やりたいことがわからない就活生に35才になった僕が伝えたい12のこと
・「やりたいことは?」という質問自体おかしいこと
・「やりたいこと」の正体
・「やりたいこと」は誰でも持っていること
・「やりたいことは?」に答えられるようになる方法
「やりたいことはなに?」と聞かれてもわかるわけないです。だって、質問してくる世の中の大人たちの聞き方に問題があるんだから。
それなのに、うまく答えられなかったら、自分がダメなんじゃないかと追い込まれてしまいます。
その理由も明確にして行きます。あなたはそのままで大丈夫です。
この記事であなたのモヤモヤをぜひ解消してください。そして少しでも肩の力がすっと抜けて、あなた自身は何も間違っていないんだ、と心から思える、そのお手伝いができれば幸いです。
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1. やりたいことがわからない本当の原因
「やりたいことがわからない」となってしまう最大の原因、それは、「やりたいことはなに?」という質問がおかしいからです。
いきなり、「将来やりたいことはなに?」と聞かれると、「どんな職業に就きたい?」と聞かれている感覚になります。
けど、どんな仕事があるかもわからないのに答えられるわけがありません。
だから安心してください。
みんな「やりたいこと」の本当の意味をわかっていないだけです。意味がわかれば、本当に自分が心からやりたいことを、みんなが思い出すことができます。
偉そうに言ってますが、僕がこれに気づいたのは、去年の年末(17年12月)の話です。
なぜ気づけたのか?
それは、30歳で起業してから6年、冗談抜きで日本で一番学生と接してきたからだと思います。
ひたすら学生と接し、ほぼ全ての学生から「やりたいことわかりません、どうしたらいいですか?」という悩みを聞き続けてきました。
悩みを聞く以上何とかしたい、解決してあげなければ僕はニセモノだと思い、考え続けるわけです。結果、去年の12月、やっと気づくことができました。
35年生きてきたなかで最大の発見だったと思っています。
だからこそ、今から伝えることは「就活中だから」とか「社会人だから」とか関係なく、頭に入れておいてほしい、とそう思っています。
2. 「やりたいこと」には2つある
そもそも世間一般でいう「やりたいこと」と、あなたが求めている「本当にやりたいこと」の意味はまったく違います。
あなたが求めている「本当にやりたいこと」とは、自分の理想とする生き方やあり方のことです。つまり、人生を通して成し遂げたい目的やゴール、ミッション、志です。
世間一般でいう「やりたいこと」は、自分の理想とする「生き方やあり方」を実現するための具体的な手段・方法としてのことです。
ほとんどの人は「やりたいこと」と聞かれた時、後者の、具体的な手段や方法を回答しなければいけないと思い込んでいます。
だけど、あなたの心を奮い立たせ、どんな困難でも乗り越えられるぐらいの情熱を引き出すのは、前者です。
ここは非常に大事なところです。必ず頭に入れておいてください。
3. 手段・方法は無数に存在する
そもそも、理想とする生き方やあり方を実現するための手段・方法はいくらでもあります。
組み合わせのパターンまで考えたら、もう無限にあるわけです。
少し想像してみてください。
「自分と関わる人を笑顔にしたい!」と心から思っている人が3人いたとします。
3人は、そのための方法として、次のように言っています。
飲食店を開いて、美味しいコーヒーを提供することで自分と関わる人を笑顔にするんです!
スポーツを通じて自分と関わる人に勇気や元気を与えて、笑顔にしたいんです!
技術の力を通じて、世の中にまだないサービスを生み出して、関わる人を笑顔にしたいんです!
どれが正解でしょうか?
そうなんです!これは、どれも正解ですし、どれも間違っていないんです。
そもそも、関わる人を笑顔にしたいとして、どのような手段・方法で、それを実現するのかは、その人の選択ですし、自由です。
4. 最善の手段・方法は常に変わる
今から伝えることを少し想像してみてください。
何かと言うと「移動手段」です。
移動手段は世の中色々ありますよね。例えば「歩く」、「自転車」、「車」、「電車」、「飛行機」があったとして、次のように質問されたら、どう答えますか?
