世界規模で成長するアダルトゲーム市場、次なる舞台はVRへ
日本の「エロゲー」にルーツがあるアダルトゲームの市場が、世界規模で急成長している。米国ではアダルトゲームサイトの利用が急増しており、日本企業の進出も増えているという。こうしたなか、さらなる“刺激的”な世界も見えてきた。
TEXT BY JOSEPH BIEN-KAHN
TRANSLATION BY SATOMI FUJIWARA/GALILEO
WIRED(US)
アニメで描かれた「タンクガール」を集めていくゲーム「Armor Blitz」は、2016年11月に「Google Play」に登場したが、その後の6カ月の総売上はわずか23,400ドル(約258万円)で、制作コストの半分にも満たなかった。
その後、同じゲームをアダルト専用ゲームプラットフォーム「Nutaku」に、エロティックな要素を追加した[日本語版記事]かたちでリローンチすると、6カ月で160,000ドル(約1,761万円)以上の金が銀行口座に転がり込んだ。
日本にルーツをもち、盛況を誇るアダルトゲーム(エロゲー)産業は、いまや世界規模へと成長しつつある。Nutakuは(「Pornhub」「YouPorn」「RedTube」などのオーナーである)ポルノ業界の巨人MindGeekの後ろ盾を得て、刺激的なゲームのメガプラットフォームとなり、世界中のゲームやインディゲームを提供している。
登録ユーザー数は1,000万人。その40パーセントは毎日ゲームをプレイしている。月間7,000万ページヴューを誇るこのプラットフォームにおける1人のプレイヤーの活動量は、15年以来800パーセントも拡大している。
日本企業も人気アダルトゲームサイトへ進出を模索
「遊べるポルノ」はインディゲームの世界におけるトレンドで、これらは主にモバイル経由で利用されている。アダルトゲームサイト「Eroges.com」は17年11月から25万人の利用者を獲得しており、トラフィックの65パーセントはAndroidから来ている。アダルトアプリのストア「MiKandi」におけるゲームのダウンロード数は、16年以来65パーセント増加した。
MiKandiの共同創業者であるジェン・マキュアンは、「複数の日本企業が米国進出の手助けを求めて、われわれにアクセスしてきています」と語る。日本のゲームスタジオとの提携に加え、「Patreon」や「Kickstarter」における開発者向けクラウドファンディングの隆盛が、成長の原動力になっているという。
次にやってくるさらなる刺激的な世界は、仮想現実(VR)だ。アダルト仮想世界の「Red Light Center」は、アクティヴユーザーが22万人いるという。また「VR」は、このところMiKandiで最も頻繁に検索される用語になっている。ついに自慢の「Xboxxx」を起動するときが来たようだ。
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