口腔底がんの手術直前ライブ終了後に患部を指でさすイノマー

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 口腔底がんで余命3年であることを公表した性春ロックバンド「オナニーマシーン」のボーカル兼ベース・イノマー(52)が25日、東京・渋谷ラママで手術直前ライブを無事に成功させた。

 放送禁止用語だらけの歌詞と下品過ぎるライブパフォーマンスながらも、真っすぐな性愛を歌う“童貞のカリスマ”として支持されるイノマーは、7月21日(オ○ニーの日)にガンを公表した。首のリンパ節がボコッと腫れ、強い痛みで食事もままならない。9月第1週に10時間の大手術が予定され、年内は抗がん剤と放射線治療で入退院を繰り返すことになる。

 歌手の生命線である舌を「3分の2」も切るというから、今後は同じように歌うことはできないかもしれない。「刺激は禁物」という医者の指示を無視して、舌がある状態の“最後のライブ”を決めたわけだ。

 パンパンに膨れ上がったライブハウスに現れたイノマーは、開口一番「オ○ニー!」と叫んで観客の心配を吹き飛ばした。1曲目の「ドーテー島」で始まったライブ。トークではろれつが回らず、うまく話せないこともあるが、不思議と歌はスムーズに歌えている。

 ライブはいつも通りにハチャメチャだった。自分が死んだ葬式のことを歌った曲「ソーシキ」では、誰もが笑いながら涙したかもしれない。

「大丈夫だよ。だってイノマーだもん。そんじょそこらの馬鹿じゃないもん」「一度くらい芸能人とセックスしたかった! 菅井きん!」などの不謹慎なセリフも、イノマーなりにファンを安心させる気遣いだろう。

 また、終盤まで服を着ていたイノマーは「大丈夫。ちゃんとちんちん出すから。出さずにライブ終わったことないから」と話し、一度退場して全裸で戻ってきた。観客も慣れたもので、誰も「きゃー」と言わない。手術前に公然わいせつ容疑で警察に逮捕されないか心配だ。

 イノマーは何に使ったかわからないティッシュを投げまくり、ギターのオノチンの頭をバリカンで刈り、さらには自分の陰毛を刈った。バカバカしいライブは「オ○ニーが好きなんです!」という言葉で終幕した。観客はイノマーの無事を祈るように温かい拍手を送った。

 ライブ終了後は元気で取材に応じ「感傷的になるかと思ったけど、ライブでは一度もそんな気持ちにならなかった。(舌を)切ったら今みたいに歌えないかもしれない。でも、20年もやってれば若干飽きてた。ちょうどいいよ。離婚と同じで新しい何かがある。がんは楽しいし、ろれつが回らなくたって、全裸になれるし、オ○ニーもできるもん。今もオ○ニー毎日3回してる」。

 がん公表直後、銀杏BOYZの峯田和伸(40)から電話で「面白くなってきましたね」と言葉をかけられた。いまや朝ドラ俳優となった盟友のエールに「普通は『お大事に』とか言うのに、愛情があるよね」と前向きになれた。

 12月5日には結成20周年記念の新作アルバムが発売予定。今月中にレコーディングを完了せるため、手術まで精力的に動く。