障害者雇用「言論・報道機関」ワースト20社
|
政令都市のある全国14都道府県の「障害者雇用率の未達成企業」を情報公開請求し、言論・報道機関について集計したところ、障害者雇用の現状を盛んに報道していながら、実は自らは法定雇用率未達成というダブルスタンダードが明らかとなった。彼らに報道する資格はあるのか。なぜ法の趣旨に則り雇用しないのか尋ねると、日経、岩波、新潮は、説明すら拒むという極悪ぶり。社会的弱者に関心がないマスコミの本音が見えてきた。
【Digest】
◇ダブルスタンダードなマスコミに報道する資格なし
◇ワースト1位の毎日新聞は11人不足
◇「定年退職が相次いだため」と苦しい言い訳
◇ワースト2位、日経はコメントすらできない
◇ワースト3位、共同通信「新規採用でほぼ満たしている」
◇ワースト4位読売、5位産経「その後、補充した」
◇全国紙よりマシな地方紙
◇テレビは「DOOR TO DOOR」のTBSなど3社が未達成
◇地方局で悪質なのは北海道放送
◇出版ワースト岩波書店、雇用率0%もノーコメント
◇新潮社も説明せず
◇ダブルスタンダードなマスコミに報道する資格なし
情報公開請求して入手した14都道府県の「障害者雇用率の未達成企業一覧(2008年6月1日時点の数値)」の文書を一通り目を通してみたところ、大手新聞社の名前がチラホラ出てくることに筆者は驚いた。
なぜなら、全国紙や通信社などのマスコミは、障害者雇用の現場や問題点、雇用の未達成率についてしょっちゅう報道しており、どの新聞社も一様に、問題意識を持って報道しているように見受けられたためだ。
つまり、大手の新聞社や通信社は、一方では「障害者の法定雇用率は守るのは企業の社会的責任なので、経営者のみなさん、守りましょう」というスタンスなのに、実は、自分たちも守っていなかったということである。これでは“ダブルスタンダード”で説得力に欠ける。
障害者の法定雇用率がいつまでたっても達成されない現実がまかり通ってしまっているのは、「言行不一致」なマスコミに責任の一端はあるのではないか。その意味で、マスコミが障害者を雇用していないのは、他の業種の場合とは意味合いが全然違う。マスコミの社会的責任は重い。
|
新聞社ワーストランキング
|
|
◇ワースト1位の毎日新聞は11人不足
そこで、全国紙と大手通信社の障害者雇用率の実態を調べてみた。調査対象は、読売新聞東京本社、読売新聞大阪本社、読売新聞西部本社、朝日新聞社、毎日新聞社、日本経済新聞社、産業経済新聞社と、共同通信社、時事通信社の計9社。
調査したところ、なんと9社のうち5社が未達成だった。なかでも最悪なのは毎日新聞社だ。同社の常用者数3,308人。雇用率は1.45%と法定雇用率1.8%にはほど遠い数値で、障害者の雇用不足数はなんと11人に上った。
これで障害者雇用について報道する資格があるのか疑問だ。たとえば、毎日新聞の2007年5月21日付に「障害者の就職。現状はどうなっている。 高まる就労意欲 自立は遠く」という記事がある。
同記事の冒頭には「民間企業の常用従業員に占める障害者の割合は、06年6月1日現在で1.52%。障害者雇用法で義務付けられた1.8%には程遠い」と、しょっぱなから自分のことは棚にあげている。
そして「障害者の就労を前提に福祉サービスの利用者負担を求めた障害者自立支援法が昨年(2006年)4月に施行された。当事者の間では『企業の受け入れ体制はまだ不十分で、自立とは程遠い』という声が根強い。だが、ハローワークの新規求職申込件数をみても、特に知的・精神障害者の増加が著しく、就労意欲は間違いなく高まっている」と分析。要するに、法律も整備されて就労意欲は高まっているのに、当の企業側の姿勢がなっていない、という論調だ。
そして記事の最後は、厚生労働省障害福祉課の担当者の言葉で次のように締めている。「『障害者にとって働きやすい企業は、どの社員にも働きやすいはず』」「支援者や企業にも『障害者が社会に出て働くことで、初めて開花する能力もある。一般就労という選択肢を消して欲しくない』と期待を込める」。
このように障害者の雇用を促す記事を頻繁に掲載しておきながら、実は、自分達は雇用していませんでした、というアリサマなのは、就労意欲を持つ障害者への裏切り行為ではないか。
◇「定年退職が相次いだため」と苦しい言い訳
毎日新聞は、自らは襟を正さず報道していることについて、どのように考えているのだろうか。ひょっとして相応の理由があるのかもしれない。気になる。そこでFAX文書で次の2点を質問した.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
|
テレビ局ワーストランキング |
|
|
新聞・テレビ・出版ワーストランキング |
|
