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日本一の栗の産地!茨城・笠間で味わう栗づくしグルメ3選

2017.10.29 更新

栗といえば、ホクホクした甘さと栄養満点が魅力の秋の味覚。でも、その栗の生産量日本一が茨城県(※1)だということを、ご存知でしたか?なかでも笠間市は、栽培面積1位(※2)を誇る名産地。毎年9月下旬から10月上旬の週末には「新栗まつり」が開催されるなど、全国からファンが集まる栗のまち・笠間で、ここだけは外せない、とっておきの栗グルメが味わえる3軒をご紹介します!

※1 平成28年度農林水産省統計、※2 平成28年度農林水産省調査

栗と焼き物のまち、笠間

茨城県中央部に位置する笠間市は、日本三大稲荷である笠間稲荷神社の門前町として、また笠間城の城下町として古くから栄えてきました。「笠間焼」の産地としても知られ、約300人の陶芸家の窯元やギャラリーが点在するアートのまちでもあります。
▲市内の岩間地区には栗畑が広がる

そんな笠間を代表する農産物が、栗です。甘みが強く味が濃い笠間の栗のおいしさは、全国の名菓子店で選ばれるほど。年間を通して穏やかで昼夜の温度差がある気候や、通気性に優れた火山灰土壌が香り高い栗を育むのだそうです。
▲ふっくら大きくて香り高い笠間の栗

産地だけあり、笠間には栗をさまざまに味わえるお店が数多くあります。

1.栗づくしのフルコース「フレンチレストラン Tortue」

▲静かな住宅街の中に立つ「Tortue」

まずご紹介するのは、JR水戸線・宍戸駅から徒歩17分ほどの場所にある「フレンチレストラン Tortue(トルテュ)」。県北出身の中村貴士シェフが2年間のフランス修行を経て、2012年に開店したフランス料理のお店です。

店名の「トルテュ」とは、フランス語で「亀」のこと。「常に謙虚に、ゆっくりでもいいから一歩一歩着実に歩みたい」との自戒の気持ちを込めてつけたといいます。
▲店内あちこちに亀モチーフのオブジェが

9月から12月のシーズン中、ぜひ味わってほしいのが「栗尽くしフルコース」です。常陸牛や伊勢エビといった茨城の最高食材を使った8,000円(税込)のコースもありますが、今回は、同じ品数でスタンダードな5,400円(税込)のコースをいただきます。2013年、名産の栗を使った料理を…と笠間市から依頼されて始めたこのコース、毎年メニューを変えながら続け、今では全国から栗ファンが食べにくるほどの人気になったのだとか。

「栗でフランス料理ができるのか?と初めは疑われましたが、食べてもらえば納得いただけると思います」と中村シェフは自信をのぞかせます。ただ乗せるだけではなく、栗本来の旨みを生かした料理に仕上げているのだそうです。

コースは全6品(内容は毎年変わります)。まず出てきたのは、アミューズの「栗のクロックムッシュ」。
▲フランスパンにかかったたっぷりのチーズの上に、ほくほくの栗が

表面が香ばしく焼けた栗と、とろっと溶けたチーズ。ほどよい塩気が食欲をそそります。

「わー、きれいですね!」と思わず声が出てしまったのは、前菜「栗と豚肉リエットのマルブル・栗見立て」です。
▲口直しには、季節の野菜のマリネが添えられている

茨城の銘石、羽黒青糠目石(はぐろあおぬかめいし)の上に乗っているのは、艶やかな栗……?
「フランスには素材を一度解体し、再度組み合わせて何かの形に見立てる“見立て料理”という伝統的な料理法があり、これはその一種です」と中村さん。

なるほど、ペースト状にした豚肉(リエット)を栗のペーストで覆い、赤ワインのゼリーでコーティング、ケシの実を散らして栗に見立てるという、3層仕立てのお料理なのですね。
やわらかい豚肉とほのかな栗の香り、そしてワインの甘みが一体となった複雑な味は、まさにフレンチ。栗コースの始まりにふさわしい一品に、テンションが高まります。

このコースでは、魚と肉、2つのメイン両方が楽しめるのもうれしいところ。まずは魚料理を。
▲「久慈浜より本日の鮮魚のソテー・栗の鱗」

この日の鮮魚は、久慈浜港に揚がったマダイです。薄くスライスした栗を重ねてトッピング、魚の鱗に見立てているのだとか。ワタリガニ(ガザミ)のソースと一緒にいただきます。
肉厚なマダイの身のふんわり感と、ローストされた栗のパリパリ感が絶妙にマッチして、なんとも上品な味わいです。

メイン2つめのお肉料理は、「国産牛のロースト薄片仕立て・栗のエクラゼ」。(「ローズポークフィレの胡麻風味・栗のベニエ」を選ぶこともできます)
▲上の黒いソースは、マッシュルームのペーストを使ったデュクセルソース

