【スポーツ】体操・宮川、塚原強化本部長からパワハラ受けたと主張 「五輪出られない」2018年8月30日 紙面から
体操女子で、2016年リオデジャネイロ五輪日本代表の宮川紗江(18)が29日、東京都内で記者会見し、師事してきた速見佑斗コーチ(34)から暴力を受けていたことを認めた上で、同コーチが日本体操協会から無期限の登録抹消処分などを受けたことに「私は訴えていないし、処分が重すぎる」と軽減を求めた。一方で、日本協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)らのパワハラがあったと主張した。 発端は2016年11月。日本協会の支援を受けられる2020年東京五輪の特別強化選手に関する説明会を、宮川は欠席。翌月に塚原強化本部長から自宅に電話があり「(特別強化選手制度に)参加しなければ、協会としては協力できない。五輪に出られなくなるわよ」などと言われ、以降も複数回、同様の言動を受けた。 さらに、速見コーチによる宮川への暴力行為が発覚すると、今年7月中旬に塚原強化本部長と、夫で協会の光男副会長(70)に呼び出され、暴力行為を認めるよう強い口調で尋問された。その際も「コーチと関係を切りなさい」「だからあなたは伸びないのよ。私なら速見の100倍教えられる」などと言われた。宮川は「私はこれからも一緒にコーチとやります」と主張したが、「宗教みたい。五輪に出られなくなるわよ」と告げられたという。 また、塚原強化本部長が女子監督を務める朝日生命体操クラブ入りの誘いを受けたことに触れ、「過去の暴力を理由に速見コーチを排除し、朝日生命に入れる気だと確信した。コーチと私を引き離すために大きな力が働き、強化本部長が大きく関わっていたことは間違いない」と断言した。 「18年しか生きていないが、人生で一番勇気を出してここに立っている」と覚悟して会見に臨んだ宮川は「精神的、肉体的にも戦うことは不可能」とし、代表候補となっている世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)への出場を辞退する意向も明らかにした。
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