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【政治】

首相、総裁選出馬正式表明 急ぐ改憲 世論は関心低く

農家などを視察し、競りを体験する安倍首相=26日午前、宮崎県新富町で(代表撮影)

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 九月の自民党総裁選への立候補を正式表明した安倍晋三首相は、自衛隊を明記する九条改憲を公約して圧勝し、改憲論議を加速させる戦略を描く。しかし、共同通信社が二十五、二十六両日に行った世論調査では、新総裁に期待する政策で「憲法改正」は八位。改憲を急ぐ首相の姿勢が、国民世論とかい離している実態が明確になった。 (金杉貴雄)

 首相は二十六日、鹿児島市での講演で「いよいよ憲法改正に取り組むときが来た」と強調。多くの憲法学者が自衛隊を違憲とする現状は自衛官に気の毒という理屈を話した上で、「違憲論争に終止符を打つことこそ自民党、政治家の責務だ」と訴えた。

 首相は総裁選で圧勝すれば、戦力不保持を定めた九条二項を維持した上で自衛隊を明記する自民党の改憲条文案を軸に、他の改憲勢力と協議。秋の臨時国会にも「改憲原案」を提出し、衆参両院本会議で三分の二以上の賛成を得て「改憲案」を発議する考え。来年中にも国民投票を実施し、二〇二〇年に新憲法を施行させるスケジュールを描く。

 二項削除を持論としつつ、九条改憲は熟議が必要とする石破茂元幹事長とは優先度が大きく異なる。

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 だが、共同通信社世論調査で、新総裁に期待する政策(二つまで回答可)の一位は「景気や雇用など経済政策」(38・6%)。二位は「年金、医療、介護」(36・4%)、三位は「子育て・少子化対策」(25・5%)と、生活に密着した課題に力を注いでほしいという国民意識がはっきり出た。

 「憲法改正」との回答は、九つの具体的な選択肢のうち八位で、わずか7・4%。七月の前回調査でも八位で、関心の低さは明らかだ。

 首相が次の国会に自民党の改憲案を提出する意向を示したことについても、反対が賛成を大きく上回った。期限を区切って改憲を急ぐ首相の姿勢に疑問符を突き付けたかたちだ。

 一方、「誰が総裁にふさわしいと思うか」との設問で、首相と回答したのは36・3%、石破氏は31・3%。首相が上回っているが、国会議員票の七割超を首相が押さえたとされる自民党内の状況ほど差はついていない。

 

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