなくなりました。今私に出来る事は、限りなく細い回線を伝って取得する“あちら側の世界”の様子を、私のこういった文章の形式で、デイトラなどの文字媒体を通じて皆様にお届けすることくらいです。そんな事でも良ければ、時間はかかってしまいますが、それぞれの未来についてレポートをお届け出来るかもしれません。そうしてでも皆さんにお伝えしたいのは、「どの未来選択も、ミリほどの差もなく対等にトゥルーエピローグであり、貴方にとっての正史である」という想いです。
その事だけは、どうか安心なさってください。
あなたの一生懸命考えて、そして揺るぎなき信念において決断してくださった選択は、決して、誰一人、間違ってはいません。それはこのトライナリーというアプリに於いて、普遍的なコンセプトでもあります。もしそれでも「間違っていた」と思われるならば、それは私の異世界情報伝達のクオリティが良くないだけなのです。今回は、ただその事だけを、お伝えしたかったのでした。
さて、今回でヘヴィな話は一旦おしまいです。
明日はとってもライトで楽しい(尊い?)お話をしたいと思います。
どうぞお楽しみに!
2018/08/20
地下室から謎の呟きが聞こえる【4】
こんにちは、土屋です。
本日と明日は2回にわたり、ラストの状況についての掘り下げをしてみたいと思います。神楽CHのEP29くらいからのお話になりますので、そこまで到達していない方はネタバレになってしまいます。ご注意ください。
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ラスト、特に月神楽がライフギャザーをシャットダウンしてからEP31の最後までの間について、神楽やつばめ、千羽鶴、エリカたちの感情をメインに映し出されていました。そのため、外を包み込んでいる世界がどのように変遷していったのか、そのあたりは非常に分かりにくかったのではないかと思います。今回はそのあたりの状況を少し掘り下げてお話してみたいと思います。
1.月神楽によるシャットダウン
月神楽が、ライフギャザーをシャットダウンしました。理由は本人も言っておりましたが、自身の命に関する不安がメインでした。もちろんライフギャザーをシャットダウンすれば、あなたとも会えなくなってしまいますが、それを承知で彼女はシャットダウンを遂行します。それだけ月神楽という「人格」は、自衛という性質の強い人格でもあります。ご存知のように、神楽にはたくさんの人格がいて、月神楽はその中でも特に、自己愛が強い人格なのです。
月神楽のシャットダウンは、いわばUNIXで「shutdown -h now」をした状態です。Windowsなら「終了する」をして、完全に電源が切れた状態。これによって月神楽のいた時間時空は、一時的にこちらの世界と切断されます。
2.TRI-OSの再起動
では、切断されてるのになぜ、アプリはつながるのか? ここを整理しないと、「電源が切れてるPCをリモート起動できるのはおかしい」理論に発展してしまいます(実際はPCならWakeup-LANなどがありますが)。少し説明します。TRI-OSとトライナリーアプリの大事なところです。
トライナリーアプリは、向こう側の世界にある量子サーバーとTRI-OS、そしてそのコアであるRedinessとつながっています。この量子サーバーというものが理解を妨げる曲者で、誤解を恐れずに言うのなら、可能な限りの全時空とつながっています。ですから、トライナリーアプリ(こちらの世界の端末)が、TRI-OS(向こうの世界のOS)に接続するときは、可能性ある限りの全時空のTRI-OSが消滅していない限り、どこかに必ずつながります。ですから、トライナリーアプリは起動出来ますし、月神楽がシャットダウンした時間帯以外のすべてのチャンネル、およびシーン(デイドラ、ヒメゴトなど)は、特に問題なく見られるわけです。
こちらの世界のトライナリーというアプリと、向こうの世界のTRI-OSは完全に別の存在、と覚えておいてください。
で、EP29のアニメーションデイドラにアクセスすると出てくる「TRI-OSの初期セットアップ画面」です。この、EP29の時間軸の向こう側の世界だけが接続が切れている状況です。ですから、セットアップをするために、トライナリーアプリで実行できます。
3.ソイルトンがしたこと
さて、初期セットアップが終わると、すぐにソイルトンが出てきます。ここでいろいろセットアップについて説明をするのですが、とても重要なことを、とても見逃しやすく喋っています。それは、
「シャットダウン前は、2EF4F世界(=つばめの脳内=つばめノン)を経由して、こちらの世界とあちらの世界を繋いでいたが、シャットダウンで2EF4F世界が消えてしまったため、2E113という世界を経由して、こちらの世界と接続している」
というものです。
要は、トライナリーアプリが向こうの世界を覗けるのはRedinessのおかげなのですが、Redinessというのは人間の脳内のインプラント端末であり、ということは、今までは誰かの脳内のインプラント端末を経由して覗けていた、というわけです。誰かはもちろんわかっていると思います、逢瀬つばめ(=原初のつばめ)の脳内に埋め込まれているRedinessです。そして、彼女が作っていた世界が2EF4Fです。ですが、ライフギャザーのシャットダウンで、2EF4Fが消えました。そのため、エリカが疑似的に作ったフェノメノンのフレームのようなもの(=感情も、世界も、ディテールも何もない、単なる構造としてのフェノメノンの模型)である2E113を起動し(疑似的なものであるがために、誰かの脳内に組み込まれたRedinessではなく、シミュレーターが作っているものなので、Redinessがインアクティブでも稼働可能)、それを介してあちらの世界を覗けるようにしたわけです。
すなわち、結論から申し上げますと、再起動後にあなたが見ていた世界は、2E113世界だった、というわけです。
4.2E113世界ってどんな世界