と質問されたとしたら、どう答えられるか考えてみてほしいのです。
そうなんです。
これ、答えようがない質問なんです。そりゃそうですよね。目的地も前提条件も何もないですから、そもそも選びようがありません。
ですが、そう伝えたにもかかわらず、例えば「飛行機」とか「電車」と答える人が中にいます。
この人たちはなぜこの質問に答えられたのか、というと、少し理解力が低いか、もしくは勝手に目的、前提条件を決めた人たちだと僕は考えます。
ただ、今回の質問は、何も前提条件が決まってない訳ですから、選べるわけありません。
また、もし「同じマンションに住む、隣の部屋のおばちゃんに回覧板を届ける」というのが前提条件になった場合、どうでしょうか。
それでも「飛行機」「電車」は、優れた手段でしょうか。
どう考えてもそうなるわけがないですよね。隣の部屋の住人に回覧板を届けるだけです。笑っちゃうかもしれませんが、飛行機になるわけがありません。
何が言いたいのか。
移動手段において、一般的に「歩く」のはスピードが一番遅くて、「飛行機」が一番早いと言われているかもしれませんが、そんな一般論はどーーーでもいいですよって話です。
要は「目的が変われば、その目的達成のために必要な最善の手段・方法は常に変わる」ということなんです。
伝わっているでしょうか。非常に大切なことを伝えています。
5. 目的を明確にすることが大事
僕は普段学生、特に就活生と接することが非常に多いのですが、彼らに伝えているのは、決して「大手に行くな」、「ベンチャーがいいぞ」、「就活するな」ということではありません。
たとえば、「どの業種が自分に合うのか?」とか「面接の対策教えてください」という相談もよくあるのですが、そういった話うんぬんの前に、そもそも一番大事なことがあるはずなんです。
僕が普段一番大切にしていること、それは「あなたにとっての目的=生き方・あり方を明確にしているのか」ということです。
6. 他人のアドバイスを気にする必要はない
何より、世の中誰一人として同じ人間は存在していません。
この当たり前も「やりたいこと」という言葉の解釈同様、あなた自身や同世代の仲間、周りの大人達からスコーーーンと抜け落ちているのかな、と思います。
だから、例えばですが「お前、この大学卒業するのに、なんでそんな立ち上がったばっかの会社行くわけ?」とか「大手企業に行ったほうがよくない?」とか「今転職して大丈夫なの?」とか言われたとしても、それはそれを語っている人自身の価値観を押し付けているだけです。
その人自身が理想とする生き方・あり方があって、その基準から考えたときの発言でしかありません。
それを否定する必要はありませんが、それがそのままあなたにハマることは、まずありません。
仮に、僕が相手の話を聞かずに一方的に「大手に行かずにベンチャーに行って起業したほうがいいよ」と伝えたとします。
ですが、それは僕の価値観の押し付けでしかない、ということです。
僕は僕ですし、あなたはあなたです。
世の中に同じ人間は存在しない訳ですから、あなたの目的=”生き方・あり方”はあなたにしか決めることはできません。
7. 目的がなければ何も選べない
目的がなければ、さきほどの移動手段同様、最善の手段・方法なんて選びようがありません。
「大手がいいのか、ベンチャーがいいのか」「転職するほうがいいのか、しないほうがいいのか」それは、あなたの目的によって変わります。
そもそもたった5つの手段・方法ですら、目的や前提条件、ゴールが決まってなければ選べない訳です。
たった5つでも、です。
これが、企業選択や職業選択になった場合、どれだけの選択肢があると思いますか。
大手ナビ媒体のリクナビ・マイナビの掲載社数はこの1,2年で、1.5〜2倍以上の伸びで、リクナビ単体で約3万社、就職サイトの述べ掲載社数でいうと6万社を超えています(HR NOTE 2019年度新卒採用サイト徹底比較)。
転職の場合は、リクルートエージェントが公開求人数10,000件・非公開求人で100,000件、DODAは公開求人数20,000件・非公開求人で80,000件となっています(日本最大級の転職比較サイト 転職ファインダー)。
数万通りの選択肢の中から、最善の手段・方法を選ぶわけです。それが就活や転職する、ということですから、いよいよ最終的なゴール、つまりあなた自身の”生き方やあり方”が明確になってないと選びようがありません。
いきなり業界や業種、企業を選ぼうとしてるからわけがわからなくなってるだけです。
- なんのための就活なの?
- なんのための転職なの?
- なぜ働くの?
- これから先どうしていくの?
- 何を実現したいの?