ミディアムレアにローストされた肉厚な国産牛モモ肉の横には、蒸し栗のエクラゼ(粗つぶし)が!栗はバターと生クリーム、少々の塩で味をつけて粗くつぶしてあり、ほのかな甘みとほくほくした食感がお肉によく合います。

栗料理というと、栗ご飯くらいしか思いつきませんでしたが、こんなに色々なお料理に合うなんて、驚きです。

「栗は収穫時期によって味がまったく違うので、同じ料理でも、味付けを微妙に変えているんですよ」と中村シェフ。9月上旬から出回る「早生(わせ)」、9月中旬からの「中生(なかて)」、10月以降の「晩生(おくて)」と3段階の成熟期があり、中生や晩生になるほど、甘みがしっかり乗ってくるのだとか。

さて、いよいよデザートの登場です!「笠間栗モンブラン」か「栗プリン『極(ご)くり。』」のいずれかを選べるのですが、ダントツ人気は、「笠間栗モンブラン」。というのもこのモンブラン、なんと憧れのマロンクリームを自分で好きなだけ絞れるのです!
出てきたのは、メレンゲクッキーの上に栗と生クリームが乗ったお皿と、飴や煉切(ねりきり)など和菓子作りにも使われる道具「小田巻(おだまき)」。
小田巻を逆さに持ち、生クリームの上からぎゅーっと絞り、マロンクリームをまんべんなくかけていきます。
これは楽しい!!細く上品なマロンクリームが台座をみるみる覆っていきます。
完成です!我ながら、フォークを入れるのがもったいないくらい美しく仕上がりました。
マロンクリームは栗の風味が濃厚でとろけるほどやわらかく、さくさくしたメレンゲクッキーとの相性抜群!大きなケーキもあっという間にペロリ。大満足でした。

お口直しの「マロン・ショー」(栗と牛乳の温かい飲み物)と栗のプチ・ガトー(小菓子)で、コースは終了です。
▲栗風味のホットミルクは優しいお味。ここにも亀がいますよ

お気づきでしょうか。ナイフとフォークを使うメイン料理以外の器は、実はすべて笠間焼です。
「栗だけでなく器や飲み物も合わせて、コース全体で笠間のすばらしさを感じていただけたら」という中村シェフの笠間愛が、「トルテュ」にはあふれているのです。お料理を通して笠間を盛り上げていきたいとの気持ちが伝わる「栗尽くしコース」なのでした。
▲「栗の料理には、笠間の日本酒もよく合いますよ」と中村シェフ

2.老舗和菓子店のモダンカフェで栗三昧「ふる川製菓」

さて、フレンチの後は和スイーツ(モンブランは別腹)……。次にご紹介するのは、昭和32(1957)年創業、笠間の老舗和菓子店「ふる川製菓」。機械に頼らない手作り製法の和菓子が自慢のお店です。
▲漆喰を思わせるシックなグレーの壁に、老舗の暖簾がおしゃれな外観

2015年に和モダンな喫茶スペースを店に新設。先代から続く自慢の自家製和洋菓子の味を守りながら、新しい風を笠間に吹き込んでいます。

さすが笠間、栗を使ったお菓子は店頭、カフェとも通年出しているとのこと。今回は、とくに人気の高い3品をご紹介。
まずは、栗の和菓子といえば、の「栗蒸し羊羹」(1,242円・税込)です。
どうですか!北海道産小豆のこしあんを使った自家製の蒸し羊羹の上に、笠間の栗がこれでもかとふんだんに乗っています。一般的な練羊羹に比べて水分が多くてやわらかく、甘さ控えめなのもうれしい。

そして、もう一つの人気商品が、「栗のムース大福」。「栗蒸し羊羮」と同様、販売は店頭のみですが、通年購入することができます。
▲「栗のムース大福」(324円・税込)

栗まるごと一粒と栗をふんだんに使った生クリーム、スポンジケーキがもちもちの求肥でふんわりと包まれていて、ふわふわ優しい口当たり。かつてゴールデンタイムのグルメ番組で紹介されて行列ができるほどの大人気となり、今も、ムース大福目当てに来店される方が多いそう。
▲ムース大福は栗以外にもいちご、ラズベリー、抹茶など季節に合わせて常時6~10種類(292円~324円・税込)がある

さて、カフェのほうにも栗を使ったメニューがありますよ。定番の「栗ぜんざい」(594円・税込)です。こちらは通年味わえますが、カフェ限定のメニューです。
十勝産の小豆をふっくらと炊き上げたぜんざいに、大粒のキラキラ光る黄金の栗が3つも入っています。見てください、この美しい照りを!
これからの寒くなる季節にぴったりな、心も体もあたたまる一品です。

