実家に住んでいた頃、何かの拍子にふと「生きづらいなぁ」と呟いたら、母親から
「生きやすい人間がいると思ってるの!?まさかお母さんのことそう思ってるの!?自分だけがつらいと思わないでよ!!」
と、激昂されたことがあって。
それ以来「生きづらい」という言葉は使ってはいけないものとして一度も口に出してはいないけど、今となってはやっぱり生きづらいものは生きづらいんだからしょーがない罠って思います\(^o^)/
エフ=宝泉薫さんの著書「痩せ姫 生きづらさの果てに」という本を読みました。
ひとことでいうと拒食症・摂食障害について扱った本。
といっても原因がどうだの治し方がどうだのといった内容ではなく、逆にいろいろな例を挙げながら「そういう生き方もアリなんじゃない?」と肯定してくれるようなもの。ただし書いているのはガリフェチのおじさん。
著者のエフさんはブログも書かれているんだけど、
アイスの実を1個だけ、という食事を見たときは、
感動で震えそうになった。
小鳥のようでもあり、
甘い水分主体のところは蝶のようでもある。
https://ameblo.jp/fuji507/entry-12396883746.html?frm=theme
といった感じ\(^o^)/まあわかるけれども\(^o^)/
この本、私にとってはとても琴線に触れるものでした。
というのも、出てくる女の子たちの言葉に共感が止まらない止まらない……!
まえがきにある「できるだけ死に近い場所で生きていたい」という言葉に始まり、「太るくらいなら死んだ方がマシ」とか、「私のなかにブタがいる」とか、自分は食べないけど人が食べてるのを見ると安心するとか……とにかくもうわかるわかるわかるううううう><ってなった。
私は痩せ型ではあるものの彼女たちほど痩せているわけではないし(この世界では20kg台がデフォだからね……)、普通に食事もとってるから拒食とかではないんだけど、痩せていくことの安心感やできるだけ儚く生きていたい心理みたいなものはよくわかる。似たようなことを前に書いてた。
でもそんなのってどうせ人には理解されないし……ってずっと思ってきたから、自分と同じ感覚の人がたくさんいるんだってことを知れただけで、なんだかとても救われた気持ちになった(´・ω・`)♡
拒食症になるきっかけはそれぞれで、ダイエットやアスリートのトレーニングの行き過ぎだったり、性的虐待や性犯罪の被害だったり、家庭の不和だったりといった理由があるらしいけど、典型例として紹介されてたのが「太っていて支配的な母親と、母みたいになりたくないという心理」というもの。
私の場合はまさにこれ。子供の頃から太ることがすごく怖かった。「食べたらああなる」という恐怖と、いろいろコントロールしたがる母親に対するささやかな反抗として食が細くなっていったのかなーと思う。
痩せ姫さんたちはしばしば痩せていることをアイデンティティにしたり誇りに思ったりするみたいだけど、私が痩せている状態を維持したいと願う気持ちの根底にも「私はあの人とは違う」っていう意識があるのかもしれない。わからんけど\(^o^)/
他にもドキっとする部分が結構あった!
痩せ姫さんには「カワイイ」カルチャーを愛する人が多いとか、ひらひらしたファッションを好む人が多いとか、カロリーに敏感なわりにはアイスクリームをよく食べる人が多いとか……あてはまりすぎて、やっぱり私はなるべくしてこうなっているのかな?と思わざるを得ない( ;∀;)
あとは痩せすぎでも魅力的でいられるのは若いうちだけ、とかね……いやー生きるの厳しいですわ……( ;∀;)
それとは別に、読んでいて胸が痛くなる部分もいろいろあって。
人並み外れて痩せているというだけで迫害される場面っていうのが少なくないんだな、とか。
例えば、食べ放題でたくさん食べたあとにお手洗いで吐いた女の子が店員さんから退店を促される話。お店としては決して間違った対応ではないんだけど、当人からしたらどれだけ惨めで悲しかっただろうと思うといたたまれない気持ちになる。ただでさえ過食嘔吐には罪悪感がつきものだから……(´・ω・`)
あとは、痩せ姫さんたちがSNSに自撮りなんかを載せるとそれだけで批判されるってやつ。
「気持ち悪い」みたいな暴言に始まり、「そんなものを見せるな」とか「あなたのような人が若い女性の痩せ願望をエスカレートさせるんだ」といった謎の正義感をぶつけられたりなんてのはよくある話で。
ただ自分の写真を載せてるだけでなんのモラルや規約にも反してないのにアカウントが止められてしまうなんてひどい話でしょ><
これは男性にもわかってくれる人がいるんじゃないかと思うんだけど、世の中痩せてる人に対しては遠慮がないと思わない?
太ってる人に「あなたは太ってるんだからあんまり食べるなよ」なんて言ったら総叩きにあってもおかしくないのに、痩せてる人には「痩せすぎなんだからいっぱい食べた方がいいよー」みたいなことを普通に言ってきたり。余計なお世話だってのよね><
後半は社会的な見地から見る拒食症について分析されているんだけど、確かになーと思う部分もあり、それはどうかなーという部分もあり。
ただ、作中で引用されている精神科医の言葉、
豊かな社会の街角に、やせた少女の研ぎ澄まされた身体が似合うようになった
という言い回しは、なるほど言い得て妙だなーと思った。最近細身の女の子が多いのは風潮やメディアの煽りといったものもあるだろうけど、もっと大きな括りで「時代に似合っている」というのもあるのかもしれないね。
いろいろと感じるところの多い本だったけど、わかる人にはめちゃくちゃわかる分、わからない人にはまっっったくわからない本だろうなーと思う。わからない方が「正しい」とも思う。個人的にはすごく共感したし、読んでよかった。
とりあえず私もあと2,3キロくらい落としたいなーと思いました。って言いながら今日もあんぱん(隠語ではない)を食べてしまったので、私って本当に健康だなーと思いまーーーす\(^o^)/
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」にシリコンチューブが出てくるあたりが……なお使い方はお察しください( ˘ω˘ )