今日は君にはつまませない
「狐につままれる」という言葉がある。意外なことが起きてポカンとしている状態のことだ。狐に化かされたことに例えている言葉なのだろう。
動物の中でも特に神秘的な存在とされる狐。それゆえに先のような言い回しがあるのだろうが、そこに先手を打ちたい。逆にキツネをつまみたい。 そういうことができる施設が存在すると聞いて、実際に行ってきた。 ※2012年7月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」
前の記事:「スタバのマークの続きを描く(デジタルリマスター版)」 人気記事:「義父がペッパーを買った」 > 個人サイト テーマパーク4096 小さく息切れ 謎の先手必勝精神キツネをつまむべくやってきたのは、宮城県白石市にある「宮城蔵王キツネ村」という施設。リンク先の公式サイトからは陽気なテーマソングが流れてくるので、開く際には留意した方がいいかもしれない。
山道の中に突如現れるゲート
まずはキツネ石像に挨拶
周囲にはほとんど何もないような緑深い山道を車で進んでいくと、急にキツネ村が現れる。このシチュエーションも狐につままれているようで、気分を盛り上げる。
キツネ村って話だったと思うんだが
惑わされずゲートをくぐろう
ウェルカム満載のエントランス
入ってすぐが子ギツネふれあいゾーン
車を停めて入り口の方に向かうと、そこには巨大ゴリラが「ようこそキツネ村へ!」。おかしいだろ、ここはキツネ村って聞いてきたんだ。
まずい、またしても狐につままれているような気分になる。気をしっかりもって入場しよう。 ドアを開けてすぐの場所は、子ギツネたちがいるゾーン。ここで彼らを抱くことができる。その隙にプニュッと逆にキツネをつまもうという魂胆だ。 しかし、来訪時はちょうど掃除中。係の方が「のちほどどうぞ」とのことだったので、まずはキツネ放し飼いゾーンに進もう。 木々に囲まれていてそれだけで楽しい
あっ、いるいる!
うおー、キツネだー
かわいいなあ
広々としたそこでは、キツネたちが自由に行き来しているではないか。動物園で檻の向こうにいるのを見たことはあるが、こうした形でキツネに接するのは初めてだ。
うろうろしていたり、横になっていたりと、自由気ままに過ごしているキツネたちがかわいい。…いや、ダメだ、相手のペースに乗ってはまたつままれるぞ。 かわいさに流れることなく
しっかりとキツネに向き合いたい
キツネと言うと、エキノコックスという人間にも宿る恐ろしい寄生虫を思い起こす方もいるかもしれない。しかし、ここキツネ村のキツネたちは全て養殖で、消毒・駆除等を定期的に行っているとのこと。この距離でキツネと接することができるように、防疫体制は整えられているのだ。
キツネたちが待ちかまえる順路
君にだまされるつもりはないぞ
では順路に沿ってキツネたちを見ていこう。ルートには屋根が設置されていて、雨天でも楽しめるようになっている親切さ。当日は好天だったので自由に歩けたが、天気に関わらず来られるような配慮はうれしい。
キツネたちの脇をずんずん進む
見やすい工夫のあるルート
「…何?」
「何だお前…?」
道の両脇には木製の棚が設けられていて、なぜだかそこにはキツネたちがたくさん佇んでいる。目の高さでキツネたちを見られるようになっていて、楽しさと緊張感とが共にある面白さだ。
そしてかわいさも十分に味わえる。多くのキツネがぐっすりと眠っているからだ。 いい夢見てそう
気持ちよさそう
こういう姿を間近で見られる
この角度からもいい
色の違うキツネもいる
犬っぽくも見えるが、シンボルの一つである立派な尻尾はやはりキツネならでは。かなり近い距離で見られるのがすごい。
しかし、こうしてのんびりしているキツネばかりではない。こちらに鋭い視線を送る、シャープな存在感を放つキツネもいる。 下のキツネ、警戒中
もしかして、怒ってる?
何かを見透かされてる気がする
そんなシリアス顔しないで
悪さしないから
決して襲ってくるようなことはないのだが、キツネらしいキリッとした眼差しは「俺たちゃ犬じゃねえぞ」と言っているようでもある。
安全を考慮して作ってあるエサ場
ちょうどいい物を持っていた
中にはエサ場があって、エントランスで購入した専用のエサをキツネたちに与えることができる。エサを手にしていても襲われないよう、扉つきで地面から高く作ってあって、安全に配慮された作りになっている。
エサはビニール袋に入っているが、今回はエサやりしやすいように工夫しよう。たまたま持参したお皿を一旦取り外して、そこに乗せてからやってみることにする。 狐だけれど虎視眈々
この姿も狐らしい
眼光鋭い
こちらもまた狐ならではの形
高い位置から見ると、これまでとはまた違った角度からキツネたちを見られて興味深い。耳の大きさや立派な尻尾が際だって、よりキツネらしく見えるのだ。どのキツネもエサを待つ目がクールなのも印象的だ。
さて、園内も十分に楽しんだ。そろそろ入ってきたところにあった子ギツネゾーンに戻るとしよう。 うろちょろしててかわいい
そこに混ざりたい
君になら寧ろつままれたい
どうして自然とこのポージング出せるのか
あからさまなまでの仲良し
キツネをつまむためにやってきたのだが、子ギツネたちのかわいさに当てられて、もうつままれてもいいかと思い始めている。
私を見上げる眼差しが愛らしい
サンダルにも興味津々
子ギツネは好奇心旺盛で、私が近づくと檻越しに向こうも近寄ってきてくれる。きょとんと見上げたり、履物に興味を持ったりと、いちいち見せるリアクションがたまらないかわいらしさだ。
だからと言って、当初の目的を見失いたくはない。係の人に頼み、抱っこ用のエプロンをつけて子ギツネを抱かせてもらおう。 今回抱っこさせてもらう子
緊張しつつ、やさしく包む
そしてついに…
キツネをつまんだ!
よし、キツネをつまんだぞ!
やってくるまでは狐につままれる前につまんでやると意気込んでいたが、実際につまんでみるとそこにあるのは悔しいくらいの癒し感。癒されるとか言いたくないが、心がほんわかするのは残念ながら否めない。 フサフサのやわらかい毛の感触と、クニュッとしたつまみ心地。思わず笑顔になる体験だ。 狐VS妖怪気取り
つまむとかつままれるとか、どうでもよくなってしまいそうな魅力にあふれる施設、キツネ村。様々な表情を見せてくれて、本当に楽しかった。 キツネたちはいたずら好きで、長いスカートなどはつかまれたりすることもあるらしい。私も腰蓑は受付に預けて入場しました。
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