◆正妃ご懐妊────
「皆に伝えることがある」
「「はっ!」」[全NPC]
「既に皆も知っていることだろうが、改めて私の口からその言葉を伝える必要があると思い、こうして集まってもらった次第だ。アルベド、欠けているものはいないか?」
「アインズ様。四階層守護者ガルガンチュアを除く全階層守護者、及び
「うむ。では────聞くがよい、我が愛する全てのものたちよ!」
「「はっ!」」[全NPC]
「この度、我が正妃であるアルベドが────我が子を身ごもった!」
「「オォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」」[全NPC]
「祝福せよ! 新たなる生命の誕生を! 歓喜せよ! この
「「アインズ・ウール・ゴウン様万歳! アインズ・ウール・ゴウン様万歳! 至高なる御身に栄光あれ! 生まれ来る貴き御子に幸いあれ! アインズ・ウール・ゴウン様万歳!! アインズ・ウール・ゴウン様万歳!!……………………」」[全NPC]
◆懐妊報告その後(アインズ様とアルベド)────
「ふぅ…………(セリフとか全部パンドラズアクターに考えさせたけど…………あれで大丈夫だったかな? 大仰すぎやしなかったか?)」
「お疲れ様でした、アインズ様」[アル]
「おお、アルベド。なに私は大丈夫だ、それよりお前の体はどうなのだ? 歩いたり跪いたりして問題はなかったのか?」
「もちろんでございます、アインズ様。アインズ様から頂いた何よりも大切なものは、私の一命に代えても護り通してみせます」[アル]
「うむ。その心は嬉しいが、私にはお前とて何にも代えがたく大切な者なのだ。我が子と同じように、お前自身の身も必ず護り通して欲しい」
「ああ! アインズ様ぁ!!♡」[アル]
「え、あれ、ちょっと、子どもは!?」
「大丈夫でございます、アインズ様。既にお腹の子は安定期に入っております。激しすぎなければ問題ありません♡」[アル]
「えっ! もうっ!?」
「はい、アインズ様。私は
「あ、そ、そうなんだ…………んんっ! いや、そうなのか?」
「そうでございます!♡」[アル]
「その、やけに興奮しているようだが…………」
「昨日はおあずけでございましたから!!♡」[アル]
「あ、はい」
◆懐妊報告その後(守護者たち)────
「めでたい! 実にめでたい! あぁ、私は今ならば羊皮紙の原料にすら優しく振る舞えそうなほど高揚していますよ!」[デミ]
「確かに、珍しいでありんすねぇ。デミウルゴスがここまで浮かれた姿を晒すのは」[シャル]
「そりゃしかたないよ! あたしだって嬉しいもん! シャルティアだってそうでしょ?」[アウ]
「当たり前でありんすぇ。アインズ様のお子がお生まれになるんでありんすもの。まぁ、アルベドに対しては
「あぁ…………シャルティアはまだだもんねぇ」[アウ]
「う…………で、でも、アインズ様は約束してくれたでありんす。今回はナザリックの最低戦力の確認ということで出番はありんせんでしたが、次こそは活躍の機会をお与え下さると…………」[シャル]
「大丈夫、きっとすぐだよ」[アウ]
「くぅぅ…………また上から目線…………」[シャル]
「まあまあ、君たちもこんな時にまでいがみ合っていないで、今日くらいは共に喜びあったらどうかね」[デミ]
「…………そういうデミウルゴスは、セバスと抱き合って喜んだりしたでありんすか?」[シャル]
「流石に抱き合ったりはしないが、セバスとはこれからBARに飲みに行く事になっているよ?」[デミ]
「えっ、ほんとに? めっずらしー」[アル]
「驚きでありんす…………」[シャル]
「自分でもそう思うが、今回のことはそれくらいの慶事だということさ…………ところでアウラ、マーレはどうしたんだい?」[デミ]
「マーレ? マーレなら六階層に戻って部屋で本でも読んでると思うけど…………」[アウ]
「おや、こんな日にまで部屋に引きこもって読書でありんすか?」[シャル]
「まあ、読書って言えば読書だけど…………」[アウ]
「わざわざそのような言い回しをするということは、普通の読書ではないように思えますが?」[デミ]
「うーん、ほら、実際にはアルベドに子供が出来たことは昨日知った訳じゃない? その知らせを聞いたマーレはすぐに図書館に飛び込んでいってさ、山のように本を抱えて戻ってきたんだよね」[アウ]
「で? 結局それはなんの本だったでありんすか?」[シャル]
「妊娠とか出産の方法について書かれた学術書」[アウ]
「……………………」[デミ、シャル]
「妊娠しやすい体温だとか、妊娠初期の段階で必要になる栄養素だとか、なんかそういう小難しいことが書かれた本を読みながら、ずっとブツブツ呟いてた」[アウ]
