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決済革命(4):大手銀・クレカに危機感 企業視点の主導権・縄張り争い (1/3)

» 2018年08月28日 07時40分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 東京・丸の内の三菱UFJフィナンシャル・グループ本社では、社員だけが使えるコンビニエンスストアで新たなデジタル通貨「MUFGコイン」の実証実験がひっそりと進んでいる。

 社員がスマートフォンの専用アプリに表示した2次元バーコード「QRコード」を、店側がバーコードリーダーで読み取って決済する。

ALT 三菱UFJ・フィナンシャルグループ本社内にある社員専用のコンビニセンスストア、ローソンの店舗では「MUFGコイン」で決済する実証実験が行われている=6月28日、東京都千代田区(林修太郎撮影)

 デジタル通貨はインターネットでやり取りされる財産的な価値を持つ電子データ。主に、複数のコンピューターで取引管理して改(かい)竄(ざん)しにくくする「ブロックチェーン」と呼ばれる最先端技術を使った仮想通貨と、法定通貨の現金を電子化した電子マネーに分かれる。

 MUFGコインは、電子マネーとは異なる仮想通貨で、需要に応じて現金との交換レートが変化する。

 仮想通貨にすることで、銀行口座を持たない人同士でも決済や送金手段としてやり取りできる上、送金手数料も抑えられる。ただ、価格変動が大きければ決済手段としては使いづらいため、三菱UFJは取引に介入して事実上「1コイン=1円」に固定する方針だ。

 将来は企業同士など幅広い決済に導入する考えだが、まずは来年度初頭に企業と個人の取引で実用化しコンビニを含む流通大手やインターネット通信販売などで利用を始める見通し。

 三菱UFJなど3メガバンクはQRコードの統一規格作りに乗り出したが、デジタル通貨は「あくまで競争領域」(大手銀幹部)。

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