- ベースボール・タイムズ
- 2018年8月27日(月) 11:30
1番での打率4割5分8厘
「中日ドラゴンズ・平田良介」という選手像をひと言で表すと、昨季までであれば“和製大砲”と答える野球ファンが多かったはずだ。大阪桐蔭高時代、3年夏の甲子園で1試合3本塁打の衝撃に始まり、プロ入り後は2ケタ本塁打を記録したシーズンが6度。2011年には2試合連続サヨナラ本塁打を放つなど、印象的な本塁打の助けもあってそのイメージは形成された。
しかし、平田本人は自身がホームランバッターであることを、これまで多くのメディアで否定してきた。自己分析は「1番から3番打者タイプ」。今季になってようやく、その言葉を立証するかのような活躍を見せている。
8月14日の横浜DeNA戦で6年ぶりの1番に座ると、同26日までの12試合で残した打率は4割5分8厘(48打数22安打)。16日には史上68人目(73度目)のサイクル安打を達成するなど、通算打率も3割4分1厘まで押し上げ、同僚のビシエドらとともにセ・リーグ首位打者争いを展開している。
昨季は6月で離脱も「怪我の功名」に
今季の平田の打撃成績は序盤の3・4月こそ打率2割5分と低調だったものの、5月に65打数28安打で4割3分1厘をマークすると、6月以降も月間打率3割超えを継続。安定した数字を残している。その要因として、不調を長引かせない修正能力の向上を挙げた。
「今季は好不調の大きな波は少ないと思います。バッティングの内容というか、カタチが悪くなったときの修正する時間が短くなりました。(重要視しているのは)打つカタチまでの体の持っていき方ですね。当然、カタチを崩されることはあるので、その中でも次の試合では良いカタチに持っていけるように調整してプレーしています」
スランプに陥る前に対処できる。大幅に数字を落とさないことで、安定した成績を持続できているというロジック。プロ13年目にして初の打撃タイトルを視界に捉えるほどの飛躍。要因は怪我でシーズンの大半を棒に振った、忌々しい(いまいましい)昨季までさかのぼる。
「去年はほぼ一年野球ができなかった。リハビリの間に十分な時間があったので、自分のバッティングについて振り返ることができた。こうしたら良いんじゃないかと思ったことが、カタチが悪くなったときの修正に生かしながら実行できている」
右膝を痛めて戦線離脱となったのが昨年の6月。ただ傷を癒すだけでなく、打撃に思考を巡らす時間として有意義なものにしてみせた。