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炭水化物は太らない

投稿者 : 八百 健吾

炭水化物は太らない AthleteBody.jp低炭水化物ダイエットや糖質制限ダイエットと呼ばれるダイエット法が流行って長くなります。

「炭水化物=太る」であったり、「減量=炭水化物カット」というぼんやりしたイメージだけが広く浸透してしまっているようにも見えますが、本当に炭水化物は太るのか?

減量時の炭水化物との付き合い方を考えるにあたって、参考になりそうな研究をいくつかご紹介していきます。

炭水化物とは?

このサイト上では基本的に「炭水化物」という言葉を使っていますが、よく似た文脈で「糖質」や「糖類」という言葉も一般的に使われます。この記事を読み進めるのに必要な言葉をサッと確認しておきたいと思います。

図1 AthleteBody.jp 炭水化物の分類

糖類から順番に見ていきましょう。十分にご存知の方はスルーされてください。

単糖

糖は複数の「分子」がくっついてできています。なにもくっついていない状態で分子単体の物を「単糖」と言い、私たちの食生活では主に以下の2種類が出てきます。

  • ブドウ糖
    炭水化物が身体のエネルギー源になる直前まで分解された形です。血糖値というのは、血液中のブドウ糖の量を表しています。
  • 果糖
    果物に含まれる糖で、ブドウ糖とは代謝のされ方に違いがあります。

二糖

単糖が2つくっついた物を「二糖」と言います。

  • ショ糖
    一般的な砂糖のことです。砂糖はブドウ糖と果糖の分子が1つずつくっついてできています。つまり、砂糖はブドウ糖と果糖が50%ずつになります。

多糖

単糖が3つ以上くっついた物を「多糖」と言います。

  • でんぷん
    米やイモから摂れる糖は、でんぷんです。ブドウ糖がくっついてできています。

細かく見ていくともっとたくさんの種類がありますが、今回は糖の分類を網羅するのが趣旨ではないので、上記の「ブドウ糖、果糖、砂糖、でんぷん」を押さえてもらえれば大丈夫です。

炭水化物の使われ方

炭水化物は体内に蓄えられる

炭水化物を食べると、ブドウ糖にまで分解されます。ブドウ糖には3通りの使われ方があります。

  • 血流に乗って、身体の各所でエネルギー源として燃焼される。
  • エネルギーがすぐに必要ない場合、ブドウ糖が再度くっついてグリコーゲンという物に形を変えて、肝臓や筋肉に蓄えられる。グリコーゲンを蓄えられる量には限りがある。
  • エネルギーがすぐに必要ではなく、グリコーゲンも蓄えがある場合、脂肪に変換され、体脂肪として蓄えられる。体脂肪はほぼ際限なく蓄えられる。

ここで注目したいのがグリコーゲンです。イネなどの植物が「でんぷん」として糖を蓄えるのに対して、ヒトの身体はグリコーゲンという形で糖を蓄えます。食事からエネルギーを摂れないとき、ヒトの身体はこのグリコーゲンを分解してブドウ糖を得て、エネルギー源にしています。ずっと何も食べないでいると、体内に蓄えたグリコーゲンは空っぽになります。

研究1:グリコーゲンは力の源

炭水化物がエネルギー源であることは、よく知られています。この研究では、体内のグリコーゲンが減ると、筋力トレーニングのパフォーマンスに影響が出るかを以下のステップで調べました。

  • 筋力トレーニングを行い、挙上記録をチェック。
  • 自転車と2日間の食事制限で体内のグリコーゲンを減らす。
  • 再度、同じ筋力トレーニングを行い、挙上記録に変化があるかをチェック。

結果は以下のようになりました。

図2 糖質制限前後でのスクワットの挙上回数の変化 AthleteBody.jp

1セット目の挙上回数がハッキリと落ちています。他にも複数の研究で、炭水化物を制限することでトレーニングのパフォーマンスに影響することが示されています。[1, 2, 3]

減量中に体脂肪だけでなく、筋肉を落としてしまわないためには、充実したトレーニングができることが非常に重要です。炭水化物をあまり敬遠してしまうと、トレーニングで力が出ず、筋肉を維持するのが難しくなるかもしれません。

炭水化物は太るのか?

