2018年

2018/1/1 「愛の像」再び東京駅前に 戦犯教誨師・真言宗豊山派僧侶の田嶋隆純が「愛」を揮毫

東京駅前の「愛の像」 東京駅南口(丸の内側)に両手を天に突きだしたブロンズ像「愛(アガペー)の像」が再設置された。台座に刻まれている「愛」の文字は、戦争犯罪人(戦犯)を収容した巣鴨プリズンの教誨師だった真言宗豊山派僧侶で大正大学教授だった田嶋隆純(1892―1957)が揮毫。東京駅周辺の再開発のため10年余り、別の場所で保管されていた。昨年11月末に設置され、12月7日の駅前整備完了後から注目されるようになった。

 愛の像は反戦と平和のシンボル。恒久平和を願ってのものだが、一時は再設置が危ぶまれていた。そのため田嶋が住持していた正真寺(江戸川区)や巣鴨プリズン元刑務官らが署名活動を行い、平成21年(2009)12月、都知事・JR東日本社長・東京駅駅長3者に提出。そうした活動が功を奏したのかは定かではないが、事業完了後は再び設置することが決まった。

 BC級戦犯には、上官の命令に従ったという人や、無実のまま絞首台に赴いた人が少なくなかった。そうした状況に直面した田嶋教誨師は異例の助命嘆願運動に奔走した。そうした活動が戦犯から信頼を集め、“巣鴨の父”と慕われた。

愛の像の台座に刻まれている「愛」は田嶋教誨師が揮毫 巣鴨だけではなく、世界各地で刑死した戦犯の遺書を集め昭和28年(1953)、巣鴨遺書編纂会編『世紀の遺書』(講談社)が刊行され、田嶋は序文を執筆した。その印税や同著を読んだ篤志家の中村勝五郎さん(故人)などの協力によって愛の像が製作(作者は彫刻家の横江嘉純)され、昭和30年(1955)に除幕。ギリシャ語で愛を表すアガペーの文字は中村さんの母親が記した。

 愛の像は再び姿を現したものの、説明文などはない。そのためほとんどの人は素通り状態だ。東京駅の担当者は、説明文などを設置する予定はないと話した。また、再設置にあたり、セレモニーはなされていない。

 NHKの放映で設置を知った田嶋の長女、田嶋澄子さん(77)は急いで出かけ、タクシー車中から拝した。「全体をみてホッとしました。世界の恒久平和を願う像が戻って来て本当に良かった。東京駅から多くの若者が戦場に行きました。そうした時代が来ないことを願っています」と話した。

2018/1/1 本山東本願寺、ダムに沈む寺の「荘川桜」2世を植樹 念仏500年飛騨門徒の象徴

2018/1/1 日蓮宗 新宗務総長に中川法政氏 掲げる目標は「強い日蓮宗」

2018/1/1 真言宗御室派に史上初・2人の女性議員が誕生 “女性として注目は不本意”

2018/1/1 明治維新150周年企画座談会「学僧が語る近代仏教」 安中尚史・佐久間賢祐・星野英紀・山崎龍明

2018/1/1 新春随想 引き継がれる仏教精神―印度山日本寺・東大寺修二会 北河原公敬(東大寺長老)

2018/1/11 新連載シリーズ「貧困現場の帯同者たち」①群馬県館林市・源清寺三松会 孤独死防止から葬送まで

2018/1/11 「遺骨奉還宗教者市民連絡会」発足 朝鮮出身徴用者の遺骨返還目指す

2018/1/11 愛知学院前理事長・曹洞宗訴訟 訴えを棄却、宗門側の主張認める

2018/1/11 展望2018 成熟社会に入った日本社会―急がれる潜在力の顕在化

2018/1/18 福井・仁愛大学 次期学長に田代俊孝氏

2018/1/18 連載シリーズ「貧困現場の帯同者たち」② 東京都日の出町 岩井院 福生市 三宝会 青少年・高齢者・障がい者 貧富・年齢を超えた大家族主義

2018/1/18 展望2018 仏教伝道の現在と未来に向けて 布教は「信心」を原点に 勇気をもって寺の外へ 細川晋輔・臨済宗妙心寺派布教師・東京禅センター副センタ―長

2018/1/25 横浜市・真照寺で「葬儀から永代供養まで」新葬儀保険スタート

2018/1/25 浄土宗 オーストラリア・カウラ日本人墓地で慰霊法要 脱走時に日本兵234名死亡

2018/1/25 1.17阪神淡路大震災から23年 継承し伝えていく使命

2018/1/25 展望2018 僧侶再教育の場作りを 資質向上は布教や寺院存続にも(阿純孝)

