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異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ 作者:のきび

2章 ゴブリンの花嫁たち

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ケンタは妄想を我慢する。もう、そうなんですよ。

「ゴメスの行き先分かるです?」

「ギルドで小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)情報を聞いて、分からなければ守衛のガイロスさんに聞いて歩いていった方向に向かう」

「行き当たりばったりです」

「ケンタさんらしいです」

 二人は笑って俺の裾をつかむ。俺は二人を引っ張るようにギルドへと向かった。


 冒険者ギルドはいつも通り、この時間は閑古鳥が鳴いていた。受付を見ると夜勤のおじいさんに代わり、見知らぬ女性が座って俺たちをビクビクしながら見ていた。


「すみません研師のケンタと申しますが。」

「はい!すみません。新人のリリカですよろしくお願いします」

 リリカは席を跳ね上がるように立ち上がると頭を受付の上の書類棚にぶつけて、そのまま座り込むと頭を撫でて涙目になる。ぐっ、なんだ俺に妄想モードになれと言うのかこの娘は。この娘なら妄想だけでご飯三杯いけますわ。

 俺は妄想を追い払うように頭を振り彼女に話しかける。


「大丈夫ですか?」

「はい!すみません。ごめんなさい!」

 ああ、そうか新人で緊張しているのか。俺は小粋なギャグを言ううと彼女はクスッと笑い。すみません笑ってしまってすみませんとペコペコと謝る。

 緊張じゃなくて、性格なのか……。ぐっ、我慢だ。妄想したいところだが、今はその時じゃない。


「それで、聞きたいことがあるんですが小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)について分かることはないでしょうか?」

小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)ですか? 少々お待ちください」

 リリカは棚から数冊のファイルと時を取り出すとペラペラと見出した。

小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)……、え。こんな側にあるんですか!」

「どこにあるんだい?」

 そういうと俺にファイルを見せそこにかいてある地図の一点を指差す。

 そこにはホムルス渓谷とかかれており側に難易度の低い古い方の魔窟があった。

「クニャラ場所分かるか?」

「はいです」

「よし、じゃ行こう。あ、そうそうリリカさん帰ってきたらただじゃおかないんだからね?」

「ふあぁ!?」

 俺はリリカさんにお礼を言うとギルドを飛び出した。いや正確には飛び出し損なった。”ぼよよ~ん”と大きな二つの果実に弾き飛ばされたからだ。

 筋力曲振りの俺を弾き飛ばすとは中々のパイ(ちから)だ。S級パイ険者の称号を与えよう。まあ、実際は当たった瞬間後ろに飛び退いたんですけどね。

「すみませんシャーロンさん」

「ケンタさん急いでどちらへ行くんですか」

「すみません急いでいるので、二人とも行こう」

「「はい」です!」

「お待ちください!」

 シャーロンさんは俺の裾をひっぱり引き止める。

「すみません本当に急いでいるんです離してください」

「お姉さま……ゴメスさんに何かあったんですね?」

 そういえば彼女は元々サラさんのパーティーメンバーだった。ならば伝えた方がいいだろう。

「すまない、サラさんは小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)に乗り込んでいった」

「な、なんで」

「捕らえられたリーダーを、殺し、救いにいったんだ」

 俺がそう言うとシャーロンさんは一瞬動揺し唇をかみしめる。

「……わかりましたならば私もお供します」

「いや、しかし……」

「ゴメスお姉さまは私の師匠です。その方を見捨てることはできません」

「分かった。シャーロンさんサラさんを助けるのを手伝ってください」

 俺がそう言うとシャーロンさんはコクンとうなずいた。

小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)の場所はお分かりですか?」

「ホムルス渓谷にあると聞いています」

「それでは入れません。小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)は巫女様により封印されているので」

 シャーロンさんは歩きながらその封印のことを説明してくれた。

 ゴブリンは5種の進化する魔物の一種なのだと言う。だからゴブリンの集落は大きくなる前に潰さなければならない。

 ゴブリンは人々の邪念を食べ生まれる。人間を食するときにいたぶりながら食べるのは少しでも邪念を太らせるためだと言う。もちろん子供を産めなくなった孕女も邪念をたらふく貯めたごちそうだそうなのだ。

 そしてゴブリンは進化してゴブリンキングになる。

 ゴブリンキングは五悪徳(バイス)のひとつを内包している。


 怠惰:?

 貪欲:ゴブリン

 欺瞞(ぎまん):デーモン

 邪婬:オーク

 怨念:アンデット


 五悪の王はそれぞれ自分の持つ五悪に対応した能力を持つと言う。

 そして、五悪の王が発生するとS級冒険者でも勝てないほどの力を有する。だから王に進化してしまったゴブリンが率いる集落は、発見したら封印するしか手がないのだと言う。そしてその封印を行っているのが王都にいる巫女様が担っている。

 この封印は人間だけはどこからでも出ることができる。ただし入るときは一ヶ所だけからしか入ることができない。その入り口は王国兵士が警備しており一般人では入ることが許されない。

 だが人間の血を持つレッサーゴブリンだけはどこからでも封印を出ることができる。だからサバラの町の周辺フィールドにはレッサーゴブリンが大量にいるのだと言う。


 現在、世界に3つの悪徳の王国(バイスキングダム)が存在する。

 この悪徳の王国(バイスキングダム)が五国誕生すると世界は滅ぶのだと言う。

 だから討伐に失敗して悪徳の王国(バイスキングダム)を誕生させてしまった”太陽の華(フラワー)”は糾弾し責められた。当時A級だったシャーロンさん達二人を庇うようにS級のサラさんは非難を一人で受けたのだと言う。自分の失策だったとA級の二人は関係ないと。