研究2:炭水化物をドカ食いするとどうなる?

筋力トレーニングで全力を出すには、炭水化物が重要になります。しかし、「体脂肪を落としたいのに、炭水化物は太りそうだから…」と気が引ける人もいるかもしれません。

この研究では、まず実験開始から3日間で被験者の体内のグリコーゲンを空っぽにしました。その状態から、「たんぱく質11%・脂肪3%・炭水化物86%」という比率で徐々に食事量を上げていき、食べた物がどう使われるかを調べました。カロリー摂取量は、最大1日約5000kcalにまでなりました。要は「炭水化物をドカ食いしたらどうなるか?」という研究です。

次のグラフが、被験者の体内で炭水化物がどう使われたかを示しています。

図3 グリコーゲン枯渇状態からドカ食いした炭水化物の使われ方 AthleteBody.jp

ドカ食いを始めた研究4日目から2〜3日ほどで、空っぽだったグリコーゲンは一杯に補充され、その後は食べる量が増えるのに合わせて、燃焼しきれなかった分が脂肪に変換される量が増えていくのが分かると思います。

この研究では、炭水化物の摂取量が最大で1日1073gという現実ばなれした炭水化物のドカ食いをしています。白米に換算すると約9.3合です。実際には、フルーツジュースなども使われたようですが、「こんなに炭水化物ばかりどうやって食べたんだろう」と思うような量です。しかし、その内の500gくらいは脂肪にならずエネルギー源として燃焼されています。グリコーゲンの蓄えが一杯になる前は、まったく脂肪になっていません。

また、このグラフには載っていませんが、ヒトの身体は炭水化物を脂肪に変換して蓄積するプロセスでエネルギーを使います。ここで消費されるエネルギーは、この研究の論文では約25%と示されています。この脂肪への変換のプロセスに関する研究を集めたレビュー論文では、約28%とされています。このように文献によって若干数字に幅がありますが、食事から摂った脂肪を体脂肪として蓄積する際のエネルギーコストは、たった2%程度と言われています。

つまり、この研究から言えることは、「炭水化物を食べると脂肪になる」ではなく「炭水化物はなかなか脂肪にならない」ということです。

研究3:低炭水化物 vs 低脂肪

体重は炭水化物の摂取量ではなく、カロリー収支で決まります。それも長いスパンでのカロリー収支です。

つい先日発表されたこの研究では、被験者を2つのグループに分け、以下のような三大栄養素配分の減量食を12週間摂ってもらいました。

  • 低炭水化物/高脂肪グループ
    たんぱく質:17% / 脂肪:73% / 炭水化物:10%
  • 高炭水化物/低脂肪グループ
    たんぱく質:17% / 脂肪:30% / 炭水化物:53%

この研究では、全体のカロリーとたんぱく質の摂取量は揃えられたので、炭水化物を減らす場合と、脂肪を減らす場合での減量効果の比較をすることができます。

下のグラフは、被験者のBMIの変化(=体重の変化)を4週間ごとに示しています。

図4 炭水化物の摂取量の違いによる減量効果の比較 AthleteBody.jp

この研究では、CTスキャンを使って、お腹まわりの体脂肪量が測定されましたが、両グループともに皮下脂肪、内臓脂肪が落ちており、体脂肪の落ち方にグループ間で違いはありませんでした。

炭水化物の摂取量を減らすのが有効かを検証するには、今回の研究のように全体でのカロリーとたんぱく質の摂取量を揃えることが重要になります。
以前に、本橋が「低炭水化物ダイエットの再考」という記事の中で同様の研究を紹介しましたが、今回の研究は被験者の数が多く、期間も長くなりました。このように複数の研究グループで同様の結果が確認されていることを考えると信憑性は高く、「体脂肪を落とすために炭水化物を避ける必要はない」と考えて良さそうです。

炭水化物の種類は減量に影響するか?

