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日本最大級!八戸の朝市はB級グルメ&ゆるキャラで衝撃の連続だった

2017.08.08 更新

青森県の東海岸にある八戸は、太平洋の豊富な海の幸が水揚げされる全国でも有数の水産都市。そんな八戸を満喫するには、日本最大級の規模を誇る「館鼻岸壁(たてはながんぺき)朝市」がおすすめだそう。朝市と言えば野菜や果物などの農産物や、新鮮な魚介類などの水産物が並ぶイメージがありますが、なんでもこちらの朝市は少し様子が違うらしく…。地元住民以外でも楽しむことができるのか、実際に行ってきました!

▲早朝から朝市に集まる多くの人たち

全国最大規模の館鼻岸壁朝市。朝市黙認キャラ「イカドン」も登場!?

八戸では毎年3月から12月に、市内8つの場所で日の出と共に9つの朝市が開かれています。今回訪れた「館鼻岸壁朝市」は毎週日曜日に開かれ、八戸の朝市の中でも一番大きく規模は全国最大級。県内外から観光客も多く訪れ、1日に1万人以上が足を運ぶと言われています。
▲朝5時頃の館鼻漁港。早朝とは思えない車の数

場所は館鼻漁港という、普段は船舶が停泊したりする一般的な港です。アクセスは日曜朝市循環バス「ワンコインバス・いさば号」を利用すれば、八戸中心街から15分程度の距離。開催時間中は、駐車場が会場の両端2カ所に用意されています。

今回は館鼻漁港のふ頭の先、沖に近い駐車場に車を停め、そこからスタートしました。ここの朝市では、漁港の角を利用したL字型の区画全長約800mに、約300店以上がひしめき合うように出店!日の出とともに始まる朝市は9時頃に終わるので、目的のお店や気になるお店などがある場合は「館鼻岸壁朝市まっぷ」(税込100円)を購入し、あらかじめ目的のお店の場所をチェックして、効率的に回ることをおすすめします。
▲「館鼻岸壁朝市まっぷ」。人出のピークは7時頃ですが、人気のお店では、あっという間に商品が売り切れてしまうそうなので、できるだけ早い時間から繰り出すのがおすすめ

そうこうしている内に朝6時前にもかかわらず、続々と人が集まってきました。日も昇り始め、自然と気持ちも高まってきます。そんな朝市に向かう前に立ちはだかったのは、館鼻岸壁朝市の黙認キャラクターのイカドンでした。
▲イカドン。朝市の人たちの中に自然に溶け込んでいる?

カメラを向けると気さくにピースポーズ。朝市に必ずいるというわけではなく、雨の日や寒い日は苦手を理由にいないとのこと。「マスク(?)を取って」とお願いすれば、本当に取ってくれるとか。ある意味、本当に「ゆる」キャラかもしれません。

しかし、この朝市の魅力はまだまだこんなものではありませんでした。

朝市でしか食べられない、八戸ならではのB級グルメが目白押し

歩き始めてすぐ目に入ってきたのは「八戸サバめしコロッケ」。油で揚げる音が響き、朝の空腹を刺激するような香りが足を引き留めます。
▲「八戸サバめしコロッケ」(1個・税込80円)

このお店の店長で「サバコロ青年隊」の白川佑希さんは、東日本大震災をきっかけに東京から八戸に戻り、地元の食材を活かしたこの料理を生み出しました。八戸のサバは全国に数あるブランドサバの中でも脂の乗りがいいと評判が高く、そんなサバをもっと発信したいという思いからこの商品を作ったそうです。
▲白川さんがその場で丁寧に揚げていく

サバめしコロッケの中には、サバの切り身をほぐしてご飯と混ぜた、サバの混ぜご飯が入っています。揚げたてをその場でいただくことができるため、サクサクでホクホクな上、サバの旨みが口いっぱいに広がります。食べやすさもあり、何個も買っちゃいそうな美味しさです。
▲サバめしコロッケはワンハンドで食べやすい

サバめしコロッケで軽く腹ごなしをしたところで、さらに先へ進むと、テントを囲むようにできている長蛇の列。お目当ては大安食堂の「しおてば」でした。
▲早起きしないと味わえない「しおてば」(税込70円)。ハーフサイズもある

「しおてば」は手羽肉を唐揚げにした一品で、館鼻岸壁朝市を代表する人気のB級グルメ。毎週行列ができるほどの人気商品です。ジューシーな塩味の手羽肉をサクサクの衣で包んだまさに庶民の味です。

行列だけでなく、テント内に設置されたフライヤーの数も半端ない!まるで実店舗のような景観に、朝の眠気がすっかり吹き飛んでしまいました。
▲実店舗のような数のフライヤーが並び、次々と唐揚げが揚がっていく

次に紹介するのは、別の意味で強烈な目覚ましとなった「ようちゅうグミ」。
▲ようちゅうグミ。右上から時計回りに「なまこ」「おんちゃま」「カブトムシの幼虫」「さなぎ」「アゲハみどり」(税込350円~)

細部までこだわったリアルな作りが評判を呼び、国内のテレビや雑誌はもちろん、海外メディアにも取り上げられるほどの注目商品です。開発者は「赤いテントのコーヒー店」の店主・大下進さん。
▲ようちゅうグミの開発者・大下進さん。「ようちゅうグミ」の人気に応えるため、コーヒー店よりも朝市の営業をメインにしたとか

ようちゅうグミは、昆虫をテーマにしたアニメに夢中だった甥っ子のために、プレゼントとして作ったことがきっかけ。あまりにもリアルに作られたそのグミに、周囲から販売してみたら?と進言されたことが始まりでした。
▲食べることも躊躇してしまいそうな昆虫そのものの見た目!