なんだっていいですが、あなたなりの解を持ってますか?ということなんです。それがない。つまり目的がないのに、手段・方法は選びようがありません。それが数万通りあれば尚更です。
「この先の進路決められません」「自分に合ってるか自信がありません」
これは、もう起こるべくして起きています。別になんて事ありません。手段・方法にとらわれて、目的を見失ってるだけです。
とはいえ、目的が大事なのは、今更伝える必要もなく、誰もがわかっているはずです。
ですがなぜ、この大切なことが抜け落ちてしまっているのでしょうか。
やりたいことがわからなくなっている理由もここにあると思っているので、それをお伝えします。
8. 本当にやりたいことを見失った理由
突然ですが、みなさん、自分の小さい頃、過去に戻って思い出して欲しいことがあります。
「将来どうなりたいの?」
どうでしょうか。物心ついた4,5歳の頃、周りの大人(両親や幼稚園の先生など)にこんな質問をよくされませんでしたか?
もしくは、周りでこのような会話をよく耳にしませんでしたか?
これだけだとちょっとわかりづらいかもしれないないので、この言葉に込められた意味をもう少しわかりやすく解説します。
「将来、どういう職業に就きたいの?」
実は「将来どうなりたいの?」という言葉に込められた本当の意味とは、これとイコールなのではないでしょうか。
誰もが目的が大切だとわかっている。
それにもかかわらず、手段・方法ばかりにとらわれてしまう人が未だに多く存在するのは、なぜか?というと、もうこれしかないと思います。
つまり、4,5歳の頃から「目的」よりも「手段・方法」で考えさせる思考が、周りの会話やメディアを通じてずっと蔓延してる訳です。言い方を選ばずにいうのであれば、早く職業決めなさい、という洗脳が物心ついた頃からスタートしてる、ともいえます。
みなさんこう説明されたら「確かに…」と思うかもしれませんが、言われなければなかなか気づけなかったのではないでしょうか。
9. 大学進学・就活・転職も全ては手段
本来、大学に進むかどうか、就職するかどうか、転職するかどうか、それからそれにまつわる企業選択や職業選択、進路選択も、最終的に成し遂げたいことを実現するために存在する、一つの手段・方法でしかありません。
なのに、「それを決めることこそが全て」みたいな会話をどんどん周りがして来る訳です。
だから、僕は苦しかったんだと、今ははっきりそうわかりました。みんなもそうなんじゃないかな、と思います。
どういうことかというと、小さい頃から、手段・方法が明確になってる人を周りは賞賛するわけです。
例えば、イチロー選手とかホンダ選手の作文とかなんてすごくわかりやすい例だと思います。
小学校・中学校時代に、将来の夢を発表させる機会って、地域や年代問わずあったと思うのですが、その機会を思い出して欲しい訳です。
具体的に「野球選手になりたい!」「歌手になりたい!」「美容師になりたい」とかって語れる人をみんなすごく褒めますよね?
いや、褒めるのはいいんです。実際そのために努力して、それを実現させる人もいるわけですから。
でも、僕なんかはすごく居心地が悪かったんですね。
当時、どんな風に感じてたか、というと
「何であいつは同い年なのに、もう”やりたいこと”見つかってるんだろう…」「俺はまだ何もないのに…」「どうしよう…俺ってこのまま終わっちゃうのかな、何も見つからないのかな、大丈夫かな」
なんて思ってました。
こういった周りとの比較がいつまで続くか、というと20代後半まで続いていたと思います。これでも結構早くに抜け出せたのかな、と今になって思いますが、当時を思い出すと、本当に苦しかったです。
極端な話「生きてる意味あるのかな?」とか「なんのために存在してるんだろう…」とか、もう色々考える訳です。
何より、具体的に夢を語れる人、そのために行動してる人、努力できてる人が羨ましくて仕方なかった。本当に。
なぜなら、すごく眩しかったから。
その結果、また自己嫌悪ですよね。すごくキラキラしてる人が同い年でいるのに、俺なんて…と。
