2018年版:淡水・汽水フグの学名(ラテン語)の発音

18年版:淡水・汽水フグの学名(ラテン語)の発音

 Carinotetraodon カリノテトラオドンCaカ riリ noノ Teテ  traトラ oオ donドン
carinotetraodon_borneensis.pngborneensis ボルネエンシス
Regan, 1903
borボル neネ enエン sisシス
borneeno=
ボルネオ sis=(~産の)
 carinotetraodon_imitator.pngiimitator イミテーター
Britz & Kottelat, 1999
imiイミ taテー torター
模倣者
 carinotetraodon_irrubesco.pngirrubesco イルベスコ
Tan, 1999
irruイル besベス coコ
 carinotetraodon_lorteti.pnglorteti ロルテティ
Tirant, 1885
lorロル teテ tiティ
 carinotetraodon_salivator.pngsalivator サリウァトール
Lim & Kottelat, 1995
saサ liリ vaウァ torトール
 carinotetraodon_travancoricus.pngtravancoricus トラウァンコリクス
Hora & Nair, 1941
traトラ vanウァン coコ riリ cusクス
 ChonerhinosクォネリヒーノスChoクォ neネ rhiリヒー nosノス
 chonerhinos_amabilis.pngamabilis アマビリス
Roberts, 1982
aア maマ biビ lisリス
 chonerhinos_modestus.pngmodestusモデストゥス
Bleeker, 1851
moモ desデス tusトゥス
 chonerhinos_naritus.pngnaritus ナーリトゥス
Richardson, 1848
naナー riリ tusトゥス
 chonerhinos_nefastus.pngnefastus ネファストゥス
Roberts, 1982
neネ fasファス tusトゥス
 chonerhinos_remotus.pngremotus レモトゥス
Roberts, 1982
reレ moモ tusトゥス
 chonerhinos_silus.pngsilus シルス
Roberts, 1982
siシ lusルス
 Colomesus コロメススCoコ loロ meメ susスス
 colomesus_asellus.pngasellus アセルルース
Müller & Troschel, 1848
aア selセル lusルース
 colomesus_psittacus.pngpsittacusプシタックス
Bloch & Schneider, 1801
psiプシ ttaタッ cusクス
 Dichotomyctere ディコトミクテレDichotomyディコトミ ctere クテレ
Dichotomyctere_biocellatus.png biocellatus ビオケルラートゥス
Tirant, 1885
biビ oオ celケル laラー tusトゥス
 Dichotomyctere_erythrotaenia.pngerythrotaenia エリスロターエニア
Bleeker, 1853
erythroエリスロ taeターエ niaニア
erythro=
赤色の taenia=帯状の
 Dichotomyctere_fluviatillis.pngfluviatillis フルウィアティッリス
Hamilton, 1822
fluフル viaウィア tillisティッリス
 Dichotomyctere_nigroviridis.pngnigroviridis ニグロウィリディス
Marionde Procé, 1822
niニ groグロ viウィ riリ disディス
nigro=
黒い viridis=緑色
 Dichotomyctere_savahensis.pngsavahensis サバヘンシス
Dekkers, 1975
savaサバ henヘン sisシス
sava=サバ(地名)sis=
(~産の)
  Leiodon レイオドン Leiodon レイオドン
 leiodon_cutcutia.pngcutcutia クックツィア
Hamilton, 1822
cutクッ cuク tiaツィア
 Pao パオ