ちなみに、見た目に反して味はまとも(笑)。カブトムシの幼虫の場合、白い部分はカルピス味、内臓部分はブルーベリー味のグミで表現しています。その他、希少な昆虫をモチーフにした数量限定の商品も…。味は自分の舌で確かめてみて!

まだまだあった!個性豊かな朝市グルメの数々

1時間ばかり散策してみたところ、次々と気になるものが目に飛び込んできました。その中でも特に気になった、朝市ならではの個性派グルメをピックアップしてお届けします。まずは「昔のばあちゃんの味」の山盛りの焼きそばです。
▲パックから溢れんばかりの山盛り焼きそば(税込300円)

ここの焼きそばはなんと詰め放題。一般的なパックに収まる範囲であれば好きなだけ詰めることができます。しかし、店の人に頼んだ方が多く詰めてもらえるとか。この量は完食できる自信はありません(苦笑)。

次に気になったのは、老舗和菓子店「なかむら製菓」が販売する「黒にんにくコーヒーようかん」。想像の斜め上をいくような組み合わせですが、実食してみると納得の美味しさ。3者が主張し合いながらも、見事にひとつにまとまっているような複雑な味わいです。このようかん、実は朝市だからこそ生まれたコラボ商品なのだとか。
▲「黒にんにくコーヒーようかん」(税込250円)

同店の女将・中村久美子さんは「朝市屋台の向かいに『田子のにんにく』を販売していた農家さんがいて、隣に移動販売式の老舗コーヒー店『香彩珈琲みな実』があったことから生まれました」と、その誕生秘話を明かします。つまり、朝市の「ご近所づきあい」から生まれたのがこの商品なのだそう。必然というか偶然というか。朝市にはそんな出会いが数多くあり、新しいコラボ商品やビジネスなども生まれているのです。
▲青森の名産「田子のニンニク」を販売する屋台

一方、朝市の出店歴30年以上の老舗「かつら工房」では、軽トラの囲炉裏で炭火焼の魚などを販売。この囲炉裏は店主が考え出したスタイルで、木炭部分の周りがターンテーブルのように回るしくみになっていて、回しながら魚の焼き加減を見たり、焼いている魚をお客さんに見せたりすることができます。
▲こんがり焼けた魚介類は垂涎の光景(時価)

「大久保商店」が販売する「せんべいの天ぷら」は、八戸の名物でもある「南部せんべい」を本当に天ぷらのように揚げたお菓子(もしかするとおかずなのかもしれません)。小麦と小麦の異色コラボは、せんべいがしっとり、衣がサクサクのよい食感。何枚でも食べられそうな美味しさです。
▲「せんべいの天ぷら」(1枚・税込50円)

7時を過ぎるとさらに人出が多くなってきました。人気の商品は次々と売り切れてしまうといった状況もちらほら。再び立ち寄ってみると「黒にんにくコーヒーようかん」は早くも売り切れていました。先ほど購入できていなかったので残念です。
▲「完売しました」と無情に告げる文字

人の多さと早朝とは思えない熱気にとにかくテンションは右肩上がり。次から次へと視覚と嗅覚を刺激するグルメ、そして話しかけると気さくに対応してくれるお店の人たちとの交流は、ここに来ないとまさに「味わう」ことのできない体験だと実感しました。

住民同士の交流で新しいことが生まれる朝市

朝市を堪能した後、館鼻岸壁朝市を運営する湊日曜朝市会の上村隆雄理事長にお話をお聞きすることができました。
▲上村隆雄理事長

館鼻岸壁朝市が始まったのは2004(平成16)年。それまでの朝市と違い、新しいことに挑戦する屋台が増えたのが、この朝市の特徴だそうです。
▲新鮮な魚を売る魚屋
▲リンゴを販売する農家

「従来の朝市と同じく、新鮮な食材を販売する八百屋や魚屋がある一方で、市内の喫茶店や飲食店が出店するケースが増えました。それらの飲食店が、多くの人たちが集まる朝市を利用して、新しい商品や取り組みをお披露目するようになったのです。先に紹介した『ようちゅうグミ』や『しおてば』はその代表商品です」(上村理事長)

人気のあまり朝市を優先して本業を閉めてしまうお店がある一方で、逆に朝市で人気が出たことをきっかけに、実店舗を持つお店も。
▲もともと移動式だったパン屋「アンジェリーナ」は、朝市をきっかけに実店舗を開業。今では八戸の人気店として地元住民に親しまれている

さらに館鼻岸壁朝市の特徴として上村理事長は、休憩スペースが点在していることを挙げました。
▲コーヒー店が多くあり、座って飲食ができる休憩スペースもたくさんあった

「休憩スペースでは朝市で買った食べ物や飲み物を座って味わえることはもちろん、地元の住民たちが集まり、さまざまな情報交換を行います。そこで生まれたアイデアや出会いから、新たなものやことが生まれているのです」(上村理事長)
▲地元アーティストによるライブも行われたりする

観光で訪れる私たちも、そんな地元の住民たちに話しかけてみると、新たな出会いが生まれるかもしれませんね。300ものお店が並ぶ活気あふれる館鼻岸壁朝市には、魅力的なお店はまだまだあります。「早起きは三文の得」といったことわざがありますが、それ以上の「得」が八戸の朝市にはありました。
くどうたける

くどうたける

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。(編集/株式会社くらしさ)

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