2018/2/1 全日仏新年懇親会 11月のWFB大会アピール 現・次期会長が協力と参加を要請

2018/2/1 全日本宗教用具協同組合(全宗協) 3月27日を「祈りの日」に登録

2018/2/1 WCRP理評議 ACRP東京大会「行動する宗教コミュニティ」 20年10月開催 テーマや日程が内定 核廃絶に向けタスクフォースに「条約批准」明記

2018/2/1 興正寺裁判に添田総長が出廷 寺有地無断売却 「宗規違反、確信犯的」

2018/2/8 朝鮮半島出身者の遺骨 壱岐・天徳寺に安置求める 宗教者市民連絡会が厚労省に要望書

2018/2/8 曹洞宗・愛知学院理事裁判 東京地裁・横浜地裁両判決を読み解く 内局交代と理事退任 事実認定の違いが判決に反映 紀藤正樹弁護士に聞く

2018/2/8 《オウム裁判終結 事件の核心 今後の課題》 永岡弘行・オウム真理教家族の会会長 実行犯の証言を再発防止教育に

2018/2/8 全日本仏教会理事会 WFB大会 總持寺で法要・シンポ 特別協賛金納入率113% 据え置きの負担金 見直し示唆

2018/2/15 福岡県春日市の浄運寺 インドに仏教学校建設 シッキム州に今年3月開校予定

2018/2/15 《オウム裁判終結 事件の核心 今後の課題》② 滝本太郎・オウム真理教被害対策弁護団弁護士 12人を「殉教者」にしてはならず

2018/2/15 高野山3法人と前内局との訴訟 和歌山地裁が和解案提示 「遺憾の意と和解金」で

2018/2/22 各宗宗議会始まる 曹洞宗・天台宗

2018/2/22 《オウム裁判終結 事件の核心 今後の課題》③ 藤田庄市・ジャーナリスト 宗教的動機は解明されたか

2018/2/22 第35回庭野平和賞 レバノンのNGO「アディアン財団」に 中東で和解プログラム実施

2018/3/1 各宗議会 高野山真言宗・真言宗智山派・臨済宗妙心寺派

2018/3/1 法話力競う「H-1グランプリ」開催 青年僧11人が挑戦、「また会いたくなるお坊さん」に

2018/3/1 WCRPいのちの森でヤマザクラなど50本の植樹祭 庭野日鑛会長も参加

2018/3/8 臨済宗妙心寺派 峰尾節堂100回忌営む 大逆事件に連座 「痛恨なおあり一百年」―河野前管長ー 墓前に「誓い」の碑建立 新宮市

2018/3/8 各宗宗議会 本願寺派 豊山派 浄土宗 日蓮宗 御室派

2018/3/8 立正佼成会80周年式典 根本命題は「人材育成」 創立100周年展望し会長表明 高見大司教、森川座主が祝辞

2018/3/15 日本臨床宗教師会 認定臨床宗教師146人誕生 〝故岡部医師との約束果たせた〟

2018/3/15 大正大と種智院大が協定 学術交流・地域貢献等で 連携して寺院活性化も

2018/3/15 京都・三十三間堂 1001体の千手観音立像が国宝に 45年に及ぶ修復が完了 「国民的な財産伝えたい」

2018/3/15 《東日本大震災7年》 名取市東禅寺 仮落慶の本堂で追悼法会 早期復興と生活再建願う 4メートルかさ上げ地に再建

2018/3/22.29 連携 西本願寺×龍谷大学 学生が外国人参拝者を案内 4月下旬から試行

2018/3/22.29 WCRP日本委員会 鎮魂と復興の祈り捧ぐ 福島県浪江町の慰霊碑から 残る津波と原発事故の爪痕

2018/4/5 高野山東京別院に僧侶派遣相談窓口を開設 地方寺院と離郷檀家つなぐ

2018/4/5 大本 出口王仁三郎聖師入山120年、高熊山岩窟で記念祭

2018/4/12 真宗佛光寺派で法灯伝承式 渋谷真覚氏が門主に就任

2018/4/12 日蓮宗・立正大学が協賛「夢さがし作文大賞」 応募総数1万1千点超える

2018/4/12 第42回正力松太郎賞 本賞に田端義宏氏(日蓮宗)と小原智司氏(曹洞宗)、奨励賞に東海林良昌氏(浄土宗)