「…………本気、でありんすね」[シャル]
「まあ、マーレは二番目にアインズ様からのご寵愛を受けた存在だからね。次は自分だと意気込んでいるんだと思うよ」[デミ]
「最近ご寵愛を受けるときはあたしとマーレ一緒に呼ばれるから、赤ちゃんが出来るとしたらふたり一緒かもねー」[アウ]
「くぅぅぅぅっ! 羨ましいでありんすぅぅぅぅっ!」[シャル]
「…………はぁ。二人共、ほどほどにしておきたまえよ? じゃあ、私はそろそろBARに行くから、これで失礼させてもらうよ」[デミ]
「…………あ、そう言えば、今日はコキュートスは一緒じゃないでありんすか?」[シャル]
「ああ、コキュートスなら…………ほら、あそこにいますよ」[デミ]
「あれって…………なにやってんの? なんか床に四つん這いになったままプルプルしてるみたいだけど…………」[アウ]
「感動に打ち震えて泣いているんですよ。たぶんあと二十分くらいはあのままでしょう。そしてその後はアインズ様のお世継ぎをお世話する未来を妄想して、誰かが止めるまで悶え続けてると思いますよ」[デミ]
「そ、そうでありんすか…………」[シャル]
「あなた達もこのままここに居れば、彼の妄想による一大叙事詩を聞くことが出来ますよ? 私としては爺がお世継ぎ様と共に心身を鍛える武者修行の旅に出るあたりが山場が多くてお勧めです」[デミ]
「…………いこっか」[アウ]
「…………そうしんしょう」[シャル]
◆懐妊報告その後(セバスと
「────────ですので、今後はさらにお仕えする御方が増えていくと思われます。皆にも今まで以上に働いて貰うことになると思いますので、よろしくお願いします」[セバ]
「喜ばしいことです」[ユリ]
「…………アインズ様の赤ちゃん…………早く見たい」[シズ]
「私は早く産みたいっす!」[ルプ]
「アルベド様が第一子をご懐妊されたことで、ご寵愛を受けるためのハードルが大きく引き下げられたみたいですし、ルプスレギナがご寵愛を受けるのももうすぐでしょう」[ソリュ]
「えっ? ご寵愛を授けるかどうかって、アルベド様が決めてたっすか?」[ルプ]
「全部が全部ではないみたいですけど、アルベド様は正妃ですもの。正妃というのは、いわば
「そうだったんすか!?」[ルプ]
「ええ。正妃であるアルベド様が一番最初にアインズ様のお子を授かれるように、色々と調整しながらね」[ソリュ]
「なるほど、確かに正妃を差し置いて他の者が第一子を授かるというのは、後々問題になりそうですからね」[セバ]
「単純にアルベド様がそれを許せない、ということが一番の理由だったみたいですけれどね」[ソリュ]
「…………そ、そうですか」[セバ]
「アルベド様にお願いしてくるっすー!」[ルプ]
「…………ずるい、私も」[シズ]
「私モォ」[エン]
「……………………育児室の準備を手伝って頂きたかったのですが…………まぁ、仕方ありませんか」[セバ]
「セバス様も、今日はデミウルゴス様とBARに行かれるのではなかったのですか?」〔ユリ〕
「ええ……………そうですね。今日くらいは彼と喜びを分かち合うことを優先しましょうか」[セバ]
「…………そういえば、ナーベラルはどうしたのですか? ユリ」[ソリュ]
「ナーベラルですか? ナーベラルなら、確かヴィクティム様を第八階層にお運びする役目を仰せつかっていたと思いますが…………」[ユリ]
◆懐妊報告その後(コキュートスとビクティムと…………)────
「────────ソシテ私ハオ世継ギ様ニコウ言ウノダ。『勝利シタ後ノコトハ、勝利シテカラ考エレバヨイノデス。今ハタダ、目ノ前ノ一戦ニノミ心ヲ掛ケルベキデゴザイマス』ト…………」[コキュ]
「そ、それからどうなるのですか? コキュートスさま?」[ヴィク]
「私トオ世継ギ様ハ互イノ背ヲ合ワセ、群ガッテクル敵ヲ次カラ次ヘト切リ倒シ…………」[コキュ]
「……………………(捕まってしまった…………っ)」[ナーベ]
◆懐妊報告その後(マーレ)────
「────────ブツブツ…………後はなるべく安静にし、十分ほどは横になったままの体勢でいるといいでしょう。ですが、体力に自信があるのであれば、逆立ちをするのも効果的です…………ブツブツ…………運動などによって基礎代謝を高める…………ブツブツ…………ホルモンバランス…………ブツブツ…………」[マレ]
今回はオリジナルの閑話でした。
アインズ様の休息はたった一晩で終了しましたね。
まさに束の間。
次回から八巻の内容に進んでいこうと思いますが…………カルネ村のトロール襲撃はバッサリカットでもいいかな。
アインズ様の出番はあんまりないし。
書くとしても短くなると思います。
では、また次回。