「スターバックスがプラスチックストローを廃止する」というニュースが話題ですね。
バーミヤンとかの「すかいらーく」グループも廃止するとか。
プラスチック製の使い捨てストローの大量消費が
海洋汚染に繋がっているのが理由らしいぞ。
うん?なんでプラスチックが海洋汚染になるのか?
それは
「プラスチックが紫外線や波の力とかで細かく分解されて除去不能なマイクロプラスチックになるから」
海漂い、環境壊すごみ マイクロプラスチック:知るコレ!:中日新聞(CHUNICHI Web)
世界中に計5兆個、重さで27万トンのプラスチックが海の中にあるらしい。
マイクロプラスチックをプランクトンが取りこむ
→小さい魚がプランクトンを食べる
→大きな魚が小さい魚を食べる
→大きな魚を人間が食べる
→人間の体に大量のマイクロプラスチック
という流れ。
う~ん。教科書のような生物濃縮。
じゃあプラスチックを今後制限するしかないわな。
世界中のプラスチック消費量うなぎのぼりだし。
(↓世界のプラスチック生産量の推移)
しかし、ここで複数の疑問が浮かぶ。
つかストローなんてちっこいものだけ規制するのか?
ペットボトルとかもっといっぱいあるじゃん。
というか燃やえばいいんじゃないの?
疑問だらけなので調べてみて、色々わかったので
以下の順で説明する。
1:そもそもなんでストローなのか?
なんでストローだけ狙い打ちなんだ??
答えはぶっちゃけ「イメージ戦略」。
ストローっていうのは語源は藁(ワラ)で
昔のビールは不純物が多くて、表面に色々浮いてたから
藁さしてチュウチュウ吸ってたわけですよ
(↓ストローでビールを吸うエジプト壁画)
で、英語に
「最後のストロー(藁)一本がラクダの背骨を折る」
(It is the last straw that breaks the camel's back.)
ということわざがあって、
意味は
一見ささいなことのように見えることも、不快なことが重なりに重なればついには我慢の限界が来るということ。
the straw that broke the camel's backの意味・使い方 - 英和辞典 Weblio辞書
欲かいてラクダに荷物を載せすぎたら、
最後のストロー(藁)一本でラクダの背骨が折れちゃった
という意味ね。
一番近い日本のことわざだと
「千里の堤もアリの穴から」
かな?
で、なんでストローだけ禁止かというと、
「このプラスチックのストロー(藁)が環境(ラクダの背骨)を壊すから使うのやめようぜ!」
という事。
つまり比喩ですよ。
「千里の堤もアリの穴から」
でいうとアリ皆殺し的な。
Ant must be dead.
つまり「スターバックス」や「すかいらーく」がストローを廃止するのは
「ことわざになぞって廃止することで環境に配慮してますアプールしたろ!!
ペットボトルとかと違って
ストローのメーカーは政治力ない小さい企業が多いからやりやすいしな!」
ということ。
Straw maker must be dead.
素晴らしき巨大企業の暴力。
ではストローを廃止したらマイクロプラスチックは減るのか?
答えは「正直あまり減らない。」
なぜなら大半は燃やすから。
2:プラスチックの最大のリサイクルは燃やす事。
ペットボトルとかプラスチック関連の話になると必ずこういう話が出る。
「日本のプラスチックのリサイクルは遅れている!欧州はもっとリサイクルが進んでいる!」
という話。
これは半分嘘で半分本当。
2014年のヨーロッパ(EU28か国+2か国)の
プラスチックのリサイクル率は29.7%。
日本のリサイクル率は26%。
あんま変わんないんですよね。
https://www.asahi-kasei.co.jp/arc/service/pdf/1019.pdf
「いやでもドイツとかだと60%超えてるぞ!法律で決まってるし!」
っていう人も必ずいるんだけど、
ドイツは純粋なリサイクル率は40%くらいで
20%はエネルギー活用として燃やしてますから。
http://www.jcpra.or.jp/Portals/0/resource/law/what/pdf/00.pdf
日本は60%エネルギーとして燃やしてるから。
ドイツ式計算だと85%リサイクルできてる計算。
ん?エネルギー活用って何?