2018/4/19 台座から18メートル「鹿野大仏」 日の出町・寶光寺が建立、戦没者や被災者を供養

2018/4/19 超宗派の過疎問題連絡会が報告会、伝統が残る地域は法事継続 石川・能登で調査

2018/4/19 西国三十三所草創1300年 長谷寺で記念法要厳修

2018/4/26 中台僧侶「漢伝仏教訪日団」 大正大学で日中台合同法要

2018/4/26 真宗教団連合、50周年に向け共同宣言 「われら」の共感から共生へ

2018/4/26 日蓮宗次期管長に菅野日彰氏(大本山池上本門寺貫首) 5月9日就任奉告式

2018/5/10 WCRP女性部会 障がい者受け入れ学ぶ 宗教施設備災マニュアルに即して

2018/5/10 引き上げ船事故の朝鮮人遺骨、壱岐へ戻る 広島、埼玉と渡り42年ぶり

2018/5/10 全日本仏教青年会 東大寺千僧法要30周年、慈悲の行動を未来へ

2018/5/17 多様性ないところに平和なし―庭野平和賞贈呈式、レバノンのアディアン財団に

表彰状を手渡す庭野名誉会長とダウ理事長。右はタバラ副理事長 公益財団法人庭野平和財団(庭野浩士理事長)は9日、東京・六本木の国際文化会館で第35回庭野平和賞を受賞したレバノンのアディアン財団創設者のファディ・ダウ理事長とナイラ・タバラ副理事長を迎えて贈呈式を執り行った。多様性や相互理解を重視した教育活動などが評価され、庭野日鑛名誉会長(立正佼成会会長)は長期的な視野からの人材育成に共感の言葉をおくった。受賞記念講演でダウ理事長は「多様性のないところに平和はない」と明言した。同財団には表彰状と顕彰メダル、副賞2千万円が贈られた。約200人が参席した。

 選考結果を庭野平和賞委員会のノムフンド・ワラザ委員長(南アフリカ、キリスト教)が報告。世界の紛争や対立の背景を概観しつつ、過去7年間の受賞者が「3人の男性と3人の女性が受賞しており、女性指導者の役割に対する認識の高まりを反映している」とした。さらに「アディアン財団は多様な社会における市民権と共存をより確固たるものとし、宗教間の精神的連帯のための文脈と基盤を作り出すことを使命とし、キリスト教、イスラーム教と専門性も異なる5人によって創設された」と紹介した。

 特に「多様性の中の団結がアディアンの最も強力な資産となっている」と評価。具体的な取り組みとして子どもと教育者のための「回復と和解構築プログラム」開発が、「シリア内戦の影響下にある人たちに和解の手引きをするもの。国連の教育特使ブラウン元英国首相は、“ISに対抗する心の解毒剤”と評価している」と讃えた。

 平和賞贈呈に移り、庭野名誉会長と2人の創設メンバーが登壇。庭野名誉会長からダウ理事長に表彰状と賞金目録、タバラ副理事長に顕彰メダルが手渡された。(続きは紙面でご覧ください)

2018/5/17 「真宗大谷派関係国会議員同朋の会」朝食会 衆参両議院40人が出席

2018/5/17 日蓮宗宗務総長・中川法政氏インタビュー 「強い日蓮宗」狙いは仏教界底上げ

2018/5/24 聖エジディオ共同体・上智大学・立正佼成会の3者が共働 アフリカ支援で国際会議

2018/5/24 天台宗臨時宗議会 善光寺大勧進の正常化を求め異例の「決議文」採択

2018/5/24 興正寺問題 裁判外「和解」が成立 すべての訴訟取り下げ、元住職父子は寺から退去

2018/5/31 臨済宗妙心寺派 小倉宗俊管長の晋山式 「功至無功汗馬髙」示す

2018/5/31 第15回国連ウェーサク祝典開催 世界連邦日本仏教徒協議会・高野山大学代表がスピーチ

2018/5/31 真言宗豊山派、長谷寺修復で説明会 宗派負担の34億円は22年かけて課金 豊山人の力を結集しよう!

2018/6/7 韓国人教授が日本で得度 東北福祉大学の大谷哲夫学長と意気投合

2018/6/7 次世代のための環境シンポジウム 仏教思想と実践で地球を救え!

