今回はピラルクー2017(ペルー)の成長記録です。次回はピラルクー2014の飼育から得られた結果の考察と解剖写真も載せます。今回と次回はこれからピラルクーを飼育したいと思っている方にはとても有意義な情報があると思いますのでぜひ参考にしてください。
ピラルクー2017(ペルー)2017年5月にエキゾチックアフリカさんから購入。ペルー産で養殖物とのこと。購入時15センチから10か月で71センチに成長。
購入後いきなり180(W)*75(D)*60(H)水槽にいれましたが、ちょっと広すぎでした・・・。
以前もエキゾチックアフリカさんにピラルクーの大量入荷があったことをこのブログで報告したことがありますが、この時も20匹以上在庫がありました。関西ではトップレベルのピラルクー販売実績があると思います。 ピラルクーに対しての本気度が違うのが感じられ、選んで購入できるメリットもありますので、ピラルクー購入にはオススメのお店です。
飼育2か月で15センチから32センチに成長。
この時点で実はクリルへの餌付けに失敗しており、ビッグキャット1にオトヒメ3くらいを混合した人口飼料のみを与えていましたが、無事に1次発色が始まってくれました。
肉眼では1次発色の全巻が確認できるほどに発色してきました。過去1次発色が全巻だったピラルクー’99、ピラルクー2014、ピラルクー2015には見られた黒い斑点は全く見られませんでした。
1次発色のピークから若干退色が始まった頃です。まだ背中は全巻なのが写真からも確認できます。
成長速度は過去飼育したピラルクー達とほぼ同じですが、若干餌食いが悪く少し痩せ型の体形です。
ピラルクー2017(ペルー)を育成していてわかったことは、過去発色の為に重要であると書いたクリルを始めエビ系の餌を与えることは、さほど重要でなかったことが判明しました。ここに訂正させていただきます。
また、1次発色と前後して現れる黒い斑点も全くない個体であっても全巻クラスの1次発色を見せることがあるのも判明しました。
以前も書きましたが、現状では1次発色と2次発色の間には正の相関関係があると考えるのが妥当であり、1次発色が全巻になる確率は3~4割程度と推測できるので、観賞魚としてのピラルクー飼育を考えている人は、育成するかどうかの目安を1次発色が全巻になるかどうかで判断するのが良いと思います。
ピラルクー2017(ペルー)の発色の素質ですが、ピラルクー2014と比べて下半身の発色が弱く、1次発色のピーク時の色もやや薄かったです。現状では同じ大きさだったころのピラルクー2014と比べて上半身の発色は強いのですが、2次発色の素質の表れと考えられる鱗の白い縁取りに関しては同等であることから、ピラルクー2014より若干素質が劣ると考えています。
ピラルクー2014は過去に上位20%程度のいわゆる「当たり個体」に属すると評価しましたが、ピラルクー2017(ペルー)は上位25%程度の「ギリギリ当たり個体」に属すると評価しておきます。参考までにいちばん上のピラルクー2017(ペルー)と同じ大きさ(71センチ)だったピラルクー2014の写真を張っておきます。
なお、1次発色が全巻になる確率から「全巻になる個体は雄なのでは?」と考える方もいると思いますが、現状ではピラルクーでは発色において大きな性差はないと考えています。根拠に関しては次回述べます。
最後にピラルクー2014が死亡する少し前の写真を載せておきます。
体の2/3はピラルクーの2次発色の特色である細カクの赤い発色のある鱗に覆われ、
さらに頭に向けて白い縁取りのある鱗があり、発色が進行していくのは明らかでした。 80%は完成されていて、あと半年あれば100%近くに持って行けたと思うので残念でなりません。 |
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