ただ、今になって当時を思い出すと、確かに周りが羨ましくて仕方なかったし、どうしていいかわからなかった時代はあったんだけど、とはいえ、生き方やあり方としてのやりたいことはあったし、それって今も変わってなかったんだな、と思うようになりました。
10. 生き方・あり方は今も昔も大して変わらない
確かに僕は随分長い間、手段・方法は明確じゃありませんでした。
ですが「モテたい!」「目立ちたい!」「人気者でいたい!」「特別でありたい」みたいな欲求、つまり、自分がどうありたいかは、そんな風に迷ってた時、さまよってた時、自己嫌悪に陥ってた時も持ってたんだ、と今ははっきりわかります。
でも当時はそれに蓋をしてました。忘れてました。ちゃんとその気持ちと向き合えませんでした。なぜなのか。
みなさんと同じです。
手段・方法としての「やりたいこと」を持ってる人が賞賛されたし、それがなければダメだ…と周りからそう思わされていたし、自分自身もそれがなければ意味がない、人として劣っている、と思っていたからです。
“生き方やあり方”としての「やりたいこと」はあった。でもそれがわからなかった。
みなさんが今苦しいのも、漠然とした不安やモヤモヤを抱えてしまうのも、この「手段」としてのやりたいことに追われてるからだと思います。
なんども繰り返しになりますが「就活するな!」「大手に行くな!」「転職するな!」じゃありません。
そうじゃなく、目的から考えなければ、あなたにとっての最善の方法は見つけられないし、そもそも就活も、企業選択も、職業選択も、転職も、その先の結婚なども、全て目的ではなく、手段です。
ここを間違えないようにしてください。手段はそもそも目的達成のために存在します。つまり目的がなければ、手段は選びようがありません。
何より、手段・方法は世の中無数に存在します。組み合わせまで考えれば無限に存在すると思います。
無数に存在する手段・方法の中で、最善を選ぶための方法は唯一「あなたの目的=”生き方・あり方”」を明確にすることだけです。
11. 生き方・あり方、それすらわからなくなった人へ
ここまでの話をすると、案外みんな「やりたいこと」持ってたわ、と気づきだします。
- 価値観が変わるような新しいワクワクを生みだす。
- 人と比較しないで生きていく人を増やす。
- 自分自身が本当に選択したいと思った選択をし結果を残すことができる社会を作る。
- 世界を舞台に勝負する。
- 途上国と日本を繋ぐ架け橋になる。すべての人が自分のルーツを愛せる世界にする。
- お客様一人一人に寄り添い最適なものを提案し、幸せになってもらう。
- 幸せな小金持ちになる。お金のことは忘れて、瞬間瞬間を自分の意思で過ごす。
- 繋がりを生み出し、そのつながりによって笑顔になる人を増やす。
- 毎日の生活や、人生の節目において、人がより多くの選択肢を得られるような社会づくり(=情報、機会格差の無い社会)に貢献したい。
- 中学生でドロップアウトしても食べていけるような多様なワークスタイルを生み出す。
- 1人1人が個性を爆発して生きられる社会を作る。
- 自分の弱い所やネガティブな所と向き合っている人の力になる。周りの人の可能性を引き出す。その人の杭を伸ばしながら、自分自身の杭も伸ばす。多様性が認められる社会を作る。そのためにつながりをアップデートする。
- 新たな流行やムーブメントを起こし、更に便利な、更に楽しい世の中にする。
- 他者の夢を応援、支援する。
これは18年4月ー5月までの2ヶ月間で直接あってきた学生の生き方やあり方としてのやりたいことの一部です。
自分はこれを聞いたり、見た時にどう思ったか、というと、みんなちゃんと自分の生き方やあり方持ってるじゃん!と思いました。
「やりたいこと」がなかった訳でも、わからなかった訳でもなく、変わらずずっと持ってたんだね、と。捉え方を間違っていただけで、その結果として、自分の思いに蓋をしていただけで、あったんだね、とそう思いました。
それから、こちらはどうでしょうか。
「なにキレイゴト言っちゃってるの?」と思うかもしれませんが、これらは全て、実在する企業の経営理念やビジョンです。
正直、これだけ見ても、「どの会社か?どの業界か?どんな事業をやっているのか?」分からないと思います。(クリックしてみると、どの企業かわかります)。
何が言いたいのか?