Pao パオ

 pao_abei.pngabei アベイ
Roberts, 1998
abeアベ iイ
abe=人名
 pao_baileyi.pngbaileyi バイレイ
Sontirat, 1989
baバ iイ leyiレイ
 pao_barbatus.pngbarbatus バルバートゥス
Roberts, 1998
barバル baバー tusトゥス
 pao_brevirostris.pngbrevirostris
Benl, 1957
breブレ virosビロス trisトリス
 pao_cochinchinensis.pngcochinchinensis コーチンチネーンシス
Steindachner, 1866
cochinコーチン chinenチネーン sisシス
cochinchinen=
フランス語でベトナム南部 sis=(~産の)
 pao_hilgendorfii.pnghilgendorfii ヒルゲンドルフィ
POPTA, 1905
hilヒル genゲン dorドル fiiフィ
hilgendorfii=
人名
 pao_kretamensis.pngkretamensis クレタメンシス
Inger, 1953
kretamenクレタメン sisシス
kretame=クレタム
(地名) sis=(~産の)
 pao_leiurus.pngleiurus レイウルス
Bleeker, 1851
leレ iイ uウ rusルス
 pao_palembangensis.pngpalembangensis パレムバンゲンシス
Bleeker, 1852
paパ lemレム banバン genゲン sisシス
パレンバン(地名) sis=
(~産の)
 pao_suvattii.pngsuvattii スウァトティ
Sontirat, 1989
suス vatウァト tiiティ
 pao_turgidus.pngturgidus トゥルギドゥス
Kottelat, 2000
turトゥル giギ dusドゥス
 Tetraodon テトラオドンTe テ  tra トラ oオ don ドン
 tetraodon_duboisi.pngduboisi ドゥボイシ
Poll, 1959
duドゥ boボ iイ siシ
 tetraodon_lineatus.pnglineatus リネアートゥス
Linnaeus, 1758
liリ neネ aアー tusトゥス
 tetraodon_mbu.pngmbu ムブ
Boulenger, 1899
mム buブ
 tetraodon_miurus.pngmiurus ミウルス
Boulenger, 1902
miミ uウ rusルス
 tetraodon_pustulatus.pngpustulatus プストゥルアトゥス
プストゥラートゥス
Murray, 1857

pustulaプストゥルア  tusトゥス
pustula=膿疱

 tetraodon_schoutedeni.pngschoutedeni ショウテデニ
Pellegrin, 1926
schouショウ teテ deデ niニ
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2006年版『世界の淡水フグ』

世界の淡水フグの紹介 
※2006年に執筆したものですので、2018年現在では、誤った内容も含まれております。
■東南アジア
東南アジア最大の川、メコン川流域は、沢山の種類のフグが生息しています。中には種の判別が困難な種や新種登録されていない種なども多く、まさに淡水フグの宝庫と呼ぶにふさわしいところです。
未登録種
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強い緑色をした不明種
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そのため、学名があやふやなもの、名前が特定できないものが、入荷され、業者関係者やショップの人たちを困らせています。正体の分からなかったフグは、メコンフグ、マレーフグ、マライアンパファーという大雑把な名前で売られることになります。
ラオス北部で採集された新種
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マライアンパファー
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なぜ、そのように沢山の種類のフグが生息出来るようになったのか?それは昔、暖かい珊瑚礁であった海が陸地となり、そこに取り残された海水産のフグが、長年の年月をかけて徐々に淡水に順応していったと推測できます。また、陸地に残った珊瑚の残骸が雨で侵食され、川に流れ込み、海並みの高いPH(アルカリ性)の川を作ったことが、多くの淡水フグを生み出す秘訣となったのかもしれません。

昔、珊瑚礁だった山
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 実際メコン流域へ行くと本当に多くの淡水フグを見ることが出来ます。中にはどの種に特定したらいいのかわからない種も多く、非常に悩まされます。中には、混雑種であろう種も数種類、確認されました。
  また、タイ北部やラオスには、未だ発見されていない新種も多く、清流域の全長3㎝の石の下に生息するフグの生息情報や、数種類の新種らしきフグ、未登録のフグを採集することが出来ました。
マライアンパファー
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レッドスポットメコンフグ
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 入荷はそれほど多くはありませんが、メコン川流域からは、20㎝前後の中型のフグが3種類います。1種は、レイウルス種(アイスポッテッドパファー)メコンフグより細長い口が特徴。またレイウルスにそっくりの色違いのフグもいます。バルバータス種(ビルマフグ)といい、レイウルスの黄土色の地味な色に対し、メタリックグリーンの体色に腹部が乳白色となかなか美しい種です。ただし、入荷量はレイウルス種より少ない模様。
もう1種は、体形がアフリカのミウルス種によく似たスバッティ種です。頭部にあるV模様が特徴で、砂に潜る習性があります。性格は大変凶暴です。
スバッティ
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アイスポッテッドパファー
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 近年になって入荷が増えたのは、全身毛(皮弁)に覆われた奇妙なフグ、バイレイ種です。大きさは10cm前後。昔は渓流域に生息しているという情報が流れていましたが、メコン川本流でも生息が確認されています。
また、アベィ種も以前はメコンフグという名前で入荷されていましたが、近年は判別されて入荷されるようになりました。興奮するとスポットがオレンジ色になり、尾びれにまでスポットが入ることで、メコンフグと区別することが出来ます。こちらも以前は渓流域に生息しているといわれていましたが、メコン川本流でも多く確認出来る種であり、現地ではそれほど珍しい種ではないようです。
バイレイ
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アベィ
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ブロンズパファー
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東南アジア全域に生息するブロンズパファーは、フグに似つかわしくなく体系がスマートで泳ぎも得意であることから、人気はイマイチ。体表がメタリックに輝くことからゴールデンパファーとも呼ばれ、汽水フグと間違われることもしばしばあります。
ブロンズパファーと似た容姿のフグがあと4種類いますが、判別が難しくあまりメジャーな存在となっていません。ただ1種類、汽水域に生息して、体長30cm前後にまで成長する種がいます。どの種も海に生息するサバフグ属の体系によく似ているため、サバフグ属が淡水化したのかも知れません。