研究4:長期間GI値を管理する

ひとくちに炭水化物と言ってもいろいろな食品があります。

この研究では、高GI食を摂るグループと、低GI食を摂るグループを設定し、それぞれ以下のような食事を食べてもらいました。

  • 高GIグループ
    たんぱく質:15% / 脂肪:25% / 炭水化物:60%(GI値:63)
  • 低GIグループ
    たんぱく質:15% / 脂肪:25% / 炭水化物:60%(GI値:33)

カロリー摂取量は、各被験者の体格などに合わせて、1週間に0.7kgのペースで体重を落とすことを狙って設定されました。

食事のGI値には、脂肪、たんぱく質、炭水化物の種類、食物繊維などが影響しますが、この研究では、グループ間でGI値に開きが出るように減量食の食品の組み合わせが調整されました。
そして、実験開始からの12週間、すべての食事が研究者側で用意され、被験者に提供されました。この研究で使われた減量食の効果を検証するためにレベルの高い管理がされたということです。

12週間で両グループともに体重が落ちましたが、グループ間での違いはありませんでした。

図5 GI値の違いによる減量効果の比較 AthleteBody.jp

GI値に関しては、数字にブレが出ることから指標としての信頼性に問題があることを以前の記事でご紹介しました。この研究で使われた減量食の推定GI値にも疑問の余地は残ります。
ただ、この研究の低GI食グループは、12週間にわたって「血糖値を上げにくいとされる食事」を徹底して摂り続けたにもかかわらず、減量の成果には違いが出ませんでした。

一般の生活では、おそらくここまで管理をすること自体が難しいので、血糖値の安定と減量効果を期待して食べ物の選び方に頭を悩ませると、減量の成果が上がるよりも、生活に不必要な制約が増えることになってしまうかもしれません。

研究5:砂糖を大量に摂り続けて減量する

GI値に注意をしても減量効果に違いは出ませんでしたが、砂糖であればどうでしょう?

この研究では、砂糖をたくさん摂るグループと、砂糖をできるだけ控えるグループに被験者を分けて減量効果を比べました。各グループの食事内容は以下のとおりです。

  • 砂糖の多いグループ
    たんぱく質:19% / 脂肪:11% / 炭水化物:70%(砂糖:121g/日)
  • 砂糖の少ないグループ
    たんぱく質:19% / 脂肪:11% / 炭水化物:70%(砂糖:12g/日)

両グループで摂取カロリーも揃えられており、グループ間での違いは砂糖の摂取量だけでした。
この研究でも、食事量を確実に管理するため、すべての食事が被験者に提供されました。砂糖を多く摂ったグループでは、1日の摂取カロリーの43%が砂糖になり、砂糖を控えたグループでは、1日の摂取カロリーの4%にまで砂糖の摂取量が抑えられました。

6週間の期間での体重の変化は以下のようになりました。

図6 砂糖の摂取量の違いによる減量効果の比較 AthleteBody.jp

砂糖の摂取量が10倍も違ったにもかかわらず、両グループの減量ペースには違いが出ませんでした。この結果には驚きを感じる方もおられるかもしれません。
ちなみに、もう少しマイルドな設定で6ヶ月掛けて行われた大規模な研究でも同様の結果が出ています。

砂糖は減量の敵のように扱われることが多いですが、カロリー摂取量が押さえられていれば、減量効果に違いは出ないようです。
しかし、実生活においては、砂糖ばかりの食事を長期間続けるのは決して健康的とは言えません。減量中には食事量が減ることから、特に栄養価の高い食品を積極的に摂ることは大切です。ただ、その上で、甘党の人には、好みのお菓子やジュースを取り入れる気持ちのゆとりを持つのは良いかもしれません。

研究6:果糖ならどうだ?

