様々な業種で募集のあるCADオペレーターとは具体的にどのような仕事なのでしょうか。今回はCADオペレーターになる方法や注意すべき点などを紹介していきます。
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CADオペレーターとはどんな仕事?
CADオペレーターとはそもそもどのような仕事なのでしょうか。仕事内容やどんな分野で実際に活躍できるかを調べてみました。
専用のCADソフトを用いて、3Dモデルや製品制作に必要なデータを作成する
CADオペレーターの仕事は3Dモデリングや図面作成を行なうCADというソフトを扱う仕事です。CADと言ってもその種類はいくつもありますが、作業内容は概ね一緒です。
基本的にパソコン作業で、細かい打ち合わせや業務指示に基づいて指示された通りのデータを作成します。作成したデータは製品を製造するマシンに直接取り組むことができるほか、資料として保存しやすいため、多くの企業で導入されています。
CAD設計士は安全性や環境性についての配慮も求められます。建築や土木の分野なら建築法、機械分野なら機械工学や機械材料というように、幅広い学びが必要です。
活躍できる業界は工業を中心に玩具やアパレルなど幅広い
CADが活用されている業界は工業や土木、建設業界、玩具、アパレルなどがあり、幅広い業界で働くきっかけになります。身近な部分で言えば、自動車の部品や家の建築、プラモデルやプラスチック製品といったものが挙げられます。
CADシステムを用いることで、複雑なデザインや構造をパソコンの画面で詳細に確認することができるため、製造現場のほかデザイナーの打ち合わせ現場などでも重宝されています。
平均年収は300万円から400万円が相場で、3Dプリンターの普及も追い風となっている
CADオペレーターの平均年収は300~400万円ほどだといわれています。
さらにCADデータが使える3Dプリンターの普及によって、大きな製造ラインを持たない企業でもCADを扱える人材を募集されるようになったことから、CADオペレーターの活躍の場が広がっているとも言えます。
CADオペレーターになるにはどうすればいいの?
CADオペレーターになるためには専門学校やスクールで勉強方法と、未経験で転職してから研修を受けて技術を習得するかの2つになります。
転職を考えている方にとっては、時間とコストがかかる専門学校はハードルが高いため、まずは未経験でもしっかりと研修をしてもらえる求人を探すほうがよいでしょう。
専門学校やスクールで学び、就職先を探す
CADオペレーターを目指す人向けの専修学校やスクールも数多くあるため、学びやすい環境です。
ただし問題も。しっかり基礎知識を学べ、卒業や修了後に就職先の案内をしてもらえることが多いですが、時間とコストがかかるため、働きながら通うのは難しいかもしれません。
未経験でも転職できる求人案件は多い
CADオペレーターの仕事は社内で独自の研修制度などを設けて、未経験からでも働けるようになる仕組みを持つ企業もたくさんあります。
というのも、CADの使用は考え方と操作方法さえ身につければ誰にでもできるようになるので、研修制度を整えやすいことが理由です。
こうした求人は意欲やパソコン操作自体の慣れを問われることが多いため、アピールポイントを考える際に覚えておいてください。
CADオペレーターに必要なスキルや資格は?
CADオペレーターに必要な関連資格を紹介します。CADオペレーターの年収はそれほど高くないですが、紹介するような資格を持っておくことで能力アップ、つまりは年収アップにも繋がります。
CAD利用技術者試験
基本的なCAD利用の技術を習得していることを証明できるCAD利用技術者試験は人気の資格です。受験者の合格率は3次元CAD関連になると半分以下になるため、実務経験者でないと厳しいかもしれませんが、2次元であれば6割弱と若干難易度が下がります。
ちなみに、3次元CAD利用技術者試験の準1級・1級については、2級合格者であることが受験資格のひとつとして設けられています。
無料で使えるCADもありますので、CADオペレーターを目指す人は勉強してみましょう。さらにこの資格を持っているとCADを使用する企業では、資格手当が用意されていることが多いです。
機械設計技術者試験
CADの操作とは直接関係ありませんが、機械の設計や構造、材質などに関する知識を試される機械設計技術者試験は工業系を目指す人にはおすすめの資格試験です。
この資格が生きてくるのは製品のデザインや試作品が出来上がったときに3Dモデリングをする場面です。
ただ言われたままにモデリングするのは簡単ですが、この資格を持っていれば構造的に無理な箇所が分かるようになり、そうしたチェックのできる3Dオペレーターとして活躍できます。
機械設計に携わる現場ではこちらも資格取得しておけば、手当の対象になる可能性があります。
建築CAD検定
建築CAD検定は土木関係の業種に転職する際に有利に働きます。CAD利用技術者試験と同様にこちらの検定も合格して資格を持っていると、手当が付くことが多いため、土木建築関係の業種に就く方は勉強しておいて損はないでしょう。
CADオペレーターなるために注意すべきこと
CADオペレーターになるために覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。具体的には仕事の将来性が不安なこと、年収が上がりにくく、高齢になると働きにくいこと、思い描いていた仕事でない可能性があることです。それぞれ紹介していきます。
仕事の将来性が不安
現在はCADオペレーターという職業が成り立っていますが、これから先技術の進歩で消えてしまう可能性があります。
その理由は3つ。1つは外国で安い賃金で働くCADオペレーターが増えてきているため、日本国内のCADオペレーターの年収が落ちる、もしくは無くなるかもしれません。
2つ目はソフトがExcelやWordのような感覚で誰にでも使えるものになり、CADオペレーターという職業が特別でなくなる可能性があります。
3つ目はロボットやAIが進歩し、人間がわざわざCADを使わなくてもイメージしたものが簡単にできてしまう時代になることが懸念されています。
これらの要因から将来的に安泰とは言えず、CADオペレーターをしながら別の分野で活躍できる知識を蓄える必要があります。
年収が上がりにくく、高齢になると働きにくい
CADオペレーターの年収は経験年数とともに上がる傾向にありますが、一定以上は上がりにくいとされています。
年齢を重ねた人材に高い年収を払うより、若い人材を安く大量に投入したほうが単純な効率が上がり、人材育成にも繋がるため、高齢になるとCADオペレーターだけで働いていくことは難しくなります。
思い描いていた仕事でない可能性がある
CADオペレーターの仕事はデザイナーや上流工程で決められたものをモデリングすることが主な業務なので、自分で何か生み出せるような仕事ではありません。
例えばCADオペレーターになって、自動車メーカーに務めて自分の好きな車を作ってみたいと思っても、デザインを決めるのはデザイナーであり、中身を決めるのは設計者です。
CADオペレーターの仕事は言われたものをモデリングし、図面を書くだけというのが現実です。こうしたイメージと実作業のギャップから、退職を考える人も少なくありません。
まとめ
CADオペレーターは幅広い業界で未経験でも活躍できる職業ですが、キャリアプランや仕事内容を見てみると長く続けられるか不安にもなります。
ただし、こうした不安は漠然と業務に取り組んでいると起こり得ることで、日々の業務の中で知識や技術吸収して成長していけば、自ずと「言われたことをするだけのCADオペレーター」から、「自分で考えて改善提案のできるCADオペレーター」になることで、企業にとってなくてはならない人材になれます。
こうしたことを考えると、長く務められる企業や様々な経験が積める職場で働きたいですよね。そんな方は転職に関する様々な相談ができる転職エージェントを利用してみましょう。