文科省「主幹教諭」100人増を要求 働き方改革で、校長を補佐

社会
2018/8/30 17:59
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 文部科学省は30日、公立の小中学校で学級担任を持たず、校長や副校長、教頭ら管理職を補佐する「主幹教諭」を2019年度に100人増員する方針を固めた。同年度予算の概算要求に盛り込んだ。長時間労働が問題になっている教員の働き方改革の一環。管理職を補佐し、教員の仕事の効率化で中心的な役割を果たす。

 主幹教諭は管理職の負担を減らすため、08年度に制度化された。現在、全国で約2万人が配置されている。学級担任を持たず、生徒指導や学校施設の管理、PTA業務といった「校務」の中心となる。学級担任と校長や教頭ら管理職の連絡役となり、学校運営の円滑化を進める役割を担う。

 文科省が16年に学校での勤務実態を調べたところ、公立の中学校教諭の6割、小学校教諭の3割が月80時間超の時間外労働をしていた。特に副校長・教頭が多忙であることが指摘され、主幹教諭の配置を拡充することにした。

 19年度に100人増を求め、26年度までに600人増を目指す。同省によると全国の教育委員会のうち、主幹教諭を配置しているのは85%にとどまる。未配置の自治体からは「主幹教諭にすると給与が上がり、財政負担が増す」「他の教諭の授業時間数が増えてしまう」という意見が挙がっており、新たな予算措置が必要だと判断した。

 このほか小学校で英語を専門に教える「専科指導教員」の増員なども盛り込み、公立小中学校教職員定数の約2600人増を求める。給与に充てる義務教育費国庫負担金として1兆5200億円を計上した。

 概算要求の全体は、一般会計で18年度予算比11.8%増の5兆9351億円。私立大支援事業に絡み同省幹部が逮捕・起訴された汚職事件を踏まえ、独自色のある研究に取り組む私立大を支援する「私立大学研究ブランディング事業」については来年度の実施に向けた費用計上を見送った。

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