そして、その次にシリーズから発売されるのは、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』や『スーパーマリオ64』、『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』などのゲーム史に残る名作を世に贈り出してきた名機、NINTENDO64(以下:64)ではないかと巷で噂されているのです。
そこで今回は、任天堂が新たな「ニンテンドークラシックミニ」シリーズを発表する前に、少年時代に64と共に過ごしてきたゲームライター達がそれぞれ趣味嗜好のみのラインナップで考えた「オレが考えたN64復刻版」を語ります。(進行役:真ゲマ)
――まずその前にこれまでの流れのおさらいをしましょうか。任天堂が過去のゲーム機の復刻版を発売してから、それに追従する形でセガが「メガドライブミニ」を発表したり、SNKが「ネオジオミニ」を発売したりと、ちょっとした「復刻版ブーム」が起こっているような気がします。
文章書く彦:
最新ハードだとバーチャルコンソールやゲームアーカイブスのサービスが中々はじまらないので、過去作を正規の手段でプレイできる需要が高まってる感じもしますね。
――それと復刻版本体がミニサイズだったり、「ネオジオミニ」のハード本体のデザインが筐体っぽくなっているのはアーケードゲーマーにとってほしくなるアイテムでもありますね。
ひびき:
単純にレトロゲームがテレビで遊べるのも嬉しいですが、ミニサイズのハードというカタチはなにかゲーマーの心をくすぐるものがありますよね。
伊藤ガブリエル:
並べて悦に浸りたいです。 販売価格も収録ソフトや周辺機器を考えたら破格ですよね。
ひびき:
物理的な触感も含めて思い出が呼び起こされますから、ミニチュアのハードで遊べるようにしたというのは、なかなかウマいことやったなぁって思います。
文章書く彦:
昔の「新しいゲーム機が家にきたぞ!」っていう喜びを思い起こさせるところがあるんでしょうね。新しいゲーム機が家にやってくるのは子供にとって一大事件でしたから。
――それで任天堂は、ファミコン、スーパーファミコンの復刻版を発売しましたが、この流れでいうと次は64ですよね。どうやら任天堂は「N64」という商標も取っているみたいですし。
ひびき:
64世代としては期待が膨らみますね。
――どのような収録内容になるのかはわかりませんが、前回のミニスーファミでは、当時発売されなかった幻のゲーム『スターフォックス2』が新作として収録されていました。もし64復刻版が出るとしたら、今回も何かしらインパクトを持つものが売りになるんじゃないかなと思っています。
ひびき:
64に関して発売に至らなかったソフトというのは、噂程度のものも含め枚挙に暇がないので、気になる部分ではあります。
――さて、今回参加していただいたゲームライター3人は20~30代でN64直近世代だと思いますし、64は思い入れが強いゲーム機だと思います。友達と対戦プレイを興じたり、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』や『スーパーマリオ64』で3Dゲームの進化に衝撃を受けたり……
そこで今回、64と共に少年時代を過ごしてきた皆さんに、独断と偏見で満ちた「オレが考えた64復刻版」を作っていただきましょう!
文章書く彦が考えた「64復刻版」
◆アクション系
・『スーパーマリオ64』(3Dアクション)
・『バンジョーとカズーイの大冒険』 (3Dアクション)
・『ゼルダの伝説 時のオカリナ』 (アクションアドベンチャー)
・『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(対戦アクション)
・『星のカービィ64』(横スクロールアクション)
・『ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ』 (横スクロールアクション)
・『ブラストドーザー』 (乗り物アクション)
・『カスタムロボV2』 (ロボットアクション)
◆レース系
・『マリオカート64』(レースゲーム)
・『F-ZERO X』(レースゲーム)
・『エアロゲイジ』 (レースゲーム)
◆RPG系
・『不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!』(ダンジョンRPG)
・未発売『MOTHER3 豚王の最期』(RPG)
◆その他
・『パーフェクトダーク』 (FPS)
・『ポケモンスタジアム』(対戦ソフト)
・『スターフォックス64』 (シューティング)
・『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!(つりコン64付属)』(釣りゲーム)
・『テン・エイティ スノーボーディング』(スポーツゲーム)
・『ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット』 (育成シミュレーション)
・『64DD シムシティー64』(シミュレーション)
・海外版『StarCraft』(RTS)
計:21本
特徴:64の定番タイトルを取り揃えつつ、海外版『StarCraft』などの個人的な趣味嗜好が見えるタイトルが含まれている。友人と対戦プレイをがっつり楽しめるうえ、ひとりでも濃いゲーム体験が楽しめるかもしれない。
文章書く彦:
こんな感じになりました。『ポケモンスタジアム』は、3DSのVC版『ポケットモンスター』初代シリーズと連動して対戦とかやれたら楽しそうだな、という理由から選んでみました。当時やりたくても経済的理由なんかでやれなかったゲーム少年は多いのではないでしょうか。
