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240(W)*150(D)*70(H)の水槽がメインタンク。業界歴12年の元アクア業界人。

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今回のブログは前回のエステレーラピライーバの解明に向けて その1の続きですので、まだご覧になっていない方はそちらからご覧ください。

その2である今回はまず「エステレーラピライーバ」の定義から解説したいと思います。大型魚に興味のある方なら「エステレーラピライーバ」の名は雑誌や書物で見たり、人から聞いたりして知ってはいると思います。内容はおおむね「アマゾン河口域に生息する全身スポット柄のピライーバ」といったものであると思います。

しかしながらエステレーラピライーバの写真は皆無に近く、その姿は想像するしかありませんでした。
私が想像した魚は、ピライーバにフィダルゴのスポットが乗っている姿でした。
「流石にそんないいとこ取りな魚などいる訳がないか・・・。」と思っていましたが、2016年6月現在現実にその魚が私の水槽で泳いでいます。これはフェイクではなく間違いなく現実です。

イメージ 1
エステレーラピライーバ。飼育1年11ヶ月で9センチから74センチに成長。切れた尾びれのフィラメントも少しずつ伸びてきています。

さて、エステレーラピライーバの定義ですが、今は閉店した猫屋ことアクアキャットの親父さんとエステレーラピライーバの話をしたことがあります。親父さん曰く

「私の知る限り入荷時にスポットが多くて、エステレーラと呼ばれていたピライーバも、成長につれて全部スポットは消えてます。ピライーバのスポットは幼魚班なので、消えるのが遅いか早いかの違いでしかない。」

といった内容の話でした。当時はピライーバ(現在のエステレーラピライーバ)の飼育を始めたばかりの時で、ピライーバのスポットは消えるのが当たり前と思っていたので「やっぱりなぁ」という感想でした。

その後私のピライーバがエステレーラ化してきたので、随分ネットでエステレーラピライーバの情報や写真を探しました。
その中で唯一これはエステレーラピライーバと呼べると思った写真が以下の個体です。

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エステレーラピライーバと呼べる個体の写真(※いずれも拾いもの画像です)

上の2枚は明らかに同一個体です。3枚目もスポットの入り方がほぼ同じなので同一個体と見ていますが、別個体の可能性も若干あると思います。

取りあえずこの個体を目標にエステレーラピライーバを育成していましたが、両目の間にもスポットが現れてきたのでこの個体を超えてしまいました。私の知る限り現在私が飼育している個体が最も観賞価値の高いエステレーラピライーバです。

エステレーラピライーバと呼べる個体の写真が、私の飼育個体を含めて2個体分(もしくは3個体分)しかいないのであれば、統計的な視点ではエステレーラピライーバの定義をすることは不可能ですので、私が独断でエステレーラピライーバの定義をします。

まず、エステレーラピライーバの判定対象魚についてですが、現地環境でしか維持できない模様では観賞魚としては意味がないですし、幼魚斑との区別の意味も含めて、エステレーラピライーバの判定対象魚は

『輸入後1年以上経過して、かつ50センチ以上に成長していること』

とします。そして判定対象基準を満たした魚の中で、以下の基準を満たす魚を「エステレーラピライーバ」と定義します。

『頭部を含めた全身にスポットが入り、スポットの減少が始まっていないこと』

更にスポットが増加中の個体や、両目の間にも多くのスポットが入る個体は観賞上「上物」と言えると思います。
判定対象魚については「スポットが増加中」の条件を付ければ、もう少しゆるくして良いと思います。
下あごやお腹側の白い部分や各ヒレにもスポットが入ることも想定できますが、これは観賞上意見が分かれそうです。現時点では一応「スポットが入ることは必ずしもマイナスではない」という評価にしておきます。

これはあくまで「観賞魚としてのエステレーラピライーバの定義」ですので、ピライーバが育て方によって私の飼育個体のようなフルスポットに育成できるという事実が重要なのであって、「産地が何処である」とか「ワイルドかブリードか」とか「現地で同様の個体が泳いでいるのかどうか」などは全く関係のない話となります。

アマゾン河口産でなければ「エステレーラピライーバ」と呼べないという方もおられるかも知れませんが、そういう方はどうぞアマゾン河口産のピライーバを大切に育ててやってください。高い確率で猫屋の親父さんが言っていた結果になると思います。

ここでちょっと惜しかったエステレーラピライーバの写真を2点紹介します。(※いずれも拾いもの画像です)

イメージ 5
この個体は一応頭部にもスポットが乗っていますが、体のスポットも含めてスポットが薄すぎ且つ少なすぎなのでエステレーラピライーバの定義には当てはまりません。しかし、上の写真の3枚目と同じくタイル敷水槽で飼育されている個体であることは注目できます。

イメージ 6
この個体はワイルド個体と思われますが、体のスポットが濃い体色と同化しすぎてスポットと呼ぶには無理があります。頭部が写真では暗くなって不明瞭ですが、体と同じような模様であったとしても、エステレーラピライーバの定義には当てはまりません。
もしかしたら本来このような個体がエステレーラピライーバと名付けられたのかも知れませんが、少なくても私が定義する「観賞魚としてのエステレーラピライーバ」には当てはまらない個体です。


さて、話は変わりますが、ここ数日は今まであまりなかった「エステレーラピライーバ」で検索してブログを訪問された方が多いです。
いつもこのブログをご覧になっている常連の方は、わざわざ「エステレーラピライーバ」で検索したりしないので、店頭やSNSで話題になって、その結果検索している方が多くいるということだと思います。それだけ前回のエステレーラピライーバの写真のインパクトは大きかったと言えます。

そしてPVでどのページがどのくらい見られているかの結果から、少なくても5人以上の方がすでにエステレーラピライーバの育成に挑戦を始めたか、育成準備に入ったと推測できます。

私自身によるエステレーラピライーバの育成条件の解明の結果を待たずに、現在公開している情報から育成に挑戦を始めるわけですので、エステレーラピライーバの販売を視野に入れているプロかセミプロの方が多いと思います。

これは想定通りで、歓迎すべきことです。私のブログによってどんなにエステレーラピライーバが話題になっても、現物の流通がなく「貴方にも育成できますよ」という情報だけでは「新しいスターフィッシュ」とまでは行けないと考えます。

「生産」する方がいて、現物の流通があってこそ初めてエステレーラピライーバが「新しいスターフィッシュ」となり得るものと考えます。
育成条件の解明の公開と引き換えに「生産」行為から手を引くと宣言した以上、リスクのある「生産」をやってくれる方には私が頭を下げてよろしく頼みたいというのが正直な気持ちです。ぜひ夢を持って大いに稼いでください。

また話が長くなってしまったので続きは「その3」で書きます。

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