はだかん房

職安では介護の免許を取ることを薦められたけれど、引く手数多だからと言って飛びつく仕事じゃないし、第一、対人で悩んで辞めた前のこともあるし、黙って淡々と出来る仕事をと思い清掃専門の派遣の会社を選んだ。それが、まさか銭湯の清掃に行かされるとは。。。しかも女風呂だけだと思っていたけれど、先輩のパートに着いて来るように言われ男風呂に入った。私の動揺をヨソに、先輩や裸の男達は平然として、タオルで隠すわけでもなく堂々と全裸で行き来する男達。

一通り仕事の説明を受け、ここは任せたからと先輩は出て行った。まずはフロアの掃除を言われ箒とちり取りを手に掃いていく。小さなゴミ、ホコリ、髪の毛や縮れた毛がちり取りに溜まって行く。。。

平日の昼間時はヒマな時間を持て余すお年寄りが多い。顔と同じようにシワの寄ったカラダを晒したおじいさんが前も隠さず平然と声をかけてくる。平日は毎日来るからよろしくと言われ、こちらこそよろしくお願いしますと答えたが、やはりどうしてもアレに目が行ってしまう。頭の薄いならアソコも薄くなることを知る。そう言ったお年寄りを相手にする上では、割と介護に通じるのかも知れない。それにしても裏方だと思っていたのに、こんなに人と接触、それも裸の人たちを目の前に。。。この仕事も長く出来ないかな。。。

白髪やツルツル頭の弱々しいカラダのお年寄りや、ボッテリしたおじさん達に紛れ、黒い髪の細いカラダの男の子が視界に入った。前も隠さずウロウロするお年寄りと違い、濡れた白いタオルをしっかり腰に巻いた男の子が掃除をする私のすぐ側のロッカーに立った。