アブラメ売り込め 階上町、ブランド化へ機運高まる

アブラメ売り込め 階上町、ブランド化へ機運高まる

 階上町が町の魚に指定する「アブラメ(アイナメ)」の付加価値を高めよう—という機運が本年度、町内で高まっている。町は青森県立八戸水産高(八戸市)とタッグを組み、生徒のアイデアを生かして、認知度向上や消費拡大、販路開拓につなげたい考え。安定的な漁獲の観点から、県栽培漁業振興協会(同町)が稚魚の量産に向けた試みを近く始めることにもなっており、「階上ならでは」の資源を地域活性化に結び付けられるか注目される。 日本各地の沿岸部の岩礁などに生息するアブラメ。町内では春から秋にかけて、年間4トン程度が水揚げされる。飲食店を中心に需要があるものの、大量に漁獲される魚種に比べて単価が高く、鮮度が落ちやすいことから、一般家庭向けとして流通することが少ないのが現状だ。 町は7月、アブラメをテーマに2年前から研究に取り組んでいることが縁で、同校と連携協定を締結し、ブランド化への取り組みを始めたばかり。 地元の漁業関係者は、階上産アブラメを広く売り込むには、古くから食べる習慣のある関西地方をはじめとする遠方への輸送手段の確立を課題に挙げている。 このため、生徒たちは適切な輸送方法のほか、町内産のアブラメを生かした調理方法に関して研究。町側はその成果を基に、遠方への流通手段や商品開発などの道筋を検討する方針だ。 7月29日に町内で開かれたイベントでは、同校海洋生産科の生徒が研究内容を来場者に紹介。3年新堂大貴さん(18)は「今後はうまみ成分を他の魚と比べて、おいしさをアピールできれば」と意気込んだ。 消費拡大に向けては、町内だけでなく、近隣地域での認知度向上も重要となりそうだ。海産物販売も手掛ける同町の坂下釣具店店主の坂下利助さん(68)によると、釣り客に人気があり身近な魚種の一つだが、地元のスーパーなどの店頭に並ぶ機会は少ないという。 今回の活性化の動きについて、坂下さんは地元消費の重要性を強調した上で「地域の魚としてもっと知られるようになり、八戸圏域で盛り上がってほしい」と歓迎する。 また、ブランド化に不可欠な安定供給に関しては、今秋から同協会が卵から稚魚を育てる「種苗生産」に着手する。国内では難しいとされる手法だが、同協会が92年に一度取り組んで成功させた経験があり、当時のノウハウを踏まえ、1万匹以上の量産を目指す。 育てた稚魚は県内外に出荷するほか、町内で放流し、地元に還元する方針。同協会の松橋聡栽培部長は「県内外に階上のアブラメを広められれば、需要も伸びる。種苗生産でブランド化を後押しできるだろう」と期待を込める。【写真説明】アブラメの価値向上へ階上町で機運が高まっている(写真はコラージュ。右上から時計回りに、階上町と八戸水産高が結んだ連携協定締結式、研究をPRする八戸水産高生、アブラメ)


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