一般的にプラスチックのリサイクルというと
「化学繊維とかに変えてネクタイとかにするよ!」
って学校とかで教わるけど、
大半は工場で燃料として燃やして活用してる。
特にセメント工場とかだと
「プラスチックの廃棄物が出す成分を炉(キルン)に張り付けて燃やしてセメントを作る」
から必需品なんですよね。
ゴミからセメントを造る、ゴミ処理場問題に光明 | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
プラスチックが炉をコーティングするから無いと熱で炉が解けちゃう。
ついにで工場は回収料も貰えるから一粒で何度も美味しい。
(これでセメントの原価を下げてる)
(↓セメント作る炉(キルン) )
こないだ中国が
「プラスチック回収やめます!」
って言ってたのはなぜかというと
ぶっちゃけ景気が減速してセメント需要が減ったから。
2012年くらいは中国が日本のプラスチックごみを爆買いしてて
日本のセメントメーカーが困ってたくらいなのになぁ。
(福岡から大量のペットボトルが上海に運ばれてた)
こんな感じで大半を中国に送ってた欧州は今、大パニック。
ストロー騒動に繋がる、というカラクリ。
燃やすと問題のマイクロプラスチックは発生しないので、とりあえず万事解決ですよ。
つまり燃やさないで埋め立てしてるやつが今回問題になってるプラスチック。
欧州と日本で埋め立てしてる奴の率はどれくらいかというと
欧州: 埋め立て30.8%
日本: 埋め立て 7%
欧州埋め立てすぎでは?
ドイツとかも統計上は埋め立てゼロなのは、中国に送ってたから。
で、その中国もプラスチック回収しなくなったしな。
どうするんでしょうかね。これ。
今必死で他の東南アジアの国に押し付けるらしいぞ!
焦点:行き場失った欧州の「廃プラ」、中国輸入停止で対応苦慮 | ロイター
つまり大半を燃やしてる日本において、ストローの使用停止は正直あまり意味がない。
3:燃やせないプラスチックが最大の問題
ここまで見てきてわかったと思うが
問題はプラスチック全体ではなく
「ゴミとして回収できず、リサイクルや燃やす事ができないプラスチック」
なので問題視されてるのは以下の通り
- 化粧品や歯磨き粉に含まれるプラスチック
- 洗濯で服から出る化学繊維の繊維くず
- ポイ捨てや埋め立てしたゴミ
化粧品や歯磨きは花王や資生堂が2016年ごろに既に対策したので問題ない。
洗濯で服から出る化学繊維の繊維くずは、
いまんとこどうしようもないので、くずが出ない繊維を開発中とか。
(下水処理場などでは処理できない)
ただ、これより圧倒的に量が多いのが
「ポイ捨てや埋め立てしたゴミ」
ポイ捨ての量は大したことないので
問題の大部分は「埋め立てしたプラスチック」
なんで埋め立てしちゃうかというと
「プラスチックを必要とする工場がこれ以上いらないから」
供給過多なんですよ。
つまり工場としては
工場「質の良いプラスチックだけ欲しいでーす」
という状態。
買い手市場。
韓国なんて自国のプラスチックごみよりも
日本のプラスチックごみのが質が高いから輸入してるしな。
おかげで韓国国内のプラスチックごみの埋め立て量がうなぎのぼりだけど。
しかも韓国は人口が半分以下なのに日本よりもプラスチックごみ出してるんだよね。
使いすぎやろ。
(↓世界のプラスチック消費量)
ちなみに日本のプラスチックごみの質はかなり高いのは
メーカーの努力もあるけど、分別がちゃんとしてるから
とも言われている。
良かったな!みんな!努力が報われたぞ!
ストロー廃止とかいう大企業のアプールに惑わされずに分別することが重要だって事ですよ。
みなさん、これからもちゃんとゴミは分別しましょう。
つか プラスチック製ストロー廃止して代用品なによ?
とか思ってたら、平野レミが回答してくれてた。