【芸能・社会】まるで昭和のド演歌娘・朝花美穂 全国キャンペーン真っ最中2018年8月25日 紙面から
まるで昭和の時代からタイムトリップしてきたようなド演歌娘が現れた。同世代のアイドルグループには、全く興味がない。セリフ入りのデビュー曲「なみだの峠」(5月9日発売)を、抜群の歌唱力で歌いこなす。鳥取県米子市出身の朝花美穂(19)。早くも11月に行われる日本作曲家協会音楽祭で奨励賞の受賞が内定。大輪の花に向かって、全国キャンペーンの真っ最中だ。 米子に、歌も踊りもめっぽううまい女の子がいる。10年以上前から、地元では評判だった。自己流の舞踊と歌でショーを行うほどの腕前だった祖母(芸名・朝花彩)が経営するカラオケ店で、見よう見まねで歌ったり踊ったりしていたのが原点。3歳から祖母といっしょに舞台に立つようになり、本格的に芸を学び始めた。 2016年9月NHK「のど自慢」で島津亜矢の「縁」を歌ってチャンピオンになったのが、関係者の目に留まり、17年6月に上京。作曲家宮下健治さんの下で、じっくりレッスンを積んできた。 その宮下さん作曲の「なみだの峠」(原文彦作詞)は、乳飲み子を手放した母親の心情を歌った内容。「何度死のうと思ったことか」「神さま仏さま こんな母でも 夢見ることが許されるなら」といったセリフ入りだ。 まるで数十年前のド演歌のような曲調と子別れの歌。これをスケールの大きな歌唱で、じっくり聴かせる。泣かせるセリフも情感たっぷりだ。セリフ入りと言えば、三波春夫、二葉百合子、島津亜矢といった先輩がいる。名人たちの背中を見ながら「浪曲も勉強したい」と目を輝かせる。 発売後からオリコンの演歌部門で50位以内に13週チャートイン(最高7位)。カラオケでも歌われ始めている。 デビューした実感は「まだない」と言いながらも、「キャンペーンで全国の皆さんにお会いするのが楽しい」と朝花。休みの日には、浅草で芝居の小道具屋をめぐるのが楽しみ。「道具を見てお芝居を考えたりするのが好きなんです」と屈託がない。 7月に地元で行われたディナーショーは、満員の人気だった。近く後援会が発足、「縁花座」と名付ける予定。さまざまな人の縁を大事に成長したいとの思いが込められている。 夢は、「一座を持って大衆演劇の劇場で、歌とお芝居をやること。花道で踊ってみたい」。平成生まれとは思えない、昭和な答えが返ってきた。 (本庄雅之) ◆梅沢富美男と対面し感激同じ所属レコード会社の縁で大衆演劇のスター、梅沢富美男(67)と対面した朝花は、大感激。1月の鳥取公演に朝花を抜てき出演させた梅沢は、「彼女の歌はまるで一本の芝居のよう、久しぶりに日本の心を魅せてくれる歌い手に出会いました」とエールを送る。 <朝花美穂(あさか・みほ)> 本名中村美穂。1998(平成10)年10月9日生まれ、鳥取県米子市出身。芸名の朝花は祖母から。「のど自慢」チャンピオンを機に上京。今年5月にデビュー。カップリング曲は、故郷を歌った「伯耆大山」。「大山ブランド会」の親善大使を務める。祖母は5年前に他界した。156センチ、血液型はA。好きな食べ物は、寿司、アボガド、焼肉。
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