こんにちは、イシゲスズコです。
毎日暑くて、熱中症の心配がつきませんよね。
 子どもたちとの暮らしの中で、夏は暑さで熱中症やあせもにアタマジラミ…冬は風邪やインフルエンザ…。
 特に就学前の小さい頃は園でもらってくるものも含め、色んな病気にビクビクしながらの毎日だったように思います。
 今回は、私が初めて子供の病気で病院を受診したときのお話です。
「長男の風邪、受診」
まだ乳児だった長男が風邪らしい症状を見せたのは今から14年ほど前のこと。
新米母さんだった私はどうしようどうしようとオロオロしたのを覚えています。
ジジババから「ちゃんと着せておかないから」とか「夜が寒かったからかね」とかあーだのこーだの言われる声を聴きながら、自分の頭の中でもここ数日の行動や着せていたものなどが頭の中をぐるぐる回ります。
「何がいけなかったんだろう…」
 そう思いながら、ととりあえず病院に連れて行かないと…とかかりつけの小児科を受診しました。
「思わず言ってしまった一言」
「熱は?」「ミルクか母乳は飲めてる?」とお医者さんから長男の状況について質問を受けました。
 ひとつずつに答え、先生が「じゃあこういうお薬を出すからね」と薬の説明を丁寧にしてくれました。
 長男を抱えて診察室の椅子に座る私の中に、モヤモヤしたものがありました。
 先生は「長男の病気の経緯はどうだったか」については尋ねてくれたのですが「なぜ長男が風邪をひいたのか」についてはお話がなかったからです。
モヤモヤが晴れない私はつい一言発してしまいました。
 「先生、風邪をひいたのは何がいけなかったんでしょうか」
「先生から言われた言葉で目からウロコが」
いっぱいいっぱいの私が発した一言にハハハっと笑いながら先生が言いました。
「お母さん、風邪ひいたの、お母さんのせいじゃないよ?」
 キョトンとする私に先生が続けます。
 「何をしてても風邪ひくときはひくし、これかなぁって思い当たることがあるなら注意しとけばいいけど、絶対これが原因ですよ、なんてわかんないよ」
 「自分がちゃんとお世話してないから風邪ひいたんだと思ってました」
 と正直に話したら
 「最近ね『私の何が悪かったんですか』って聞かれることが多いんだよね。でもね、そんなの誰にもわかんないしお母さんのせいじゃないのに自分を責めちゃってるんだよね。そういう時代なのかねえ」
 と笑いながら話してくれた先生。
 「私みたいに上の世代から『風邪ひかせるな』とか『風邪ひかせた』とか言われちゃう人も多いのかもしれないですね」
 あ〜なるほどと苦笑いする先生にお礼を言って、診察室を後にしました。
「子どものこと、病気のこと、怪我のこと」
あの日から14年ちょっと、4人の子どもたちは風邪のような些細な病気から熱中症、インフルエンザ、救急車を呼ぶような大怪我や入院など何度も何度も病院のお世話になってきました。
 病院に通いながら、病気の子を世話しながら、あの時の先生の言葉を時々思い出します。
 苦しむ子どもたちをみているとつい自分の何が悪かったのかと考えてしまう、自分を責めてしまう。
 でもそれにとらわれて目の前の子どもにしっかり向き合ってあげられなかったら何にもならない。誰のためにもならない。
 自分を責めないように、その目を他の親御さんにも向けないように、気をつけないといけないなぁと考えるきっかけになったエピソードでした。
著者:イシゲスズコ
年齢:38歳
子どもの年齢:中1・小6・小4・小1
九州の片田舎在住、ぼちぼち働く4児の母ブロガー。生活のなかで出会ういろんなことをあれこれ考え込んだブログ「スズコ、考える。」を運営。Twitterの男児育児あるあるをまとめた共著「#アホ男子母死亡かるた」(アスペクト)がある。
ブログ:「スズコ、考える。」
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