「なぜそれを俺に言うんです?」

「あなたなら、お姉さまを助けてくれる気がして……」

「助けますよ、大切な家族ですから」

「家族?」

 俺たちは指輪をシャーロンさんに見せた。そしてまだ渡していない指輪も。

「これをサラさんの指につけて生きて連れて帰るんですよ」

「私も欲しいものですね」

 シャーロンさんはうつむきながらそう言うが、そんなに高いものでも特殊能力がついているわけでもないのに、なんで欲しいんだろ?と俺は訝しんだ。

 まあ、王都ではこういうシンプルなのが流行りなのかもな。


 少し小走りで歩いているのだがクニャラの息が荒い。よくよく考えれば俺たちにはや歩きはクニャラにとってのランニングレベルなのだろう。

 俺はクニャラを抱き上げると背中に背負った。

「なんです!?」

「きついんだろ俺の背中にのってろ」

「クニャラだけ特別は許されないのです」

「クニャラは俺たちの重要な攻撃手段だ。体力を温存してもらわなければ困る。俺たちの生存率が変わるんだ特別扱いじゃない」

「わ、分かったです」

 クニャラはそう言うとペタりと俺の背中にすべてを預けるようにもたれ掛かる。かなり疲れたのだろうもっと早く気がつくべきだった。俺は体力回復薬をクニャラに渡し飲ませた。それでもペタりと俺の背中にもたれ掛かるあたりちゃんと体力温存を考え出したようだ。


「しかし二人の武器や防具はなんですか。見たこともない形ですね」

 シャーロンさんはクニャラの持つ杖に手を伸ばし触れる。どう見ても魔法使いではないシャーロンさんが情報を読み解くことはできないと思っていたのだが、その認識は甘く杖の情報を読み解かれた。

「な、なんですかこの杖は!」

「ケンタが作ったです。天才なのです」

 珍しくクニャラが俺を誉める、おじいちゃん孫に誉められてもう思い残すこと無いよ……。あれ、これ死亡フラグじゃね?


「ケンタさん、もしかして王都で剣を売りませんでした?」

「あ、はい。一本のブロードソードを売りましたね」

「あなたですか……」

「何かあったんですか?」

「ケンタさんあなた指名手配されてます」

「え? なんでケンタさんが!?」

 俺が指名手配されていると言うことに二人が驚く。もちろん犯罪者としてではなく重要人物として拘束するための指名手配だそうだ。

 あの売り払った剣はその後、国に売られて国宝となったのだと言う。当然制作者を探すべく、これを売った俺が指名手配されたのだと言う。あの剣はあまりに強く、他国にその製作方法が回るのは不味いと言う判断からだそうなのだが。

 ただ、俺の指名手配の顔が全然違う顔なので、今まで気がつかなかったと言う。

「そんなに違うんですか?」

「金髪で鼻が高くて、いけすかない感じの顔ですよ」

 そしてシャーロンさんは俺の顔を見てクスッと笑う。すみませんねおっさん顔で申し訳ないですね。でもこれでも現実世界ではフツメンなんですよ。フツメンなだけに仏面なんです。知ってますよ自分でフツメンだと言うやつは大体不細工だと言うことに。だがあえて言わせてもらおうフツメンであると。


 しかしなんで金髪で鼻が高いんだ? 黒髪で低い鼻の日本人だぞ俺。おっさんだぞ。もしかしたらあの店の人たちがわざと違う顔を言ってくれたのかもしれないな。客を売るような店じゃなかったと言うことか。


 シャーロンさんの案内でホムルス渓谷にたどり着くと洞窟へと案内された。この洞窟だけが唯一の小鬼軍団の王国(ゴブリンキングダム)への入り口なのだそうだ。

 入り口は狭いが中は普通に立って歩くことができ整備されていた。壁には光苔が繁殖しており松明がなくても明るかった。

 奥の方まで明るく良く見ると兵士が数人倒れていた。

俺たちが駆け寄ると意識を取り戻した。

「誰にやられたのです」

 シャーロンさんが兵士達に聞くと、すまなそうに答える。

「ゴメスだ、ゴメスが俺たちを倒して中に入ってしまった」

 決定だサラさんはこの先にいる。仲間を地獄から救うために。

「よし三人とも最終確認だ。中に入ったら生きて帰れないかもしれない。それでもいくか?」

「あたり前なのです」

「当然です、ゴメスさんを怒らないと気がすみません」

「お姉さまを死なすわけにはいきません」

 俺は手を前にだし皆に手を乗せるように促した。皆が手を乗せると俺はその上に自分の手を乗せギュッと力を込める。

「分かった。俺も死力を尽くす。皆で生きてサバラの家に帰ろう」

「「「ハイ」」です」


 俺たちはサラさんを救うべく結界の中へと足を踏み入れた。



読(作)「うむ、シリアスもいいじゃないか(自演)」

作   「そうでしょう。自信作なんですよ」

読(作)「これならブクマがアホみたいに入るだろうな~(確信)」

作   「ランキングも夢じゃないですよ」

読(作)「むしろこれ書籍化レベルですよ! 出版したら絶対買いますよ」チラッチラッ


読   「…………」ポチッ(ブクマが解除される音)


作   「王様の耳はロバの耳ぃぃぃぃぃ!!(現実逃避)」orz


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