本来、生き方やあり方、目指す姿や想い(志やミッション)は、法人であろうが、個人であろうが抽象的かつシンプルだということです。
同時に、これくらい綺麗事でいいじゃないですかって僕は思います。なんなら、世の中を進歩させてきたのは、こういったバカみたいな綺麗事だったのかなって。
「大好きな人と毎日会えないなら、せめて声だけでも毎日聞きたい!話ししたい!」
そしたら、電話できちゃった、みたいなことなのかな、と。
世の中に存在しているあらゆるものが「それがあったほうがよくね?便利じゃね?」という目的から考えた結果、その手段にたどり着いた、と考えるほうが自然です。
最初から手段で考え、今に至ったものはないのかな、とそう思います。
12. 難しく考えない
「カッコいいお父さんになりたい」
なればいいじゃないですかって話です。そのために必要なのは、あなたにとって「カッコいいお父さんがどんなお父さんか決めてますか?」という話です。
「とにかく稼いでるお父さんがカッコいいお父さん」だとするなら、稼ぐための方法を考えればいい訳です。それを本気で実現させたいとなった時に、転職してキャリアアップすることで給与をアップさせることがカッコいいお父さんになるための最善だ!と思えば、転職という手段を選択すればいい訳です。
そうじゃなくて「嘘をつかず、誠実でいる、常に笑顔を絶やさないのがカッコいいお父さん」だ、と思っているとするなら、システムエンジニアだろうが、営業職だろうが、今転職活動中で無職だろうが、嘘をつかず、誠実で、笑顔を絶やさなければいい訳です。
そのために、「ありがとう!」と声に出して自分から伝えることが必要だ!と思えば、その方法を常に実行すればいいわけです。コンビニの店員さんはちょっと自分より下だからこの人には言わない。上司には言おう。これはカッコよくないですよね。
自分にとってのカッコよさってなんなの?というのを決めちゃえば、そしてそのために必要な行動も自分で決めてしまえば、どんな職業についていようが、無職だろうが関係ありません。それを実行し続ければ、自分の思い描く通りの生き方は実現させることができます。
つまり、極端な話、職業や役職、自分の立場、肩書きは、はっきりいってあまり関係ありません。難しく考えないでください。
今まで「手段・方法」を決めることこそが全て、と物心つく頃から、そう教わってきたために、つい難しく考えがちですが、本来そう難しい話ではないはずです。
さいごに
どうでしたでしょうか。
「やりたいこと」が何か、その正体が明確になったでしょうか。冒頭に伝えていた通り「なんだ、そんなことかよ」と思われた方もきっと多かったと思います。
ですが、結構この当たり前抜け落ちてますよ。
その原因になってるのが「やりたいこと」に対する解釈の違いです。これが物事を複雑にさせ、難しくしています。そして、僕らが普段何気なく使っている言葉もそれを増長させ、そう思い込ませます。
それが「将来どうなりたいの?」という会話です。
ちなみに、この記事で伝えた内容を就活生向けに講義として行ったところ、ある学生からこんな質問をもらいました。
「ヒデさん、物心ついた時から、将来どうなりたいの?という会話を通じて、洗脳が始まって、やりたいことがわからくなってるなら、もう社会構造上の問題だし、変えようがなくないですか?」と。
これはつい半年くらい前の会話なのですが、正直な話、その時「ビクッ」としちゃったんですね。
なぜなら、僕の中では「やりたいこと」の正体を解き明かしたこと、そして解釈の違いを明確に理解することで解決できるのではないか、と考えられるようになり、そこで満足していたので、そもそもその問題をどう解消させるか?という根本的なところまで頭が回っていなかったからです。
なので、そこからまたずっと考えました。そしたらわかりました。
「将来どうなりたいの?」
という会話ではなく
「どんな瞬間に楽しいと感じるの?」「どんな瞬間に嬉しくなるの?」
こういう会話ができる人が世の中に溢れれば、少なくても手段・方法としての「やりたいこと」がわからなくなる、という状況は随分減るんじゃないかな、と思います。
実際に「どんな瞬間に楽しいと感じるの」という質問を僕の甥にしてみました。
そうしたら「お母さんが楽しそうにしてる時」と返ってきました。それに対してまた聞きました。
「なんでお母さんが楽しそうにしてたら楽しいの?」すると次は「お母さんが笑ってるから」と返ってきました。なので、それに対して、このように質問しました。
「そっか、お母さんが笑ってると楽しくなるんだね。それならさ、お母さんを今よりもっと笑顔にするためにどんなことができるかな?それができたらもっと楽しくなるよね!」そうしたらこう返ってきました。
「ピアノの練習もっと頑張る!」「あ!それからお風呂掃除もする!」
わかるでしょうか。
お母さんを笑顔にするための方法に何が正解か、なんてありません。どの方法だって、それが笑顔になることだ、と思えば全部正解なんです。
このような問いかけができる人が溢れれば、手段・方法に固執する必要なんてないんだ。大事なのは、目的なんだ、と気づくことができるのではないでしょうか。
「やりたいこと」がイコール、手段・方法と考えている人は、手段・方法がありすぎてわからなくなっていたり、その手段・方法を知らずに「やりたいこと」がわからない、となってるケースが多いのですが、目的さえ定まれば、どれだけ手段・方法が無数にあろうが、あなたにとっての最善の手段・方法は随分選びやすくなるはずです。
まずは、あなた自身がどうありたいのか。目的から考えること、これを忘れないでください。
拙い言葉でしたが、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。