プライベートオンラインストレージアプリ「Nextcloud」が思ったより良かった

投稿者: | 2018年8月27日

レンタルサーバーにNextcloudをインストールし、思ったよりも使えるなと感じたのでちょっと紹介。きっかけは先日「ownCloud」(「Nextcloud」のフォーク元)についてニュースがあり、そういえば「Nextcloud」なんてものもあったなと思い出し、サイトをみてると以前に比べて進化してるなと思い、試すことにした。

ちなみに「Nextcloud」はGoogle Driveのようなもので、自分でオンラインストレージサーバーを立てられるサーバーアプリ。後に書いてるが、LinuxユーザーでGoogle Driveに満足していないユーザーにはお勧めだ。

フォーク元の「ownCloud」と比べると、見た目や動作はだいたい同じだが、機能的には「Nextcloud」の方が一歩先を行っている感じ。

今回は所有しているレンタルサーバーにインストールしてみた。動作要件とか気にせずにインストールしてみたらあっさり成功。Wordpressが動作するサーバーならNextcloudも動作するんじゃないでしょうか。しかしレンタルサーバーによっては「Nextcloud」のようなものをインストールしたらアカウント停止くらう可能性もあるので、そこらへんは自己責任で。

最新バージョンのリリース情報や「ownCloud」と「Nextcloud」の歴史については下記のサイトを参照されたし。

インストール方法に興味なく先に機能や使い勝手について知りたいならインストール方法は飛ばして読んでください。

Nextcloudのインストール方法

インストール方法は、「サーバーにアーカイブをダウンロードして展開」「インストーラー(phpファイル)をサーバーに設置してのインストール」や「仮想環境を用いて構築」する方法が準備されているが今回は一番簡単で共有サーバー(レンタルサーバー)に適していそうな「インストーラー(phpファイル)をサーバーに設置してのインストール」でインストールしてみた。要件さえ満たして入れば何も迷うことなくインストールできる。

Nextcloudのインストールファイルをダウンロード

上記のページにアクセし赤囲みしている「Web Installer」のタブを選択する。すると「Web Installer」についての説明画面に切り替わるので、赤矢印に「here」と書かれているところから右クリックして該当ファイルをダウンロードする。

Nextcloudのインストールファイルをアップロード

先ほどダウンロードした「setup-nextcloud.php」をサーバーにアップロードする。

Nextcloudのセットアップ

次にアップロードしたphpファイルにアクセスしてみよう。ちなみにドメインの前準備などはすで済ませているのを前提に話を進めて行く。

Nextcloudのインストール場所を設定

次にインストールする場所を設定するが、今回はインストールファイルのある階層にインストールするのでピリオドだけを入力する。もしサブディレクトリ(同階層にある別フォルダ)にインストールしたいのあれば、ここにフォルダ名を入力する。

Nextcloudのインストールが成功

インストールが始まり何か裏で色々ダウンロードしているようだが1分くらいでインストールが完了し「Success」(成功)と表示された。

Nextcloudの管理者アカウントとデータベースの設定

次の設定画面に進むと日本語で管理者アカウントとデータベースの設定についての項目が表示される。初期設定の「SQLite」(組み込み型のデータベース)を利用しようと思ったが、「特にデスクトップクライアントをファイル同期に使用する場合,SQLiteは非推奨です」と書かれていた。今回はデスクトップクライアントのファイル同期もしたいので別にデータベースを用意することにした。

Nextcloudのデータベース設定

「ストレージとデータベース」をクリックすると詳細が表示される。今回はサーバーの方でMySQLを用意したので、「データベースのユーザー名」「データベース名」「データベース名」をそれぞれ入力する。

全ての項目を入力したら「セットアップを完了します」をクリックする。

Nextcloudのセットアップが完了

セットアップが完了するとホーム画面に切り替わる。

ぱっと見はDropboxやGoogle Driveの見た目と同じで、フォルダ・ファイル操作も直感的に操作できる。また、フォルダ・ファイルの共有なんかも問題なく動作しているようだ。

NextcloudをSSL化する

初期の状態ではどうやらSSLに対応していないので、サーバーがSSLに対応しているのなら.htaccessのファイルを編集して自動的にSSL対応のURL(いわゆるhttps://で始まるURL)にリダイレクトされるようにしてみよう。

htaccessの編集

今回は先に無料SSLを設定しておいた。現状ではhttpでもhttpsでもアクセスできる状態になっているのでhttpからhttpsへ自動的にリダイレクトさせるために設定を書き加える。