砂糖を大量に摂っても減量に影響は出ませんでした。では、果糖ではどうでしょう?
果糖はでんぷんやブドウ糖とは代謝のされ方が違うことから、減量の妨げになると言われることがあります。

この研究では、果糖の摂取量を低く抑えるグループと、中程度の量を摂るグループを設け、以下の食事内容で減量効果に違いが出るかを検証しました。

  • 果糖の少ないグループ
    たんぱく質:15% / 脂肪:30% / 炭水化物:55%(果糖:20g以下/日)
  • 果糖の多めのグループ
    たんぱく質:15% / 脂肪:30% / 炭水化物:55%(果糖:50〜70g/日)

カロリー摂取量は、被験者に合わせて1日1500kcal〜2000kcalとされ、果糖はほぼすべて果物から摂るようにされました。

6週間の期間での体重の変化は以下のようになりました。

図7 果糖の摂取量の違いによる減量効果の比較 AthleteBody.jp

果糖を多く摂ったグループの方が、やや多く体重が落ちる結果になりました。

ただ、この結果をどう受け取るかには、注意した方が良い点がいくつかあります。
まず、この研究では、食事を被験者自身が用意して、自己申告の食事記録から摂取カロリーなどが計算されました。食事量の自己管理は正確に行うのが難しく、ブレがあった可能性も考えられます。

また、体重の減り幅には差が出たものの、体脂肪の減り方にはグループ間で違いは見られませんでした。ただし、この研究の体脂肪測定には、生体インピーダンス方式の体組成計が使われており、どれだけ正確なデータかという部分に疑問が残ります。

食事量の管理が完璧ではなく、体脂肪の落ち方に違いが出たのを体組成計が読み落とした可能性や、体内水分量の変化が影響して体重に表れた可能性が考えられますが、ハッキリと答えを出すことはできません。

ただ、いずれにしても、果糖を多く摂ったグループの方が体重の落ち幅は大きくなったことから、「減量中に果糖を摂ると減量が妨げられるのでは?」と心配しなてくてもいいと考える材料としては十分でしょう。

減量中の炭水化物は太らない

減量中の炭水化物の摂り方について、いくつか研究を見てきました。

  • 研究1:グリコーゲンが枯渇すると、トレーニングの挙上記録が落ちました。
  • 研究2:1日に白米9.3合分のドカ食いをしても、体脂肪になったのは一部だけでした。
  • 研究3:低炭水化物でも低脂肪でも変わらず体重は落ちました。
  • 研究4:炭水化物の選び方にかかわらず体重は落ちました。
  • 研究5:砂糖を大量に摂っても変わらず体重は落ちました。
  • 研究6:果糖を摂っても体重は落ちました。

AthleteBody.jpのパーソナルコーチングで減量指導をさせていただく中でも、「炭水化物を摂るのに抵抗がある」というお悩みをお聞きします。これは、管理栄養士として働かれるクライアントさんからもお聞きする悩みで、炭水化物や砂糖に対する偏った情報が、いかに広く浸透しているかを物語っていると思います。

体重や体脂肪が落ちるかは、長いスパンでカロリー収支をマイナスに維持できるかに掛かっています。そのための手段として炭水化物を制限する場合があっても良いかもしれません。しかし、それがストレスになって減量を続けられないようなら、炭水化物を制限するのが絶対条件だと考える必要はありません。

このサイトを見に来てくれるのは、筋力トレーニングをしている方が多いと思いますが、トレーニングで力が出るようになれば、減量中に筋肉を維持したり、場合によれば体脂肪を落としながら筋肉が増えることにつながってくれるかもしれません。

果糖の代謝の違いって?

果糖は代謝のされ方が違うと書きました。減量中にはあまり心配しなくても大丈夫ですが、中途半端な情報になると良くないので、もう少し書き添えておきます。

ブドウ糖は吸収されると血流に乗って身体の各所に運ばれるのに対して、果糖はほとんどが肝臓に送られます。肝臓に送られた果糖には次のようなことが起こります。

  • 肝臓でブドウ糖に変換され、血流に送り出される。
  • 肝臓でブドウ糖に変換され、グリコーゲンになる。
  • 肝臓で脂肪に変換される。

最後の項目が果糖の特殊なところです。肝臓で脂肪に変換されるという意味では、ブドウ糖も果糖も同じですが、プロセスに違いがあり、果糖の方がブドウ糖よりもスムーズに脂肪に変換されやすいという特徴があります。

