アメリカが史上最大の大旱魃と不作!穀物と肉の価格はどこまで値上りするのか…
アメリカが大旱魃である。トウモロコシ・小麦・大豆が大被害を受けている。今年のアメリカは猛暑だった。少しの猛暑ではない。史上最大の猛暑である。まったく雨が降らない。カリフォルニアの西海岸では連日の山火事である。これはアメリカだけではない。ヨーロッパも同じである。中国は旱魃と洪水である。北半球の穀物は全部ダメということになる。穀物がダメということは、家畜のエサがないということになる。アメリカでは草がなくて牛を売りに出しているのである。穀物の問題は牛・豚・鶏の価格に大きく影響する。アメリカでは10月以降、今までにないような値上りになるだろうと言われている。
これは北半球の話である。北半球の春作から夏作までの話である。いくらアメリカが大旱魃といっても世界全体から見ると10%の在庫が減ったにすぎない。ところが南半球がある。北半球とは春・夏が逆になる。南半球ではこれからが種まき期である。エルニーニョ現象で不作が予想されている。当然、食糧は不足する。価格の上昇は避けられない。小麦・大豆・トウモロコシ関連と肉の価格は上がる。どこまで上がるかと言われても予想がつかない。世界恐慌の引き金になるかもしれない。そのぐらい深刻である。それで、この価格の問題にさらに輪をかけていることがある。需要の急激な増大である。世界的な人口増と新興国の中産階級が拡大している。誰もが豊食を求める。これは世界共通である。需要は大きくなるのに生産が上がらないとなれば価格は上昇の一途である。
領土問題なんかよりも食糧問題がもの凄く深刻なのである。これが今年で終わればいい。ところが北極圏の氷が史上最少になったのである。南極の棚氷も大きく溶け始めている。海水温の上昇が止まらないのである。気候変動はさらに大きくなる。夏はますます暑く、冬はさらに寒くなる。今年が豪雪だとすると、三年連続である。そこに不景気である。
何が起こっても不思議ではない。驚かしているのではない。悲観的に見ているのでもない。もちろん楽観派も多数いる。結果というのは原因があるから結果がある。これらの材料から将来を予測するのである。そして対策を思い巡らすのである。すぐやるという必要はない。こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようとイメージだけしておく。これだけでもパニックにならなくてよくなる。
アメリカの問題や世界的な穀物の問題なんて、まったく関係のない話のように思うだろう。でも身近な問題として、すぐに仕事に跳ね返ってくるのである。何を栽培するかも、どこで売るのかも、収入がどうなるのかもすべて身近なこととして、跳ね返ってくる。それが情報化社会なのである。だから、備えることは意味のないことではない。大きな意味がある。ピンチをチャンスに変えるには、情報がなくてはできないのである。