参考:2018年8月27日付週間アルバムランキング(2018年8月13日~2018年8月19日・ORICON NEWS)
2018年8月27日付のオリコン週間アルバムランキングでは、Perfumeの新作『Future Pop』が初登場1位を獲得。3位の浜崎あゆみや6位のFischer’sのほか、5位のアリアナ・グランデの新作『Sweetener』が初登場だ。『Sweetener』は、ポップスの枠組も現行のヒップホップの文脈も逸脱したファレル・ウィリアムスのプロデュース曲に、ポップスのネクストレベルはここから? と思わせる快作。広く聴かれてしかるべき一枚だ。
さて、ここからは1位のPerfume『Future Pop』に焦点を絞る。先行するシングル曲「If you wanna」「無限未来」ではEDM(特にフューチャーベース)を大胆に取り入れて話題を呼んだ。本作も引き続きダンス寄りのエッジーなサウンドかと思いきや、「超来輪」「宝石の雨」「天空」などポップなメロディが印象的な曲も収録され、まさに“未来のポップ”といった作品になっている。
中田ヤスタカによるダンスサウンドはPerfumeのトレードマークであり、時代の潮流を巧みに取り入れつつもJ-POPとしての親しみやすさを維持するバランス感覚は、常にリスナーを惹きつけてきた。エレクトロハウスからケレン味の強いEDM風のサウンドまで、PerfumeはJ-POPのなかでも「攻めた」音作りに挑戦してきた。それでもなお「If you wanna」でのEDMへの接近は大胆なものだったと言える。それは、サウンドの特徴よりも、曲の構成に関わる。
ゼロ年代末以降のEDMをそれ以前と隔てる最大の特徴は、ビルドアップードロップという構成に重点を置いたところにある。高揚感のあるシンセやドラムのフィルインからなるビルドアップで観客を煽り、ドロップで一気に展開を変化させてフロアを盛り上げるのがEDMのセオリーだ。EDMの流行がすっかり落ち着き始めた今では、この構成に対するアプローチも(この構成を採用するか否かも含めて)多様化している。しかし、未だ現在のダンスミュージックを考える重要な基準であることに変わりはない。
Perfumeはこれまで、サウンド面ではEDMを取り入れつつも、ビルドアップードロップのEDM的な構成を採用することはほとんどなかった。この構成がJ-POPになじまないためだろう。EDMのドロップではしばしば大胆に音数が減らされ、個々のサウンド自体の強度が盛り上がりを生む。対して、J-POPで最も盛り上がるのはサビであり、たいてい平歌よりも音数が増えリッチになることで楽曲のドラマを演出する。この差異から、J-POPとEDMは微妙にすれ違ってきたし、Perfumeもそうだった。
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