なぜマッキンゼーが? 日本の食料安保戦略説く

南米の農地、中国勢に「買い負け」で知ったリスク

2018年8月24日(金)

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 日本の食と農の未来に対する関心が高まっている。

 トヨタ自動車からパナソニック、NTTドコモ、ソフトバンク、メガバンクを含む様々な金融機関…。名の知れた企業が続々と農業関連ビジネスを手がけ始めている。日本の食料の生産基盤を立て直すため、今や「総力戦」の様相を呈しつつある。かつてのような「上から目線」の参入は後退し、それぞれの持ち味を活かしながら、農業の再生をサポートしようとしているのが最近の特徴だ。

 今回取り上げる例も、「異分野からの食料問題への接近」という意味では同じ文脈の中にある。国際的なコンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社が昨年、世界の食料問題の行方と日本の課題を考察したリポート「『グローバル食料争奪時代』を見据えた日本の食料安全保障戦略の構築に向けて」を発表した。グローバルな食料需給の見通しを分析するとともに、日本が抱えるリスクをピックアップし、日本がとるべき処方箋を提言した意欲作だ。

 日本の食料安保は大丈夫なのか。打つべき手は何か。リポートのメーンの筆者の山田唯人パートナーにインタビューした。取材を通して浮かびあがったのは、世界の食料事情を左右する中国の存在だった。

官民連携の必要性を訴えるマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社の山田唯人氏

これから世界の食料問題はどうなると思いますか。

山田:まず大事なのは、「国際的な危機が起きる」などとあおってはいけないということだ。水や土地など食料を生産するための資源が足りるのかという問題は、グローバルに出てくると思う。それでも、技術力の向上による単収の増加、作付面積の拡大、品種開発などを考えれば、潜在的な生産余力は十分ある。食料がものすごく不足したりはしないという認識を持つべきだ。

 だから、食料が世界中で足りなくなるので、どうしても農家を守らなければならないという方向で議論すべきではない。そのために補助金を投入しなければならないという話になるのであれば、ちょっと違うと思う。

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「なぜマッキンゼーが? 日本の食料安保戦略説く」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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