スムーズに脂肪に変換されると言っても、肝臓は果糖をブドウ糖に変換することもできるので、果糖を摂るとすべてが脂肪になるというわけではありません。
食事から摂った果糖が最終的にどう使われるかは、肝臓のグリコーゲンの蓄えによって変わります。そして、肝臓のグリコーゲンの蓄えは、食事全体のカロリー収支によって変わります。

減量中でカロリー収支がマイナスの場合、果糖はブドウ糖への変換が優先され、エネルギーとして燃焼されたり、グリコーゲンとして蓄えられたりします。研究6で果糖を摂っても体重が落ちたのはこの状態です。

一方、増量中、カロリー収支がプラスで、肝臓のグリコーゲンが十分に満たされている状況では、果糖をブドウ糖やグリコーゲンに変換して利用する必要性が少なくなり、脂肪に変換されるルートに進みやすくなります。こうなると、果糖はブドウ糖よりもスムーズに脂肪への変換が進むので、同じカロリー摂取量でも果糖の多い食事では体脂肪が増えやすくなるという可能性は考えられます。

では増量期間には、果糖を完全に避けるべきかというと、おそらくそこまで神経質に考える必要はないでしょう。果糖が主に脂肪に変換されるようになる摂取量のラインというのがあると考えられます。あるメタ解析では、このラインを1日約60g程度としているのに対して、1日100g程度とするメタ解析もあります。他には50gくらいを目安に考える研究者もいるようです。

上記の数字は、肥満体形の人や糖尿病を患う人を対象にしたデータを多く含んでいるので、標準体形で筋力トレーニングをする人は許容量が大きい可能性も考えられます。しかし、日本人は平均的に見て体格が小さいという可能性もあります。控え目に見て1日50〜60gくらいを目安にすると良いかもしれません。

果物を摂るといくらか果糖を摂ることになりますが、多くの果糖を摂ろうと思うと、かなりの量を食べる必要があります。もちろん、果物は果糖だけでなく食物繊維やビタミンも一緒に摂れるので、日常的に果物をある程度食べるのは、増量中か減量中かを問わず良いことでしょう。

注意したいのは、加工食品です。甘さを出すために果糖が使われている商品が多く、こういう食べ物はビタミンやミネラルといった栄養素が少なく、かつエネルギー密度が高くなりがちです。ついつい手が伸びて食べているうちにカロリーも果糖も摂り過ぎてしまったということのないよう気をつけたいところです。

おわりに

今回の記事は、減量をするにあたって炭水化物を摂ることに抵抗を感じている方にリラックスしてもらうきっかけになればと思って書きました。減量はカロリー収支をマイナスに保てれば成功します。周囲で困っている方がいれば、この記事をご紹介いただけると嬉しいです。
「カロリー収支がモノを言う」と分かってはいても、炭水化物や砂糖を使ったお菓子などがヤメられないという方もいるかと思います。次回の記事ではそのあたりについてお話したいと思います。

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八百 健吾

サイト内で紹介する外国人トレーナーなどの記事の日本語訳を担当しています。
語学分野で5年、フィットネス翻訳者として5年、英語に携わる仕事をして10年になります。英語で得られる情報はとても幅が広いです。言葉の置き換えではなく、多くの人にメッセージを届ける架け橋になるべく日夜あたまをひねっています。
アンディと本橋とチームで内容充実のサイト作りをしていきます。ご期待ください^^

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コメント

  1. 記事本文の研究2について補足します。

    この研究では、脂肪を極力摂らずに炭水化物をドカ食いした結果を示しています。

    しかし、実生活では炭水化物と脂肪を両方合わせてドカ食いしてしまうことが多いと想定できます。このような時は、脂肪から優先的に体脂肪への変換が起こります。

    この話を記事中に盛り込むと長くなってしまうので、別に補足ページを作りました。もう少し詳しく知りたい方は、ぜひご参照ください。

  2. 体組成を考慮せず体重の増減で判断するのならカロリー制限でもいいのでしょうが、それでは質を保てません。そこの理解の差でしょう。

    1. コメントありがとうございます。

      体重だけでなく体組成の変化を見るべきというのはおっしゃる通りだと思います。管理栄養士でいらっしゃるということなので、少しテクニカルな部分の補足説明をさせていただければと思います。

