「私自身の言葉でしっかりと真実を語りたいと思い、何日も自分の気持ちと向き合ってきました。嘘偽りなく語ります」
8年以上にわたって速見佑斗コーチの指導を受けてきたという宮川選手。「指導には厳しさの中にも楽しさや優しがあり、"早く練習に行きたい"と思わせてくれた」という。
その一方、速見コーチによるパワハラ行為については、練習で手を抜いてしまった場合など、「命にかかわるような場面では厳しく指導を受けた。そういう場面で暴力とされる行為があったが、そのくらいされても仕方ないと理解していた。本気で伝えたいという思いが、行き過ぎた指導になったと思う。色々な方々の意見を聞き、暴力を認めることはあってはならないと考えを改めた。今後も許すつもりはない」と話した。
その上で宮川選手は「報道やネットニュースで出ている、"馬乗りになって殴打""髪の毛を引っ張り回す"といった事実は無い。叩かれたことによって怪我や傷を負ったり、体を痛めたこともない」と反論。
「速見コーチはそうした指導について間違いだったと深く反省しており、無期限登録抹消という処分についても"だめなことはだめなこと。筋が通らない"と話しているが、私は納得できない。速見コーチとともに一から出直し、全てを再スタートさせ、東京五輪に向け、良いモデルになるよう必ず復帰したい」と訴えた。
■「優遇されるために体操をやっているわけではない、強くなりたいからやっている」
さらに宮川選手は「今まで苦痛や疑問に思っていたこと、少し勇気が必要だが頑張って話したい」「速見コーチの処分に至るまでに、納得できない不自然な点があった」と話し始めた。
宮川選手によると、強化本部長らに「どうにかしている。宗教みたいだ」「オリンピックに出られなくなるわよ」などと厳しい口調で責められ、「感じたことのない恐怖を感じ怯えた」という。
また、施設の利用制限や海外派遣をさせてもらなかったがあったといい、「最初から過去の暴力を理由に速見コーチを排除し、朝日生命に入れる理由だと確信にかわった」「私と速見コーチを引き離すことを前提に大きな力が働いて、そこに強化本部長が関わっていたことは間違いないと確信した」と断じた。
そして関係者に向け宮川選手は「このことを覚えていらっしゃいますか、言うことを聞けば優遇、聞かなければ排除。言うことを聞くかどうかで全てが決まるのだと思った。
強化本部長の周りには、言うことを聞く人しか存在しないように見える。選手一人の人生は全く関係ないことなのだなと理解した。それでも自分が強くなれば証明できると思ってやってきた。何をされるかわからないと感じている選手、コーチ、審判も多くいらっしゃる。これこそ権力を使った暴力だと感じる。
そうしたことを素直に認めていただきたいと切に願う。まだ18年しか生きていないが、人生の中で一番の勇気を出している。この願いが届くことを祈っています。私も家族もコーチも苦しい状況に置かれると思うが、逆境に負けず、いい選手になりたい」と訴えた。