■インド、ミャンマー、バングラデシュ
 ミャンマーを流れるブラフマプトラ川からインドにかけて、ククッティア種(エメラルドパファー)がいます。エメラルド色の美しい体色に尾の先端が赤く染まる小型の美しいフグです。タイ西部やマレー半島の北部にも生息しています。

エメラルドパファー
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 インド南部、スリランカからは、世界最小のフグ、トラヴァンコリクス種、通称アベニールパファーが知られています。2.5㎝から繁殖可能で、雌雄の判別が容易なことから繁殖例も多いです。またフグには珍しく集団で生活していることも知られています。ただし、結構イタズラ好きで、気に入らない相手の鰭や肉を齧ってしまうので、水草や流木で複雑に水槽内をレイアウトする必要があります。また、アベニールパファーは現在カリノテトラオドン属に属していますが、1種1属のフグである可能性が高いです。
アベニールパファー
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■ボルネオ島、スマトラ島
アジア大陸の南に位置するボルネオ島やスマトラ島にも数種類の淡水フグが生息しています。島に広がる広大なジャングルは世界最古ともいわれており、樹木が落とした大量の葉は川底に沈み、葉の養分タンニンが染み出した川は赤や黒に染まり、水質は酸性に傾いています。そのような色がついた川はブラックウォーターと呼ばれ、特殊な環境を形成しています。そのような特殊な環境に特化したフグを紹介します。
 まず、顔が’ダルマ’のようなパレンバンゲンシス種(レオパードパファー)。ボルネオ島、スマトラ島のインドネシア領に多く生息しています。大きさは20㎝と中型のフグです。また、別名スマトラパファー、ジャンビーとも呼ばれているように、スマトラ島のジャンビーからの入荷が多いようです。体の横には目のような模様がいくつかあり、大変臆病なフグです。
またレオパードパファーによく似た種で、ハイゲンドロフズ種がいます。生息地はボルネオ島のカプアス水系、パレンバンゲンシス種より小型で10㎝を超えることはないようです。現在のところ、日本への入荷は確認されていません。
レオパードパファー
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ハイゲンドロフズパファー
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小型のフグ、カリノテトラオドン属4種もブラックウォーターに生息する代表的なフグです。この属のフグの特徴は、オスとメスの模様が別種と思われるほどに異なることです。またオスは婚姻色になると大変美しいです。 
タイアカメフグ
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レッドテールアカメフグ
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ロルティッティ種(タイアカメフグ)は、水質の変化に弱い面があり、飼育は淡水フグの中で一番難しいでしょう。オスは繁殖期に全身メタリックパウダーブルーに染まり、背びれ、尻びれが赤く染まります。生息域は、タイ、ベトナム、カンボジアですが、スマトラ島の北部にも生息しています。イルベスコ種(レッドテールアカメフグ)の生息地はボルネオ島の西部の一部とスマトラ島。体形が細長いことが特徴です。性質は比較的大人しいほうですが、オスは成長すると同種に対して気が荒くなります。繁殖期には、尾びれから頭部にかけて赤く染まり大変美しくなります。
ボルネオアカメフグ
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サリバトール
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ボルネンシス種(ボルネオアカメフグ)は、ボルネオ島の限られた地域に生息しており、オスもメスも頭部に鮮やかな黄色の▽(逆三角模様)が確認出来ます。ブラックウォーターでも生息が確認されていますが、汽水の影響を受けるアルカリ性の河川にも多く生息しています。2006年現在、残念ながら日本への入荷はありません。サリバトール種(タイガーパファー)は、虎柄模様の淡水フグの中で最も美しいフグです。ボルネオ島のマレーシア領に生息していますが、ジャングルの開拓で年々数を減らしています。ブラックウォーターでも生息が確認されていますが、中性のやや流れのあるクリアウォーターの川にも生息しています。日本への入荷は非常に稀です。

