スーパーボランティア尾畠氏 東京五輪で“政治利用”の懸念
一躍時の人となった、「スーパーボランティア」こと尾畠春夫さん(78)。山口県で行方不明となっていた藤本理稀ちゃん(2)を発見して以来、英雄扱いだ。「ボランティアは人を頼ったり、物をもらったりしちゃいけない」「自己完結、自己責任」――。尾畠さんの言動が世の中から称賛されている一方で、政治利用されるのではとの懸念が出てきた。
その心配の種が、人手不足が予想される東京五輪のボランティア募集。約11万人のボランティアを集めるため、東京都は約4000万円をかけ、人気女優の広瀬すずを起用した募集動画を制作。来月下旬からテレビCMとして放送する予定だ。また、全国の大学で説明会を開いており、ボランティア活動を紹介したチラシを30万部配布するという。文科省とスポーツ庁も先月、五輪期間中の授業や試験日程を変更できる旨を全国の大学に通知し、大学生のボランティア参加を暗に働きかけている。