      今回の記事でご紹介した中では、体脂肪の落ち方に統計的有意差が出た研究はありませんでした。記事内では研究3でCTによる体脂肪量測定でグループ間に差がなかったことをご案内しています。

      GI値の差による減量効果を検証した研究4では、低GIグループの体脂肪の落ち方がやや大きくなる傾向がありました。今回ご紹介した研究すべてにおいて、体組成の変化にグループ間で違いが出たデータはこれだけですが、これも有意差には至っていません。(P=0.1)

      また、この研究4では体脂肪をキャリパーで計測し、その数値から体組成変化の推定値が出されています。キャリパーはこの数値換算の際に誤差が生じる可能性があり、この研究で使われた計算式にも誤差が出ることが確認されていますので、このデータをどれだけ重視するかには注意が必要だと考えられます。

      砂糖を使った研究5では、キャリパーよりは信頼性の高いDXAで体組成の測定が行われていますが、上に書いたとおり有意差は出ていません。

      今回ご紹介した研究は全体に肥満体形の被験者が多いので、標準体形の人では違う結果になる可能性は十分考えられます。しかし、一般的に肥満はインスリン抵抗性を伴うことから、標準体形の人を対象にした場合に、今回ご紹介した研究よりも結果が悪くなる可能性は少ないと考えます。もちろん個人差はありますが、研究は平均値を出すものなので、ここは多くの場合においてという意味合いです。

      また、記事内で紹介した食事設定(PFCの配分)はあくまでも研究で使われたものです。当サイトでは、体組成改善、健康増進、パフォーマンス向上を目的に運動をされる趣味トレーニーやアスリートの方を対象に、比較的高たんぱく質の設定をおすすめしています。

      体組成の改善という意味では、カロリー摂取量やPFCの配分だけでなく、筋力トレーニングによる効果が大きく影響します。記事内の研究1でもご紹介したように、筋力トレーニングを取り入れて体組成改善を試みる場合には、炭水化物を制限することが不利に働くことがあります。

      以上のような要素を総合的に考慮して、たんぱく質を確保した上で、エネルギー確保のための炭水化物と脂肪の摂取割合には、個人の状況、目標、嗜好に合わせてある程度の選択の自由があって良いと考えており、その点を示すために今回の記事を掲載しました。

      このコメントはFacebookで書き込みいただいたものを転載しています。

    2. 初めまして。
      このサイトで毎回 勉強させていただいております。
      いくつか質問があります。

      ①糖新生の際に筋肉分解されてサイズダウンしたのち、比較的 短時間で適正な栄養補給があれば、元のサイズには戻るのでしょうか?
      ②高強度サーキットトレーニング4分 3セット(最大心拍数85%以上)を行い、優先的に脂肪よりグルコースが使われた場合、安静時の脂肪燃焼の割合はいくらか増すのでしょうか?
      無酸素運動下での脂肪燃焼は
      ほとんど ないのでしょうか?

      拙い質問ですが、どうかよろしくお願いします。

      1. 南原さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

        >①糖新生の際に筋肉分解されてサイズダウンしたのち、比較的 短時間で適正な栄養補給があれば、元のサイズには戻るのでしょうか?
        失われた筋肉量が、どれくらいの期間で元に戻るのかは一概に言うことは難しいです。
        ただ、一般的にトレーニングや十分な栄養摂取などがしっかりできれば、筋肉量は問題なく元に戻せます。

        >②高強度サーキットトレーニング4分 3セット(最大心拍数85%以上)を行い、優先的に脂肪よりグルコースが使われた場合、安静時の脂肪燃焼の割合はいくらか増すのでしょうか?
        高強度サーキットトレーニングのような運動後は、安静時にエネルギー消費が増えることが見られます。その消費には、脂肪からも多く含まれます。

        ただ、体脂肪を落とすという意味では、全体のエネルギー収支がマイナスになる必要があるわけですが、この増え幅が全体を見たときにどの程度の意味があるのかは疑問の余地があると思います。
        少なくとも、安静時のエネルギー消費が増えることは副次的なもので、高強度サーキットトレーニングを取り入れるかどうかを決めるときに優先して考えることではないと思います。

