Microsoft Teamsとは
Microsoft Teamsとは、Microsoftが提供しているグループウェアである。
通常、Microsoft 365やOffice 365 Business Essential/Premiumプランに提供されているツールで、チーム内でのチャットやグループでの会議、ファイルやスケジュールの管理など、チームでの活動に必要なツールがすべてここに格納されている。
Slackなどのツールとの違い
同じような機能を提供しているツールは、他にもある。SlackやWorkplace for Facebookなどのグループ向けサービスもある。また、グループチャットだけであればFacebookメッセージやLINEのグループチャットなどを使ってもよい。
これらツールとMicrosoft Teamsとの違いは、機能的には次の通りである。
| Microsoft Teams | Slack | Workplace for Facebook | G Suite | Facebookメッセンジャー | LINEグループ |
文章によるメッセージのやり取り | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 (Hangouts Chat) | 〇 | 〇 |
文章のスレッド化 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 (Hangouts Chat) | × | × |
ゲストの参加 | 〇 | △ (有料版のみ) | × | 〇 | 〇 | 〇 |
内部でのファイル管理 | 〇 | △ (アップロードのみ) | △ (アップロードのみ) | 〇 | △ (アップロードのみ) | △ (アップロードのみ) |
ビデオ通話 | 〇 | △ (有料版のみ) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ノート (メッセージと別形式の文章保持) | 〇 (Wiki) | × | 〇 | 〇 (Google Docsなど) | × | 〇 |
チームサイトとの連携 | △ (有償版のみ、Sharepointがある) | × | 〇 | × | × | × |
複数チームの作成 | ○ | △ (複数チャンネルを作成することは可能) | 〇 | 〇 | × (チームごとに別グループの作成が必要) | × (チームごとに別グループの作成が必要) |
価格 (最安値) | 1ユーザー650円/月 (年間割引6480円/年) | 1ユーザー850円/月 | 1ユーザー3ドル/月 | 1ユーザー600円/月 (年間割引6000円/年) | 0円 | 0円 |
無償版 | ○ | ○ | ○ | ○ (Googleツール群) | × | × |
Microsoft Teams無償版とは
そんなMicrosoft Teamsの無償版が、
先日公表された。有償版のTeamsからは一部機能が省略されているが、Teamsの特徴であるチャットやファイル管理などの機能は、有償版と変わりなく使用することができる。
無償版でも、チーム内のチャットやファイル管理機能、ビデオでの会議機能は有償版と同様に利用可能だ。小規模なチームやサークルでは、特に不便なく利用できるのではないだろうか。
無償版は有償版とどう違うのか?
有償版との大きな違いは、次のようなものである。
- いくつかの追加機能(アプリ)が利用できない
- 会議の予定調整機能が利用できない。
- ビデオ会議の録画を行うことができない。
- Officeアカウントは利用できない。
- ファイルの保存領域が異なる。
また、無償版であるためMicrosoft公式のサポートもない。これらの違いについて、以下に説明する。
1.いくつかの追加機能(アプリ)が利用できない
Microsoft Teamsでは、さまざまな外部サービスとの連携機能を、アプリ またはタブという形で追加することができる。無償版では、次のように使える機能が制限されている(赤文字が無償版で利用できないアプリ)。
2.会議の予定調整機能が利用できない
Microsoft Teamsの有償版では、チームメンバーと時間調整を行い、会議の日程を決定するという機能がある。この機能は、Microsoft Teams無償版では利用できない(会議ボタン自体が存在しない)
3.ビデオ会議の録画を行うことができない
Microsoft Teamsでは、参加者内でビデオやスクリーンを共有して、会議を行う機能がある。また、この会議の内容を録画し、記録することも可能だ。
しかし、無償版では録画機能を使うことができない。また、あらかじめ時間を指定しての会議を行うこともできないため、あらかじめ別の方法で会議の日程を確認しておく必要がある。
4.Officeアカウントは利用できない
Microsoft Teams無償版では、Office 365 Business PremiumやBusiness Essentialに関連付いている、Officeアカウントを利用することができない。
その代わりにMicrosoftアカウントを使用することになる。Microsoftアカウントは、既存のものを使ってもよいし、新規に作成することもできるので、どちらか好きな方法を選ぶとよいだろう。
ただし、Office 365 Soloを契約している場合など、Microsoftアカウントをうまく利用できない場合がある。もし既存のアカウントが利用できない場合、Microsoftアカウントを作成し、それを使うのが無難だろう。
5.ファイルの保存領域が異なる
無償版Teamsのファイル保存領域には、OneDriveやOneDrive for Businessとは別に、10GBの領域が割り当てられ、加えて、1メンバーごとに2GBが割り当てられる という形式となっている。
ファイルの保存領域は、OneDriveやOneDrive for Businessとは完全に独立しているため、有償版のTeamsのように、PCのOneDriveアプリに設定して、PC上にファイルを同期させて利用する、などといったことができない。これは人によってはかなり不便を感じる部分かもしれない。
【次ページ】Microsoft Teams無償版の活用方法と導入時のコツ