近頃の世の中は、体罰やパワハラ、セクハラなどに対しての風当たりが強くなっている気がします。
今では英語の辞書にも載っている「karousi」という言葉と切っても切り離せない言葉が「ブラック企業」です。
「ブラック企業」はWikipediaによると以下のように定義されています。
ブラック企業またはブラック会社とは、「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」を指す。「従業員の人権を踏みにじるような全ての行為を認識しつつも適切な対応をせずに放置している企業」との指摘もある。
今でもブラック企業、ブラック企業と騒がれていますが、以下の2点から今後さらにブラック企業が増えていくと考えられます。
ワードが使い古された感
一つ目の理由は「ブラック企業」というワードが世の中に普及してしまった点です。
メディアが「体罰、体罰」と騒ぎすぎたせいで、教育現場や部活動で指導する立場にある人への風当たりが強くなりました。
同様に、ブラック企業についてテレビや新聞、SNSなどで取り上げられるにつれて、ブラック企業という言葉は私たちにとって身近になりました。
その結果、企業への風当たりはより強くなり、ブラックとはまではいかないグレーの企業も「ブラックだ!」と批判の的になると思います。
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人工知能の浸透
もう一つの理由は人工知能の浸透により、労働者の属性が変わってくるからということです。
人工知能の普及によりあまり高度ではないホワイトカラーの仕事が減少し、ブルーカラーの割合が増えていくと予想されます。
ブルーカラーよりホワイトカラーの方がブラック企業の割合が多いと思う人もいるかと思いますが、給与面ではホワイトカラーの方が高いのが現状です。
ブルーカラーが増えるとということは、それだけ給与が下がった元ホワイトカラーの人たちがいるわけで、このような人は過去の待遇を引きずっている分ブラック企業だと感じやすくなるのではないかと思います。
司馬遼太郎の「夏草の賦」の一節では以下のような文があります。
よき大将は、価値のよき判断者である。将士の働きを計算し、それがどれほどの恩賞にあたいするものかを判断し、それをあたえる。名将のばあい、そこに知恵と公平さが作用するから、配下の者は安心してはげむのである。配下が将に期待するのはそれしかない。
全くその通りだと思います。
従業員が会社に期待するものなんて極論カネしかない。
やりがいとかスキルの向上だとかいっても結局充分なカネが払えない企業はブラックなんです。
従業員が欲しいと思っている水準と、企業が実際に支払える給与のギャップが大きいほど従業員の不満も大きくなります。
ジリ貧の日本では、今後給与水準が上がることはないでしょう。
手っ取り早く利益を増やす手段としてのこすい人件費のカットが横行している世の中では、従業員の不満はどんどん蓄積していきます。
上に立つ人間が部下の人件費をケチるなんて卑しさを見せたら、部下はその企業に不信感しか感じないですよね。
ブラック企業ってのは、働いている人がそう感じたら、そうなんです。
なので、ブラック企業への風当たりが強くなっている現状と、日本にお金が無いということを踏まえると、今後ブラック企業と呼ばれるものが増えることは必至なのです。
秀吉は家来に対してもそうであった。わずかの功に対しても、大きく褒賞した。ひとは欲で動き、名誉心もまた欲望の上に載っかっているということを、いわばひどく質朴な哲学ながら、かたくそれを持していた。
そんな豊臣家も関ヶ原では多くの大名に裏切られ滅びました。
世の中「利」で回ってる、人は欲で動く。
一生懸命働いて欲しいんだったら相応の金を払え!
ほんとそれだけです。