        >無酸素運動下での脂肪燃焼はほとんどないのでしょうか?
        基本的には、運動強度が高い場合は糖質が優先的に使われます。ただ、どれだけ脂肪をエネルギー源として利用できるかには、そのときの栄養状態などに影響されますので、一概には言えないです。

        今後もう少しデータを含めて記事としてまとめるかもしれませんが、体形改善を目的とする場合、AthleteBody.jpでは、トレーニングは筋力と筋肉量の維持・向上を中心に考えて、体脂肪を落とすのは、栄養管理で進めるという考え方をしています。

        1. お疲れ様です。
          南原です。
          自分の質問にお答えしていただき、まことに感謝します。
          このサイトのおかげでいかにフィットネス業界の誇大宣伝に振り回されてたかわかりました。
          これからも勉強させてもらいます。
          心より ありがとうございました。

  3. いつも有益な情報を書いていただいて、ありがとうございます。
    毎回、参考にさせていただいています。

    別の記事で、インスリンは糖質以外でも分泌されると言う記事を読みましたが、グリコーゲン補充はタンパク質・脂質では補充されないものなのでしょうか?

    これからも有益な情報楽しみにしております。

    1. 下塚さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      >タンパク質・脂質では補充されないものなのでしょうか?
      グリコーゲンの補充は炭水化物だけでなく、全体でのカロリー収支や運動で消費されるエネルギーも影響するので一概には言えませんが、グリコーゲンを補充するには、炭水化物を摂る方が有利だとは言えると思います。

      1. 八百様
        ありがとうございます。今後の更新も楽しみにしつつ、応援しております。

  4. 全体の総カロリーが大事であるということが分かりました。
    そこで質問なのですが
    炭水化物と脂肪を同時に取ると
    やはり太りやすいのでしょうか?
    それとも、総カロリーさえ抑えていれば、
    それほど気にする必要がないのでしょうか?

    1. ごめんなさい。
      先ほどの質問は取り消してください。
      すぐ上に書いてありました。(汗

      1. ギグスさん、コメントありがとうございます。

        コメントをいくつかいただいたので、本橋のコメントが見えにくくなっていたかと思います。
        ギグスさんのような疑問を持たれる方は少なくないと思い、補足ページを作りました。このコメントをご覧の方で、同じことが気になった方は覗かれてください。

  5. 以前「糖質制限でインスリンをコントロールするという迷信」でメールさせて頂いたものです。
    感想としては「やっぱりそうでしたか!」という感じです。
    その後も、カロリー・脂質だけでなく糖質摂取量もカウントを続けてますが、カロリー摂取が
    多い日は翌々日くらいから体脂肪数値が増え出すし、逆に絞ればちゃんと体脂肪は落ちるという
    実に単純なものだという結論を見出だし、現在は日々の食生活が充実し楽しくなりました。
    むしろ炭水化物が食べられない事によって、タイムリーな栄養補給が出来なかったりする事の方
    がデメリットが大きいとも感じています。(これはA.B.さんのお考えとちょっと違いますが)
    そして何より筋肥大の効率はGLUT4活用の積極的グリコーゲン補充で非常に上がっています。
    今は筋肥大と体脂肪減の私の身体での拮抗点も判り、好きな時に増やして好きな時に減らす事も
    上記の筋肥大率の効率アップにより糖質制限時よりも、遥かにスピーディ且つ容易です。
    糖質制限ばかりが、さも特別のように語られる事が多いですが、結局は糖質制限も脂質制限も
    リーンゲインズすら各々が自分の「現状→目標への到達する手段の選択のひとつ」ですらない。
    ひとつに固執し過ぎるべきではないと考えるのが正解かもしれませんね。
    ただ糖質制限も脂質制限も極端なものはダメと私個人のテストでは感じてはいるんですが・・・
    長くなりましたがこうして検証DATAで説明して頂けると非常に勇気づけられます。
    今後も役立つ情報を流して頂けることを期待しています!

