今回は久しぶりに飼育設備について書きます。
一年半ほど前に書いたスポンジろ材(ゲルキューブ、エーハイム粗めスポンジ)とスポンジろ材の効果では、スポンジろ材の使用方法や、立ち上げが早いというメリットについて書きました。
今回は大型水槽での大型魚の飼育という約1年半の実績を踏まえ、「外部フィルター+スポンジろ材」の組み合わせはどの様に機能したかについて書きます。結論から書くと、
「大型水槽での大型魚の飼育において、メインフィルターとして「外部フィルター+スポンジろ材」の組み合わせは十分に機能する」
と言えます。これは大筋では予想通りの結果でしたが、やっぱり実践しないと分からなかったことや、私なりの運用ノウハウが得られたので報告したいと思います。
まず、スポンジろ材(ゲルキューブ、エーハイム粗めスポンジ)のところで書いたゲルキューブですがノーマルのゲルキューブ(1cm角)は小さ過ぎてモミ洗いがしにくく、メンテナンス性が悪いです。正直導入は失敗でした。なるべく早めに他のろ材に交換しようと思います。 ゲルマットを加工した3cm角の方は良いろ材だと思います。独特のモチモチした手触りが癖になりますね(笑
あとゲルキューブ、ゲルマットは最初水に浸けると30%くらい膨張しますが、そこから時間をかけて10%ほど縮むようです。少し押し込む程度に入れたはずが半年後のメンテの時には上部に隙間ができています。セットするときに10%ほど多く入れるか、最初のメンテナンスの時に追加で入れる必要があります。
また、サブフィルターを用いる場合(私の場合ほとんど入れています)サブフィルターの方はリング系ろ材にしたほうが、メンテナンスのバランス上いいと思います。大型外部フィルター(エーハイム2080、2260)ならサブフィルターなしのスポンジろ材オンリーでいけると思います。
メンテナンスの周期はサブフィルターが4ヶ月に1度くらい、メインフィルターが半年から1年に1度くらいで、サブとメインは同時にはメンテしないようにしています。
外部フィルターはサブフィルターを連結することによって、消費電力の増加なしに手軽に濾過能力を向上させられるメリットがありますが、サブフィルターで酸素を消費された飼育水が、直接メインフィルターに入る構造上、メインフィルターの酸欠が心配になります。
そこで外部フィルターの排水を上部フィルターに入れる「外部+上部連結方式」のろ過方法があります。これは手軽に実践できる上に、外部フィルターの排水を上部フィルターに入れる段階で、酸素を溶け込ませることができるので、酸欠の心配もなくなります。
ネットで調べても大型魚の飼育に限らず実践されている方も多く、濾過能力向上の実績も十分なようです。
それで今回はピラルクー2015を飼育している120(W)*90(D)*60(H)水槽の濾過能力向上計画として「外部+上部連結方式」のろ過方法を採用しました。上部濾過槽は市販のものでは物足りないですので、オーバーフロー用の濾過槽を加工して使いました。
使用する外部フィルターはメイン水槽でエーハイム2075のサブフィルターとして使用していたエーハイム2071です。外してあったインペラーを戻して使用しました。メイン水槽のエーハイム2075のサブフィルターには、新たに用意したメガパワー1215にバイオリングをセットして使用します。
ちなみにメガパワーシリーズは、濾過槽下部に飼育水を導く導水管が、ろ材バスケットと独立していて、さらに濾過槽下部のすのこも独立なので、ろ材バスケットを全て外して使用できます。またろ材バスケットを外して使用すると外から内部の汚れが視認できます。
サブフィルターとして使用するには最適の構造ですのでお勧めです。ちなみにメガパワー1215のろ材バスケットを全て外すと12リットル弱のろ材が入れられます。(あくまでメーカー想定外の使用法ですの自己責任で)
今回用意した濾過槽とろ材。バイオリングは水に浮くので外部フィルターくらいにしか使えないです。濾過槽は60*30*30で約24リットルのろ材が入れられます。3層目の底に穴を開け、25Aのバルソケとゴムパッキンをはめ込みました。
バイオスポンジを袋から出したところ。スポンジはネットに入れられていています。
一袋分を8Lのバケツに入れたところです。約5Lあります。
バイオスポンジは錦鯉の飼育で実績のあるろ材で、今回はカットされていて使いやすそうなので導入しました。材質的にはエーハイム粗めスポンジに近いですが、やや目が細かく柔軟な感じです。5袋9800円の送料無料でしたので約400円/Lのコスト
になります。スポンジろ材としては高価な部類ですが、カットする手間がないところがいいです。 120(W)*90(D)*60(H)水槽に上部濾過槽をセットしたところです。
エーハイム2075【ろ材:ゲルマット加工品3㎝角】と2076サブ【ろ材:ゲルキューブ1㎝角】と2071【ろ材:リングろ材】現在のところフィルターの総消費電力は27Wです。
メイン水槽でサブフィルターとして使用しているエーハイム2071がもう一台あるので、それをこちらに持ってきて上部濾過槽と連結すれば120(W)*90(D)*60(H)水槽のろ過システムは完成です。消費電力は10W強増加予定です。
180(W)*75(D)*60(H)水槽では120(W)*90(D)*60(H)水槽で使用していたエーハイム2260【ろ材:エーハイム粗めスポンジ加工品2.5㎝角】を追加して濾過能力をアップさせました。(ポンプはコンパクト2000に換装済み)180(W)*75(D)*60(H)水槽のろ過システムはこれで完成です。エーハイム2080【ろ材:ゲルマット加工品3㎝角】メガパワー1215×3【ろ材:リングろ材2槽、ゲルマット加工品3㎝角1槽】フィルターの総消費電力は55Wです。
これまでの経験上180(W)*75(D)*60(H)水槽と120(W)*90(D)*60(H)水槽のろ過システムは、ピラルクーの終生飼育に余裕を持って臨めるレベルに達していると言えます。今後は240(W)*150(D)*70(H)メイン水槽のろ過能力向上に努めていきたいと思います。おそらく上部濾過槽の追加で対応していくと思います。
観賞魚の飼育に関してろ過方式、ろ材共にこれがベストなんて物はなく、愛好家は試行錯誤の末に自分のスタイルに行き着くと思います。
今回の記事が大型魚愛好家のろ過方式やろ材の選択に少しでも役に立てばうれしく思います。 |
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