2018/6/7 全日本仏教会 新理事長に曹洞宗・釜田隆文氏 事務総長に浄土宗・戸松義晴氏

2018/6/7 引き上げ船事故の朝鮮出身者の遺骨、42年ぶり壱岐島に戻る 天徳寺で安座法要

2018/6/14 高野山真言宗 元総長らと和解成立 損失責任2千万円

2018/6/14 各地の本山で晋山式 僧侶・檀信徒が祝す

2018/6/14 東洋大学 学祖・井上円了100回忌を蓮華寺で営む “哲学”が求められている

2018/6/21 国を超える9条の力―ヒロシマで9条世界宗教者会議 軍事力によらない安全保障へ

2018/6/21 立正佼成会が米朝会談歓迎メッセージを発表 新たな扉開かれた

2018/6/21 米朝会談から東アジアの平和へ―識者に聞く宗教の役割

2018/6/21 大阪北部地震 茨木市妙徳寺の山門が倒壊

2018/6/28 臨済宗妙心寺派 路上生活支援から人権を考える―「自己責任論」を超えて

2018/6/28 日蓮宗神奈川二部法華和讃会が30周年 「龍口法難和讃」初披露

2018/6/28 曹洞宗 4年後に全専門僧堂の認可取り消し


2018/7/5 固定観念ゆさぶれ!高橋卓志氏が「遺言」 

青年僧侶に様々な問いかけをした高橋氏 今年5月に長野県・浅間温泉の神宮寺を去り、8月からタイで仏教を学ぶことを宣言している寺院改革の旗手、高橋卓志氏。6月26日、東京都文京区の真言宗豊山派宗務所で行われた青年僧侶有志からなる法話研鑽会の研修会講師として登壇。「高橋卓志からの遺言」と題し、葬儀やお寺の在り方、世襲や戒律の問題など様々な課題を投げかけ、「固定概念にゆさぶりをかけろ 既成概念を疑ってかかれ」と叱咤した。

 高橋氏は「お坊さんの世界は固定観念の塊。既成概念がなければ葬儀はやっていられないと思いこんでいる人が山のようにいる。このままでは飛べないペンギンになってしまう」と叱咤。神宮寺では、葬儀の前に遺族に話を聞いて故人を偲ぶ映像を製作して式で流すなど、一つひとつの葬儀をオリジナルで作り上げてきた。「大切な人の死を納得し、心の中に残せるのか。それが一番のスピリチュアルケアになり、グリーフケアになる」とし「葬儀の現場にはそうした場面がいっぱいあるのにそれを逃している」と苦言を呈した。

 「大乗仏教は抜苦。苦を抜くことから成り立っている」と高橋氏。生老病死の苦のほか、チェルノブイリと福島で起きた原発事故への支援など、「社会にあふれる苦の現場に対応してきた」と述べ、この経験から「異分野の人とどうつながるか」が重要と指摘した。

 イオンの葬儀やお坊さん便などが話題になったが「本当の危機は戒の問題。坊さんが本来は持戒しているはずなのに、今の日本の仏教では難しくなってきた。それをどうするのか」と提起。このほか、団塊世代の大量死、いのちの定義の変化など、「社会が大きく変わる」と見通し、そのなかでも「四苦八苦を一括してケアできるシステムを有利に使える場所が寺であると考えてほしい。自分一人の力では難しくても、異分野の人とコラボレーションしてほしい。生老病と続けていけば、死の場面でも今までとは違った対応になる」と変化を期待した

2018/7/5 第38回韓日・日韓仏教交流大会 米朝会談高く評価


2018/7/5 新宗連 新理事長に岡田光央氏(崇教真光三代教え主)を選出

2018/7/5 浄土宗東京教区寺庭婦人会 仏教音楽コンサートに1600人

2018/7/12 西日本豪雨の寺院被害が広範囲に及ぶ 各宗派、確認急ぐ

2018/7/12 特別寄稿 オウム死刑囚7人執行 事件解明も不問の宗教的動機(藤田庄市)


2018/7/12 高野山大学密教文化研究所 空海直筆の拓本発見 『性霊集』所収の和韻詩

2018/7/19 ヤズディ教幹部が来日 ISによる大虐殺訴える

2018/7/19 高野山真言宗 次期管長に葛西光義氏


2018/7/19 西日本豪雨レポート 岡山県倉敷市真備町 見慣れた風景が一変 

2018/7/26 京都古文化保存協会 子どもたちが〝匠の技〟体験 

2018/7/26 WFBが百万バーツ、西日本豪雨で義援金

2018/7/26 仏教伝道文化賞決定 本賞に西村惠信氏、沼田奨励賞にみうらじゅん氏

2018/7/26 事件風化 カルト増加の中で① 
オウム死刑囚死刑執行 弟子たちの語り カルト対策に重要
日蓮宗僧侶、脱カルト協会顧問 楠山泰道氏

2018/8/2 創価学会が靖国に提灯奉納 ネット騒然 みたままつりに

2018/8/2 名古屋・興正寺 添田特任住職が辞任