スポンサーリンク

htaccessファイルの中にリライトのモジュール部分(IfModule mod_rewrite.c)があるので、その最後に

RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]

を書き加えた。下記のようになる。

<IfModule mod_rewrite.c>
  RewriteEngine on
  RewriteCond %{HTTP_USER_AGENT}  DavClnt
  RewriteRule ^$         /remote.php/webdav/          [L,R=302]
  RewriteRule .* - [env=HTTP_AUTHORIZATION:%{HTTP:Authorization}]
  RewriteRule ^\.well-known/host-meta /public.php?service=host-meta [QSA,L]
  RewriteRule ^\.well-known/host-meta\.json /public.php?service=host-meta-json [QSA,L]
  RewriteRule ^\.well-known/carddav /remote.php/dav/ [R=301,L]
  RewriteRule ^\.well-known/caldav /remote.php/dav/ [R=301,L]
  RewriteRule ^remote/(.*) remote.php [QSA,L]
  RewriteRule ^(?:build|tests|config|lib|3rdparty|templates)/.* - [R=404,L]
  RewriteCond %{REQUEST_URI} !^/.well-known/(acme-challenge|pki-validation)/.*
  RewriteRule ^(?:\.|autotest|occ|issue|indie|db_|console).* - [R=404,L]
  RewriteCond %{HTTPS} off
  RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]
</IfModule>
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16

NextcloudのSSL化の動作確認

これで自動的にhttpsに切り替わるようになった。試しにhttpでアクセスしてみよう。SSL化前は

と表示されていたが、SSL化後はちゃんと「保護された通信」を表示されるようになった。

httpsに対応することでセキュリティが向上するだけでなくファイルの読み込みも多層になり結果的に読み込み速度も上がるので面倒でも設定しておいた方がいいだろう。

Nextcloudのアプリを追加してみよう

初期の状態ではファイル操作くらいしかできないが、アプリを追加・有効にすることで様々な機能を追加することができる。その中で代表的なものや使えそうなものをいくつか試してみよう。アプリの管理は右上メニューの中にある「アプリ」で行う。

アプリページの左側に様々なジャンルで分類された項目があるので、そこから欲しいアプリを探してみよう。

またここでも各アプリが閲覧できるのでNextcloudをインストールする前にきになるアプリがあるか確認してみよう。

カレンダー

まずはカレンダー。ちょっと予定を入れたりしてみたが操作や動きはGoogleカレンダーと同様だ。繰り返しの設定なども細かく調整できるのがいい。動きもサクサク動く。またCalDAVのアドレスもあるので、他のカレンダーアプリから読み込むこともできそうだ。

タスク管理

次はタスク管理。普段からタスク管理は使わないけどこれを機会に使ってみてもいいかなと思えるくらいにシンプル。こちらも動作はキビキビ動く感じ。

マークダウン記法対応エディタ

テキストファイルに.mdの拡張子をつけることで、そのファイルをマークダウン記法に対応させることができるアプリもある。右側にはリアルタイムでプレビューが表示される。

Nextcloudのデスクトップアプリ

もちろんNextcloudにもデスクトップアプリが用意されているので他のサービス同様にフォルダ・ファイルを同期させることができる。また一括で同期させずにフォルダ単位で同期の可否を設定することもできる。

OSはWindows、macOSの他にLinuxにも対応している。Google DriveはLinux上ではまともに管理できないが、「Nextcloud」はLinuxでも他のOS同様に細かく管理できるのでLinux使いにとっては嬉しい。

ファイル名に正規表現を用いてで除外ファイルを設定できる

動作などは他のサービスと同等だが気に入った機能としては、ファイル名に正規表現を用いてで除外ファイルを設定できることかな。例えば「*__.*」を設定したしておけば、拡張子の前にアンダーバーを2つ入れることで同期済みのフォルダに該当ファイルを入れても同期されない。地味に便利な機能だと思う。

Nextcloudのスマホアプリ

もちろんデスクトップアプリだけでなく、iPhoneとAndroidのクライアントも用意されている。デスクトップのクライアントほどの細かい設定はできないようだがファイルの閲覧、編集などはもちろんできるので不便はなさそうだ。

Nextcloudのメリット・デメリットとかまとめとか

完成度は高いので個人で利用するだけでなく、管理さえちゃんとできるなら業務にも使えそうだ。動作も安定していて完成度はなかなかのもの。メリットとかデメリットとかここで並べてもそんなの意味ねえから、気にせずに試してみたらいいんじゃないかな。あと脱Googleを目指している人にはGoogle Driveの代替えにもなるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です