周辺機器には『糸井重里のバス釣りno1決定版』の「つりコン64」を付属しています。復刻版に周辺機器を付属するとしたら、コントローラーに振動機能を追加する「振動パック」だとインパクトが弱い気がして。今ではほとんどのコントローラーに標準搭載されてますし。
64はレースゲームが多いので、その中からどれを選ぶのかで人が出るでしょうね。俺の場合だと『マリオカート64』と『F-ZERO X 』、『エアロゲイジ』ですね。
ひびき:
自分も定番タイトル以外で一番やりこんだのは、レースゲームでした。
伊藤ガブリエル:
僕も『F-ZERO X』と『スター・ウォーズ エピソード1レーサー』にハマってましたね。あとは本格的なものになると『F-1 WORLD GRAND PRIX』かな。父がF1大好きだったので嬉々としながら遊んでいました。
文章書く彦:
あと『ディディーコングレーシング』や『ウェーブレース64』とかいっぱいありますね。『ディディーコングレーシング』は、めちゃくちゃ楽しい傑作だとおもうんですけど、『マリオカート64』とゲーム内容とかぶるためにラインナップから外しました。
――ニンテンドー64から3Dグラフィックのゲームが続々登場しましたが、その中でもレースゲームが3Dによって一番迫力が増した印象があります。
ひびき:
特に、64の3D表現は、他のゲーム機のタイトルと比較しても一歩抜きん出ていましたしね。やりやすかったのもあったのかも。
文章書く彦:
ニンテンドー64にかぎらず、第5世代コンソールでは、やはりポリゴンの性質上「奥に行く」っていう表現をしたかったんでしょうね。
あと、スノーボードを題材としたアクション『テン・エイティ スノーボーディング』を入れました。あの時代、64はもちろん、PlayStationもスノボゲームが存在感を放っていた印象があります。個人的にはスノボゲーム大好きなので応援しています。
――ところで、このリストにある『エアロゲイジ』ってどんなゲームなんですか?
文章書く彦:
『F-ZERO X』と似てる感じがするんですが、『エアロゲイジ』はサイバーパンク寄りのSFレースゲームです。操作感も『F-ZERO X』が浮いている感覚に対して、『エアロゲイジ』ははっきりと飛んでいる感覚ですね。登場マップも香港っぽいカッコイイものがあって大人っぽい印象がありました。操作難度が高くて、ドリフトダッシュとかを使いこなさないと、まともにはレースできない感じなので、『F-ZERO X』とは全然違うんです。
あと、隠しマシンとして「64コントローラー」が登場しますね……。
――そんな隠し要素が……!全体的にF-ZEROをハードコアにした感じなんですね。
文章書く彦:
そうですね、上記のとおり類似ゲームがあったせいで今では「知る人ぞ知る名作」みたいな扱いをされているっぽいです。
文章書く彦:
あとFPSはどれを選ぼうか悩みました。やはり『ゴールデンアイ 007』か、それとも『パーフェクトダーク』か……。結局後者にしましたね。(『時空戦士テュロック』や『大刀』を入れようかとも悩みましたが……)
ひびき:
初めて触れたFPSとして派閥が分かれそう。
伊藤ガブリエル:
僕も気に入っているのは『パーフェクトダーク』ですね。全体を通してSFの世界観、加えて武器デザインがとんでもないものがあって大好きです!
――そういえばラインナップには、海外で人気のRTS『StarCraft』が入ってましたね。
文章書く彦:
実は、初代『StarCraft』は、64で海外向けに発売されていたんですよ。この世代で本格的なRTSが家庭用機で出ているのも驚きというのもあるのですが、インターフェースなどがコントローラー操作向けに最適化されていて面白いです。ゲーム自体、シングルキャンペーンを遊んでいるだけでめちゃくちゃ面白いということは折り紙つきです。
復刻版には収録されるのは望み薄ですが、同作のリマスター版『StarCraft Remastered』はPC向けに発売されているので、PCゲーマーは買いましょう!
――そして今回の『スターフォックス2』枠は『MOTHER3 豚王の最期』なんですね。一度開発中止になって、後にサブタイトルを省き『MOTHER3』としてゲームボーイアドバンス向けに発売されたゲームですよね。
文章書く彦:
「発売中止枠はやっぱりこういう大ネタじゃないと!」というのがあり、夢があるので選びました!どこまで出来てたのかはかなり怪しいんですけどね。そうそう。実は、当時の公式サイトがまだ残っているんです。
――ゲームボーイアドバンス版の『MOTHER3』と比較すると、グラフィックが別物ですね。『MOTHER3 豚王の最期』は3Dなんですね。
文章書く彦:
でも、キャラクターやストーリーなどは共通する要素もありますね。「『MOTHER3』の開発が中止になったことについての糸井重里・岩田聡・宮本茂の座談会」という記事には、開発中止になった経緯が語られていて面白いです。
――宮本茂さんによると6割出来ていたと言ってますが……。
文章書く彦:
岩田聡さんと宮本茂さんで言い方が違うのでヤブの中ですね……。まぁ、このような記事がたくさん残ってるぐらい「結局できなかった幻のゲーム」という印象がユーザーに強く残っている一作であるとは言えると思います。64復刻版の「売り」にするならネームバリューとしても十分ですしね。
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テン・エイティ スノーボーディングとはいいチョイス!
エヴァ64を挙げるとはなかなか判ってる
がんばれゴエモン ネオ桃山幕府のおどり
超スノボキ○ズ
も欲しい!