■アフリカ
アフリカ大陸には魅力的なフグが多数生息していますが、日本から遠く離れていること。治安、風土病、運送費などの問題から、なかなか入荷されない状況が続いています。ブームも下火になり、今後アフリカの希少種を手に入れられる機会はさらに少なくなりそうです。よく入荷されるのは、リネアトゥス種、ミウルス種、ムブ種の3種。入荷数が少ないのは、ドゥボイシィ種、入荷がほどんどない種はショウテデニィ種、パストゥーラトゥス種となります。これらがアフリカに生息する代表的な淡水フグです。ただし、リネアトゥス種とパストゥーラトゥス種は汽水域にも生息している可能性があります。
ムブ(幼魚)
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ムブ
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ファハカ(幼魚) 
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ファハカ
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アフリカには、世界一大きな淡水フグ、ムブ種がいます。60㎝を超える大型種で、コンゴ川・タンガニカ湖に生息しています。入荷時は10㎝未満の幼魚が多く、成長するに従い、体の唐草模様は複雑になり、尾びれは、オレンジ色のレースのように大きく広がり美しくなります。西アフリカ全域に生息するファハカ種も40㎝を超えるやや大型のフグです。ファハカにはrudolfianusルドルフィアヌス種とstrigosusストリゴスス種という、2種の亜種の存在が確認されています。ケニア北部にあるトゥルカナ湖に生息するのは、ルドルフィアヌス種。トゥルカナ湖はPHが非常に高く、湖の水を農作物にかけると枯れてしまうというので塩分はかなり高いと思われます。そういった特殊な環境のせいか体長が10㎝未満といわれていますが、採集個体を見る限り15㎝くらいまでには大きくなるようです。ルドルフィアヌス種は、ニジェール川に生息しており、ファハカ特有のレモン色と小豆色のラインの、小豆色のほうが細くレモン色のラインが太いという特徴があります。
ミウルス
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ドゥボイシィ
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砂に潜って口と目だけを出しているミウルス種もアフリカを代表するフグです。コンゴ川の下流に生息し、個体差が激しく、ベージュ、こげ茶、白、ゴマ模様、オレンジ、赤と多彩な体色で知られています。ごく稀に、ミウルス種に混じってドゥボイシィ種が入荷されることがあります。入荷数は非常に少なく、コンゴ川のスタンレープールという限られた場所に生息するといわれています。体に黒いスポット模様が均一に入るため、ミウルスとの判別は比較的容易です。ミウルスのように砂に潜りますが、潜らないこともあります。両種とも20㎝近くまで成長します。

ショウテデニィ
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ショウテデニィ種は、コンゴ川で採集されるフグの中で最も希少な種です。時折、ムブの幼魚に混じって輸入されることがありますが、これは現地のシッパー(熱帯魚を現地で採取して輸入する人)が、ショウテデニィの幼魚とムブの幼魚を判別出来ないことが原因のようです。性格は大人しいようで、10㎝前後にしか成長しないアフリカでもっとも小さなフグです。

パストゥーラトゥス幼魚
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パストゥーラトゥス
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中央アフリカのカメルーンとナイジェリアの国境を流れるクロスリバーには、珍種のパストゥーラトゥス種(クロスリバーパファー)が生息しています。2003年までは生体写真ですら見ることが出来なかった幻のフグでしたが、ようやく日本にも入荷されるようになりましたが、価格は非常に高額です。成長するとマングローブがある、河口付近に生息域を移すといわれており、ドイツの採集家の話では、なんと150㎝近くまで大きくなるという噂もありますが、まだまだ謎に包まれたフグです。

■南米
南米淡水フグ
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世界一流域面積が広いアマゾン川が流れる南米から輸入される淡水フグは、コロメスス種(南米淡水フグ)1種類のみです。ただし南米淡水フグは、ブラジル、コロンビア、ペルーと広域にわたって生息しているため、模様や体型に違いが見られ、3種の亜種が確認出来ます。
また南米淡水フグに似た南米汽水フグ(クロオビフグ)も南米から入ってきますが、体に入っている黒いバンドの数で両者は容易に判別出来ます。南米淡水フグは目の上から数えるバンドの数が5本なのに対し、南米汽水フグはバンドの数が1本多く、6本あります。
posted by T.nishimura at 08:18Comment(0)日記