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【芸能・社会】

菅井きんさん死去 92歳 「必殺」シリーズしゅうとめ役で人気

2018年8月24日 紙面から

テレビ「必殺仕事人・激突!」の一場面。(左から)藤田まことさん、白木万理さん、菅井きんさん((C)ABC・テレビ朝日・松竹)

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 時代劇「必殺」シリーズのしゅうとめ役など、テレビや映画の名脇役として親しまれた俳優の菅井きん(すがい・きん、本名佐藤キミ子=さとう・きみこ)さんが10日午後2時、心不全のため東京都内の自宅で死去した。92歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は女婿の三上登(みかみ・のぼる)氏。

 戦前は文部省、東京帝大の職員として勤務。戦後、東京芸術劇場研究生となり、1947年に初舞台を踏んだ。

 庶民の味を出せる貴重な脇役として活躍し、黒沢明監督の「生きる」「赤ひげ」や本多猪四郎監督「ゴジラ」、川島雄三監督「幕末太陽伝」など数多くの映画に出演。「必殺」シリーズの「必殺仕事人」では、藤田まことさんが演じる同心・中村主水のしゅうとめを演じ「婿殿!」のせりふで人気を得た。

 85年の映画「お葬式」では夫を突然亡くした悲しみと不安を見事に表現し、ラストの喪主あいさつでは圧巻の長セリフを披露。この演技が評価され、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受けた。2008年の「ぼくのおばあちゃん」では82歳で映画初主演を果たしギネス世界記録に認定され、話題となった。

 他の出演作にNHK大河ドラマ「いのち」「龍馬伝」、同連続テレビ小説「瞳」、舞台「三ちゃんと梨枝」「金時きつね」など。1990年紫綬褒章、96年勲四等宝冠章。

    ◇

<三田佳子> 「大河ドラマ『いのち』、舞台『夢千代日記』やパナソニックのCFなど数多くの作品でご一緒した菅井さん。さすがの老け役でしゅうとめ、母、老人と変幻自在に人間味のあるお芝居を見せて下さいました。しかし、そんな役の印象とは異なり、実は若々しく、明るく、とにかく行動的で、そして優しい方でしたね。お互いに『菅井さん』『佳子さん』と呼び合って、とても親しくしていた頃が懐かしく思い出されます。ご冥福をお祈り申し上げます」

<三田村邦彦> 「『必殺仕事人』で共演させていただいたのが最初です。年齢不詳でおしゃれでハイカラ。『実年齢より上の役しかこないのよ』と笑いながらおっしゃっていたことが忘れられません。藤田まことさんと白木万理さん、菅井きんさんが演じた中村主水、りつ、せんの3人による、掛け合いの芝居の見事さも脳裏に焼き付いています」

<宮本信子> 「もう約34年前になりますが、第1回伊丹十三監督作品映画『お葬式』では大変お世話になりました。2人でお通夜のシーンで踊った『東京だョおっ母さん』は忘れられません。また、最後の喪主のごあいさつのシーンは最高でした。素晴らしかったです。きんさん!本当にお世話になりました。ありがとうございました」

<仲間由紀恵> 「菅井きんさんの訃報に際し、驚きと深い悲しみでいっぱいです。私は大河ドラマ『功名が辻』と『TRICK1』で共演させていただきましたが、大先輩でありながらも撮影現場では優しいお人柄がにじみ出るようなお芝居がとても印象的で、学ぶことばかりでした。あの笑顔にもうお会いできないかと思うと残念でなりません。ご冥福を心よりお祈りいたします」

 

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