老舗の味をモダンな店内で。散策の途中にぜひ立ち寄ってみてください。

3.笠間といえば「洋風笠間菓子 グリュイエール」

笠間の栗づくしグルメ、最後にご紹介するのは、JR笠間駅目の前の洋菓子店「洋風笠間菓子 グリュイエール」です。
オーナーの根本高行さんは、笠間生まれの笠間育ち。昭和60(1985)年の創業当時は普通のフランス菓子の専門店でしたが、平成7(1995)年、豊かな笠間の食材を使った地産地消の店を目指し、「洋風笠間菓子」を店名に冠することに。

今回ご紹介するのは、数ある栗を使った焼き菓子の中から、とくに人気の5品です。
左上から時計回りに、アーモンドをきかせた生地の中に栗が丸ごと入っている「栗道楽」(280円・税込)、生地全体に栗ペーストをふんだんに混ぜ込み、しっとりと仕上げたマドレーヌ「栗マド」(140円・税込)、かわいらしい栗型最中に、刻み栗やアーモンド、ココナッツを混ぜたチョコレートをぎっしり詰めた「かさまの栗ひろい」(302円・税込)、栗とチョコを混ぜ込んだクッキー「おちぼ栗」(8枚入り540円・税込)。すべて通年販売しています。

栗というと、焼き栗や蒸し栗のように、そのまま食べるほうがおいしいのでは?と思う方もいるかもしれません。でも、広報宣伝部長の根本悠香さんによると、「生よりもお菓子にすることによって日持ちもしますし、ほかの素材と合わせることでまた違ったおいしさが引き出される。そういったことを意識して、よりおいしくなる方法を常に試行錯誤しています」とのこと。

なかでも悠香さんのイチオシが、「おちぼ栗」です。
栗ペーストとチョコレートを生地に加えてしっとり焼き上げた、新感覚の栗チョコクッキーで、黒い部分はミルクチョコ、白い部分はホワイトチョコを混ぜ込んでいるので、口に入れるとなめらかでほろほろと溶けていきます。濃厚なチョコレートの後にふんわり香る栗の風味が、なんとも大人の味。まるで本物の栗をそのままスライスしたような実物大感もキュートですね。

「小さくても甘みがしっかりあるので、ティータイムのお供に1枚でも十分満足いただけると思います」と悠香さん。コーヒーや紅茶はもちろん、抹茶にも合う一品です。

季節限定の栗スイーツとしてご紹介したいのが、「ろまんパイ」(400円・税込)です。
サクサクのパイと栗の香るスポンジ生地の中に、厳選された渋皮つきの大粒栗が一粒丸ごと入った、食べ応え満点のお菓子です。
▲サクサクしたパイ生地が美味!マロンにロマンを込めて「ろまんパイ」と名付けた、秋冬限定商品

笠間の栗を使った焼き菓子の数々…お土産にぜひどうぞ。

さて、お帰りの前にぜひとも試していただきたい栗スイーツがもう1つ。
グリュイエールの店内にはカフェも併設されているのですが、ここで食べられる「笠間地栗のモンブラン」(540円・税込)がとにかくおいしくて、取り合いになるほどの人気なんです!
じゃーん!!
パイ生地の土台の上に大粒の栗とたっぷりの生クリーム、それらがなめらかなマロンクリームで包まれています。これはもう、王道のおいしさ!!本日2つめのモンブランですが、バターが香るさくさくのパイとマロンクリームのバランスが絶妙で、どんどんイケちゃうから恐ろしい……。

おいしいコーヒーとともに、優雅なカフェタイムをぜひ楽しんでください。店頭でも通年販売しているので、近場なら持ち帰ることもできます。
▲落ち着いた雰囲気のカフェには「トアルコトラジャコーヒー」(540円・税込)の豊かな香りが広がる
いかがでしたか?日本一の栗のまち、笠間市にはまだまだ栗グルメを堪能できるお店がたくさんあります。

笠間市の栗生産・加工業者が一体となって設立した「笠間の栗グレードアップ会議」では、毎年栗シーズンに周遊マップつきの栗グルメガイド「笠間てくてく栗図鑑」を発行、市内各所で配布しています。掲載店で、1,000円(税別)以上購入するとスタンプが1つもらえ、3つ集めると抽選で栗関連商品などが当たる「かさまの栗スタンプラリー」用紙も同封されているので、ぜひ参加してみては?
▲「笠間てくてく栗図鑑」は、ご紹介した3店舗でも配布中。スタンプラリーは、スタンプ3個で1口分の抽選券に。応募期限は2017年11月30日
髙松夕佳

髙松夕佳

編集者、ライター。茨城県つくば市のひとり出版社「夕(せき)書房」代表。『家をせおって歩いた』(村上慧著)、『山熊田 YAMAKUMATA』(亀山亮著)、『宮澤賢治 愛のうた』(澤口たまみ著)が好評発売中。ふるさと、茨城の魅力を再発見する日々。

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