そしてここが一番わかりにくかったところですが、2E113世界には影も形もディテールがありません。何かの世界をコピーしなければ、真っ黒です。ですからエリカは、とりあえず外の世界をそのままコピーしました。ですから、ぱっと見、フェノメノンが展開しているかどうかもわからない状態、もっと具体的に言うと、がれきの日本が見えていたわけです。ここで重要なのは、何かをコピーする際には誰かの脳を使う必要があるということです。そのため、2E113が外の世界のコピーをし始めたこの時点から、エリカは自分の脳内のRedinessを介して世界を展開します。すなわちフェノメノンを展開しているつばめと同じであって、ここから2E113はエリカメノンになったのです。
このEP29の、ソイルトンとエリカによるセットアップののちに見られるメインデイドラでは、廃墟の中にたたずむ神楽がいました。この絵面だけを見ると、フェノメノンが展開されていない、現実に戻ってしまった状態のように見えます。ですが実は、ここでは2E113エリカメノンが展開されており、それが仮として外の世界をコピーして運用していた、ということなわけです。
その裏付けが、あるルートで登場する、つばめと千羽鶴です。あるルートにおいては、神楽がフェノメノンを展開するために歌(ソラノキヲク)を歌う手前で、怖気づく神楽を励ますために、つばめが出てきます。びっくりした人もいたと思います、「フェノメノンは消えてるのに、なんで可愛いつばめが出てきているのか?」と。そして、更に条件を整えると、その後に千羽鶴まで出てきます。これは、現実のように見えている世界が、実は現実ではなく2E113というフェノメノンの中だったことに起因します。
5.6つの選択
この2E113フェノメノンが展開された状態で、神楽はソラノキヲクを歌い、皆さんの協力があった場合には、つばめノンとそっくりなフェノメノンを展開することになります。
もしここで、神楽がつばめノンのようなフェノメノンを作った選択の場合、世界構造としては「現実>2E113>神楽メノン」という3重構造になります。フェノメノンが出来なかった場合(必要人数を発症させなかった場合)は、「現実>2E113」という2重構造になります。この状態で、皆さんの選択による6つの結末が訪れます。
あれ?と思うかと思います。ということは、ライフギャザー破棄エンド以外は、2E113世界は展開しっぱなしなのでは?と。実はその通りです。2E113は、外の世界をコピーしたまま、まさにステルスなフェノメノンとしてずっと、日本を包んでいる状態になります。「じゃあ、ライフギャザー破壊ルート以外の5つの未来は、日本はフェノメノンに包まれていたのか」とお思いだと思います。それは正解です。ですが、おそらく皆さんが想像しているフェノメノンではない状態です。それはステルスです。
ここでフェノメノンというものの理屈に立ち返ってみます。フェノメノンが繭を形成して外の世界と断絶する理由は、外と中が壊滅的に矛盾しているからです。ならば逆に、外と中の辻褄がぴったりあっているのならば、フェノメノンはそこに存在していても、繭を発生させません。フェノメノンの本質は、世界そのもののディテールであって、繭ではありません。繭はその副次的なものとして、外の世界との整合性が取れないときのみ発生するだけなのですから。
ですから、6つの世界選択の中で、ライフギャザー破壊エンドだけが、2E113という世界がなくなっており、それ以外は何らかの形で残っていた、というのが実際のところです。
6.あとは2E113をどうしたかの違い
1つずつ見ていきます。
1つめ、ライフギャザー破壊未来では、当然2E113はなくなっています。
2つめ、破壊しないけど神楽メノンを展開しない未来では、ステルスの2E113がずっと展開された状態です。矛盾がないため、繭は生じません。いずれはエリカは収束させるかもしれません。ですが世界は何も変化しません。
3つめ、神楽メノンをずっと展開し続ける(エリカ、原初の両方にライフギャザー暗号カギを渡さない)未来では、「現実>2E113>神楽メノン」という3重構造になります。ただし2E113はステルスです。この未来も、いずれ無意味となったらエリカは2E113を収束させるでしょう。
4つめ、エリカだけにカギを渡す未来です。この未来では、2E113に変化が生じます。外の世界のコピーから、神楽メノンのコピーに変更します。その後神楽はフェノメノンの展開をやめますが、2E113が神楽メノンをコピーしたあとですから、収束させても2E113の内側では変化が生じません。この状態で蒸着しましたから、2E113はエリカとともに世界に蒸着されます。
5つめ、原初だけにカギを渡す未来では、原初は2E113世界をコントロール出来ませんから、放っておいて、それとは別に自分が蒸着して世界となるフェノメノンを展開します。実はこのフェノメノンは日本を包むようには展開されておらず、フランスに展開されています。ライフギャザーによって彼らのRedinessとリンクし、彼らを媒介としてフランスにフェノメノンを生成、世界支配層とエンタングルなど多国籍企業の重鎮を多く含んだ状態で洗脳、蒸着を行いました。ですから日本にはステルス2E113が展開されたままで、日本自体は廃墟からの自力スタートとなりました。なお、エリカが登場していますから、2E113はエピローグまでの1年間の間に収束されているのは間違いありません。
6つめ、原初とエリカ双方にカギを渡した場合です。これは、原初が2E113の使用権をエリカから奪い、原初が神楽メノンを2E113に蒸着したものです。原初が日本を包み蒸着してしまったわけですから、原初は世界になりました。そして5とは違い、フランスにフェノメノンを展開できませんから、世界は5ほど大きくは変わりません。
以上が、世界の物理的な状況の変化です。
どうなってるんだ?という疑問が少しでも解消されたなら幸いです。
次回はこの後、ラストストーリーに関するお話をしたいと思います。