    1. GC8さん、こんにちは!コメントありがとうございます。

      先日のメールをいただいてから、GC8さんのような方がいらっしゃることが頭に残っていました。疑問が少しでもクリアになっていれば幸いです。

      >カロリー摂取が多い日は翌々日くらいから体脂肪数値が増え出す
      体組成計で体脂肪の数値を測定されているということでしょうか?体脂肪の増減はカロリー収支で決まるというのは間違いありませんが、数日単位での細かな体脂肪率の変化というのは、正確に測定できるものではないので、あまり強く意識されない方が良いかもしれません。もし、まだでしたら、このシリーズ記事も参考にされてください。

      >糖質制限も脂質制限もリーンゲインズすら各々が自分の「現状→目標への到達する手段の選択のひとつ」ですらない。
      これはおっしゃる通りだと思います。それぞれの手段の特徴を理解して、うまく使っていくということですね。

      >今後も役立つ情報を流して頂けることを期待しています!
      ありがとうございます。頑張ります!

  6. 八百様
    こんにちは
    私は高橋と申します。

    インスリン、肥満、糖尿病などをしらべているうちに、貴様のサイトに出会いました。

    数々の論文の翻訳作業と文章をまとめる作業、大変だったと思います。そして、非常に有益な情報をありがとうございました。

    私は、数年前、糖質制限食を行いましたが、日常生活に支障が出るくらい、不調になってしまい、「糖質制限」は果たして本当に適した食事法か、調べるようになりました。

    八百様のキレイにまとめられた情報を見て、自分自身が不調になった理由がよくわかりました。ありがとうございます。

    これから、サイト内の情報をいくつか勉強させていただきます。

    1. 高橋さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      >「糖質制限」は果たして本当に適した食事法か
      各個人の状況によって、炭水化物を減らすのが目的達成のための効果的な手段になる場合はあると思います。
      ただ、人によって状況や目的は変わるので、すべての人が炭水化物を避けるべきだと考えると、うまくいかない人が出てくるということかと思います。

      サイトの情報が少しでもお役に立っていれば嬉しいです。

  7. これだけの研究成果が有るのに何故?日本人の医者は今だに低炭水化物ダイエットを、さも正しいように言うのでしょうか?とある有名ジムでも炭水化物を全く取らない食事を支持しています。なぜ?こんな嘘がまかり通っているのでしょうか?日本人は炭水化物を抜く事で逆にインスリンが多く出る様になる。食事療法ダイエット後のリバウンドはそれが原因なに・・・・・・今後も、もっと多くの人にこの記事を見てほしいものです。皆様も、もっと多くの人にこの正しい記事を広める努力をしていただきたいです。

    1. 山下さん、コメントありがとうございます。お返事が遅くなって申し訳ありません。

      低炭水化物ダイエットは三大栄養素のうち炭水化物を摂らないという方法ですが、どこか一部分を抜き出して考えた答えは、全体を見たときには当てはまらないということが起こりがちなのかなと思います。

      >皆様も、もっと多くの人にこの正しい記事を広める努力をしていただきたいです。
      ありがとうございます。時間を掛けて記事を作っているので、こういっていただけると本当に力になります。
      こういう記事を気持ちよく感じない人や必要ない人もいると思うので、バランスを考えながら発信していきたいと思います。

  8. 興味深い内容ありがとうございます。
    質問させて頂きたいのですが、
    上記の研究において、被験者のN数、属性についてはどのような内容なのでしょうか?
    それぞれの運動量はどれくらいなのでしょうか?
    もしどこかに記載があれば申し訳ございません。

    1. 岡崎さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      記事内に記載していない研究の詳細については、基本的にコメント欄でお答えしていません。
      この記事では複数の論文を紹介していますが、各研究で条件が違います。記事内のリンクから各論文にアクセスできるようにしていますので、ご自身でご確認いただくようにお願いします。

      人によって興味を持たれる部分が違い、すべての質問に対して詳細を書き出しているとキリがなくなってしまうので、申し訳ありませんがご理解くださいm(_ _)m

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